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【FPさんに聞いた】老後資金は2,000万円必要?本当に必要な老後の生活費っていくら?

【FPさんに聞いた】老後資金は2,000万円必要?本当に必要な老後の生活費っていくら?

ファイナンシャルプランナー  前田 菜緒

ファイナンシャルプランナー

監修:前田 菜緒

保険代理店勤務後、ファイナンシャルプランナーとして独立。子育て世代向けにライフプラン相談、セミナー、執筆などを行っている。相談やセミナーでは、子連れOK、子どもが寝てから開催するなど、未就学児ママに配慮した体系になっている。セミナーは、満足度96%で「世の中のお金のしくみがわかりよかった」「内容の濃さに驚いている」など好評。マネーサイトなどへの記事執筆多数

  • 別ウィンドウで「FPオフィス And Asset」のサイトへリンクします。

人生100年時代、”老後資金を貯めなければいけない”と言われてもなかなかピンときませんよね。しかし「老後は2,000万円の蓄えが必要」と具体的な数字を言われると、 “そんなに貯めないといけないの?”と現実味が帯びて焦ってしまいます。

老後を考える前にも、結婚や出産、マイホームの購入など、まとまったお金が必要なタイミングは人生において何回もあります。自分でコツコツと貯蓄していく自信がない人もいるでしょう。果たして自分は老後生活を無事に送ることができるのか、なんて不安を感じてしまいますよね。そんな人のために、本当に必要な老後資金はいくらなのか、どのようにその額を貯めていけばよいのかを解説していきます。

INDEX

老後は2,000万円不足する?

老後は2,000万円不足する?

「老後は2,000万円不足する」と言われている老後資金の話題は、元々、2019年6月3日(月)に金融庁が公表した、金融審議会による市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」(以下、報告書)から生まれたものです。算出された老後資金の「不足額」に対して、“老後に生活してくうえで2,000万円が足りない”、“年金だけでは賄えない”といった印象を人々に強く与えました。

どういった計算方法で算出されているのか

では2,000万円の不足額は一体どのように算出されたのでしょうか。報告書では、家計調査(2017年)の結果から、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみ無職世帯)の家計において、実収入よりも実支出のほうが毎月平均約5万5,000円多く、赤字となっていることを指摘しています。

また、報告書では日本人の平均寿命についても触れ、男性は81.1歳、女性は87.3歳という2017年の調査の結果から、60歳の定年退職後の平均余命を20年~30年と仮定しました。

平均寿命に先ほどの月々の赤字を掛け合わせると、以下のように計算できます。 余命20年の場合)5万5,000円×12ヵ月×20年=1,320万円
余命30年の場合)5万5,000円×12ヵ月×30年=1,980万円
ここで算出された1,320万円~1,980万円の金額を取り上げて「老後生活していくうえで、2,000万円足りないのではないか」と疑問視したのです。

しかし、もう少し報告書を読み進めると、2017年における定年退職者の退職給付額は平均で1,700万円~2,000万円程度、そして高齢夫婦無職世帯の平均貯蓄額は2,348万円だと分かります。つまり、“毎月の赤字は、退職金を含む貯蓄額を切り崩すことで補填している”、もしくは“生活できる範囲内の金額を切り崩している”とも捉えることができます。

世間が捉えているような “生活していくには2,000万円が、なにがなんでも必要”という危機的状況ではありません。しかし、「人生100年時代」の言葉のとおり、2020年7月31日(金)に厚生労働省より公開された「令和元年簡易生命表の概況」では、95歳まで生存する割合は、男性10.1%、女性26.7%となっており、医療技術の進展と相まって今後もさらなる長寿化が見込まれます。不安なく老後生活を送るためにも、公的年金や退職金に頼るだけでなく、個人による資産形成を行うべきだと報告書は伝えています。

本当に必要な老後の生活費の目安はいくら?

本当に必要な老後の生活費の目安はいくら?

