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育児休業給付金とは?手当の申請・計算方法や期限延長もわかりやすく解説

育児休業給付金とは?手当の申請・計算方法や期限延長もわかりやすく解説

ファイナンシャルプランナー 吉野裕一

監修:吉野 裕一

ファイナンシャルプランナー

マイホームを購入しようと考えた時に、お金の増やし方などに興味を持ち、ファイナンシャルプランナーという資格がある事を知って、FP資格を取得。知らなければ損をしてしまう事を多く知り、多くの方にアドバイスできるようにFP事務所MoneySmithを設立。設立以降、セミナーやコラムの執筆、個別相談など幅広く活動を続け、多くの方にお金の本質やライフプランの重要性を伝えている。

少子化の進行や女性の職場進出の進展が見られる現代において、育児休業を取得しやすくし、育児をする労働者の職業生活の円滑な継続を目的として育児休業給付制度が制定されました。

また2023年4月には「育児休業の取得の状況の公表の義務付け」が、企業規模は限定的ですが施行され、子を持つ社員への育児休業取得が社会的にも求められるようになってきました。

育児休業給付金の申請は、通常は会社の人事部などを通じて手続きしますが、個人でも申請方法や支給額の計算方法など、基本知識を頭に入れておくと安心です。

INDEX

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育児休業給付金とは?

そもそも、育児休業給付金とは何なのでしょうか。これは簡単にいうと、育児休業中に国からお金が給付されるという制度です。産前産後休業とは違い、育児休業とは、父親、母親に関わらず、子どもを養育する義務のある労働者が法律に基づいて取得できる休業のことです。ですが、その間、収入がなくなってしまうのは問題です。この状態を支援するため、休業後の復職を前提とし、育児休業を取得することや取得しやすくすることを目的として国が給付しています。なお、この給付金は非課税です。さらに被保険者は、休業中の社会保険料も免除されます。

2022年の育児・介護休業法の改正のポイントは?

2022年4月より、段階的に育児・介護休業法が施行されました。2022年10月には、男女とも仕事と育児を両立できるように、産後パパ育休(出生時育児休業)の創設や育児休暇の分割取得などができるようになりました。

産後パパ育休

産後パパ育休(正式には出生時育児休業)は、通常の育児休業とは別の制度になりますが、産後パパ育休取得中は、出生時育児休業給付金が受けられます。この制度を利用するためには、原則取得したい日(出産予定日)の2週間前までに申し出が必要です。
出生時の育児休業となるため、取得可能期間は、出産日から8週間後の翌日の間までになり、最長4週間(28日)を2回まで分割(事前申請)して取ることができます。ただし、出産日が出産予定日より前後した場合は、取得可能期間は以下のようになります。

育児休暇の分割取得

2022年10月からは、子が1歳になるまでの育児休業を分割して2回取得することが可能となり、育児休業を分割して短期間での取得や、夫婦間で取得時期をずらして育休を交代するなど柔軟な取得ができるようになりました。

1歳以降の育児休業の延長での変更点

1歳以降の育児休業延長の場合、育児休業開始日は1歳、1歳半の時点に限定されていましたが、2022年10月からは1歳以降の育児休業開始日を柔軟に設定できるようになりました。また特別な事情がある場合に限り再取得可能となりました。

さらに、保育園に入れないなど、育児休業の延長事由があり、かつ、夫婦交代で育児休業を取得する場合(延長交代)は、1歳~1歳6ヵ月と1歳6ヵ月~2歳の各期間において夫婦それぞれ1回に限り育児休業給付金が受けられるようになりました。

育児休業給付金の支給期間は?

育児休業給付金は、母親と父親で支給期間が異なります。
母親の場合は、産後休業期間(産後8週間以内)の終了後、その翌日から子どもが1歳となる前日までの育児休業期間が支給期間です。父親の場合は、子どもの出産予定日か出産日のどちらか早い日から1歳の誕生日を迎える前日までの育児休業期間が支給期間となります。そのほか、支給金額、利用条件などは夫婦に違いはありません。
また夫婦同時に申請・取得しても、給付金はそれぞれに支給されます。ただし、子どもが1歳になる前に職場復帰された場合は、復帰日の前日までが支給期間となります。

育児休業給付金の支給期間を延長するには?

