活用術
免税手続き電子化とは? マニュアルやおすすめシステム・アプリを紹介
2021年10月から免税手続きが電子化に完全移行したことによって、免税商品を取り扱っていた各店舗は電子化に向けた取り組みを義務付けられるようになりました。
この記事では、どのように免税手続きを進めるべきか、どのシステム・アプリを使うべきかなどに迷っている方に対して、免税電子化の概要やシステム・アプリの選び方などについて解説します。ぜひスムーズに店舗運営を進める参考としてください。
目次
免税手続きの電子化とは?
免税手続きの電子化とは、書面による購入記録票作成などの手続きが廃止され、インターネット上から情報を国税庁に提供する制度です。まずは、現行制度の概要と対象店舗について解説します。
旧制度の概要
2020年4月以前は、免税対象製品を購入する人は、「購入者誓約書」を提出しパスポートに「購入記録票」の貼付と割印を受けることが義務付けられていました。また、店舗は「購入者誓約書」の保管が必須だったのです。
購入誓約書とは免税条件(「日本で消費しない」「購入後30日以内に日本から輸出する」など)の順守を購入者に誓約させる文書です。誓約書は免税店で7年間保管する義務があります。紙運用のため、免税店側ではサイン漏れや帳票渡し間違え、保管のためのスペースが必要になるなど、コスト面や作業負荷などの課題がありました。
しかし、免税手続きの電子化によって購入記録票と購入者誓約書の作成は必要なくなり、インターネットを通して国税庁に書類を送ることで手続きが完結するようになりました。2020年4月から運用が開始されていましたが、2021年10月からは電子化が完全に義務化されています。
対象となる店舗
対象となる店舗は、免税店としての許可を受けた店舗すべてです。具体的には、外国人旅行者などに対して特定の物品を販売する店舗一般を指します。
免税手続き電子化によるメリット
これまでに店舗側・消費者側の双方にとって負担となっていた免税手続きが電子化に移行したことで、大幅に改善されました。ここからは、店舗と消費者側それぞれのメリットを解説します。
店舗側
店舗側のメリットとしては、購入記録票に割印を押す手間が省ける点、購入者誓約書の保管が不要になる点などが挙げられます。消費者が店舗を使いやすくなり、売上がより伸びていくことが予想されます。
また、アプリやシステムで購入記録を送信できるため、書類による管理が一切不要となっている点も運営上大きなメリットです。
消費者側
消費者側のメリットは、免税店を利用しやすくなる点です。電子化に移行する前は買物の度にレシートなど書類の保管が必要であり、その点にわずらわしさを感じる人も多くいました。
しかし面前手続きが電子化されたことにより、購入記録票をパスポートに挟む手間や手続きに時間を取られ短い時間での買物が楽しめないといった点が解消されています。
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対象 | メリット | 変わる点 | 変わらない点 | 必要なもの |
---|---|---|---|---|
免税店 | 業務効率改善 売上拡大 |
免税書類の作成が不要 購入記録票への割印が不要 購入誓約書の保管が不要 |
免税ルールの説明 免税資格の確認 消耗品の梱包 |
免税電子化システム |
消費者 | スムーズな買物の実現 | 誓約書へのサインが不要 | パスポートの提示 | 特になし |
【免税店向け】免税手続きマニュアル
ここからは、実際に店舗が消費者に対して免税手続きを行う際の流れを下記4ステップから解説していきます。
- ・STEP1:免税の可否を確認
- ・STEP2:免税について説明
- ・STEP3:パスポート確認・購入記録情報の提出
- ・STEP4:包装・商品の引き渡し
STEP1:免税の可否を確認
商品の会計手続きおよび免税手続きを行う際に最初にすべき事柄は、消費者が免税を希望するか否かの確認です。希望する場合には消費税免税販売となり、希望しない場合には通常とおり消費税が課税されます。
