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育児・介護休業法とは?男性も育休をとりやすくなる改正法を基本事項と共に解説

育児・介護休業法とは?男性も育休をとりやすくなる改正法を基本事項と共に解説

三藤桂子

社会保険労務士・三藤FP社会保険労務士事務所

監修:三藤桂子

大学卒業後、公務員、専業主婦、自営業、会社員、シングルとあらゆる立場を経験し、辛い過去を乗り越え、会社員の時、年金のしくみに興味を持ち資格を取得。FPと社会保険労務士として開業するまでに至る。現在、FPと社会保険労務士の二刀流を強みに、法人、個人の労務、年金などの相談業務、労務・年金(マネー)・終活セミナー、執筆など、幅広く行う。常に自身の経験を活かし、丁寧な対応を心がけ活動している。本名、三角桂子。

なにかと忙しい産後の生活で、頼りになるのが夫の存在。しかし日本では「男性の育児休業」がまだまだ浸透していない実態があります。厚生労働省が発表した「令和2年度雇用均等基本調査」での育児休業取得率は、2020年度で女性が81.6%、男性は12.65%でした。

この状況を打開しようと、2021年6月3日(木)に「育児・介護休業法」の4度目の改正が可決・成立し、会社での男性が育児休業を取得しやすい環境づくりが義務化されました。

また同じ法律において、家族の介護が必要になった際に取得できる介護休業にも触れています。「育児・介護休業法」は、夫婦が仕事と家庭を両立するために欠かせない法律といえます。

これまで社会情勢に合わせて4回も改正を繰り返し、育児休業・介護休業の充実化を図ってきました。では、これまでにどのように変化してきたのか、そして今回の改正で、男性の育児休業はどのように取得しやすくなったのか、詳しく解説していきます。

INDEX

育児・介護休業法とは

育児・介護休業法とは

「育児・介護休業法」の正式名称は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」です。会社勤めの人が育児や介護を理由に勤め先を辞めることなく、仕事と家庭を両立できるように、支援する法律です。

育児・介護休業法には、産後に取得できる「育児休業制度」や、家族の介護が必要なときに取得できる「介護休業制度」などを含む、さまざまな両立支援制度が定められています。

各制度は、正社員だけでなく、一定要件を満たしていればパートやアルバイト、派遣社員や契約社員でも利用できます。また会社に規則が整備されていなくても、希望者が要件を満たしていれば、法に基づいて各制度を利用できます。

育児・介護休業法に含まれる制度

では、育児・介護休業法に基づく制度にはどのようなものがあるのでしょうか。2021年5月現在の制度を一部ご紹介します。こちらには2021年6月改正分の内容は盛り込んでいません。改正分については後ほど詳しく解説します。

育児休業制度

「育児休業制度」は、1歳未満の子どもを養育するために、従業員が休業を取得できる制度です。男女ともに、配偶者が専業主婦(夫)や育児休業中でも、取得できることがポイントです。パートやアルバイトなどは一定の要件を満たせば利用できます。

休業を取得できる期間は、男女で異なります。女性は8週間の産後休業が終わった翌日から、子どもが1歳の誕生日を迎える前日まで。男性は子どもが生まれた日から、1歳の誕生日を迎える前日までの申請した期間を休むことができます。また、保育所に応募したのに入所が決まらなかったなど、事情がある場合は段階的に最長2歳まで延長できます。

また、以下のような特例もあります。

・「パパ休暇」

子どもが生まれてから8週間以内に育児休業を取得して復帰した場合、特別な事情がなくても1歳までの間に2回目の育児休業を取得できます。

・「パパ・ママ育休プラス」

両親がともに育児休業を取得する場合は、特別な事情がなくても子どもが1歳2ヵ月に達する日までの、休業を延長できます。1人当たりの育児休業できる期間は1年間が限度です。

ただし、以下が当てはまる人は、労使協定で対象外となり、育児休業制度を利用できない可能性があります。勤め先によって方針が異なるため、都度確認しましょう。

  • 雇用期間が1年未満の労働者
  • 育児休業の申し出から1年(1歳以降の休業の場合は、6ヵ月)以内に雇用期間が終了するのが明らかな労働者
  • 1週間の労働日数が2日以下の労働者