保育所などの施設に子どもを預けられないなどの理由で仕事に復帰できないときは、支給期間を延長できます。延長の条件を満たせば段階的に、1歳から1歳6ヵ月まで、1歳6ヵ月から最長2歳まで延長することが可能です。1歳の時点で、2歳までの延長を求めることはできないので注意しましょう。

満たすべき諸条件や、提出する書類、手続き方法については、後ほど詳しく解説いたします。

パパ・ママ育休プラス制度

夫婦で育休を取得している場合、「パパ・ママ育休プラス制度」を利用すれば、育児休業給付金の支給期間を1歳2ヵ月まで延長できます。「パパ・ママ育休プラス制度」は2022年10月以降も継続します。

この延長には、“保育園に預けられない”など、仕事に復帰できない理由は必要ありません。“もう少し夫婦で育休を取りたい”、“夫婦交代で育休を取りたい”など、夫婦による育児・仕事の希望を叶えるための制度といえます。

ただし、以下のような条件を満たしている必要があります。

  1. 子どもが1歳になるまでに、配偶者が育児休業を取得していること。
  2. ご本人(母親)の育児休業開始予定日が、子どもの1歳の誕生日以前であること。
  3. ご本人(母親)の育児休業開始予定日は、配偶者の育児休業の初日以降であること。

「パパ・ママ育休プラス制度」の利用について、申請先は育児休業給付金と同じですが、準備すべき書類が異なりますので注意してください。

パパ・ママ育休プラス制度の申請時に必要な書類

    • 住民票の写し(世帯全員分)
    • 配偶者の育児休業取得が証明できる書類(配偶者の育児休業取扱通知書の写しなど)

育児休業給付金の給付条件

育児休業給付金を受給するには、いくつかの条件を満たす必要があります。ここで、詳しく給付条件についても確認しておきましょう。

給付期間前の条件

  • 雇用保険の被保険者であること
    育児休業給付金は雇用保険への加入者が対象です。
  • 下記被保険期間を満たすこと
    育児休業を開始した日から遡り、2年間で就業日(賃金支払基礎日数)が11日以上である月が12ヵ月以上あること。ただしこれを満たさない場合でも、同期間中に第1子の育児休業を取得した、もしくは申請者本人に疾病などがあれば、受給できる場合があります。また、被保険者期間が上記要件を満たさない場合でも、産前休業開始日など(※1)より前、2年間に就業日(賃金支払基礎日数)が11日以上(※2)ある完全な月が12ヵ月以上ある時は、育児休業給付支給にかかる被保険者期間要件を満たします。
  • 1 産前休業開始日より前に子を出生した場合は「子を出生した日の翌日」、産前休業開始日より前に母性保護のための休業をした場合は「休業を開始した日」を起算点とします。
  • 2 11日以上の月が12ヵ月ない場合は、時間数が80時間以上の月を1ヵ月として算定。

これらの条件を満たしている場合、申請が受け入れられ育児休業給付金が給付されます。ただし給付期間中も、以下条件に該当している必要がありますので注意してください。

給付期間中の条件

  • 賃金月額(休業開始前に受け取っていた賃金)のうち8割以上の金額が支払われていない
  • 期間中の就業日数が月10日(10日以上ある場合は、就業時間が80時間)以下

これらの条件については自身で管理すると共に、あらかじめ人事部や所属部署などと相談および調整しておくと安心です。

育児休業給付金の申請方法

育児休業給付金の申請方法

それでは、実際に育児休業給付金を取得するにあたっての申請方法を見ていきましょう。原則として、雇用主である会社が申請手続きをハローワークに対して行います。申請者自身がハローワークに直接申し込むこともできますが、賃金の証明など結局は会社側に依頼しないといけないため、会社を通して申し込んだほうが手続きは楽でしょう。

育児休業給付金の申請は原則として2ヵ月に一度行う必要があります。初回と2回目以降では提出書類が異なります。
なお、育児休業給付金は申請してすぐ支給されるわけではありません。実際の支給までは数ヵ月を要しますので、あらかじめ頭に入れておいてください。

必要な書類と書き方

まず、育児休業給付金の支給を受けるためにはその受給資格確認手続きが必要になります。この受給資格確認の申請と初回の育児休業給付金の支給申請は同時に行う事が可能です。

