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個人年金保険とは?種類やメリット・デメリットをFPがわかりやすく解説

個人年金保険とは?種類やメリット・デメリットをFPがわかりやすく解説

ファイナンシャルプランナー 山本麗子

ファイナンシャルプランナー

山本 麗子

女性のためのお金の総合クリニック
「エフピーウーマン」所属ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナーとしてFP事務所に勤務しライフプランや保険相談などのキャリアを積む。お金の教養を高めて女性の内面から輝いてほしいという想いから女性だからこその視点や経験をもとに実用的で役に立つ知識とお金についての正しい扱い方について伝えている。
現在、雑誌、講演、テレビ出演などのほか、『お金の教養スクール』の運営を通じて正しいお金の知識を学ぶことの大切さを伝えている。

「人生100年時代」という言葉を度々聞くようになり、90歳、100歳まで長生きすることがめずらしくない時代が到来しています。公的年金だけでは定年後の生活が不安だと思っている人もいるのではないでしょうか。やはり少しでも早いうちから、自分でも将来の資金を準備していきたいですね。
そこで、公的年金以外に自分で準備する自分年金作りの一つとして「個人年金保険」についてお伝えします。

INDEX

将来の資金は早いうちから準備していこう

2019年6月に金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」が公表した「老後は2,000万円必要」という報告書が話題になりました。
「急に2,000万円必要と言われても…」と思った人もいるのではないでしょうか。いざ、定年後になって困らないために、少しでも早いうちから準備をしていく必要があります。

日本の公的年金制度は?

まずは日本全体の年金制度についてみていきましょう。
日本の年金制度はよく3階建てに例えられます。

日本の年金制度は3階建て

1階部分は国民年金です。国民年金は、日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人は全員加入が義務付けられています。

2階部分は会社員や公務員の人が加入する厚生年金です。
この1階部分と2階部分は国の制度なので公的年金と呼ばれています。

夫が40年間厚生年金に加入し、妻が専業主婦の場合、夫婦2人が受け取れる公的年金は月額約22万円と試算されています。
一方、総務省の「家計調査報告家計収支編(2018年調査)」によると、高齢無職世帯の1ヵ月あたりの支出額は約26万円となっており、公的年金だけでは毎月4万円赤字になる計算になります。
旅行に行ったり、家をリフォームしたり、孫にプレゼントをしたり…というようにゆとりある生活をしようと思うと、さらに支出が増えることが予想されます。

公的年金だけでは不足する時は?

公的年金だけでは定年後の資金が不足する場合に備えて、自分で自分の年金を準備する自分年金作りが必要になってきます。
公的年金を補完するしくみとして、年金制度の3階部分にあたる個人型の確定拠出年金、個人年金保険などがあります。

個人年金保険とは

個人年金保険とは

公的年金以外に自分年金作りに役立つ金融商品や運用方法はいろいろありますが、なかでも王道と言えるのが「個人年金保険」ではないでしょうか。
個人年金保険とは、60歳や65歳といった一定の年齢まで保険料という形でお金を積み立て、その後は積立金をもとに年金をもらうというしくみの保険です。

国民年金との違いはなに?

個人年金保険は、「年金」と名前にありますが、国民年金とはどのような違いがあるのでしょうか。

まず、国民年金は国(厚生労働大臣)から委任・委託を受け、日本年金機構が運営している国の制度で、年金への加入と保険料納付は義務であり、保険料や受け取れる年金額も決まっています。
また、国民年金から支給される基礎年金には、65歳から受け取れる「老齢基礎年金」、障害になった時に受け取れる「障害基礎年金」、そして、万が一死亡した時に遺族が受け取れる「遺族基礎年金」があります。

一方、個人年金保険は民間の保険会社が取り扱っている保険商品のひとつで任意加入です。
保険料や年金額、障害状態になった時の保険料払込免除なども商品によって違っています。

個人年金保険の種類や特徴は?

それでは個人年金保険とはどのようなものなのか、詳しくみていきましょう。

個人年金保険は60歳や65歳までコツコツ保険料を支払い、払込が終わったら年金をもらい始めるのが一般的ですが、一部の保険会社では保険料を最初にまとめて払ってしまう一時払いも取り扱っています。また年金の受け取り方は契約時に決めた時期になると年金または一時金として保険金を受け取るしくみで、主に「確定年金」「有期年金」「終身年金」の3種類があります。

個人年金保険の種類

「確定年金」は、年金の受け取り期間が10年や15年などと決まっています。そして、万が一被保険者が死亡した場合、遺族が残りの年金受け取り期間に年金として、または一時金として受け取ることができます。つまり、被保険者の生死に関係なく年金資源を受け取ることができます。

「有期年金」は、年金の受け取り期間が10年や15年など決めた期間の中で、被保険者が生存している間だけ受け取ることができます。被保険者が受け取り期間中に死亡した場合は、年金の支払いは終了します。
また有期年金には保証期間がついているものもあります。最初に年金が受け取れる期間を決めておくことで、被保険者が死亡しても保証期間の残存期間に対応する年金または一時金を受け取ることができます。