自分自身に必要な老後資金額を知るためには、まず老後に受け取る「実収入」の中身や、生活費などを含む「実支出」にどのようなものがあるか調べると良いでしょう。

老後の収入(主に年金)はどのくらい?

総務省統計局で2019年に実施された家計調査で、無職世帯(総世帯)における年金を含む社会保障給付の収入は平均16万1,479円です。また、定年のない自営業の人や、定年退職後も高齢者雇用や企業の相談役として働く人は、働いた分の収入を得ることができます。そのほかにも持ち家や土地を貸している人は家賃収入が、私的年金に加入していた人なら企業年金や個人年金保険などの受給分が、老後の収入として加算されます。

一般的にこれまで、老後生活を支えるのは、退職金と年金の2つと考えられてきましたが、報告書によると退職給付額は近年減少傾向にあります。大学・大学院卒(管理・事務・技術職)の平均退職給付額は1997年ピーク時の3,203万円から比べると、2017年は1,997万円と約38%も減額されていることが分かります。

また多様な働き方の広がりによって、自営業や非正規雇用で働く人が増えているため、老後を退職金に頼ることができない人が今後増えるかもしれません。そのため確実な老後の収入源としての「年金」がいくらもらえるか次の項でシミュレーションしてみましょう。

自分が将来受給できる公的年金額を調べる

日本の公的年金制度は、日本に住む20歳以上60歳未満が全員加入する「国民年金」と会社員や公務員が加入する「厚生年金」の2階建てになっています。国民年金の加入者は以下のように1号~3号に区分されています。

自分が将来受給できる公的年金額を調べる

原則として65歳から、受給資格期間が10年以上ある場合に「老齢基礎年金」が支給され、厚生年金の加入者はそれに加えて「老齢厚生年金」が支給されます。このほかにも重度の障がいを負ってしまったときに受け取る「障がい年金」、一家の大黒柱が亡くなってしまったときなどに遺族が受け取る「遺族年金」があります。

では実際に65歳で自分が受け取ることができる年金額はいくらになるのでしょうか。以下の計算式で導くことができます。

65歳で自分が受け取ることができる年金額

上記図の計算式に自分のケースをあてはめると、将来もらえる年金額の概算を出すことができます。なお、現在は第1号あるいは第3号被保険者でも、第2号被保険者の経験がある場合は、第2号被保険者の計算方法で受給額を計算することができます。途中、保険料免除などを受けた場合はこの計算とは異なります。参考として、いくつかのパターンを仮で計算してみました。

保険料免除などを受けた場合

受給金額を算出して「少ない」と感じる人は、貯蓄、iDeCoや国民年金基金などで年金受給額を上乗せ、投資による資産形成などを始めて早いうちから老後に備えると良いでしょう。これらの老後資金を貯める方法についてはまた後ほど詳しく解説します。

老後に必要な生活費はいくら?

老後、自分の生活がどのように変わるかなんて想像しにくいものです。そこで2019年の家計調査から、1人暮らしの平均と65歳以上、そして2人暮らしの勤労世帯と無職世帯それぞれの消費支出を比較して、どのような変化があるかを調べてみました。

・1人暮らしの老後に必要な生活費とは

1人暮らしの老後に必要な生活費とは

(出典)総務省統計局「家計調査 家計収支編(年次間) 2019年」における「年齢階級別1世帯当たり1ヵ月間の収入と支出(単身世帯)」

単身世帯における家計調査では「65歳以上・無職」に限定したデータがないため、65歳以上のデータには勤労世帯も含まれています。

1人暮らしの平均値から比べると、65歳以上の消費支出の総計は1万1,195円、7.8%分減少していることが分かります。全体的に平均値よりも抑えた金額で生活をしていますが、中でも「外食費」、「交通費」の外出に関わる費目においては平均より5,000円以上も差額があり、顕著です。一方で、「交際費」では2,273円上がっており、勤労時間が減った分、交友に費やす時間と金額が増えているようです。また65歳以上のほうが高い費目として、「水道光熱費」と、高齢化のためか常備薬や医療機関の保険診療代を含む「保健医療費」があります。これは高齢化によって、1人での外出頻度が下がって在宅時間が増えたことや、体の衰えによるものと考えられます。