【初回申請時提出書類】
①雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
②育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書(※)(マイナンバー記載の必要あり

【初回申請時添付書類】
③賃金台帳、労働者名簿、出勤簿、タイムカードなど育児休業を開始・終了した日、賃金の額と支払い状況を証明できるもの
④母子健康手帳など育児の事実、出産予定日および出産日を確認することができるもの(写し可)

申請者は提出書類作成のため、以下の2点も用意しておく必要があります。
⑤マイナンバーカード、もしくはマイナンバーカードの通知書と本人確認書類(運転免許証など)の写し
⑥給付金を受け取る口座の通帳の写し

基本的に①②の書類の記入に関しては会社の担当者が記入する箇所も多いので、指示に従い対応するのが良いでしょう。参考までに以下資料のP13に、各書類の記入例が紹介されています。

  • 別ウィンドウで「厚生労働省」のウェブサイトにリンクします。
  • 別ウィンドウで厚生労働省のウェブサイトにリンクします。

2回目以降は、初回申請時にハローワークから送られてくる次回分の育児休業給付金支給申請書に記入をし、出勤簿や賃金台帳などの添付書類と共に、申請をします。

申請方法

以下、会社を通じて申請する手順です。個人で直接ハローワークに申請する際も、ほぼ同じフローとなりますので、書類の入手先・申請先を確認しておきましょう。

  1. 申請者が、会社の管轄部署(総務、人事部など)に育児休業予定を伝え、提出書類(①②)作成に必要な資料(④⑤⑥)を提出する。
  2. 会社側が、事務所の所在地を管轄しているハローワークに書類①②と添付書類(③④)を提出し申請する。
  3. ハローワークより受給確定通知と次回申請分の育児休業給付金支給申請書が届く。

申し込みの期限は、育児休業開始日から4ヵ月経過する月の月末までです。例えば6月10日に育休を開始した場合、期限は10月31日となります。

育児休業給付金支給額の計算方法

育児休業給付金は2ヵ月ごとに決められた金額が支給され、この支給額には上限・下限があるほか、実際の金額は受給者によって異なります。ご自身がどの程度の給付金を受け取れるのか、ここで計算方法などを解説していきましょう。

計算方法

1ヵ月あたりの給付金支給額は、以下の計算式から算出されます。

  • 育児休業開始から180日:
    [休業開始時賃金日額×支給日数(原則30日)]×67%
  • 育児休業開始から181日目以降:
    [休業開始時賃金日額×支給日数(原則30日)]×50%

なお、休業開始時賃金日額は申請時に提出する「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」をもとに、育児休業を開始する前6ヵ月間の賃金を180日で割った金額です。ここでいう賃金とは、残業手当、通勤手当、住宅手当などを含む給与額面のことで、手取り金額ではありません。具体的な金額を例に挙げておきますので、ご自身の状況と照らし合わせて参考にしてください。

休業開始直前の6ヵ月で180万円(1ヵ月30万円)の賃金を得ていた場合

支給額の上限と下限

育児休業給付金と賃金月額の支給限度額は、毎年8月1日に見直されます。育児休業給付金について賃金月額および支給額は、以下のとおり上限・下限が規定されています。

賃金月額

    • 上限額:46万2,900円(※)
    • 下限額:8万2,380円(※)
    • 2023年8月1日(火)に見直された賃金月額の上限額と下限額

支給限度額

    • 育児休業開始から180日(67%):31万143円(※)
    • 育児休業開始から181日目以降(50%):23万1,450円(※)
  • 2023年8月1日(火)に見直された支給限度額

支給限度額を越えている場合は、一律限度額までの支給となります。また、下限額を満たさない場合に関しても一律下限額まで引き上げられます。下記表の支給額がその例となります。