消費者から免税の希望が出された後には、当該商品が免税対象商品かどうか、消費者が非居住者かどうか、金額条件を満たしているかの3点を確認しましょう。この3点をクリアして初めて、免税手続きが進んでいきます。
STEP2:免税について説明
条件をクリアした後には、消費者に対して免税について下記3点の説明をしなければいけません。
- ・免税で購入した商品は国外へ輸出するため購入されること
- ・出国時に出港地を所轄する税関長にパスポートを提示すること
- ・出国時に免税で購入した商品を所持していない場合は、免税された消費税額相当の額が徴収されること
口頭での説明が難しい場合には、その旨を記した書類を渡す方法も認められています。
STEP3:パスポート確認・購入記録情報の提出
免税についての説明を終えた後には、消費者のパスポート確認を行いましょう。氏名や国籍、パスポート番号、上陸年月日、在留資格などの確認が必要です。間違いがなければ、その内容に従って免税システムに購入記録情報を入力し、国税庁に送信します。
STEP4:包装・商品の引き渡し
最後に、商品を包装して消費者に引き渡します。包装の際には、出国までに破損しないよう十分な強度を担保すること、包装の中の内容物・数が確認できるようにすることなど、指定の方法に準拠しましょう。
免税電子化システム・アプリを選ぶ際のポイント
免税手続き電子化に対応したシステムやアプリはさまざまなものがリリースされています。スムーズに消費者に対応し、国税庁にデータを送るためにも、自社の状況に合ったシステムやアプリを選びましょう。
ここからは、免税電子化システム・アプリを選ぶ際のポイントを3点解説します。
自店舗に必要なサービスの有無
免税電子化システム・アプリを選ぶポイントの一つは、自店舗に必要な性能・機能・サービスが備わっているかです。旅券・上陸許可・非居住者証明などの各種書類を正確かつ自動で読み取れるか、データセキュリティやシステム障害対策は十分か、必要に応じPOSレジ連携などの機能拡張性があるかなど、一つひとつを確認しましょう。導入してから「実際に運用してみたら性能や機能が不十分だった」とならないよう注意が必要です。
適正コスト
イニシャルコストやランニングコストが適正かどうかもシステム・アプリを選ぶ重要なポイントです。それぞれのサービスによって月々のコストは異なるため、どれだけの費用をシステムに割けるのかを事前にはっきりと決めておきましょう。ただし、コストばかりにこだわっても、正確かつ十分な性能や機能が整っているシステムを選定しないと、結果的に想定外のコスト(免税手続の税務署による否認や免税処理工数の増大)が発生する可能性があります。
サポート体制の質
24時間トラブルに対応してくれるか、セキュリティ性は担保されているか、アフターフォローは十分かといったサポート体制についても事前に確認しましょう。不具合やトラブルはいつ発生するかわからないため、いつでも柔軟に対応してくれるサービスを選ぶと負担が軽減されます。
免税電子化に対応できるおすすめシステム・アプリ
ここからは、免税電子化に対応したおすすめのシステム・アプリを3つ紹介します。それぞれの特徴をつかみ、自社に取り入れる参考としてください。
SmartDetax(スマートデタックス)
SmartDetaxは、アプリでのサービス展開であるため、パソコンやパスポートリーダーを別途用意する必要がありません。専用タブレットやスマートフォンにアプリを入れ、カメラでパスポートを読み込むだけで、最短10秒で手続きが終了します。先ほどの免税手続きの流れSTEP1~STEP3すべてがシステムで自動化されているため、少ない人員でスムーズに業務を進めたい店舗に向いているサービスです。また、PCレジへDLL組込やデータ連携も可能。費用は、初期費用なし、月額費用も無料・定額・従量などさまざまなプランから選択できます。
PIE VAT(パイ・ヴィエイティー)
PIE VAT(パイ・ヴィエイティー)は完全無料で「stera terminal」上に導入できるデジタル免税販売アプリです。初期費用・月額費用ともにかかりません。新規設備も一切不要です。また、お店で免税データを作成する必要もなく、店舗は通常のレジ処理を行い、取引コードを発行するだけなので最短5秒でお手続きが可能です。お店側の事務負担を最小限にし、お客さまもお待たせしない画期的なシステムです。どなたでも簡単に免税販売を開始できます。