有期契約労働者は、申し出時点において、次の要件を満たすことが必要となります。

  • 入社1年以上
  • 子が1歳6ヵ月に達する日までに労働契約が満了し、更新されないことが明らかでないこと

産休、育休について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

育児休業中の給与を補填するために「育児休業給付金」を受け取ることができます。詳しくはこちらをご覧ください。

介護休業制度

介護休業制度

要介護状態の家族を介護するために、従業員が休業を取得できる制度です。要介護状態とは、負傷、疾病または身体上・精神上の事情により、2週間以上常に介護を必要とする状態を指します。対象家族1人につき3回まで、通算93日まで取得可能です。パートやアルバイトなども一定の要件を満たせば利用できます。

ただし、以下が当てはまる人は、労使協定で対象外となり、制度を利用できない可能性があります。会社によっては方針が異なるため、都度確認しましょう。

  • 雇用期間が1年未満の労働者
  • 申し出から93日以内に雇用期間が終了する労働者
  • 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

有期契約労働者は、申し出時点において、次の要件を満たすことが必要となります。

  • 入社1年以上
  • 介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6ヵ月を経過する日までに労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと

子の看護休暇

病気やケガなどで子どもを看護しなければいけないとき、子どもに予防接種や健康診断を受けさせるときに取得できる休暇制度で、小学校入学前の子どもがいる従業員が対象です。子どもが1人の場合は年5日、2人以上の場合は年10日まで取得できます。1日または時間単位で取得できます。

ただし、入社6ヵ月未満の従業員や、1週間の労働日数が2日以下の従業員は対象外となる可能性があるので、勤め先に確認しましょう。

介護休暇制度

介護休業制度とは別に、要介護の家族がいる従業員が短期の休暇を取得できる制度です。対象家族が1人の場合は年5日、2人以上の場合は年10日まで取得可能で、取得単位は1日または時間単位で取得できます。会社が特に規則を定めていない場合には、毎年4月1日から翌年3月31日までで取得可能です。

「子の看護休暇」と同じく、入社6ヵ月未満の従業員や、1週間の労働日数が2日以下の従業員は対象外となる可能性があるので、勤め先に確認しましょう。

育児・介護休業法改正の内容とポイント

育児・介護休業法改正の内容とポイント

育児・介護休業法は制定後も4回改正を行い、男女ともに家庭と仕事を両立できるような雇用環境を目指しています。これまでの改正内容とそのポイントを解説します。

2017年1月改正の内容とポイント

2017年1月の改正では、以下のように内容が変わりました。介護・育児いずれも取得条件が緩和され、より柔軟に休業を取得できるようになりました。

2017年1月改正の内容とポイント

  • 要介護状態の判断基準が変更
  • 介護休業制度などの対象家族の範囲を拡大
  • 介護休業の分割取得
  • 介護休暇・子の看護休暇の取得単位の柔軟化
  • 介護のための所定労働時間の短縮措置など
  • 介護のための残業の免除
  • 育児休業などの対象となる子の範囲を拡大
  • 育児・介護休業の期間雇用者(パート・アルバイトなど)の要件を緩和

・要介護状態の判断基準が変更

「要介護状態」と認める条件が「2週間以上常に介護が必要な状態」に加えて、新たに1または2に該当することが設定されました。

1)介護保険制度の要介護状態区分において、要介護2以上であること。
2)以下の表の状態①~⑫のうち、2が2つ以上または3が1つ以上該当し、かつ、その状態が継続すると認められていること。

要介護状態の判断基準についての表

・介護休業制度などの対象家族の範囲を拡大

介護休業の対象となる家族は、利用者から見て配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫です。改正後は、対象家族の同居・扶養については不問となりました。

・介護休業の分割取得

介護休業の取得回数が1回のみだったところ、改正後は3回まで分割で取得できるようになりました。

・介護休暇・子の看護休暇の取得単位の柔軟化

介護休暇と子の看護休暇が、半日(所定労働時間の1/2)単位で取得ができるようになりました。

  • 2021年1月の改正で取得単位が再度変わります。

・介護のための所定労働時間の短縮措置など

介護と仕事の両立を図るために、従業員が希望した場合は以下を利用できます。
①所定労働時間を短縮
②フレックスタイム制度
③始業・終業時刻の繰り上げ・繰り下げ
④労働者が利用する介護サービス費用の助成など