例:休業開始直前の6ヵ月で300万円(1ヵ月50万円)の賃金を得ていた場合

  • 基準となるものは給与額面であり、手取り金額ではありません

横にスライドしてください

休業開始時賃金日額 300万円÷180日=1万6,667円

横にスライドしてください

育児休業開始から180日 育児休業開始から181日目以降

ひと月の支給額
の方程式

[休業開始時賃金日額×
支給日数(30日)]×67%
[休業開始時賃金日額×
支給日数(30日)]×50%

実際の数字を
当て込んだもの

1万6,667円×30日×0.67 1万6,667円×30日×0.50

支給額

33万5,007円

限度額に修正→31万143円

25万5円

限度額に修正→23万1,450円

育児休業給付金の支給期間を延長する場合

育児休業給付金は、原則子どもが1歳の誕生日を迎える前日までが支給対象期間ですが、やむを得ない場合は最大2歳まで延長することができます。

延長の条件

以下が延長の条件ですが、いずれの場合も「育児休業取得者本人が、子どもの保育を続けなければいけない状況下にあるため、仕事ができない」ケースを指しています。

1歳となった後の保育所などの申請を行っているものの、受け入れ先が決定していない場合

申請先は認可保育園など、各市区町村に申請する施設が対象です。そのため、無認可保育施設にしか入園届けを出していない場合は延長の対象となりません。
 例)希望する認可保育所に申し込みをしたけれども全部落ちてしまった。祖父母も高齢で預けることができず、現在抽選待ちの状況のため、延長を申請。

子どもが1歳になった後、以下のような状態に陥った場合

  • 配偶者(子どもを養育する者)が死亡や負傷、疾病、その他の身体・精神上の障害で養育困難となった
  • 離婚して配偶者が子どもと別居することになった
  • 新たな妊娠によって6週間(多胎妊娠は14週間)以内に出産予定、もしくは産後8週間を経過しない

 例)父親が育休中、母親が入院して看護が必要なため、延長を申請。

延長の申請方法

延長の申請先は、初回申請先と同じハローワークです。会社を通じて申請もできますが、個人でもできます。

申請期日

育児休業給付金の対象期間で子どもが1歳に達する日前の支給対象期間、または子どもが1歳に達する日前の支給対象期間に間に合わなかった場合は、子どもが1歳になる日の前日
(1歳6ヵ月時は、上記1歳を1歳6ヵ月と置き換える)

申請方法

いずれの場合も、勤務先で用意されている「育児休業申出書」などの書面で申請を行います。e-Govから電子申請を行うこともできるようになりました。
なお、過去に育児休業の前例がなく書面の用意もされていない場合は、以下厚生労働省ホームページのサンプル様式を利用すると良いでしょう。勤務先は「育児休業申出書」の記載情報をもとに「〔育児・介護〕休業取扱通知書」を作成して、これを管轄のハローワークへ提出します。

  • 別ウィンドウで「e-Gov」のウェブサイトにリンクします。
  • 別ウィンドウで厚生労働省のPDFが開きます。
  • 上記ウェブサイトは予告なく変更、または削除される可能性があります。その場合は厚生労働省ホームページからご確認ください。

ただし、申請を行っただけでは育児休業金が受け取れません。支給対象であるかどうかを証明するため、以下の書類を合わせて提出してください。

  • 育児休業給付金支給申請書
  • 延長の必要性が証明できる書類(保育所の入所保留、入所不承諾通知書、疾病に関わる医師の診断書など)

育児休業給付金はいつ振り込まれる?

それでは、育児休業給付金が振り込まれるまでは実際どれくらいかかるのでしょうか?
大きな流れは以下のようになります。

  • ハローワークによる審査(休業状況の調査:2週間程度)
  • 「育児休業給付金決定通知書」が届き支給決定
  • 支給決定後、1週間程度で指定口座へ振り込み

育児休業給付金は、育児休業状況の審査・承認後に支払われます。その流れから、育休を開始してから原則2ヵ月分を1回として支給されるので、初回支給までに3ヵ月程度かかります。また、産後の場合は産休明け(出産翌日から56日後)から育休期間の対象となるため、出産後4~5ヵ月頃を目安に支給されます。

育児休業給付金支給申請書を提出して承認されると、ハローワークから「育児休業給付金支給決定通知書」が交付されます。その通知書に交付日が記載されているので、それを目安に約1週間前後で振り込まれると考えればいいでしょう。

また、給付金は一度申請したら期間中はもらえる、というものではなく、2ヵ月ごとの申請が必要となります。2回目以降は支給申請から振り込みまで1~2週間程度となります。

