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社会貢献とは?個人でもできる身近な社会貢献活動は何がある?
フリーライター
監修:筑波君枝
編集制作会社、教育系出版社を経て、フリーライターに。自身の活動経験をもとにWEBや雑誌、書籍などを通してボランティアや社会貢献に関する情報発信も行っている。ボランティア関連の著書に『こんな募金箱に寄付してはいけない』(青春出版社)「わたしにできること。 個人の「なにかしたい!」からはじまった、12の絆の物語」(メディアファクトリー)などがある。2005年からALL ABOUTボランティアガイドも務めている。
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街中の募金活動や、ニュースなどで見る罹災地での炊き出しや清掃など。数多くある社会貢献活動に「いつかは参加したい」と思っていても仕事やさまざまな事情で参加できずに、心がモヤモヤしてしまう人もいるのではないでしょうか。
しかし特別な活動に参加しなくても、ゴミを拾う、エコバッグを使うといった日々のちょっとした行動も広い意味での社会貢献活動です。では本来、社会貢献とはどういったものか、個人でも日常生活でもできる活動にはどのようなものがあるか解説していきます。
- INDEX
社会貢献とは?
社会貢献とは、個人や企業、団体がよりよい社会を作るために行動することを指します。そして、その活動は多彩です。ゴミや資源といった環境保護活動、さまざまな事情によって支援が必要な子どもたち、介護・介助が必要なお年寄り、自然災害による罹災地、保護すべき動物たちへの支援など。
1人ひとりの力は小さくても、それらを積み重ねることで大きな力に変えることができます。社会の課題解決に関心を持ち、行動する人が増えることが、よりよい社会を作ることにつながるのです。
個人ができる社会貢献活動8つ
社会貢献活動と密接な関わりのあるキーワードとしてSDGs(エス・ディー・ジーズ)が注目されています。これは、2015年9月に国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」の頭文字をとったものです。この目標では、2030年までに貧困や紛争、気候変動など社会が抱える大きな問題を開発し、“誰1人取り残さない(leave no one behind)”世界の実現を目指しています。17のゴールから構成されたこの国際目標は、もちろん日本としても積極的に取り組んでいます。
そしてこの目標を達成するために、個人ができる行動のひとつに「エシカル消費」があります。「エシカル」とは直訳すると「倫理的な」という意味。人や社会、地球環境に配慮した倫理的な消費行動を指します。エシカル消費には、フェアトレード商品、就労支援商品などを買うことや食品ロスを出さない買い方なども含まれています。どんな商品を買うのか考えて選ぶ、消費行動も社会貢献となるので、実践してみましょう。
1.本当に必要なものを選ぶ
「安いから」、「あると便利だから」と言いながら無用な買物をしていませんか。すぐに使わなくなる、捨ててしまう、壊れてしまうものの購入はサステナブルとはいえません。
サステナブル(Sustainable)とは「持続可能な、ずっと続けていくことができる」という意味です。エシカル消費において、ずっと長く使うことができる=すぐに捨てないサステナブルなものを選んで購入することが大切です。例えば食品や日用品など普段の買物でも、商品をかごに入れる前にあるいは会計前に一呼吸を置いて「本当に必要かどうか」を考える習慣をつける。そういった日々の買物から必要なものを、必要な分だけ買うことを意識してみましょう。
2.フードロスを生み出さない
賞味期限をオーバーしてしまい、食品を食べずに捨ててしまった経験が誰にでもあると思います。そのような本来なら食べられるのに廃棄されてしまう食料をフードロス(食品ロス)といいます。
フードロスはほかにも、過剰生産による余り、傷ものや規格外品、店頭での返品や売れ残り、食べ残しなどが挙げられます。日本では、2017年度時点で年間612万トンものフードロスが廃棄されています。フードロスを含むゴミの廃棄・処理には、運搬・焼却のために多額のコストがかかるうえ、二酸化炭素の排出や焼却後の灰の埋め立てなどによって環境に負荷を与えています。
フードロスや家庭のゴミを出さないために、①必要なものを必要な分だけ買う、②食べ切れる量だけ作る・注文する、③食べ残しをしないという3つの行動を心がけましょう。
