キャッシュレスのポイント還元には上限がある!?上手に得する使い方
「キャッシュレス・ポイント還元事業」で行われているポイント還元ですが、還元する金額には上限があることをご存じでしょうか。
クレジットカード、電子マネーといった決済方法によって、1回あたり、あるいは1ヵ月あたりの還元ポイント(または還元金額)に上限が設けられているのです。
ここでは、還元されるポイントの上限について、決済方法ごとに紹介するとともに、還元されるポイントを無駄なく獲得する方法について解説します。
INDEX
還元金額の上限は決済ごとに異なる
キャッシュレス・ポイント還元事業では、支払額の2%または5%がポイント換算されて利用者に還元されます。キャッシュレス・ポイント還元事業に登録している店舗で決済する際に、クレジットカードや電子マネーといったキャッシュレス決済を使えばポイントとして還元されますが、その還元ポイントには上限が設けられており、無制限に還元されるわけではありません。
上限設定は基本的に各決済事業者、つまりクレジットカードや電子マネーの発行元業者に任されています。発行元業者による、還元金額の上限については次のとおりです。
クレジットカード:1ヵ月あたり1万5,000ポイントが基本
クレジットカードの場合、三井住友カードなどの大手各社は「カード1枚につき1ヵ月あたり1万5,000ポイント」を上限としています。還元率5%で換算した場合、利用金額は月に30万円まで、2%で換算した場合は75万円までです。ただし、すべてのクレジットカードがこのラインに統一されているわけではありません。
例えば、American Expressのクレジットカードの場合、「ポイント還元事業の期間中(9ヵ月間)、最大13万5,000円分までのポイントを付与」としています。ポイント還元事業の実施期間が2019年10月1日(火)から2020年6月30日(火)までの9ヵ月間ですから、1ヵ月あたりに換算すると13万5,000円分÷9で1万5,000円分です。1ヵ月あたりの数字はほかのクレジットカードの上限である1万5,000ポイントに合わせつつも、1ヵ月単位での制限は定めないとしています。
また、東急カードはTOKYU POINTでの還元となりますが、1ヵ月あたりの還元上限は5万ポイントで統一ラインの1万5,000ポイントを大きく超えています。 TOKYU POINTは、1ポイント1円として買物での使用やPASMOへのチャージに使えますから、最大5万円分利用できることになります。
・家族カードの場合家族カードの場合、ほとんどのクレジットカードでは本会員との合算で上限が設けられています。本会員と家族カードの利用を合わせて、1ヵ月あたり1万5,000円相当のポイントを上限としていますので注意しましょう。
ただし、JCBのクレジットカードでは、本会員とご家族会員の方で別々に上限が設けられている場合があるなど、例外もあります。自分のクレジットカードの条件を、しっかり確認しましょう。
電子マネー:サービス提供会社により異なる
電子マネーのポイント還元の上限は、各社それぞれに対応が異なりますが、基本的に最大チャージ金額の5%相当を「1回あたりの還元上限」としていることが多いようです。nanacoやSuicaなどがこの設定になっています。nanacoのチャージ上限は5万円、Suicaは2万円ですので、支払い1回あたりの還元ポイントの上限はそれぞれ2,500円と1,000円相当分になります。なお、1ヵ月あたりの上限は設けられていません。
WAONは、大手クレジットカードと同じく、1ヵ月1万5,000ポイントまでです。PASMOは、3ヵ月間の集計期間ごとに、2万ポイントを上限に設定しています。
自分が普段使っている電子マネーの上限設定がどうなっているのか、一度確認しておくと良いでしょう。
QRコード決済:サービス提供会社によって上限が異なる
QRコード決済も電子マネーと同様、サービス提供会社によって設定が異なります。ただし、支払い1回の上限金額の、5%相当をポイント還元の上限としているところが多いようです。
例えば、PayPayでは支払い1回あたり2万5,000ポイントが上限となっています。また、1回あたりと同様に1ヵ月あたりも2万5,000ポイントを上限として設定しています。また、メルペイは、月の上限が3万ポイントですが、「メルペイコード払い」と「メルペイ電子マネー(iD)」それぞれの支払い方法で、毎月最大1万5,000ポイントが還元の上限となっており、その合計が3万ポイントです。
このように、各種QRコード決済により条件がありますので、しっかり確認するようにしましょう。
ポイント還元の上限を超えそうな場合は複数の決済方法を使い分けよう
クレジットカードなど、月ごとに還元上限が設定されている決済方法を利用する場合、1種類だけで決済していたら、ポイント還元の上限を超えてしまう可能性があります。上限を超えてしまったら、その分のポイントは還元されません。
そこで、さまざまな決済方法を複数利用することで、無駄なくポイントを獲得するようにしましょう。
複数のクレジットカードを持っているなら、還元されるポイントはほとんどの場合、カードごとに支払われます。例えば3枚のクレジットカードを還元率5%の店舗で使用すれば、月に最大4万5,000円分のポイントが戻ってくる計算になります。
複数の決済手段を併用する
クレジットカード、電子マネー、QRコード決済など、それぞれにポイント還元の上限があり、またサービスを提供する会社ごとにしくみが異なることがわかりました。
クレジットカードは前述のとおり、複数のクレジットカードを併用して無駄なくポイント還元を得られる方法もありますが、その場合、どのくらい利用したのか管理がしづらくなる、というデメリットがあり、使いすぎには十分に注意が必要です。
電子マネーは1ヵ月ごとではなく、チャージや支払い1回ごとに、ポイント還元の上限が設定されている場合がほとんどです。また、会計時に端末へタッチするだけでスピーディーに買物ができる利便性もありますので、少額の買物などには、電子マネーを併用してみるのも良いかもしれません。
よく利用する店舗がどのような決済方法を採用しているのか、また自分が利用しやすい決済方法はどれか、利用金額をきちんと把握できる手段であるかなどを考慮して、自分に合った使い方をしましょう。
必要な対策を講じて、ポイントをしっかり獲得しよう
決済金額の5%または2%が還元されるキャッシュレス・ポイント還元事業ですが、決済業者によって還元されるポイントのルールが異なり、複雑化している面があります。特に注意が必要なのは、還元されるポイントに上限設定があることです。
上限設定を知らずに、1種類の決済方法を使い続けてしまうと、複数の方法で決済していれば得られたはずのポイントを逃してしまう可能性があります。
自分がよく利用する決済方法について、還元ポイントの上限を確認するとともに、複数の決済方法を利用して、ポイントを無駄なく獲得するようにしましょう。
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