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医療費控除の計算方法は?いくら戻るかをシミュレーションで解説します

医療費控除の計算方法は?いくら戻るかをシミュレーションで解説します

續恵美子

監修:續恵美子

ファイナンシャルプランナー

女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」認定ライター。
ファイナンシャルプランナー〈CFP®〉。
生命保険会社で15年働いた後、FPとしての独立を夢みて退職。その矢先に縁あり南フランスに住むことに――。
夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。

1年間にかかった医療費を確定申告すると、所得税の還付が受けられます(これが「医療費控除」といわれるものです)。聞いたことはあっても、「計算が難しいのでは…?」と、少し面倒に思っていませんか。医療費控除による還付金額は、もしかしたら大きな金額になるかもしれませんよ。

この記事を読めば医療費控除の計算方法がわかり、自分はいくら戻るのかを把握することができます。収入金額、年間医療費別の計算事例も紹介しているので、還付金額の目安も参考にしてみてください。

INDEX

医療費控除とは

医療費控除とは

医療費控除とはご本人、またはご本人の配偶者やそのほかの親族のために利用できる所得控除のひとつです。医療費控除を利用することで、所得税の還付を受けることができる可能性があります。

医療費控除の適用要件

医療費控除の対象となるためには、申請する医療費が適用要件を満たしている必要があります。

医療費控除の適用に必要な書類

医療費の領収書から「医療費控除の明細書」を作成し確定申告書に添付します。領収書そのものの添付や提示は必要ありませんが、確定申告期限から5年間は提示や提出が求められる場合もあり、自宅で保管しておく必要があります。
医療費通知は以下のものとなります。

  1. 被保険者などの氏名
  2. 療養を受けた年月
  3. 療養を受けた者
  4. 療養を受けた病院、診療所、薬局などの名称
  5. 被保険者などが支払った医療費の額
  6. 保険者などの名称

上記から、医療費控除の明細書に記入する内容としては以下となります。

  1. 医療費通知に記載された医療費の額(自己負担額)
  2. 1のうちその年中に実際に支払った医療費の額
  3. 2のうち生命保険や社会保険(高額療養費など)などで補てんされる金額

自身のほか、生計を共にしている配偶者や親族に支払った医療費領収書の必要事項も記入します。

  1. 医療を受けた方の氏名
  2. 病院・薬局などの支払い先の名称
  3. 医療費の区分
  4. 支払った医療費の額
  5. 4のうち生命保険や社会保険(高額療養費など)などで補てんされる金額

記入イメージとしては以下のようになります。

AさんがB病院に電車とバスで通院した場合
7月10日 診療:3,500円 通院費(JR、○○バス)往復580円
8月25日 診療:1,200円 通院費(JR、○○バス)往復580円
B病院計:4,700円   通院費計:1,160円

  • 通院費、医療用器具の購入などがある場合はそのほかの医療費
  • 通院費が乗り継ぎで複数ある場合には、まとめて記入。

例えば、ここに記載されている「B病院計:4,700円」は医療費控除の明細書の「(3)医療費の区分の」欄で「診療・治療」にチェックし、「(4)支払った医療費の額」の欄に4,700円と記入します。
「通院費計:1,160円」は医療費控除の明細書の「(3)医療費の区分の」欄で「その他の医療費」にチェックし、「(4)支払った医療費の額」の欄に1,160円と記入します。

  • 別ウィンドウで「国税庁」のウェブサイトへリンクします。
  • 上記ウェブサイトは予告なく変更、または削除される可能性があります。その場合は国税庁ホームページからご確認ください。
  • 別ウィンドウで「国税庁」のウェブサイトへリンクします。

また、対象となるOTC医薬品を1年間に1万2,000円以上購入し、その年に会社や自治体の健康診断などを受けている場合、セルフメディケーション税制が利用できますが、通常の医療費控除とは選択適用となり、両方を受けることはできませんので注意が必要です。

