LIFE
フリマアプリは初心者でも安全に使える?うまく売るためのコツも解説
ネットオークション・フリマアプリアドバイザー
監修:川崎 さちえ
フリマアプリ・ネットオークションのアドバイザー。All Aboutにて、ガイドも務める。
メディア出演多数、コラムなども執筆している。著書「できるポケット メルカリ+メルペイで月5万円 無理なく稼ぐ本」
近年注目されているフリマアプリ。スマートフォンひとつで誰でも簡単に中古品を売買できるため、多くの人に利用されています。しかしフリマアプリ初心者にとって、見知らぬ人との取引やアプリの使い勝手など、不安に感じる人もいるのではないでしょうか。
そこで今回、フリマアプリの使い方や売り方のコツを、ネットオークション・フリマアプリのアドバイザーである川崎さちえさんに伺いました。
- INDEX
フリマアプリとは?
フリマアプリは「フリーマーケット・アプリ」の略称で、オンライン上に青空フリーマーケットのような個人間で売買する場を提供するアプリを指します。中古商品の取引がメインで、価格は低く抑えられているケースが多く、購入者は安く購入でき、出品者は不要なものを捨てずに譲渡できます。
実店舗では見つかりにくいレアなコレクションや、使用期間が短いベビーグッズ、家具など幅広い品揃えで、ウインドウショッピングのようにただ眺めているだけでも楽しいものです。
しかし、ショッピングサイトやネットオークションとはどのように違うのでしょうか。フリマアプリの特徴を解説します。
フリマアプリの特徴
フリマアプリには以下のような特徴があります。
フリマアプリは一般的に年齢制限を設けていないため、幅広い年代の人が利用しています。個人による中古品の売買がメインですが、実店舗やホームページを構えずに商品を販売できるため、中には個人作家によるハンドメイド作品、農家や商店が商品を直接販売していることもあります。
販売価格は出品したユーザーが値決めします。ときには値引き交渉が行われますが、ネットオークションのように購入希望者によって売価が上がっていくことはありません。また、フリマアプリの運営会社が決済代行を行っている場合が多いため、ユーザー同士で直接金銭のやりとりをする必要はありません。
ショッピングサイトと大きく違う点は、消費税の有無です。フリマアプリでの売買は、基本的に譲渡対象が生活用品で、非営利目的なので消費税がかかりません(非課税)。一部、資産として捉えられる貴金属や骨とう品などを出品して売れた場合は、課税対象である譲渡所得に該当するため、確定申告が必要になります。またハンドメイド商品の販売で得た利益も、同じく課税対象の事業所得ないし雑所得とみなされる可能性があるため、税務署や税理士に確認しましょう。
フリマアプリは安全なの?
手軽に利用でき、メリットが多く感じられるフリマアプリですが、商品の発送には住所と氏名の開示が不可欠で、個人情報の流出や悪用の危険性がないとは言い切れません。そこでユーザーが安全に利用できるように、フリマアプリにはユーザーを守るさまざまなサービスやサポートが用意されています。
決済代行サービスで安心取引
フリマアプリの多くは決済代行サービスがあり、ユーザー同士が直接金銭のやりとりをしないシステムとなっています。一般的には、購入者がフリマアプリの運営会社に仮払いをし、出品者へは商品到着後に代金が支払われるというしくみです。そのため“代金を支払ったのに商品が届かない”といったトラブルに対して返金対応をしてくれる場合もあります。
匿名配送サービスを利用する
個人情報を開示したくない場合、匿名配送ができるフリマアプリもあります。商品を発送する際に、配送会社と提携したアプリ専用配送サービスを利用すると、相手に住所や氏名を開示せずに発送伝票を作って送ることができます。フリマアプリを利用する前にどのような配送サービスがあるか確認しましょう。
取引トラブルには運営会社へ問い合わせを