これらの適用期間は介護休業と通算して93日以内と限定的でしたが、改正で①~③を「介護休業とは別に」利用開始から3年間で2回利用することが可能になりました。例えば、最初の1年間に①を選択し、93日以内の介護休業を取得後、最後2年間は②を利用することができます。もちろん、利用者の希望によっては3年間同じ制度を利用し続けることもできます。

・介護のための残業の免除

介護をしなければいけない従業員は、介護の必要がなくなるまで残業の免除を受けられるようになりました。

・育児休業などの対象となる子の範囲を拡大

法律上親子関係にある実子・養子以外に、以下の「法律上の親子関係に準じる関係にあると言える子」が、育児休業取得の対象として認められました。

  • 特別養子縁組の監護期間中の子
  • 養子縁組里親に委託されている子など

・育児・介護休業の期間雇用者(パート・アルバイトなど)の要件を緩和

育児休業においては、申し出時点で以下の2つの要件を満たしていれば取得できるようになりました。
①入社1年以上であること
②子どもが1歳6ヵ月になるまでの間に労働契約期間がなくなることが明らかでないこと

介護休業においては、申し出時点で以下の2つの要件を満たしていれば取得できます。
①入社1年以上であること
②取得予定日の93日後から6ヵ月以内に雇用契約がなくなることが明らかでないこと

  • 育児休業・介護休業ともに、2021年1月の改正で要件が再度変わります。

2017年10月改正の内容とポイント

2017年10月改正の内容とポイント

2017年10月1日(日)より施行された法改正では、「育児」に注力されています。より、子どもと保護者が一緒にいられるような配慮がされた内容となっています。

2017年10月改正の内容とポイント

  • 育児休業の延長期間の再延長が可能に
  • 育児休業制度などの個別周知の努力義務
  • 育児目的休暇制度化の努力義務

・育児休業の延長期間の再延長が可能に

育児休業を1歳6ヵ月まで延長後、保育所などに入所申し込みをしていても入所先が決まらなかった場合など、延長の条件を満たせば最大2歳まで再延長することが可能となりました。1歳の時点で、2歳までの延長を求めることはできないので注意しましょう。期間延長に伴い、育児休業給付金も2歳まで給付されます(別途申請が必要です)。

・育児休業制度などの個別周知の努力義務

育児休業の取得を希望しながら、会社が育児休業を取得しづらい雰囲気であることを理由に、育児休業の取得を断念することがないよう、会社側は、従業員やその配偶者の妊娠・出産を知った際に、従業員に個別に育児休業などに関する制度を知らせるように努めなければいけません。

・育児目的休暇制度化の努力義務

出産への立ち合い、入園式、卒園式などの各行事に従業員が参加できるように、会社側に「育児目的休暇」を制度化する努力義務が課されました。育児目的休暇制度は、小学校に上がるまでの子どもをもつ従業員が対象となる制度です。これには子の看護休暇や年次有給休暇は含まないものとしています。

2021年1月改正の内容とポイント

2021年1月改正の内容とポイント

  • 「子の看護休暇」と「介護休暇」が時間単位で取得可能に

2021年1月1日(金)より施行された改正で、「子の看護休暇」と「介護休暇」が時間単位で取得できるようになりました。1時間に満たない時間は切り上げでカウントされるため、1時間半の場合は休暇を2時間取得したことになります。また、改正後はパートやアルバイト、契約社員なども含む「すべての労働者が取得できる」と規定されています。

休暇は法令上、就業前後に取得するものとしていますが、会社などへは就業時間の途中から時間単位で休暇を取得する「中抜け」を認めるよう呼びかけています。またすでに「中抜けあり」としていた企業が、「中抜けなし」と変更するのは従業員にとって不利益な労働条件の変更であると注意喚起をしています。