医療費控除の対象期間と対象者

医療費控除は、その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費が対象となります。

また、医療費控除の対象者は、納税者本人、納税者と生計を共にする配偶者やそのほかの親族のために支払った医療費も対象です。「生計を共にする」とは、必ずしも同居を要件とするものではなく、余暇(仕事や学校の休日など)は生活を共にしている、生活費や学費などの送金が行われていれば一般的には生計を共にすると見なされます。

医療費控除の対象金額

医療費控除は以下の計算式で計算をします。医療費控除額は最高200万円です。

【医療費控除の計算式】

医療費控除額=実際に支払った医療費の合計額-「①」-「②」

①  保険金などで補てんされた金額
例)出産育児一時金、健康保険などで支給される高額療養費、民間生命保険の医療保険の入院費給付金や手術給付金など

①において、保険金などで補てんされる金額は、その給付の目的となった医療費の金額を限度として差し引きます。引ききれない金額が生じた場合であっても、ほかの医療費からは差し引きません。

②  10万円(所得合計金額が200万円までの方は、「所得合計金額×5%」)

②において、医療費控除額は課税所得が200万円未満の場合は、総所得額の5%、200万円以上の場合は10万円が引かれます。「所得税率」については、後ほど詳しく解説します。

医療費控除でいくら戻るのか?

医療費控除でいくら戻るのか?

医療費控除が利用できると、どれくらい所得税の還付を受けられるのでしょうか?医療費控除額の実際の計算手順を見ていきましょう。

医療費控除額算出手順

医療費控除額は、次のような流れで算出します。

Step1. 1年間の医療費を計算
まずは、自分の医療費控除の明細書や医療費控除対象者となる家族の領収書を集め、1月1日から12月31日の1年間の医療費合計を計算します。

Step2. 医療費控除額の算出
前述の計算式をもとに、医療費控除額を計算します。
仮に、年間の医療費が100万円だった場合の医療費控除額を、所得合計金額200万円以上と200万円未満のケースで計算してみましょう。
なお、医療保険の給付金が20万円支払われたとします。

【年間医療費100万円の場合の医療費控除額】

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所得合計金額
(課税所得額)
計算式
(年間医療費-給付金など-10万円または所得の5%)
医療費控除額
300万円 100万円-20万円-10万円 70万円
150万円 100万円-20万円-(150万円×5%) 72万5,000円

Step3. 所得税率の確認
以下の所得税率をもとに、実際の還付額を計算します。

【所得税の速算表】

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所得合計金額(課税所得額) 所得税率 控除額
195万円未満 5% 0円
195万円以上 330万円未満 10% 9万7,500円
330万円以上 695万円未満 20% 42万7,500円
695万円以上 900万円未満 23% 63万6,000円
900万円以上 1,800万円未満 33% 153万6,000円
1,800万円以上 4,000万円未満 40% 279万6,000円
4,000万円以上 45% 479万6,000円
  • 別ウィンドウで「国税庁」のウェブサイトへリンクします。
  • 上記ウェブサイトは予告なく変更、または削除される可能性があります。その場合は国税庁ホームページからご確認ください。
  • 別ウィンドウで「国税庁」のウェブサイトへリンクします。
  • 課税所得額は1,000円未満の端数を切り捨てた後の金額です。
  • 2013年から2037年までの各年分の確定申告においては、所得税と復興特別所得税(原則としてその年分の基準所得税額の2.1%)を併せて申告・納付することとなります。

上記の表より、所得合計金額150万円の場合の税率は5%、300万円の場合は10%であることがわかります。

Step4. 還付金額を計算
それぞれの税率で還付金額を計算します。医療費控除額に適用される所得税率を乗じると(掛けると)還付金額が計算できます。

【還付金額】

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所得合計金額
(課税所得額)
計算式
(医療費控除額×所得税率)
還付金額
300万円 70万円×10% 7万円
150万円 72万5,000円×5% 3万6,250円

