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キャッシュレス決済の基礎知識・最新情報をお届けします。

キャッシュレスとは?知っておきたいキャッシュレス決済の基礎知識

キャッシュレスとは?知っておきたいキャッシュレス決済の基礎知識

キャッシュレスを個人で活用する

キャッシュレスとは、クレジットカードや電子マネー、口座振替を利用して、紙幣・硬貨といった現金を使わずに支払い・受け取りを行う決済方法のことです。
個人の消費者が、どのシーンでどれくらい使い、どのようなメリットを享受するのか、そして本当にキャッシュレスは浸透しているのか。アンケート調査をもとに、各キャッシュレス決済が、私たちにどのような変化をもたらしているのか確認していきましょう。

もくじ

キャッシュレスとは現金以外の方法で支払うこと

キャッシュレスといっても、クレジットカード、交通系ICカード、流通系ICカード、タッチ型決済、QRコード決済というように、決済手段は多岐にわたります。

海外では、近距離無線通信規格の「NFC」を搭載したクレジットカードが広まっており、決済端末にかざすだけで支払いが完了するタッチ決済が主流となってきています。

キャッシュレスは、端的に言えば「お金を支払うときに現金以外の方法を使う」こと。クレジットカードで代金を支払う、交通系ICカードで電車に乗る、さらには税金や各種保険代を銀行口座からの引き落としにしている場合もキャッシュレスによる決済になります。私たちの生活には、以前からキャッシュレスによる決済方法が存在し、身近なところで活用されていることが分かります。

2018年4月、経済産業省は2025年までに紙幣・硬貨を使用しないキャッシュレス決済を40%まで引き上げる「キャッシュレス・ビジョン」を策定しました。また、訪日外国人旅行客(インバウンド)対策として、2020年に開催される世界的スポーツの祭典開催時までに、外国人が訪れる主要な施設・観光スポットにおいて100%のクレジットカード決済対応を目指すことも公表しています。

キャッシュレスは3種類に分けられる

キャッシュレスのしくみは、いたってシンプルです。まず、支払いが発生するタイミングで、キャッシュレスは「前払い」「即時払い」「後払い」の3種類に分けられます。

前払いとは、いわゆるプリペイド方式のこと。Suicaやnanacoのように、あらかじめ金額をチャージする電子マネーが代表格です。即時払いは、デビットカードのように支払いと同時に銀行口座から代金が引き落とされるもの。後払いは、クレジットカードのように後日請求される支払い方法です。

キャッシュレス支払いの方法 イメージ

支払いは、基本的にカードやスマートフォンに記録された情報を、専用端末で読み取ることで決済が完了します。読み取りに関しては、カードをカードリーダーなどで直接読み込む「接触型」、端末に直接ふれなくてもカードやスマートフォンを近づけるだけで近距離無線によって読み取る「非接触型」の、どちらかの手段に分かれます。

また、より利便性の高いキャッシュレスを普及させるべく、LINE Pay、楽天ペイ、Origami、PayPay(ペイペイ)、メルペイに代表される「コード読み取り型」の存在感も増しています。コード読み取り型は、店頭に置かれたQRコードをスマートフォンの専用アプリで読み取ったり、あるいはスマートフォンの専用アプリでQRコードやバーコードを表示させて店舗のPOS端末で読み取ったりする方式です。これらも各サービスによって前払い、即時払い、後払いに分かれます。

定番のクレジットカード、台頭するQRコード決済

現在のキャッシュレス決済事情は、どのようになっているのでしょうか。「キャッシュレス決済に関する調査」のアンケート結果(2019年4月、株式会社マクロミル調べ、全国の20~69歳の男女1,000人を対象)から、キャッシュレス決済事情について確認していきましょう。

「普段の支払い方法」からは、現在も現金を使用する人が97.3%と圧倒的に多いことが分かります。その後には、クレジットカード(75.1%)、銀行振り込み・引き落とし(37.8%)、交通系ICカード(36.7%)、流通系ICカード(34.3%)といった、キャッシュレス決済が続いています。

注目したいのは、スマートフォンによる支払いを行う人が19.4%いること。クレジットカードや交通系ICカード、流通系ICカードなどと紐付ける「タッチ型決済」と「QRコード決済」が、短期間で台頭していることを示唆しています。

■普段の支払い方法

普段の支払い方法 イメージ
  • クレジットカード、ICカードは、スマートフォンでの支払いを除く

キャッシュレスが普及することによるメリットとは?