「終身年金」は被保険者が生存している限り、ずっと年金を受け取ることができます。ただし、被保険者が死亡した時点で年金が打ち切られるため遺族は年金を受け取ることができません。

そのほかにも、夫婦のどちらかが生存している間は年金を受け取ることができる「夫婦年金」があります。

個人年金保険は運用方法によっても分類できます。
「定額年金」は、契約時に保険会社が定めた「予定利率」によって運用を行います。そのため、契約した時に将来の年金額が確定するので安定感がありますが、契約した時期によって低い利率になる場合があります。
一方、「変額年金」は運用実績によって将来受け取る年金額が変動します。年金額が増えることが期待できますが、逆に払込保険料を下回る可能性もあります。

運用方法による分類

このように、「個人年金保険」とひと口にいっても商品性もさることながら保険料の支払い方から受け取り方までさまざまなバリエーションや選択肢があります。お財布事情や家族事情に合わせてぴったりのものを選びましょう。

個人年金保険のメリット・デメリット

個人年金保険のメリット・デメリット

老後の資金の準備の一つとして上手に利用したい個人年金保険。
メリットやデメリットもしっかり知っておきたいですね。

メリットは?

メリットの一つとして節税効果があるということがあげられます。
下記の条件を満たすことで、支払った保険料の額に応じて、生命保険料控除の対象となり「個人年金保険料控除」を受けることができます。

個人年金保険料控除の条件

  • 個人年金保険税制適格特約がつけられる保険であること
  • 年金の受け取り人が契約者または配偶者であること
  • 年金の受け取り人が被保険者と同じであること
  • 保険料の支払期間が10年以上であること
  • 年金の受け取り開始が60歳以降で10年以上であること

生命保険料控除を受けるためには、会社員や公務員は勤務先での年末調整が必要です。11月頃になると保険会社から「生命保険料控除証明書」が送られてくるので、大切に残しておいてくださいね。
年末調整に間に合わなかった場合や自営業者の人は確定申告で控除を受けることができます。
個人年金保険は大きくは増えなくても節税をしながら自分の年金が着実に準備でき、商品によっては死亡保障も少し補えるのが大きな魅力です。また年金受給期間や受け取り開始年齢を自由に選択できるので使い勝手の良い自分年金と言えます。

デメリットは?

個人年金保険は長い間積み立てる商品のため、その期間中にインフレとなった場合に注意が必要です。
もし、インフレによって物価が上昇し、仮にモノの値段が5%上がった場合、今まで1万円で購入できたモノが10,500円支払わないと購入できなくなります。
でも、定額年金保険の金利は固定金利なので、物価が上がっても将来受け取る年金額は変わりません。契約した時の金利よりインフレ率が上回った場合はお金の価値が目減りするということになります。

また、個人年金保険を途中解約すると、払い込んだ保険料より戻ってくる保険金が少ない場合があるので注意が必要です。

個人年金保険の返戻率を知っておこう

デメリットの一つとして途中で解約した場合、支払った保険料に対して戻ってくる保険金が下回る場合があるとお伝えしました。
このように、支払った保険料に対して戻ってくる保険金の割合のことを「返戻率」といいます。

返戻率の計算方法は?

返戻率が高いほど、支払った保険料に対してたくさんの年金を受け取ることができます。
この返戻率はどのように計算したらいいのでしょうか。

返戻率を計算するためには、保険料、払込期間、受け取ることができる年金額を調べます。

例えば、毎月1万円の保険料を30年間支払い、払込終了後は年間60万円を10年間受け取るとします。
返戻率は「受け取り年金総額÷払込保険料総額×100」で計算できます。
この式に当てはめて計算をすると「(60万円×10年)÷(1万円×12ヵ月×30年)×100≒167」となり、返礼率は167%ということになります。

この返戻率の数字が大きいほど、払い込んだ保険料に対して受け取れる年金が多いということです。逆に返戻率が100%以下なら、元本を下回るということになります。

「予定利率」との違い

返戻率と間違えやすい言葉に「予定利率」というものがあります。

先ほど、定額年金について説明する時にも触れましたが、「予定利率」とは保険会社が契約者に対して約束する運用利回りのことをいいます。
保険会社は契約者から受け取った保険料から経費などを差し引いた残りを、どれくらいの運用利回りで運用できるかを予測して保険料を設定します。
予定利率が高いということは、それだけ運用で得られる利益が大きいということになり、その分支払う保険料は安くなります。

「返戻率」と「予定利率」はよく似た言葉ですが、違いをしっかり理解し将来に備えておきたいですね。

今回は、将来の資金の準備方法の一つとして個人年金保険についてお伝えしました。
個人年金保険の種類や特徴を知って、上手に利用してくださいね。

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