・2人世帯の老後に必要な生活費とは

2人世帯の老後に必要な生活費とは

(出典)総務省統計局「家計調査 家計収支編(年次間) 2019年」における「世帯主の年齢階級別1世帯当たり1ヵ月間の収入と支出」

2人以上の世帯の場合、年齢ごとに区切ったデータがないため、(65歳以上を含む)勤労世帯と(64歳以下を含む)無職世帯のデータを参照しています。しかし、勤労世帯において65歳以上の割合は10.5%、無職世帯において64歳以下の割合は7.1%と、データ数が少ないため、全体の数値に与える影響は大きくないと考えられます。

全体においては勤労世帯よりも無職世帯の消費支出額が7万5,532円も低く、24.8%も支出が減っています。こちらも1人暮らしと同じように、「外食費」と「交通費」の減少が顕著ですが、さらに「通信費」においては6,696円減少と1人暮らしとは異なる減り方をしています。しかし現在働き盛りの世代はデジタルに強い世代なので、現在の高齢者よりもインターネットやスマホなどの電子端末を扱いなれているため、勤労世帯と無職世帯の差は小さくなると考えられます。

・家賃について

1人暮らしでも2人暮らしでも、上で示した表には家賃が含まれていないため、賃貸物件に住んでいる人は生活費とは別にかかります。一方で、持ち家で住宅ローンの支払いが終わっていれば家賃はほぼかかりません。賃貸の場合は、賃料の支払いが発生し続けるため、老後の生活費に差が出てきます。近い将来のライフプランだけでなく、老後の生活費を考えるうえで、住居は重要な要素といえるでしょう。

以上を踏まえると、働き盛りの今の支出よりも老後は10~20%ほど消費が少なくなる傾向にあります。この数字を参考に、自身の老後に必要な毎月の生活費を算出してみましょう。

生活費以外に必要な老後の資金は?

生活費以外に必要な老後の資金は?

それぞれのライフプランにもよりますが、老後の生活において毎月の生活費以外にも備えておかなければいけない費用がいくつかあります。

お祝い費用

子どもがいる世帯の場合は、子どもの結婚や孫の誕生、新居購入の援助など、ライフイベントに伴って、親としての出費が必要になる場合があります。

リフォーム費

マイホームを購入した場合、家は老朽化するため、都度メンテナンスが必要になります。また、一戸建て、マンションにかかわらず、高齢化対応としてバリアフリーにするなどリフォーム費が必要になる可能性もあります。1回のリフォーム費用としては工事内容によって変わりますが、国土交通省「建築物リフォーム・リニューアル調査(2019年度)」によると住宅の個別受注工事では「50万円未満」が最も多く、全体の79%を占めています。

入院、手術費用

報告書によると、日本人の健康寿命は男性で約72歳、女性で約75歳と、平均寿命までの8年~12年間は医療機関にかかることが多くなります。高齢化すると体力も落ちるため、若いときよりも入院や手術の可能性が高くなります。金額次第では高額療養費制度も利用できますが、早めに医療保険に加入しておくと安心です。また、公益財団法人がん研究振興財団発行の「がんの統計 19’」内、「年齢階級別罹患リスク(2015年罹患・死亡データに基づく)」によると、おおよそ2人に1人が一生のうちにがんと診断されます。がんに罹患した場合は、手術・入院費だけでなく、治療費もかさむので、がん専用の保険や特約に加入するなど備えると良いでしょう。