3.フェアトレード商品や就労支援品を買う
海の向こうの生産者を守り、応援することができる商品のひとつにフェアトレードで取引された商品があります
フェアトレード(fair trade)は直訳すると「公平・公正な取引」という意味です。途上国の原料や製品を、適正な価格で継続的に購入することによって、立場の弱い国の生産者や労働者たちの生活改善と自立を目指す“貿易のしくみ”を指します。つまり「フェアトレード商品」とは、継続的な取引、児童労働の禁止、過度な農薬不使用といった経済的・社会的・環境的基準をクリアしたものです。またフェアトレードでは、有機栽培などの生産方法を採り入れ、環境を維持したまま採算が取れる産業として成立させることなども目標として掲げています。これらを購入することが、海の向こうの生産者たち、そして環境保全の支援につながるのです。フェアトレード商品は、全国展開しているスーパー、輸入食品店のほか、国際協力団体が運営するオンラインショッピングサイトでも購入することができます。パッケージに「FAIR TRADE」と書かれた国際フェアトレード認証ラベルが印刷されているのが目印です。
ほかにも障がい者の作業所などで制作される「就労支援品」もあります。これらを購入することを通して、障害を持つ人たちを応援し、雇用の創出にもつながります。就労支援品は就労支援施設などと提携している施設・店舗や不定期に開催する出張販売会で販売しています。一部の自治体では、就労支援品を購入できる販売所や施設を紹介しているため、住んでいる地域のホームページをチェックしてみください。
このように同じ買物でも、社会貢献につながるものがあります。店頭で商品を手に取る際、少し意識してみてください。
4.脱プラスチックを目指す
プラスチックゴミによる海洋汚染が地球規模の問題として挙がり、日本でも2020年7月よりレジ袋の有料化がスタートしました。カフェやレストランでもプラスチックストローの使用をやめるなど、各社、脱プラスチックに向けて取り組んでいます。
個人ではマイボトルやマイバッグ、木製や金属製のマイストローを持ち歩くことから始めてみましょう。ほかにも、スーパーでのプラスチック容器に入った肉やフィルムで包まれた野菜を買うよりも、街の肉屋や八百屋で購入し、紙に包んでもらうなどすれば脱プラスチックにつながります。
現在、多くの企業が、微生物の働きによって自然環境下で分解する「生分解性プラスチック」や、植物などのバイオマスを原料とし、自然由来材料を添加した「バイオマスプラスチック」の開発や導入を始めています。
5.リサイクルを心がける
生活をするうえでどうしても出てしまうゴミや不用品。しかしちょっとした行動でサステナブルな社会に貢献できるようになります。
ゴミはきちんと廃棄・リサイクルできるように、自治体が提示する分別方法を順守して出すことが大切です。資源として再利用するために、スーパーなどの出入口に設置されているリサイクルボックスに、食品トレイやペットボトルのふたなどを持ち込むのも良いでしょう。
ほかにも家庭で不要になった衣類や中古品を、中古品買い取り業者やフリマアプリを通じて他者に譲るのもおすすめです。中古品買い取り業者に不要な本やCDなどを送ると、その査定金額が社会貢献を行うさまざまな団体へ送られるプログラムもあります。
NPOやNGOの募集に応じて寄付をする場合は、プレゼントを贈るような気持ちで送りましょう。未使用のもので、かつ自宅で使わないものがあればベストですが、中古品は寄付先のホームページなどに記載されている内容をしっかり読んで、その範囲内のものを送りましょう。ダンボールの用意も、配送料も送る側が準備します。
6.資源の節約もエシカル消費に
「不要な資源を使わない」という意味では、水・ガス・電力などの資源を節約することも一種のエシカル消費といえます。こまめにスイッチをオフにするなど、使いすぎることがないように意識しましょう。
7.ヘアドネーション
ヘアドネーションとは、子ども用のウィッグを作るために自分の髪を提供する社会貢献です。ウィッグは、小児がんや脱毛症、不慮の事故などで頭髪を失った子どもたちに贈られます。通常なら廃棄されてしまう髪も、誰かの役に立つのなら、長く伸びるまで待ちたくなりますね。
髪は自分で切っても良いのですが、NPO法人と提携している美容室・サロン、もしくは行きつけの美容室・サロンでのヘアカットもできます。店舗で切る際は、予約時に必ず「ヘアドネーション希望」の旨をお申し出ください。
