SDGsの最前線〜未来の種をまく人〜
エシカル・スピリッツ 山本祐也さん

SDGsの最前線〜未来の種をまく人〜エシカル・スピリッツ 山本祐也さん

「エシカルだからおいしい」で、みんなを幸せに。

エシカル・スピリッツ 山本祐也さん

「エシカル・スピリッツ」の蒸留所は、東京の下町にある

「エシカル・スピリッツ」の蒸留所は、東京の下町にある。蒸留所とオフィスのほか、1階にオフィシャルストア、2階には同社のジンを楽しめるダイニングバーも完備する。

東京・蔵前に、世界初の試みを行う「エシカル・スピリッツ」がある。代表を務めるのは、酒販店や日本酒バーを経営する山本祐也さん。山本さんは日本酒の製造工程で廃棄される酒かすに着目。「酒かす原料のエシカルなジン」をコンセプトに、2020年にプロジェクトを立ち上げた。「酒かすの再利用については、蔵元からもいろいろと声が上がっていました。たまたま居合わせたロンドンで大きなジンブームに接して、ピンときたんです」と山本さん。

酒かす由来という個性もあって、蒸留初年度で早くも「World Gin Awards」の国別最高賞を受賞

酒かす由来という個性もあって、蒸留初年度で早くも「World Gin Awards」の国別最高賞を受賞。余剰ビールやカカオハスク(皮)を使ったジンも開発。ユニークなラインナップに世界が注目する。

三つ星レストランなどへの採用実績を誇る味もさることながら、同様にユニークなのが事業のスキームだ。同社が手掛けるエシカルジンの販売益の一部を使って、耕作放棄地を開墾。そこで収穫した新米を酒蔵へ送り、酒蔵はその米を原料に日本酒を醸す。そこで出た酒かすがジンの原料になって……という、米・酒かす・ジンがつながる循環型経済モデル(サーキュラー・エコノミー)を構築している。

エシカル・ジンの香り付けなどを行う蒸留施設

エシカル・ジンの香り付けなどを行う蒸留施設。商品開発はかなり活発で、「それぞれが自由にアイデアを出し合って、まずは作ってみるという感じです」と山本さんは語る。

こうした試みは公益性に注目が集まりがちだが、山本さんの視点は少し違う。「もちろん事業の社会的意義は重要です。ただ、個人的には“エシカルだからおいしい”を大切にしたいなと思っています。エコでおいしい高品質なジンが経済を回し、その結果として、農家・酒蔵・消費者が幸せになる。それが理想です」。

ジンに香り付けする素材は「ボタニカル」と呼ばれる

ジンに香り付けする素材は「ボタニカル」と呼ばれる。必須のジュニパーベリーをはじめ、スダチやショウガ、ミョウガといった日本の食材も使用する。

現在は酒かすに加え、余剰ビールや日本酒、みりんを使ったジンも販売。先進的で持続可能なプロジェクトを意欲的に進めている。「世界的にみても日本のジンの消費量はまだまだ。いつかエシカルジンがお酒のファーストチョイスになるようにしたいですね」。山本さんの挑戦は、まだ始まったばかりだ。

キーワードで知るSDGs

サーキュラー・エコノミー

廃棄物や汚染を生み出さない」「製品や素材の価値を損なわずに循環させ続ける」「自然を再生させる」という3つの原則に基づく「循環型経済」のこと。設計段階から、廃棄物や汚染が生じないように製品やサービスをデザインするのがポイント。「生産→使用→廃棄」というリニア(直線型)・エコノミーから脱却する持続可能な経済システムとして注目が集まる。食品や衣料、インクカートリッジ、時計、タイヤなど多業種で取り組みが増えている。

店舗情報

東京リバーサイド蒸溜所 外観

東京リバーサイド蒸溜所

隅田川近くに立つ、エシカル・スピリッツの蒸留所兼オフィス。1階に試飲可能なストア、2階にダイニングバーを併設。以下公式サイトで多彩なジンを購入できるほか、会員限定酒が楽しめるサブスクリプションサービスも展開中。

住 所:東京都台東区蔵前3-9-3
営業時間:1F オフィシャルストア 13:00~19:00 月・火曜休/2F バー&ダイニング 「ステージ」18:00~23:00 不定休
リンク:ethicalspirits.jp/

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文=VISA編集部/写真=新山貴一/監修=上田壮一(Think The Earth)

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