今月のメッセージ

昨年とはガラリと雰囲気が違う、全国ツアー公演に。

明日海りお 今月のメッセージ
 花組は、3月18日から始まる全国ツアー公演『仮面のロマネスク』『EXCITER!!2017』、そしてキキちゃん(芹香斗亜)主演、3月16日からの赤坂ACTシアター公演『MY HERO』に分れて、上演いたします。

 昨年の全国ツアーでも上演した『仮面のロマネスク』の一番の見どころは、キャストが大幅に変わること。私が演じる青年貴族・ヴァルモンと恋の駆け引きをする、若き未亡人メルトゥイユ侯爵夫人は、新トップ娘役・ゆきちゃん(仙名彩世)が演じます。ゆきちゃんは前回、ヴァルモンが誘惑する貞淑なトゥールベル夫人を濃く作ってくれましたが、とても芝居が上手ですし、本来は侯爵夫人のような駆け引きをする、男性と対等に渡り合う女性の役がしっくりくる人。まだお稽古は始まったばかりですが、舞台で火花を散らすのが、いまから楽しみです。

 ダンスニー役は、れいちゃん(柚香 光)。最近は、少し嫌味な弁護士や冷たい王子など(笑)、個性的な役が多かったので、本来の持ち味のような雰囲気になるのか、はたまた新しい境地に挑戦となるのか、楽しみにしたいです。私が芯にいる公演に2番手として出演するのは初めてですが、重荷に感じず、いい空気のなかで力を発揮して欲しいです。ジェルクール伯爵には渋いお髭が似合うあきら(瀬戸かずや)、アゾランにはマイティ(水美舞斗)なので、任せて安心ですね。トゥールベル夫人は、べーちゃん(桜咲彩花)。べーちゃんの女性らしさと奥ゆかしさにぴったりですし、声や身のこなしなど、これまでに研究してきた引き出しがたくさんあると思うので、期待しています。セシルのみれいちゃん(城妃美伶)も役に合っていて、弾けるような笑顔が目に浮かびます。

 このような新しいメインキャストでの上演になるので、雰囲気もガラッと変わり、私の役作りも変化するのではないかな、と。前回は再演のプレッシャーが大きかったのですが、より自分なりの役にしたいです。そして初めて今作に出演するメンバーが多いので、皆が作品の世界に入ってきやすいように、集中力をもって芝居できたらと思います。

 そして、ショーは『EXCITER!!2017』。花組で、2009年、'10年と2度上演された名作です。両方拝見していて、なかでもゆうさん(真飛 聖)演じる「Mr.YU」の場面がおもしろくて、大好きでした。海外ミュージカルを観ているような雰囲気でワクワクしましたし、盆が回りながらいろいろな登場人物が出てくるコミカルな展開から、バリバリにキマったゆうさんが出ていらっしゃって、華やかな中詰めに変化していく流れが最高でした。この名場面も、私バージョンにリニューアルしてお届けする予定です。まだどうなるかはわかりませんが……ご期待くださいませ(笑)。

 全国ツアー公演ということで、初めて宝塚をご覧いただくお客様もいらっしゃると思いますが、主題歌もかっこよくて覚えやすく、どの場面もおもしろかったり、かっこよかったりと色が濃いので、楽しんでいただけるショーになるのではないかと思います。れいちゃんやあきら、マイティをはじめ、踊りたくてうずうずしている人がたくさんいるので、ショーでも皆頑張ってくれるのではないかな、と。そして、この辺りの学年の人たちは、『EXCITER!!』の初演、再演に下級生で出演していました。DVDを観ると、桜乃彩音さんのずっと後ろのほうでゆきちゃんが踊っていたり、れいちゃんやマイティがロケットをしていたり……。それぞれが「あの場面に出たい!」という思いを抱いていた作品なので、皆出演できることをすごく喜んでいます。私もうれしいのですが、初挑戦ですし、出演していなかったショーを再演するのも初めての経験。気合いを入れて頑張りたいです。

 今回は昨年と同様、梅田芸術劇場に始まり、最終地点は北海道。地元の静岡や神奈川など、昨年行ったところ以外にも、島根や福岡、秋田、青森にもお邪魔します。特に福岡など名物料理がたくさんあるので、皆で徐々に計画を立て始めています(笑)。美味しいものをいただくことでリフレッシュして、より良い公演をお届けできたらと思います。

新たな気持ちで、より可能性を求めていきたい。

明日海りお 今月のメッセージ
 この全国ツアー公演は、新トップ娘役・ゆきちゃんとのお披露目公演でもあります。ゆきちゃんは、普段はゆるゆるとした雰囲気。でも首席入団だけあり、同期をまとめるような頼り甲斐のある人です。周りを良く見ていて、いつも気持ち良く接してくれます。以前ちゃぴ(愛希れいか)から、ちゃぴが音楽学校の予科生のとき、本科生だったゆきちゃんに「お掃除や礼儀も大事だけど、まずは芸事、授業を頑張ったほうがいい」と教えられたというエピソードを聞きました。そのころからいままで、人にはすごく優しいのですが、自分の舞台に関してはストイックで、前向きに取り組んでいます。
 しっかりしているのでつい安心感を抱いてしまうのですが、ゆきちゃんにとっては主演でのポスター撮影、スポットを浴び続けることなど、すべてが初めてのこと。私や周囲に気を使わせないように明るく元気に頑張ってくれていますが、そのことを忘れずにやっていきたいです。

『新源氏物語』では源氏と朧月夜として、『ME AND MY GIRL』ではビルとマリア叔母さんとして、先日までの『金色の砂漠』では母と子として演じてきましたが、良い舞台にしたいという思いが強い人なので、セッションし甲斐があり、パワーになりました。トップコンビとして組んだとき、ゆきちゃんがどう輝くのか、それを私がどう生かせるのか、2人がどのように変化していけるのか、私自身も楽しみです。いろいろな可能性が広がっていると思うと、明るい気持ちになります。お客様にもまた新しいものをお届けできるのではないかなと思っています。

 コンビというのは、らんちゃん(蘭乃はな)やかのちゃん(花乃まりあ)ともそうであったように、今日明日に結果が出るものではありません。1公演、1日、作品ごとの積み重ねによってどんな風にもなっていけると思うので、絆や信頼関係をきちんと築いていき、より良い舞台を生み出せる組であるためには、私たちがどのようにいたらいいのか、それを探っていきたいです。せっかくの巡り合わせなので、私も自分のやり方だけでなく柔軟に、ゆきちゃんのいいところも吸収したい。2017年はまた新たな気持ちで、より可能性を求めて、突き詰めるところは深く突き詰め、さらにやわらかく幅も広げていきたいです。

※このメッセージは、2/15(水)に届いたものです。