2ヵ月に1回の支給だと困る場合もあるでしょう。その場合、1ヵ月に1回にすることも可能ですので、育休申請をする前に会社の担当窓口に相談しておきましょう。

以上のことから、まとまった金額で受け取れるとはいえ、実際に振り込まれるまでにはかなり月日がかかるので、申請は早めにすることと、無給の期間を見越した貯蓄はしておいたほうが良いでしょう。

育児休業給付金の注意事項

育児休業給付金を受給するにあたっては、いくつか注意すべき点があります。場合によって給付が受けられないなどの事態となる可能性があるため、事前に確認しておきましょう。

退職が決まっている場合

育児休業給付は、原則として育児休業終了後に職場復帰することを前提とした制度です。そのため、育児休業の取得時点で退職予定があれば、残念ながら支給対象となりません。
ただし、受給資格を取得した後、何らかの事情により退職が決まることもあるでしょう。そうした際は、退職日を含んだ支給単位期間の1つ前の支給単位期間まで育児休業給付金が受給できます。それ以降は支給対象から外れますが、すでに受給済みの育児休業給付金を返還する必要はありません。

  • 支給単位期間とは…育児休業の開始日から起算した1ヵ月ごとの期間

例)4月1日より育児休業給付金を受給→8月1日に退職が決定し、8月31日が退職日→7月1日~7月31日分の給付金まで受給対象

育児休業期間中に就労した場合

育児休業中に就労した場合は、勤務先から支払われる賃金に応じて対応が異なります。

育児休業中に働いた場合も給付金支給額

なお、育児休業中に就業した際は、育児休業給付金支給申請書に「就業日数」および「就業時間」を記載して提出します。

転職した場合の給付金

実際の例を参考に見ていきましょう。

例1)8月より育児休業・9月に退職・10月に転職、転職先でそのまま育児休業取得の場合

例2)8月より育児休業・9月に退職・10月に転職し、3ヵ月就労したのち、1月から育児休業取得の場合

上記のいずれの場合も、制度上、育児休業の取得が可能なので、給付金も受給可能です。
給付金受給の条件は、以下のとおりになります。

  • 育児休業までの2年間に就業日が11日以上である月が12ヵ月以上雇用保険の被保険者期間があること
  • 失業給付受給者として認定されていないこと
  • 前職を辞めてから1年以内に転職していること

転職した場合は、前職の離職票と転職先から育児休業給付金の申請書を提出する必要があり、転職が決まる前に、失業給付金を受け取っていなくても、失業保険の申請をしていると、その時点で育児休業給付金は失格してしまいますので注意が必要です。

いずれにせよ制度としては受給可能ですが、転職する会社の規定などによる部分もあるので、確認をするのが良いでしょう。

また、雇用保険の加入期間の確認はハローワークで行うことができます。マイナンバーカードを持っていれば、マイナポータルのウェブサイトからも確認が可能です。

受給中の社会保険料の納付は免除される

育児休業中は会社・本人負担分の両方で社会保険料が免除され、支払いは不要です。中には支払わなかった分が、将来受け取る年金額に影響を与えるのではないかと懸念される方もいるでしょう。しかし、育児休業中の免除期間は社会保険料を支払ったとみなされるため、年金には影響しませんので安心してください。

なお、社会保険料が免除されるのは、育児休業開始日の属する月から、育児休業終了日の翌日が属する前月まで。例えば2月20日から開始して12月5日に終了した場合、免除期間は2月~11月までとなります。

まとめ

育児休業給付金は育児に伴う休業期間中に国から給付金を受け取れるだけでなく、社会保険料の支払いも免除される制度です。金銭面の不安を払拭してくれ、育児に専念する後押しになるでしょう。さらに育児休業明けの保育園などへの入園がうまくいかなかった場合、延長することもできます。
また、「パパ・ママ育休プラス制度」を利用すると、例えばママの職場復帰時にパパに育児休暇を取得してもらい、サポートしてもらうこともできます。夫婦で制度をうまく活用して育児に役立てましょう。

なお、育児休業を取得および給付金申請の手順は、勤務先によって異なる場合があります。場合によっては、申請を各個人で行うというケースがあるかもしれません。そのため、育児休業の取得が必要となった場合には、できるだけ早い段階で会社側に相談しておくと安心です。

育児休業給付金以外にも子育てを支援してもらえる制度や助成金があります。
下記の記事も参考にしてみてください。

  • 本記事は、公開日時点での情報です。

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