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春野寿美礼コーナー
今月のメッセージ
春野寿美礼からのメッセージです。本人から届いた近況報告を写真入りでご紹介します。定期的に更新していきます。(2007.12.10)
春野寿美礼
だんだん素直な自分を出せるように。

 今回がついに、このホームページ最後のメッセージとなります。ということで、これまでの舞台のことなどを振り返ってみようと思います。

 その前にまず、先日行われた大劇場公演千秋楽のお話を少し。サヨナラショーでは、いろいろな曲を歌わせていただきました。過去の公演の歌だったのですが、そのころのことを思い出すというよりは、いま現在の気持ちを歌にぶつけたような感じでした。やはり、少し緊張しましたね。自分のサヨナラショーは経験がなかったもので(笑)。その後のパレードでは、ファンの皆さんの温かい気持ちが“密集”していて、間近でその愛情を感じられ、とにかく幸せでした。皆さんの愛情がアーチになっていて、そこをくぐっていくという感じで。幸せでしたし、安心感がありましたし、うれしいし……と、とにかくそういう言葉を全部集めたという感じの、何とも表現できないような気持ちでした。皆様、本当にありがとうございました。

 それでは、下級生時代のお話に移ろうと思います。
  まずひとつ変わるきっかけになったのは、'94年『ブラック・ジャック 危険な賭け』新人公演で通行人の役を演じたとき。当初はその役を段取りで考えていたのですが、それを上級生にご指摘いただき、もっと真剣に向き合わないといけないと気付かされましたね。そのときから、舞台に対する根本的な意識は変わっていないように思います。

 主演男役に就任させていただく前には、休演した匠ひびきさんの代役として、'02年『琥珀色の雨にぬれて』東京公演で主役のクロードを演じさせていただいたこともありました。あくまで代役として努めないといけないですし、主役をやっているからといって主演ではないということを強く意識して臨んでいました。振り返ってみると葛藤もありましたし、自分にも厳しかったですね。そういう過去があったからこそ、いまの私があるのかな、と。とはいっても、私はもともと能天気というか、あっけらかんとしたタイプ(笑)。責任感が強く完璧を目指すのですが、ある程度までいくと「まあいっか」という感じになっちゃう(笑)。下級生時代のことにしても、自分では楽しいことばかりを思い出しますね。

 '02年に主演男役に就かせていただいて、『エリザベート』で大劇場お披露目公演をさせていただきました。お披露目公演ですし、しかも大作だったので必要以上に気を張っていましたね。いま思うとその後も、毎日ある一定の基準までもっていくことに一生懸命でした。どんなにしんどくても、ある程度のレベルまではもっていこう、きっちりやらなければと思っていたんでしょうね。それが、'04年『La Esperanza』から少しずつ変わってきました。正塚先生の演出もそうでしたし、作品のメッセージも日常にあるようなことだったので。自分の感性を生かすという感覚に触れました。

春野寿美礼 その感覚が具体的に表れて、大きく変わったのが、コンサート『I GOT MUSIC』。皆さんが思いもよらないところでたくさん笑ってくださったのが、すごく快感で(笑)、うれしかったんです。ありのままの自分でいることによって、お客様が楽しんでくれるんだ、と。それ以来だんだん素直に自分を出せるようになってきたんです。仲間のみんなも、素の自分でいようと心がけているのを悟ってくれて、MCでも普段皆さんに披露することがない裏話などを持ち出してきたりして(笑)。それでますます、私も気取る必要がなくなって、素直な自分になっていって……。自分を出せるようになったら、すごく自由になりました。
  それで、人を幸せにする、夢をお見せするというのは、こういう風でなければだめなんだと気付いたんです。それからは、“私だったらこうする”という自分の感覚で役を作っていき、素直な感性を出せるようになりましたね。舞台はその時々の状態で出てくるものが違うので、心身ともにいつも気持ちよく舞台の上に立てるような状態でいることを、心掛けていました。