髪を送る際にはいくつかの注意点があるのでチェックしておきましょう。
8.社会貢献活動に参加
休日にできる社会貢献活動として、ボランティア活動があります。ここで紹介するのはごく一部のため、各ホームページなどで自分に合ったものを探してみてください。
- 保護猫・保護犬の里親探しのお手伝い
動物が好きなら犬や猫の里親を探す活動に参加してみてはいかがでしょうか。里親を探す譲渡会にボランティアとして参加するほか、保護団体の飼育舎の掃除や保護犬の散歩、募金活動や、フード、トイレシートなどの物資送付など、さまざまな支援の形があります。 - ビーチクリーンアップ活動などゴミ拾い
海岸や街の美化活動も手軽に参加できるボランティア活動としておすすめです。活動によっては参加者が手ぶらで参加できるものもあります。
また、海では団体のクリーン活動に参加せずとも、散歩や海水浴など海に遊びにいったついでに数分間、ゴミ拾いをする個人の活動がSNSを中心に広まっています。「#2minutebeachclean」のハッシュタグを検索すると、多くの人が拾ったゴミの画像を投稿して、世界の人に海の現状を知らせようとしています。 - 在宅ボランティア
コロナ禍を受けて、最近は自宅にいながらできるボランティア活動も増えています。例えば、福祉系団体の事務作業や海外発NPO団体であれば英文和訳など、オンライン上で業務を受け、在宅で作業します。ボランティア活動のひとつに、仕事で培った知識や技術を無償で提供する「プロボノ活動」もあるため、自身のスキルを社会貢献に活かしてみませんか。
社会貢献につながるクレジットカードもある
社会貢献活動の代表例ともいえる「募金活動」。店頭や街頭での対面活動だけでなく、オンライン上に窓口を設けて募るケースも増えてきました。さまざまな募金形態がある中のひとつに、利用する度に募金ができる社会貢献型のクレジットカードがあります。
三井住友カード株式会社の「ユニセフVISAカード」に入会いただくと、そのクレジットカードで決済する度に、その利用代金の一部が自動的に(公財)日本ユニセフ協会に寄付され、ユニセフ(※1)の活動資金として世界の子どもたちのために使用されます(その際に契約者が負担する金額はありません(※2))。また、あらかじめ金額を設定しておくと、年1回にクレジットカードを通じて、ユニセフ募金に寄付されます(毎年9月10日に口座より自動引き落とし)。
キャッシュレス決済が一般化してきて、大きな買物だけでなく、水道光熱費やスマートフォンの使用料金など固定費の支払いや、日用品の買物にもクレジットカードが用いられています。普段どおりの生活を送っているだけで募金ができるのは、寄付する側、される側双方にとっても嬉しいサステナブルなアクションといえます。
- 1:ユニセフ(UNICEF、国際連合児童基金):1946年創立の国連機関。子どもの権利を擁護し、戦争で罹災した子どもだけでなく、世界中の子どもたちが健やかに成長できるよう、教育、保健、水と衛生、栄養、子どもの保護などの支援活動を行う。
- 2:ユニセフVISAカードには一般カードで年会費1,375円(税込)かかります。
まとめ
社会貢献の中には突然の自然災害によって早急な対応が必要なものもありますが、できれば日々の暮らしの中で多くの人が助け合うために、気負わずに行いたいものです。日常生活でのアクションによってハッピーが広がっていけば、世の中はもっと楽しく、住みやすい社会になっていきます。
そこで三井住友カードは、日常生活の中で参加できる社会貢献活動として、Visaのタッチ決済による「タッチハッピー」の取り組みを推進しています。
三井住友カードのタッチ決済は、サインレスで暗証番号の入力もいらないため、会計がスムーズになり、店舗側は手間を省けて、次に会計を待つ人の待ち時間も短縮され、その場にいる人にちょっとしたハッピーが訪れます。
さらにこの「タッチハッピー」では、タッチ1回につき1円が、世の中を良くする活動に寄付されます。初回はセカンドハーベスト・ジャパンによるフードバンク活動に、2回目は特定非営利活動法人フローレンスの病児保育に。そしてNPOカタリバによる学びの機会提供へと寄付され、今後も多くの活動へと寄付をしていきます。
小さなタッチのように、小さな善行が積もっていくと、多くの人にハッピーを与える社会貢献になります。ぜひあなたも何気ない日常の中で、小さな幸せを巡らせてみてください。
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