キャッシュレス決済を利用する理由には、どのようなものがあるのでしょうか。クレジットカード、タッチ型決済、QRコード決済についてのアンケート結果を見ると、「ポイントが貯まる・使えるから」「支払いがスピーディーだから」「支払いが楽だから」という、3つの理由が多くなっています。この3つは、キャッシュレス決済のメリットを端的に表しているといえるでしょう。

■クレジットカードを利用する理由

クレジットカードを利用する理由 イメージ

■タッチ決済を利用する理由

タッチ決済を利用する理由 イメージ

■QRコード決済を利用する理由

QRコード決済を利用する理由 イメージ

キャッシュレスが今以上に普及していくと、「減る」「増える」「変わる」といったさまざまな変化が起こります。

キャッシュレス化で一番分かりやすい変化は、無駄が「減る」ことでしょう。現金を管理することがなくなりますので、銀行やコンビニエンスストアのATMに立ち寄って、現金を下ろす手間も、場合により発生するATM手数料もなくなります。飲食店などで会計するときも、ごく短時間での支払いが可能になり、財布の中の小銭を探ったり、お釣りを受け取ったりという手間がなくなります。

キャッシュレスで効率化されることで、使える時間が「増える」ことになり、新たな時間の使い方やコミュニケーションが生まれていくことでしょう。

また、キャッシュレス化によって「変わる」のは、現金信仰です。現金信仰とは、現金を使用するほうが便利だと考えること。そのような考えを持った方に、キャッシュレスによって利便性を感じてもらうことで、主役だった現金からの脱却が起こり、これまでの先入観や常識が変化していくでしょう。

■キャッシュレス社会によってもたらされるもの/こと

キャッシュレス社会によってもたらされるもの/こと イメージ

スマホ決済を敬遠する理由

キャッシュレス決済に利便性を感じる人がいる一方で、やはりキャッシュレスに抵抗を覚える人も一定数います。とりわけ、スマートフォンを使ったキャッシュレス決済に関しては、いまだにハードルが高いと感じてしまう人も多いようです。「スマートフォンで支払いをしない理由」のアンケート回答では「現在の支払い方法で満足しているから」が37.6%ですが、「スマートフォンを紛失したときに悪用されるのが怖いから」が29.5%、「利用するための準備が面倒だから」が23.9%となっています。

しかし、スマートフォンを紛失したとしても、近年発売されているスマートフォンのほとんどは生体認証に対応しています。所持者本人の指紋認証、顔認証と合致しなければ、認証ロック画面から先に進めない、または決済時に弾かれてしまうため、第三者による支払いは極めて難しいといえるでしょう。ただし、電子マネーや決済アプリは、回線が止まっても利用できるケースが多いため、クレジットカードと紐付けているのであれば、カード会社に連絡をして利用停止の手続きをするなどの対応は必要です。
また、利用するための準備としては、必要情報の入力など一部手間がかかることはありますが、一度入れてしまえばキャッシュレス決済のシンプルでスピーディーな決済を体験できることになります。

■スマートフォンで支払いをしない理由

スマートフォンで支払いをしない理由 イメージ

使われやすい交通系&流通系ICカード

「キャッシュレスの利用頻度」を見ると、約半数の人が週に1度以上は何かしらのキャッシュレス決済を行っていることが分かります。コンビニやスーパーなどで比較的使われやすい流通系ICカードの利用頻度が、最も高くなっています。
また、QRコード決済の利用頻度は、利用者が交通系ICカード、流通系ICカードの3分の1ほどではあるものの、2人に1人は週1回以上使用していることが分かります。

■キャッシュレスの利用頻度

キャッシュレスの利用頻度 イメージ
  • 5%未満のラベルは非表示
  • クレジットカード、ICカードは、スマートフォンでの支払いを除く

■キャッシュレスの利用開始時期

キャッシュレスの利用開始時期 イメージ
  • 5%未満のラベルは非表示
  • クレジットカード、ICカードは、スマートフォンでの支払いを除く

少額決済に現金を使う人は激減している

現金、クレジットカード、交通系ICカード、流通系ICカード、タッチ型決済、QRコード決済における「支払方法を選ぶ際の金額」を示したアンケート結果を見ていきましょう。

5,000円を超える決済になるとクレジットカードがよく使われていることが分かる一方、1,000円未満の少額決済では、現金、交通系ICカード、流通系ICカード、スマートフォンを利用したタッチ型決済とQRコード決済の利用頻度が高いことが分かります。流通系ICカードのみ、1,000~5,000円未満での利用率が比較的高くなっています。

1,000円未満の決済に関しては現金で支払う人が6割を切る(56.6%)というアンケート結果から、日常的に現金を使っている人であっても、少額決済時に何かしらのキャッシュレス決済を利用している人が多いことが分かります。キャッシュレス社会が浸透しつつあるといえるでしょう。

