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斬新なラベルがSNSなどで話題に日本酒の概念を覆す酒に挑み続ける蔵

    斬新なラベルがSNSなどで話題に日本酒の概念を覆す酒に挑み続ける蔵

    INDEX

      一般的な日本酒は、ラベルに力強い墨文字などで銘柄が大書されているイメージ。だが、このラベルを見たら、恐らく誰もがこう思うに違いない。
      「えっ、これが日本酒!?」
      ラベルに描かれているのは、猫、ギターを抱えた女の子、バニーガール……、“ジャケ買い”ならぬ“ラベル買い”してしまいたくなる衝動に駆られる。まずはラベルのかわいさにつられて純米吟醸「KIT CAT!!」を飲んでみる。グラスを近づけると、パイナップルのようなフルーティな香りが鼻腔を刺激する。口に含むとイチゴジャムに似た甘みが広がる。まさに日本酒のイメージが覆る一杯。
      「えっ、これが日本酒!?」
      再びである。
      「強い香りと甘みが日本酒とは思えないでしょう。うちの酒のほとんどは、和食よりチーズや生ハムなど洋食に合いますよ
      そう語るのは、“異端”ともいえる酒造りに取り組む三芳菊酒造の蔵元杜氏・馬宮亮一郎さん。

      純米酒「KIT CAT!!」

      女性へのプレゼントにも喜ばれる人気の純米酒「KIT CAT!!」。

      ポリシーは、“冒険心をもって荒れた道を歩く”

      三芳菊酒造は、徳島県の三好市で130余年の時を刻む酒蔵。馬宮さんが蔵元杜氏となったのは、約30年前。東京のレコード店で働いていたが、両親から蔵をたたむ話しが出たときに継ぐことを決意。しかし、酒造りの知識はほぼゼロ。「20年ほどは苦労しました。造ってもなかなか売れない。このままでいいのかと。でもあるとき、ふと思ったんです。流行を追ったり伝統を重んじていたら、自分の酒は造れない。思い切って冒険してやろうと」
      誰も通らないような道を“あえて”進もうとの思いから、馬宮さんは蔵のコンセプトを「ワイルド・サイドを歩け」とした。これは、伝説のロックバンド「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド」のリーダーであったルー・リードの名曲から取っている。

      仕込みをする蔵元杜氏・馬宮亮一郎さん

      夜中の仕込み作業も多いが、「それも酒造りの面白さ」と、蔵元杜氏の馬宮さんは言う。

      蒸米をチェックする馬宮さん

      麹室に運ばれた蒸米。製造に用いる米は、地元の山田錦と百万石、岡山県の雄町の3種類。

      「限定おりがらみ」のラベルが手作業で貼られていく

      ラベル貼りはすべて手作業で行っている。

      独自開発の酵母によって誕生した新しい日本酒

      転機が訪れたのは、10年ほど前。県と共同で新しい酵母「徳島酵母」を開発してから。リンゴ酸やコハク酸を多く含むため、フルーティな香りと甘みが強く、酸味もワインに近くなる。その特徴を際立たせるために試行錯誤を繰り返し、従来よりも仕込み期間を2週間ほど短縮、かつもろみの温度も高めに設定した。ラベルも中身と外見が合うようにと、銘柄名を大書するのではなくイラストを採用。地元のアマチュアの絵描きさんにお願いした。記念すべき第一号の名は、コンセプトと同じく「ワイルド・サイドを歩け」。
      こうして日本酒の概念を覆す酒が誕生したが、当時は厳しい声が上がった。「イラストで注目させてるんじゃないかとか、“辛口”の意見をいただきました。でも僕は何を言われても気にしませんでした」
      やがてSNSやインターネットを中心に話題を呼び、いまでは10年前の約3倍となる年間650石を生産するほどに。馬宮さんの信念が報われた。昨年は徳島酵母の改良型も開発。馬宮さんはどんどん新しい酒を生み続け、現在は徳島酵母を使った日本酒を中心に、銘柄は30種類を超える。
      「僕が目指しているのは、飲まない人が飲めるお酒。ライバルはソフトドリンクです(笑)」

      祖谷渓名物「小便小僧」

      祖谷渓名物の小便小僧。三好市は深いV字の渓谷が続く、自然豊かな地。

      祖谷のかずら橋

      「かずら橋」などの観光スポットも多く点在する。

      ワイルド・サイドは止まらない

      仕込みは馬宮さんを含め3名で行うが、繁忙期は、高校生の三女も手伝ってくれる。長女と次女は、東京農業大学で醸造学を勉強中。2人も帰省すると蔵の作業を行う。また、地元・三好高校の課外授業で、生徒が酒造りのノウハウを学びに来ることもある。ワイルド・サイドには着々と若い世代も集まっているが、まだ馬宮さんは止まらない。もっと“新しい日本酒”を造るため、馬宮さんは道なき道を進む

      Writing by Kojiro Noda
      Photos by Shingo Miyaji

      酒蔵情報

      三芳菊酒造と蔵元杜氏・馬宮亮一郎さん

      三芳菊酒造
      住 所:徳島県三好市池田町サラダ1661
      電 話:0883-72-0053

      https://miyoshikiku.shop
      ※別ウィンドウで三芳菊酒造のサイトへリンクします。

      主な商品(税込):
      純米吟醸「KIT CAT!!」720ml・1,674円
      純米吟醸「残骸」500ml・1,836円
      純米大吟醸「アナザヴュウ」720ml・2,516円
      ※記載している価格は取材当時の金額です。

      三芳菊酒造のお酒が楽しめる飲食店

      串天 山本家

      【東京都・港区】
      串天 山本家

      「阿波どり」「足赤エビ」など、徳島県の厳選食材を熟練の技で提供する。牛すじを長時間煮込んだ「極旨和牛すじ土手煮込み」も自慢。飲み放題が付いたコースは4,500円(税込)から。

      住 所 :東京都港区赤坂3-8-7 中村屋ビル2F
      電 話 :03-6426-5746
      営業時間:【月~金曜】17:00~翌1:00
      ※フードL.O.は閉店1時間15分前、ドリンクL.O.は同30分前
      定休日 :土曜・日曜・祝日・祝前日
      ※記載している価格は取材当時の金額です。

      https://kushiten-yamamoto.owst.jp
      ※別ウィンドウで串天 山本家のサイトへリンクします。

      銘酒居酒屋 酒友

      【大阪府・吹田市】
      銘酒居酒屋 酒友

      「全国きき酒選手権大会」で優勝経験のある店主は、個々の質に合わせてグラスを変更するなど、酒の味を最大限に引き出してくれる。料理は、沖縄料理や創作料理など80種以上を用意。

      住 所 :大阪府吹田市江の木町2-20-103
      電 話 :06-6821-2985
      営業時間:【月~土曜】17:30~翌5:00
      ※L.O.は閉店30分前
      定休日 :日曜(祝日の場合は営業)

      http://www.sakatomo.jp
      ※別ウィンドウで銘酒居酒屋 酒友のサイトへリンクします。

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