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2017年、16年ぶりに輸入解禁になったフランス産仔羊の絶品ローストを隠れ家「レスプリ・ミタニ・ア・ゲタリ」で味わう

    2017年、16年ぶりに輸入解禁になったフランス産仔羊の絶品ローストを隠れ家「レスプリ・ミタニ・ア・ゲタリ」で味わう

    2017年、なんと16年ぶりに日本へ輸入が解禁された幻のフランス産仔羊があるという。その希少な仔羊はどこのレストランにでもあるはずはなく、選ばれし料理人の下にあってしかり。レスプリ・ミタニ・ア・ゲタリの三谷青吾氏がまさしくその一人。

    狂牛病対策で輸入を禁止されていたため、解禁の日を待ちわびていた人は少なくない。太陽がサンサンと降り注ぐフランスのプロヴァンス地方は羊飼育発祥の地といわれる羊の名産地でもある。そこから海を超えてやってくる仔羊、アニョー・ド・シストロン。フランスでの10年近い修業時代に仔羊のおいしさに目覚めた三谷氏が、丁寧に肉の持ち味を引き出した“フランス産仔羊の背肉ロースト”は、仔羊の観念を見事に変えてくれる一皿です。

    INDEX

      食材の力を最大限に引き出す三谷シェフ

      食材の力を最大限に引き出す三谷シェフ イメージ

      特別に厨房をのぞかせていただいた。今どきのフランス料理店にはいろいろな新機能のキッチン装備がそろっていることが多く、コックピットのような厨房をよく見かけるが、こちらはいたってシンプル。

      食材の力を最大限に引き出す三谷シェフ イメージ

      フライパンにオリーブオイルを落とし、仔羊を焼き出す三谷氏は、ずっとその肉塊から目を離さない。時折肉を指でつまみ、凛とした空気が数分流れる。これは指で肉の弾力を確かめているそうで、火入れ状態を確認する作業なのだとか。

      フランスでは最高級食材として扱われている仔羊
      そのうま味が仔羊料理の概念を見事に変える

      仔羊のロースト イメージ

      写真はコースで提供する「仔羊のロースト」10,800円(税込)。コース以外にもアラカルト5,800円~/2人前(税込)

      この肉のきれいな色は、なんと表現したらいいのだろうか。ピンク色? ローズ色? どんな絵描きにもこの色は出せないのではないかと思うほど、運ばれたその一皿に見とれてしまう。ナイフを入れると肉汁がゆっくりと広がる。

      口に入れるとそのかみごたえにきっと誰でもが驚くはず。柔らかく歯にまとわり、口中にジワーッとうま味が広がっていく。肉の繊維を感じないほどの優しい口当たり。フランスでは牛肉よりも高級と言われているのが頷ける。

      そして添えられている野菜一つ一つにも繊細な味があることに二度びっくり。これは添え物と言えないほど。甘くてしっかりと個性があるグリーンピースはイタリア産。味わい深いジロール茸やカルドンチェッロなどのキノコ類。ナスのタプナードやニンジン、ジャガイモ、そして歯ごたえのシャキッとしたイタリア産の葉玉ネギ。素晴らしきかなこの添え物野菜に感動。

      ジャン・リュック・コロンボ コルナス レ・テール ブリュレ2014。 イメージ

      この仔羊を食べると、ワイン好きは自動的にワインが飲みたくなるもの。選んでいただいたのは、ジャン・リュック・コロンボ コルナス レ・テール ブリュレ2014。コート・デュ・ローヌのシラー種100%。タンニンが豊かに広がり、スパイシーさも感じるしっかりした味わいの赤ワインです。

      ジュ・ダーニュ、ピーマン・デスプレッド、マスタード イメージ

      ピュア・オリーブオイルでローストした仔羊は、何もつけなくても肉の味わいが楽しめるのが醍醐味。とはいえ、味の変化をいろいろと楽しみたい場合は、こちら。

      (左から)羊の骨から取った出汁を煮詰めたジュ・ダーニュ、バスク地方では一般的な甘みのある辛さが特徴的な香辛料ピーマン・デスプレッド、そしてマスタード。お好みでどうぞ。

      ラギオール イメージ

      魚はスープ・ド・ポワソンのみという潔い肉メインのレスプリ・ミタニ・ア・ゲタリのテーブルで、渋い存在感を放っているのがこのカトラリー。

      いまや肉を切るための高級ナイフ・ブランドとして有名なラギオール。持ち手が鹿の角のこちらは三谷氏が店を始めたときから使い込んでいる、いわば三谷氏の歴史を刻んでいるようなもの。

      閑静な住宅街にひっそりと佇む『レスプリ・ミタニ・ア・ゲタリ』

      『レスプリ・ミタニ・ア・ゲタリ』店内 イメージ

      四谷の住宅街にひっそりとある隠れ家としか言いようのないレスプリ・ミタニ・ア・ゲタリ。“ゲタリ”とは三谷氏がフランスで滞在したことがある何もない海辺の町名。ここも何もない町だから、“ゲタリ”と名付けたのだそう。

      イギリスのアンティーク イメージ

      店内はフランスの田舎のような雰囲気。家具は三谷氏が好きなイギリスのアンティークでそろえられています。シンプルで重厚なインテリアは、三谷氏の料理と通じ合って独特な空気が流れています。

      フランスで味わった郷土料理を、そのまま一皿に

      三谷シェフ イメージ

      三谷氏は一見恐そうな料理人、と思いきや、肉料理に情熱あふれる、言ってみれば料理アスリート。今どきのチマチマしたフランス料理(失礼しました。美的で飾り付けに手の込んだ料理です)とは一線を画し、素材を最大限に生かして、一番の温度、焼き加減でテーブルに出し食べてもらいたいという食材思いの料理人。

      壁面の黒板アート イメージ

      壁面の黒板アート。実は三谷氏が描かれたもの。三谷氏の男気あふれる無骨な印象とは裏腹なチャーミングで楽しくなるような絵。これを見ていると、三谷氏の実は穏やかでお茶目な本質が見えるように思うのは私だけ? でしょうか。

      仔羊のロースト イメージ

      質実剛健でシンプルだけど食材が持っている最高の味を引き出す天才肌、三谷氏の一皿。

      これを食べずしてフレンチを語ることなかれ。四谷の静かで人も歩いていないような一画に熱い料理人を訪ねてほしい。

      Writing by Yuriko Watanabe
      Photographs by Chicken Shinoyama

      店舗情報

      レスプリ・ミタニ・ア・ゲタリ (L'esprit MITANI a GUÉTHARY)

      住 所:東京都新宿区若葉2-7-1 ビデオフォーカスビル1F
      電 話:03-6380-5050
      営業時間:
      【水~土曜】ランチ 12:00~14:30(LO13:00)
      【日曜】原則ランチのみ要確認 12:00~16:00(LO14:00)
      【火~土曜】ディナー 18:00~LO24:00(LO21:30)
      定休日 :月曜
      席 数 :30席(全テーブル席)
      ※記載している価格は取材当時の金額です。

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        渡辺ゆり子食空間デイレクター

        フラワーデザインとインテリアをベースに多岐にわたるフィールドで活躍中。レストラン・ウェデイングの発案者として活躍後、2003年フランス主催の国際アートフラワーコンクール優勝。2010年シュバリエ・ド・シャンパーニュ叙勲。人気男性誌レオンのレストラン連載は15年目を迎えた今も続行中。広尾のシャンパーニュ・バーのオーナーでもある。近著は“小さな家を素敵に変えるアイディア”(講談社)。週末は、海を見ながら過ごすデュアル生活を楽しんでいる。

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