還付金額は、医療費控除額が大きくなる、もしくは、所得合計金額が高くなる(一般的に年収が高いといわれる方)ほど、大きくなる傾向があります。

医療費控除の計算をシミュレーション

医療費控除の計算をシミュレーション

いくつかのパターンで医療費控除額、還付金額をシミュレーションしてみましょう。

【パターン1】所得合計金額の高いケースと比較

  • 年間の医療費が200万円
  • 医療保険の給付金が20万円支払われた場合
  • 所得合計金額が「2,000万円・300万円・150万円」で比較

【医療費控除額】

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所得合計金額 計算式 医療費控除額
2,000万円 200万円-20万円-10万円 170万円
300万円 200万円-20万円-10万円 170万円
150万円 200万円-20万円-(150万円×5%) 172万5,000円

【還付金額】

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所得合計金額 計算式 還付金額
2,000万円 170万円×40% 68万円
300万円 170万円×10% 17万円
150万円 172万5,000円×5% 8万6,250円

このケースでは、所得合計金額が高い(一般的に高収入といわれる)方ほど、所得税率が高いので還付金額は大きくなる傾向があることがわかります。

【パターン2】医療費が少ないケースで比較

  • 年間の医療費が10万円
  • 医療保険の給付金がない場合
  • 所得合計金額が「300万円・150万円」で比較

【医療費控除額】

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所得合計金額 計算式 医療費控除額
300万円 10万円-10万円 0円
150万円 10万円-(150万円×5%) 2万5,000円

【還付金額】

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所得合計金額 計算式 還付金額
300万円 0万円×10% 0円
150万円 2万5,000円×5% 1,250円

このケースでは、所得合計金額300万円の方は、医療費控除額は0円なので、還付金も0円になりました。

一方、200万円未満の方は、「医療費控除額=実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補てんされた金額-(所得合計金額×5%)」で計算するので、還付金額が発生しています。

【パターン3】同じ所得合計金額で医療費が異なるケースを比較

  • 所得合計金額は3人とも300万円
  • 医療保険などの給付金がない場合
  • 年間の医療費が「200万円・100万円・50万円」で比較

【医療費控除額】

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医療費 計算式 医療費控除額
200万円 200万円-10万円 190万円
100万円 100万円-10万円 90万円
50万円 50万円-10万円 40万円

【還付金額】

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医療費 計算式 還付金額
200万円 190万円×10% 19万円
100万円 90万円×10% 9万円
50万円 40万円×10% 4万円

同じ所得合計金額では、医療費が増えれば医療費控除額も増えるので還付金額も増えます。

医療費控除の申告によって住民税が減税

医療費控除を申告することによって、その分課税の対象となる所得が減ります。それが翌年の住民税の計算に自動的に反映され、住民税の負担が軽減されます。

住民税には、所得に応じた負担を求める「所得割」と、所得にかかわらず定額の負担を求める「均等割」があります。所得とは、企業などから受け取る収入から必要経費を差し引いた額をいいます。
所得割の税率は、所得に対して10%(都道府県民税が4%、市町村民税が6%)(※)とされており、前年の1月1日から12月31日までの所得で算定されます。

  • 政令指定都市については、道府県民税が2%、市民税が8%になります。


医療費の合計金額 30万円
受け取った保険金など 5万円
(30万円-5万円-10万円)× 住民税率10% = 1万5,000円

また、セルフメディケーション税制の適用を選択する場合は以下のようになります。

セルフメディケーション税制の対象となる医薬品の費用 4万円
(4万円-1万2,000円)× 住民税率10% = 2,800円

まとめ

まとめ

所得税の還付金額は、医療費が増えると医療費控除額も増えるので増加します。また同じ医療費であれば、高収入の方ほど大きくなる傾向があります。

自分の医療費はさほど多くなくても、配偶者や親族の分も要件を満たせば医療費控除の対象になるため、大きな還付金になるかもしれません。今回ご紹介した医療費控除や還付金額の計算方法を参考に、自分はいくら戻るのかを実際に計算してみてはいかがでしょうか?

  • 本記事は、公開日時点での情報です。

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