■現金払いを選ぶ際の金額

現金払いを選ぶ際の金額 イメージ

■クレジットカード払いを選ぶ際の金額

クレジットカード払いを選ぶ際の金額 イメージ

■交通系ICカード払いを選ぶ際の金額

交通系ICカード払いを選ぶ際の金額 イメージ

■流通系ICカード払いを選ぶ際の金額

流通系ICカード払いを選ぶ際の金額 イメージ

■タッチ型決済を選ぶ際の金額

タッチ型決済を選ぶ際の金額 イメージ

■QRコード決済を選ぶ際の金額

タッチ型決済を選ぶ際の金額 イメージ

キャッシュレス決済の未来とは?キャッシュレス推進協議会 福田好郎氏に聞く

産官学と連携し、消費者や事業者向けにキャッシュレス決済を紹介、啓発する活動を行っている一般社団法人キャッシュレス推進協議会。「キャッシュレス決済に関する調査」のアンケート結果(2019年4月、株式会社マクロミル調べ)を踏まえ、同協議会事務局長である福田好郎氏に、キャッシュレスを導入するメリットや、これからの展望について伺いました。

キャッシュレス化によって生まれる新しいライフスタイル

キャッシュレス決済は、ポイントが貯まるといった「利得性」と、支払いを素早く終えることができる、財布を持ち歩かずに済むといった「利便性」の、双方を備えています。
アンケート結果からも、消費者からの関心がうかがえます。キャッシュレスと聞くと、「現金の代わり」というイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、決してそうではありません。現金ではできないことが、キャッシュレス決済で可能となります。言うなれば、「キャッシュレス化によって、新しいライフスタイルを手に入れる」ということです。

例えば、スマートフォンを介した、非接触型決済を生活に取り入れてみるとします。すると、小銭を持ち歩く必要はなくなり、会計の度にお金を取り出すといった時間も短縮できます。高齢者の中には、「クレジットカードの暗証番号を間違えるのが恥ずかしい」「番号を忘れてしまう」といったことを危惧して現金を利用する方も少なくないのですが、交通系ICカードやスマートフォンに紐付けた非接触型決済であれば、そういった不安を解消してくれます。

また、非都市部では、現金を下ろすだけのために地元の銀行のATMまで車を走らせる方も少なくありません。しかし、キャッシュレス決済だと、そういった時間や労力を削減することもできます。セキュリティ面を心配する方もいるかもしれませんが、生体認証によって決済を行うスマートフォンが主流になりつつあるため、セキュリティ対策も向上しています。

キャッシュレス決済が生活のさまざまなシーンと連動していく

キャッシュレスなら決済の度に、支出のデータが電子記録として残るため、意図せずとも家計簿のように出費額を把握することができます。レコードダイエットではないですが、記録されることでお金の管理の上達にもつながります。
このように、現金主体の生活とキャッシュレス主体の生活では、大きくライフスタイルが変わってきます。決済のシーンが、単に現金からキャッシュレスに変わるだけではなく、生活のさまざまなシーンと連動していくのです。

一方で、アンケート結果「スマートフォンで支払いをしない理由」を見ると、「利用するための準備が面倒だから」という回答が23.9%と、3番目に多くなっています。このことから、サービスを利用するまでの手間に対して、二の足を踏む方もいることがうかがえます。特に、本人確認に関しては、各サービスでセキュリティ面を含めて差異が生じているため、ユーザー心理に負担をかけていることは否めません。

現在、キャッシュレス推進協議会では、本人確認を一本化するための機関の設立なども視野に入れて議論を進めています。より多くの方が使いやすいように、産官学一丸となって、キャッシュレスの普及に努めていければと考えています。

また、1,000円未満であれば交通系ICカードを、スーパーであれば流通系ICカードを、高額決済であればクレジットカードをという具合に、決済シーンに応じてキャッシュレスの方法が変わることも、アンケート結果から見てとれます。
この数年で、キャッシュレス決済に対する関心が高まっていますから、さらにキャッシュレス決済をライフスタイルに取り入れていく方が増えていくことでしょう。

  • QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
福田好郎 イメージ

一般社団法人キャッシュレス推進協議会・事務局長
福田 好郎(ふくだ・よしお)

2000年慶應義塾大学法学部政治学科卒業。2000年に野村総合研究所に入社。2007年NTTデータ経営研究所に入社。決済領域などのコンサルタントを担当。専門は、資本市場動向、証券決済、金融サービス分野におけるITマネジメント。2018年7月、キャッシュレス推進協議会事務局長(常務理事)に就任。

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