ネット上の取引で起こりうる、商品が届かない、代金が支払われない、偽ブランド品だった、といったトラブル。取引中にトラブルが起きた場合、基本的に当事者同士がアプリ内のメッセージツールを介して話し合いをします。それでも解決しない、もしくは連絡が途絶えてしまった場合は、取引を完了する前に、運営会社に問い合わせをして指示を仰ぎましょう。
例えば、次のような対応事例があります。発送商品が2つあり、匿名配送便で同時に2ヵ所へ商品を送ろうとした際、受付をしたお店のミスでそれぞれ違う購入者に届けられてしまいました。出品者がすぐに運営会社に連絡をしたところ、配送業者が荷物を回収して、正しい購入者に届けてくれたそうです。また、購入者へも運営会社から連絡をするなどフォローもしてくれたため、事なきを得たそうです。
フリマアプリの使い方(出品から発送まで)
フリマアプリへの出品は簡単といわれていますが、実際にはどのような流れで出品し、取引をすればよいのでしょうか。フリマアプリの一例をご紹介します。
出品方法
まず出品する前に、出品禁止物やルールなど出品に関する基本事項をフリマアプリで確認します。その際に、出品予定の商品がどれくらいの価格で取引されているのか相場を確認しておくとよいでしょう。
そして出品前に、中古品、不用品のダメージ具合や付属品の有無をチェックし、電化製品の場合は電源を入れて必ず動作確認をしてください(個人情報流出を防ぐためにはデータの消去、初期化も忘れずに)。洋服なら付属のベルトや襟、家電製品なら説明書や充電コードなど、元々の付属品をまとめておき、紛失している場合はその旨を商品情報に必ず記載しましょう。
フリマアプリでは直接商品を見ることができないので、購入者は掲載写真で商品を判断します。商品の全体像のほか、商品の詳細を伝えるためにダメージがある箇所やブランドタグなどをアップにして撮影しましょう。
商品ページ内の商品名欄と商品説明欄に、アイテム名やブランド・メーカー名、商品の状態をきにゅうします。特に購入希望者はブランド名などをキーワードに検索することが多いため、必ず入れましょう。また、以下のような商品の詳細を聞かれることが多いため、あらかじめ商品説明欄に記載しておくとコメントのやりとりが減ります。
- アイテム名
- ブランド名/メーカー名
- 傷や汚れなどのダメージ
- サイズ(「幅×奥ゆき×高さ」、「丈」「袖丈」「肩幅」などをセンチで表示)
- 使用・着用頻度
- 購入時期
配送料を出品者負担にする場合は、配送料を含めた金額で販売価格を設定します。購入者負担にする場合は着払いとなります。いずれにしても、商品を梱包したときのサイズをあらかじめ測り、送料を確認しておきましょう。住所や氏名を相手に明かしたくない場合は、配送方法を選ぶ際に、匿名配送ができる配送サービスを選びます。
一般的に、フリマアプリでの売買には手数料が発生し、出品者側が販売価格の何%かを負担するしくみが多いようです。販売価格を決める際は、送料、手数料のほか、梱包代も念頭に置いて決めましょう。また、同じフリマアプリ内で似たような商品、同じカテゴリ内、同じブランド商品などで大体の市場価格を調べておくと売れやすくなります。
取引成立後
出品商品が購入されると、運営会社からメールが届きます。商品ページ内にある取引専用のメッセージツールで、購入者に一言挨拶をしておくと、お互いに気持ちよく取引を進めることができます。
購入者が代金の支払いを完了すると通知が来るので、商品を梱包して発送します。商品の梱包は、コンビニなどで売られているフリマアプリ専用の梱包用資材を使用すると簡単ですが、ショップバッグや段ボールのリサイクルもオススメです。また、商品をそのまま外袋に入れると、袋が破けた際に商品を汚したり、雨で濡れたりする可能性があるので、100円ショップなどで売られているビニール袋で商品を包むとよいでしょう。割れ物、壊れやすいものを送る場合は、エアクッションを使用しましょう。実用面だけでなく、かわいい柄の包装紙でくるんだり、メッセージカードなどを添えたり、梱包にひと手間をかけることで、送る相手にも「丁寧に対応してもらえた」と喜んでもらえます。
