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REIT(リート)って何?REIT(リート)(不動産投資信託)のしくみ、メリットと買い方を徹底解説!

REIT(リート)って何?REIT(リート)(不動産投資信託)のしくみ、メリットと買い方を徹底解説!

橋本秋人

ファイナンシャルプランナー・不動産コンサルタント

監修:橋本秋人

1961年東京都出身 早稲田大学商学部卒業後、住宅メーカーに入社。
長年、顧客の相続対策や資産運用として賃貸住宅建築などによる不動産活用を担当。
また、自らも在職中より投資物件購入や土地購入新築など不動産投資を始め、早期退職を実現した元サラリーマン大家でもある。

現在は、FPオフィス ノーサイド代表としてライフプラン・住宅取得・不動産活用・相続などを中心に相談、セミナー、執筆などを行っている。

将来の資産形成のために、つみたてNISAやiDeCoなどを活用して投資にチャレンジする人が増えてきました。しかし、金融商品は多種多様で一体どれを購入すれば良いのかわかりません。

中でも、REITは投資信託でも不動産に投資するものです。REITとは一体どういうものなのか、買うメリット・デメリット、そして購入方法まで詳しく解説します。

INDEX

REIT(リート)とは?

REIT(リート)とは?

REIT(リート)とは、「Real Estate Investment Trust」の頭文字をとった略称で、日本語では「不動産投資信託」のことを指します。金融機関で販売されている一般的な投資信託の大半は、株式や債券などの有価証券を投資対象としていますが、REITは名前のとおり、不動産を投資対象としています。

REITでは、投資家から集めた資金をもとに、オフィスビルや商業施設、マンションなど不動産を購入・運用し、そこから得られる賃貸料収入や不動産の譲渡益を投資家へ分配します。つまり、投資者はREITを通じて間接的に不動産のオーナーとなることで、運用の成果を享受することができるのです。

REITのしくみは1960年代にアメリカで生まれたもので、日本では2001年9月に市場が開設されました。日本では、Japanの頭文字をつけて「J-REIT」と呼んでいます。

各国にREIT市場があり、細かなしくみはそれぞれで異なります。日本市場では法的な制約があり、各国REITの個別銘柄を購入することはできないため、海外REITを含む投資信託やETFを購入するのが一般的です。J-REITの市場と比べて国内での海外REIT投資信託の市場規模はとても小さいため、本文ではJ-REITを中心に解説していきます。

REIT(リート)のしくみ

J-REITは図のようなしくみとなっています。

REIT(リート)のしくみ

まずJ-REITの窓口として「不動産投資法人」(以下、投資法人)という会社が存在します。ここは、「投資証券」を発行して証券取引所に上場することで、投資家から資金を募り、また発生した利益を投資家に分配する業務を担っています「投資証券」とは株式会社でいう株券にあたり、投資家はこれを購入することで、J-REITに出資することができます

投資法人はあくまで窓口で、自らが運用を行うことは法律で禁止されているため、実際の不動産の運用や一般事務などの業務はすべて外部委託しています。

投資先不動産の選定・購入や売却、保有不動産の運営・管理など資産の運用全般については、資産運用会社が行います。また、不動産の権利証などの保管や金銭出納管理業務は資産保管会社が行いますが、通常は信託銀行が受託しています。さらに、会計・納税・投資法人債などに関する事務は一般事務受託会社が請け負います。信託銀行、税理士法人などがそれぞれの業務に応じて受託しています。

不動産投資法人では、株式会社の株主総会にあたる投資主総会が開かれ、投資家は役員の選任など一定の事項について、投資家の意思を示すことができます。

現物不動産投資との違い

“不動産に投資する”と聞くと、REITよりも、個人や法人がマンションなどの不動産を実際に購入する現物不動産投資をイメージするのではないでしょうか。現物不動産投資では投資法人を介さなくても、投資家が所有不動産のオーナーとなってテナントや入居者から受け取る賃貸料を収入として手に入れることができます。

しかし現物不動産投資には数千万以上という多額の資金が必要で、借り入れなどをして資金調達をする必要性もあります。
管理業務は外部委託したとしてもオーナー自身がさまざまな意思決定をしなければいけない場面もあるため、投資というよりは経営に近いでしょう。
また不動産は、流動性に劣り、売却するときも、仲介業者を通して買い主を探すことが必要になるなど、煩雑で時間もかかります。

一方REITは、多くの投資家から資金を集めるために証券化されており、数万円程度から投資できる銘柄もあります。
また、投資家は出資するだけで、不動産の運用や煩雑な管理業務はすべてそれぞれのプロが行ってくれるため、同じ不動産を対象とした投資といえども現物不動産投資よりも扱いやすく、投資初心者もチャレンジしやすいといえます。