2021年6月改正の内容とポイント

2021年6月改正の内容とポイント

2021年6月3日(木)に可決・成立した改正法では、男性が育児休業を取得しやすくなるような制度を新設しています。施行順に、改正内容を解説していきます。

2021年6月改正の内容とポイント

【2022年4月1日(金)施行分】

  • 育児休業を取得しやすい雇用環境整備を義務化
  • 有期契約労働者(パートやアルバイトなど)の育児・介護休業取得要件を緩和

【公布日から1年6ヵ月を超えない範囲内で政令で定める日に施行される分】

  • 男性による出生時の育児休業取得可能な制度を新設
  • 育児休業の分割取得等

【2023年4月1日(土)施行分】

  • 育児休業の取得の状況の公表を義務付け

【2022年4月1日(金)施行分】
・育児休業を取得しやすい雇用環境整備を義務化

これまで努力義務とされてきた、会社などによる“育児休業の申し出、取得をしやすい環境づくり”は改正後に義務化されます。希望者から申し出があった場合は、短期はもとより1ヵ月以上の長期の休業の取得を希望する従業員の希望も優先するように、会社側の配慮を呼びかけています。
また、妊娠・出産の申し出があった従業員に対しての個別周知も義務化されます。会社側は、育児休業などの制度を伝えて従業員に複数選択肢を与えるほか、従業員の制度の取得意向を確認するために必要な措置が、対応内容として挙げられています。

・有期契約労働者(パートやアルバイトなど)の育児・介護休業取得要件を緩和

育児休業においては、子どもが1歳6ヵ月となる日までに労働契約期間を満了することが明らかではない限り、取得可能となります。無期契約労働者の人と同様な取り扱いになります。ただし、雇用期間が1年未満である従業員は労使協定で対象外となる可能性があるので、確認しましょう。

【公布日から1年6月を超えない範囲内で政令で定める日に施行される分】
・男性による出生時の育児休業取得可能な制度を新設

新制度では男性が出生直後の時期に柔軟に育児休業を取得できるようになります。現行の育休制度の取得期間は原則「1歳の誕生日の前日まで」に1回、パパ休暇のしくみと2回取得可能でしたが、新制度は女性の産後休業期間に相当する「子どもが生まれてから8週間以内」に4週間まで2回に分けて取得可能となりました。さらに、現行の育休制度において原則分割不可とされている取得を2回に分けることが可能となるため、子どもが1歳になるまでの間に、最大4回に分けて取得可能となります。この新しい育児休業制度に伴い、現行の「パパ休暇」のしくみは廃止されます。

労使協定を締結している会社では、従業員が合意した範囲で就業が可能となります。また、就労可能日の上限は休業期間中の労働日・所定労働時間の半分まで働くことができるように設ける予定です。雇用保険法改正で現行の育児休業給付金に新たな給付金制度として出生時育児休業給付金が創設されます。給付金に給与分が上乗せ(調整あり)になるので、なにかと物入りな産後の家計も助かります。

・育児休業の分割取得等

法改正により男女ともに、育児休業(新制度の出生時育児休業を除く)を2回に分けて取得できるようになります。また、1歳以降に保育所に入ることができないなどの事情で延長・再延長をするとき、夫婦で交代して休業を取得したい場合は、現行では開始日が1歳~1歳6ヵ月、もしくは1歳6ヵ月~2歳の初日に限定され、各期間の区切りの良いタイミングでしか交代できませんでした。導入されれば、夫婦どちらかが育休を取得している場合に、各期間途中でも夫婦のタイミングで柔軟に交代できるようになります。

【2023年4月1日(土)施行分】
・育児休業の取得の状況の公表を義務付け

雇用者数が1,000人を超える会社などに対して、育児休業の取得状況を公表するように義務付けられます。

まとめ

2021年6月に成立した改正法を含めると、育児休業と介護休業は以下のようになります。

育児休業
介護休業

家庭と仕事の両立は大変ですが、夫婦で制度を上手に活用すると、お互いの負担を減らすことができます。仕事を続ければ、育児・介護をしながらでも、夫婦それぞれのキャリアの選択肢を広げることができるかもしれません。家族のために、自分のためにぜひ活用してみてください。

育児にかかるお金事情を知りたい方はこちらをご覧ください。

  • 本記事は、公開日時点での情報です。

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