GLOBAL TAX FREE
GLOBAL TAX FREEは、世界規模で認知されているグローバル企業です。弊社のロゴを店頭に貼ることで、外国人のお客さまには免税販売がアピールでき、送客効果が期待できます。レジの入れ替えも不要で、対応端末さえあれば初期費用ゼロで免税システムの導入が可能です。免税アプリ単独の場合は、1分前後で免税処理ができる使いやすいシステムであり、POSレジとの連携開発を行えば(※)最短10秒での免税処理も可能です。また、外国人のお客さまはアプリのダウンロードが不要です。店舗側では説明などが不要のため、オペレーションの効率化が実現します。免税システム利用料金を抑えつつ、世界基準の免税システムをご利用いただけます。
- POSレジ側は開発費用が発生します。
免税電子化システム・アプリを導入するなら「stera terminal」
新型コロナウイルスが落ち着いた後には、海外から日本に来る観光客も増えてくるでしょう。そのためのインバウンド対策を今のうちにしておく取り組みが重要です。
免税電子化システム・アプリを導入する際におすすめの基幹システムは、オールインワン決済端末「stera terminal」です。stera terminalなら免税電子化と30種類の決済手段対応によるインバウンド対策が同時に可能です。
ここからは、stera terminalの特長を3点紹介します。
さまざまな免税電子化システム・アプリを導入可能
stera terminalは、SmartDetaxやGLOBAL TAX FREE、PIE VATをはじめとした各種免税電子化システム・アプリに対応しています。stera terminalを通して免税電子化システムを使うことによって、よりスムーズに免税手続きを行えるでしょう。
一台でさまざまなキャッシュレス決済に対応可能
stera terminalは各種免税システムに対応しているだけでなく、カード決済や電子マネー決済、コード決済など30種類以上の決済に対応しています。キャッシュレス決済が浸透しつつある現代ですが、さまざまな決済手段に対応するために多くの機器を導入する必要は一切ありません。stera terminalさえあればほかの端末は不要となるため、レジ回りもすっきりと整えられます。
端末上で利用できるアプリの追加でより便利に
stera terminalは、必要に応じてアプリをダウンロードすることで機能を次々に追加可能です。免税処理を行うための専用アプリはもちろん、ギフトアプリやポイントアプリ、タブレットやスマートフォンをPOSレジとして使うためのPOSアプリなど数多くのアプリがそろっています。オペレーションをスムーズに進めるためにも、それぞれのアプリを使い分けましょう。
- 2021年10月から免税手続きは電子化に完全移行
- ・免税店としての許可を受けた店舗すべてが対象
- ・店舗側は購入記録票の作成、購入者誓約書の保管が不要に
- ・消費者側はスムーズに買物ができるように
今回の記事のまとめ
免税手続きの流れ
- ・STEP1:免税の可否を確認
- ・STEP2:免税について説明
- ・STEP3:パスポート確認・購入記録情報の提出
- ・STEP4:包装・商品の引き渡し
免税電子化システム・アプリを選ぶ際のポイント
- ・店舗に必要なサービスの有無を確認
- ・コストが適正かどうかを確認
- ・サポート体制の質を確認
免税電子化に対応できるおすすめシステム・アプリ
- ・SmartDetax
- ・GLOBAL TAX FREE
- ・PIE VAT
免税電子化システム・アプリを導入するなら「stera terminal」
- ・さまざまな免税電子化システム・アプリを導入可能
- ・一台でさまざまなキャッシュレス決済に対応可能
- ・端末上で利用できるアプリの追加でより便利に
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