匿名配送の場合、コンビニや配送業者などで商品ページ内に生成されたQRコードを専用システムで読み取ると、発送伝票を作成できます。購入者に発送完了を知らせるために必ず発送通知をアプリから行いましょう。忘れてしまうと配送されていないとみなされ、取引がキャンセルになることもあるので注意してください。
購入者のもとに商品が届くと、受取評価の連絡がアプリを通じてくるので、出品者も同様に取引を評価します。この双方の評価をもって取引が完了したとし、出品者に初めて売価から手数料を(送料を出品者負担にした場合は送料も併せて)引いた金額が入金されます。
売上金について
一般的に商品が売れると、購入者はフリマアプリ運営会社あてに支払います。その売上金は、販売手数料が引かれた額分、フリマアプリ内で積算されていきます。出品者が銀行口座を指定して振込申請をすると、振込手数料を指し引いた額が口座に振り込まれるので、一定額が貯まってから申請するとよいでしょう。フリマアプリによっては振込申請期限が設定され、それまでに申請をしないと、自動で振り込まれます。
また決済サービスを提供しているフリマアプリもあり、売上金をそのまま移管すれば、そのフリマアプリ内だけでなく、コンビニや飲食店など実際の店舗、ネットショップでの買物にも利用できます。
うまく売れるためのコツ
基本がわかったところで、商品を高く、早く売るためにはどのような点に気をつければよいのでしょうか。詳しく解説していきます。
商品名は短く簡潔に、商品情報は詳しく
フリマアプリは、商品名だけでなく商品情報がキーワード検索対象のため、商品名はわかりやすいように、シンプルに短くまとめましょう。
購入者が使用している姿を想像できるように撮影する
午前中の光は青白く、実物の色合いを比較的忠実に再現できます。商品がよく見えるように、柄のないシンプルな壁や床、机を背景に選びましょう。商品を真正面や真横からよりも少し斜めにずらしたり、動きをつけたりして撮影すると、画像に奥ゆきが出て見栄えが良くなります。
ほかにも雑誌やネットショッピングの商品ページを参考に、洋服はハンガーにかける、平置きなら腕を少し曲げるなど、工夫すると見栄えが良くなります。バッグならタオルを入れて膨らませたりすると、購入希望者はそのアイテムを使っているイメージが湧きやすくなります。このように撮影する際のちょっとした気遣いで、商品の印象が変わり、商品一覧の中でも目を引くようになります。
サイズ、汚れの情報はビジュアルで伝える
商品をどれだけ言葉で説明しても、百聞は一見に如かず。特に汚れや傷の程度や許容度は人によって異なるため、文字で伝えるよりも画像で伝えるほうがクレームにつながりにくくなります。該当箇所をアップで撮影して、商品情報欄でその詳細を補足しましょう。
商品のサイズについては「幅×奥ゆき×高さ」や「丈」「袖丈」「肩幅」などをセンチで表しますが、バッグならばA4クリアファイルを重ねたり、メジャーや定規を隣に置いたりして、比較できるものと撮影してビジュアルで伝えるほうがわかりやすい場合があります。文字と画像をうまく使って、商品詳細をわかりやすく伝えましょう。
売る相手を想定して出品する時間帯を考える
フリマアプリでは出品した順にタイムライン上に掲載されるため、時間が経つとどんどん下がっていき、スクロールをしないと商品が見えなくなってしまいます。そのため早く人に見つけてもらい、早く買ってもらうことが重要です。会社員向けのビジネス書ならば通勤時間帯に、ママ向けの子ども服ならば自分の時間をとりやすい午前中から午後にかけてなど、商品ターゲットを見極めて、その人たちが見るだろう時間帯に出品しましょう。
売れない商品は再出品してみる