介護費用

厚生労働省調査の「平成30年度 介護保険事業状況報告」によると、75歳以上の人は全体の31.9%、約1/3の人が要支援・要介護の認定を受けています。介護保険制度を利用する場合、介護サービスの自己負担額は、認定を受けたときの年齢と所得、認定レベルによっても大きく異なりますが、介護費用の1割~3割です。生命保険文化センター「平成30年度生命保険に関する全国実態調査」によると、月々の介護費用の平均自己負担額は7万8,000円です。ただし高額療養費制度と同じく、高額介護サービス費として一部払い戻しを受けることができる制度もあります。

葬儀代

自分が亡くなったとき、家族や大切な人に情報を伝えるエンディングノートが注目されていますが、希望の葬儀法を記し、家族に負担をかけないように自身で葬儀代を準備しておく人が多いようです。生命保険文化センター「葬儀の平均総額」によると葬儀代の平均額は約184万円で、葬儀費用に約119万円、飲食代に約31万円、そして返礼品に約34万円の費用がかかっています。

老後資金を貯めるにはどんな方法がある?

老後資金を貯めるにはどんな方法がある?

生活費だけでなく、さまざまなシーンで必要となる老後のお金。余裕のある暮らしをするには、年金や退職金に頼るだけでなく、個人がさまざまな金融サービスや非課税制度を利用して、将来のために資産形成・管理することが大切です。中でも若いうちから無理なく資産形成できる金融サービスを解説します。

財形年金貯蓄を利用する

勤め先の福利厚生に「財形貯蓄」制度があれば、老後の生活資金づくりにぴったりな「財形年金貯蓄(通称、年金財形)」の利用をおすすめします。資産形成の第一歩として貯蓄を続けるには、毎月の給与から貯蓄分を先に取りだし、残った金額を生活費にするという「先取り貯蓄」のシステム構築が必須です。財形年金貯蓄は、毎月の給与から一定金額を自動で天引きすることで、確実に老後資金を積み立てることができる制度です。

個人年金保険を利用する

個人年金保険とは、民間の保険会社が取り扱っている保険商品のひとつで、任意で加入します。60歳や65歳といった一定の年齢まで保険料という形でお金を積み立てることで、満期後、積立金をもとに年金を受け取ります。保険の種類によって払込方法や受け取り方を選ぶことができるほか、積立中も年末調整や確定申告の際には生命保険料控除の対象となる契約の場合は「個人年金保険料控除」を受けることができ、節税対策ができます。

つみたてNISAを利用する

つみたてNISAは、積立投資専用の少額投資非課税制度(NISA)です。一度金融機関に申し込めば、あとは毎月口座から一定額が引き落とされ、自身で選んだ金融商品を自動的に買い付けていきます。通常、投資で得た収益(配当金・分配金や譲渡による利益)に対して20.315%の税金がかかりますが、つみたてNISAを利用すると投資で得た利益を一定期間内、非課税で受け取ることができます。寝かせておくだけの預金よりも資産を増やせる可能性があるため、老後資金など将来のための備えに活用する人もいます。

iDeCo(個人型確定拠出年金)を利用する

iDeCoは、老後資金をつくるための年金制度です。加入者個人が拠出した掛け金を、自ら運用して資産をつくることで、老後資金を効率的に準備できます。掛金全額が所得控除の対象で節税効果を期待できるうえ、運用で得た利益が非課税なので、60歳までの長い運用期間において複利効果を実感しやすいでしょう。

まとめ

まとめ

まだまだ先の老後でイメージしにくいからこそ、いったん考え出すと答えがなかなか出ずにモヤモヤしてしまいますよね。まずは考えすぎずに、今自分でできるところから始めてみましょう。多くの金融サービスや制度をご紹介しましたが、契約・加入した後も、自分のライフプランによって積立金額や契約プランを調整することができるものもあります。自身の今の生活に無理をきたさない程度に、将来への準備を着実に始めましょう。

  • 本記事は、公開日時点での情報です。

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