REIT(リート)のメリット

REIT(リート)のメリット

REITは株式との類似点が多くありますが、REITならではの魅力はどのような点にあるのでしょうか。投資するメリットを4つお伝えします。

1.高く安定した利回り

一般的な株式の配当では、企業の利益から法人税分が引かれ、さらに経営方針によって、次期の資金に回すなど内部で留保する場合も考えられるため、配当金の額は企業次第です。

一方REITの場合は、原則、利益がほとんどそのまま投資家へ分配されます。投資法人は利益の90%超を分配すれば、法人税がほぼかからないしくみとなっています。このため、株式投資などと比べて投資家は比較的高い分配金を得ることができるのです。

高く安定した利回り

また、REITは長期にわたり安定的な賃貸料を得られる不動産に投資しているため、比較的安定した分配金を得られるのも特徴です。

2.少額で取引でき、売却も容易

REITは不動産を証券化しているので現物不動産投資と比較して、数万円から数十万円といった少額の資金から投資ができます。売却する際も、市場を通して取引ができるため、換金も比較的容易です。

3.管理の手間がかからない

プロの資産運用会社が、不動産の売買や運営を行っているため、投資家は銘柄を選んで購入するだけで管理に手間がかかりません。運用している不動産の稼働状況や収支状況は、投資法人が開示している決算短信や有価証券報告書、資産運用報告書などの決算書類でチェックできるため、透明性が高く安心です。

4.インフレに強い

不動産はインフレに強いといわれている資産の代表例です。物価上昇に伴い、不動産の資産価値や賃貸料も上がる傾向にあるため、分配金や売却益の増加につながります。インフレで通貨価値が低下して個人の資産が減少してしまったときでも、REITを保有していれば資産減少のリスクヘッジとして期待することができます。

REIT(リート)のデメリット(リスク)

REIT(リート)のデメリット(リスク)

REITは利回りが良いとはいえ、投資リスクが伴う金融商品です。ではどのようなリスク、デメリットが考えられるのでしょうか。

1.価格・収益が変動するリスク

REITは預金などのように元本が保証されている金融商品ではありません。金融市況、不動産市況の影響を受けやすく、証券市場での需要と供給によって価格は変動しやすいといえます。また、REITは利回りが良くても、分配金は確約されたものではありません。以下のような要因によって価格だけでなく、収益も変動するリスクがあるといえます。

  • 金融、不動産市況
  • 投資法人の経営状況
  • 地震や自然災害などによる建物の損壊
  • テナントの退去や賃貸料の未納
  • 不動産価格の下落による売却損
  • 増資による分配先増加で、1口あたりの価格が減少
  • 投信法や不動産に関係する法律、税制度などの変更
  • 金利変動
  • 予期せぬ感染症の拡大

不動産購入資金は、投資家からの出資金だけでなく、金融機関からの借入金によってもまかなわれています。これは出資額を抑えて投資効率を上げるレバレッジ効果(※)を狙った手法でもありますが、金利が上昇すると、銀行に支払う利息が増えるため、収益が減少、分配金も減額、結果的にREITの価格が下落する可能性があります

上記で挙げた以外のリスクは、上場時や増資時にREITが発行する目論見書、決算ごとに開示される有価証券報告書などに、詳しく記載されています。リスクだけでなく、リスクの軽減策も併せて書かれているので、投資する際にはそれらをよく読み、リスクを確認することが重要です。

  • レバレッジ効果…てこの原理。小さい資金で投資効果を上げ、収益性を高めること。具体的には、自己資金と借入金を併用することで、自己負担分を少なく、見た目の利回り以上の利益を得ること。

2.投資法人の倒産や上場廃止のリスク

投資法人も、一般企業と同じように、金融機関からの融資状況、収益低下によるキャッシュフロー悪化などから倒産するリスクがあります。しかし仮に経営破綻した場合でも、保有している不動産の価値はゼロにならないため、精算時に不動産を売却すれば投資資金の一部または全額が戻る可能性もあります。

また、REITの銘柄が証券取引所の上場廃止基準に該当した場合、つまり投資家が売買するのにふさわしくない銘柄として判断された場合、上場廃止となって取引が終了となるリスクがあります。上場廃止基準とは、投資家を保護するために定められた基準です。

3.配当控除が適用されない

REITにおける分配金は、配当所得にあたるため、株式と同じように扱われます。ただし、株式の場合は配当に対して配当控除が適用されますが、REITの場合は適用されません。