なかなか売れない商品は1週間程度で見切りをつけ、いったん掲載を取り下げて、再出品しましょう。放置していると、ほかの商品に埋もれてしまって見つけてもらえません。しかし再出品しても売れない商品は、値段、画像、旬ではないなど要改善ポイントがあるかもしれないので、売れている類似品を参考に掲載を見直してみましょう。
またフリマアプリによっては、出品ページで類似品がどのような価格で取引されているか価格帯が表示されますので、参考にしてみてください。
フリマアプリのデメリットや注意点
誰でも気軽にお得に買物を楽しむことができるフリマアプリですが、個人間の取引だからこそ感じられるデメリットや、注意しなければいけない点があります。
フリマアプリのデメリット
フリマアプリは学生からお年寄りまで幅広い年代の人に利用されているため、ネット上での一般的なルール、取引の際のマナーに対する意識の差が出てしまいます。双方、商売のプロではない分、相手への気遣いとコミュニケーションの充実が、円滑な取引の鍵となりますが、片方の意識が足りないとストレスをためてしまうこともあります。
しかしメッセージへの返信を優先しすぎると疲れてしまいますよね。相手への返信が遅くなっても誤解が生まれないように、あらかじめプロフィール欄や初めての取引メッセージで「平日日中は仕事のため返信ができません」「商品発送は土日祝日になります」など、注意点を伝えておくとよいでしょう。また、プロフィールを読まないで取引を始められる人もいるので、アカウント名のところにも一言あるとよいでしょう。ただし、やりとりを何日も空けすぎると低評価につながったり、取引自体をキャンセルされたりする場合もあるので注意してください。
購入者側の注意点
取引において未然にトラブルを防ぎたい場合は、商品を購入する前に、出品者の「取引評価」をチェックするのも手です。フリマアプリでは取引ごとにお互いを評価しますが、トラブルが多いと評価が低くなるため、そういった人と取引を避けることができます。
また商品のダメージ具合は画像で追加してもらうなど、気になる点は購入前にコメント機能を利用して、不安を解消しましょう。コメントに対して丁寧な対応をしてくれる出品者とは、安心して取引ができると思われます。
そして購入後は必ず、受取評価をする前に送られてきた商品の状態、動作確認をしてください。受取評価をしてしまうと取引は完了したとみなされてしまい、トラブルが発生しても運営会社側が介入できなくなってしまいます。商品到着後、どうしても直近で商品チェックの時間がとれない場合は、出品者にその旨をメッセージしておけば、相手の方も安心できます。
出品者側の注意点
フリマアプリでは、それぞれ出品を禁止している物もあります。例を挙げると、占いなどの無形のサービス、自分で作った化粧品、小分けにした化粧品、毛皮、チケット類、植物、花火、お酒、医薬品、福袋(中身が見えないもの)などで、中には法律に触れるものもあります。例えばコロナ禍におけるマスクのように、出品禁止物は社会の動きと連動することもあるので、定期的にチェックしておくとよいでしょう。
まとめ
フリマアプリが一般に広まったことで中古品への抵抗がなくなり、買物の選択肢が幅広くなりました。フリマアプリを利用し、新品で買うものとの線引きをすることで上手に商品を選べるようになり、また、売ることを前提にした新しい買物スタイルも生まれました。これらの先に見えるのは、物をため込まずに物をシェアし合う新しい生活様式かもしれません。
今回、フリマアプリを利用するうえでの注意点などを挙げてきましたが、トラブルなどを怖がらずに、ぜひフリマアプリで新しい買物を楽しんでみてくださいね。
- QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
- 本記事は、公開日時点での情報です。
Instagramなら保存OK!
\初心者さんでも売れる!/フリマアプリで上手に売る3つのコツ
\初心者さんでも売れる!/フリマアプリで上手に売る3つのコツ
別ウィンドウでinstagramへリンクします。