みんなの力があって、ここまでやってこられた。

 歌に対してもコンサート以降、変わりました。それまでは、必要以上に自分で理想を作ったり、感じているものでないものを作りあげてしまっていた気がします。それに毎回近づこうとして、違和感をどこか感じているんだけど“歌わなければ”というような状態のときもあったのかなと思います。
  もともと歌が好きだったのですが、音楽学校に入学して周りの人の影響を受けて、素直に歌うということを忘れてしまったこともありました。成績も悪かったんですよ(笑)。その後、歌の役などをいただくようになって、ある程度自信を取り戻した部分もあります。当時花組にはシンガーと言われる人があまりいなかったので、そこでひょっこりと私が出てこられた。春野寿美礼さん、まあまあいいかなと(笑)。だからラッキーなことに、歌が回ってきた。それでもまだ、「歌手」と言われることを自分でも納得できていなかったですね。コンサート前はまだ、心から気持ちよくは歌えていなかったのかもしれません。

 歌のどういうところが好きなのか、自分でもよくわからないんです(笑)。ただ音楽は、昔から好きでした。吹奏楽部で、各セクションごとの音を聞き分けるのも好きでしたし、それが合わさったときに、こういう音楽になるんだと感じるのが楽しかった。いまでもそういう感覚があって、ひとつひとつの音を聞き取るのが快感ですね。
 歌を歌うときに気をつけていることは、「歌を歌わないようにする」ということ。歌を歌ってしまうと、ただの曲になってしまうので、気持ちが前面に出るように意識しています。そうするために、何回も何回も歌って自分のものにして、かみ砕いて、メッセージとしてお伝えしようと思って、歌ってきました。

 宝塚生活は、なんと17年にもなるんですね。早いですよね。5年間、主演男役をやらせていただきましたけど、「やってきたっけ?」というくらいの早さ(笑)。
 大劇場公演千秋楽の挨拶でも言いましたが、夢を叶えるために辛い思いも、大変なこともたくさんありました。でも、主演の立場は大変でしょ?と言われることが多いのですが、好きでやっていますし、私が真ん中に立つために、スタッフさんも組のみんなも、そして大勢のファンの方々も支えてくれている。私はいまでも、自分1人じゃ何もできない。甘えん坊なので(笑)。だから、みんなの力があって、やってこられたんだと思います。
 あと自分自身のことで言えば、根本にあった「宝塚を初めて観たときの感動をお伝えしたい」という思いでしょうか。その思いが強かったからこそ、諦めないでやってこられたんだと思います。宝塚という大きな大きな存在に包まれて、ここまで来たんだなと感じますね。

 さて、いま花組は東京公演まっただ中。東京公演はまた新たな作品として臨んでいます。もっともっとボルテージを上げていき、感謝の気持ちを込め、これ以上の幸せがないと思える千秋楽を迎えられたらと思いますので、皆さん最後までどうぞよろしくお願いいたします!

このホームページで、みんなとより相思相愛に(笑)。

 三井住友VISAカードおよびVJAグループのイメージキャラクターを'01年から6年にわたり、務めさせていただきました。CM撮影、ポスターやカレンダー撮影にしても宝塚の舞台とは全然違うもので、私にとっては常に挑戦だったのですが、いい経験をさせていただきましたし、すごく光栄でした。
  それにファンの皆様は、結構このホームページをチェックしてくださっていたみたいで、更新するとすぐにお手紙をいただいたりして。その時々のマイブームなど、楽しみにしていただけていたのではないかなと思っています。更新されるころには、自分のなかでブームが終わっているものもありましたが(笑)。

春野寿美礼 写真集の話なども、ここでしかお話していないんですよ。どういう内容のものを撮りたかったかとか、それはみんなにどうしても伝えたかったのでありがたいなと思います。反響もすごかったです(笑)。ほかにも、いまの自分の気持ちなどを伝えることができて、ファンの方々とはそれまでも相思相愛だったのですが(笑)、このホームページを通してさらに絆を深められたと思うので、すごく良かったな、と。これが最後かと思うと寂しい思いもありますが、いままで応援していただき、細かく読んで私の気持ちをわかろうとしてくださって、本当にうれしかったです。
  このホームページをご覧いただいた皆様、これまで本当にありがとうございました。

春野寿美礼
※このメッセージは、11/23(金)に届いたものです。

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