REIT(リート)の買い方

REITの買い方

一般的にREITは証券会社を通じて購入できるので、投資家は証券会社に口座を開設する必要があります。REITの売買時に手数料が発生しますが、証券会社によっては取引ごとではなく、一定期間の定額料金で支払う場合もあります。手数料の額、支払い方法については各証券会社に確認しましょう。

配当金は、各投資法人の決算期末の4営業日前(決算日を含めて)に投資口を保有している投資家を対象に、保有する投資口数に応じて決算から3ヵ月以内に支払われます。個人の投資家の場合は、株式と同様に20.315%の源泉徴収がかかりますが、一般NISA口座を開設して取引をする場合は、上限額内の取引額であれば非課税で配当金を受け取ることができます。

REITは、個別の銘柄を選んで購入する方法が一般的ですが、そのほかに、東証REIT指数を対象としたETF、J-REITを組み入れた投資信託を購入する方法もあります。それぞれ販売内容や手数料、購入金額が異なります。

販売内容や手数料、購入金額

1.個別銘柄

個別銘柄のREITは株式と同様に、証券会社で購入できます。株式は100株単位ですが、J-REITは1口単位なので、投資に必要な最低金額は1口あたりの価格になります。1口あたり1万円台から数十万円とさまざまな銘柄があります。かかる手数料は売買手数料のみです。

個別銘柄には、1つの用途に特化した「単一用途型REIT」と、複数の用途に分散して投資する「複数用途型REIT」があります。さらに、複数用途型には、2つの用途の不動産を投資対象とする複合型と、3つ以上の用途の不動産を投資対象とする総合型があります。例えば、住宅は景気に左右されにくい、オフィスビルは収益性が高いなど、不動産の種類によって特色が異なるため、単一用途型を購入する場合は、入念な下調べが必要です。初心者には、複数用途型のほうが、分散投資ができ安全度が比較的高いため、おすすめです。

個別銘柄

2.ETF(REIT型ETF)

ETFとは「上場投資信託」を指し、東証株価指数(TOPIX)など特定の指数の値動きに連動する投資信託です。REIT型ETFは、「東証REIT指数」に連動するしくみで運用されています。投資家がREIT型ETFの1つの銘柄を購入すると、上場しているREITの全銘柄にまとめて投資することになるため、分散投資ができるしくみとなっています。REIT自体も投資家から資金を集めて複数の不動産に分散投資をしているため、ETFの分散との相乗効果でリスクが比較的低くなると考えられています。また、REIT型ETFは「東証REIT指数」に連動して運用されているので、REITの個別銘柄と比較して、価格の値動きがゆるやかになることも特徴として挙げられます。

REIT型ETFは証券会社で売買できます。売買には、売買手数料だけでなく、ファンドマネージャーによる運営費用としてETF保有期間中に信託報酬・監査報酬がかかります。

3.投資信託(J-REITファンド)

J-REITを対象とした投資信託(J-REITファンド)もあります。これは、個別銘柄に投資したいけれども資金がない人や、積立で不動産投資をしたい人におすすめです。中には、J-REITだけではなく、海外REIT、株式や債券も含めてバランスよく投資しているファンドもあるため、ETFと同じように分散効果を高めた金融商品といえます。

個別銘柄は少額投資とはいえ、銘柄によっては数十万円とまとまった資金が必要になりますが、投資信託は会社によって1万円以下で購入することができます。また積立投資もできるので、ドルコスト平均法(※)で不動産投資ができるのもメリットです。

一方でファンドマネージャーに運用委託する分、ETFと同様に売買手数料だけでなく、信託報酬・監査報酬が投資信託保有期間中に発生します。証券会社だけでなく、投資信託を扱う銀行でも購入できます。

  • ドルコスト平均法…価格が変動する金融商品を、毎月定期的に一定の金額で購入し続ける手法です。価格が低いときの購入量は多くなり、価格が高いときの購入量は少なくなるので、長期で続けるほど平均購入単価が下がり、価格変動のリスクを抑えることができます。

まとめ

まとめ

利回りが高く、積極的に売買をしなくても長期間保有することで安定的な配当金を受け取ることができるREIT。現物不動産投資に興味があっても、高額な初期投資費用に二の足を踏んでいた人でも、間接的に不動産のオーナーになることができます。一般NISA口座の非課税枠を利用するなどして、REITで上手に資産形成してみましょう。

  • 本記事に掲載されている情報は、投資判断の参考として投資一般に関する情報提供を目的とするものであり、投資の勧誘を目的とするものではありません。
    また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、弊社、投稿者および情報提供者は一切の責任を負いません。
    投資に関するすべての決定は、利用者ご自身の判断でなさるようお願いいたします。
  • 本記事は、公開日時点での情報です。

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