シニア世代の67%がキャッシュレス派!令和シニアのキャッシュレス事情を徹底調査
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シニアが最もよく利用する決済方法は、クレジットカードが49%でTOP
「シニア世代では、やはり現金派が一番多いのでは…」そんな予想も抱きつつ、60~70代のシニア世代に決済方法についてのアンケートをとってみました。
まず「ふだんの買物で一番多く利用する決済方法は?」という質問をすると、シニア世代が最も多く利用している決済方法は現金ではなく、クレジットカードだということがわかりました。比率にして約半数にあたる49%が「ふだんの買物でクレジットカードを一番多く使う」と答えています。
また現金以外のキャッシュレス決済と現金決済の割合で比べてみると現金派が32.6%、キャッシュレス派が67.4%という結果になり、キャッシュレス派の方が多いことがわかりました。
交通系以外の電子マネーは半数以上のシニアが使いこなしている
ではシニア世代はクレジットカード以外では、どのようなキャッシュレス決済を利用しているのかも見ていきましょう。
「ふだんの買物で利用する決済方法は?」という質問を複数回答可で聞いてみると、「交通系以外の電子マネー」を利用する人が約5割と多く、2人に1人以上の人が使っていると答えています。
また、電車やバスを利用する際に便利な「交通系電子マネー」をふだんの買物でも利用するという人は4割ほどいました。
ほかにも「バーコード・QRコード決済」は34%の人が利用すると答えていて、3人に1人のシニアが利用していることがわかりました。
一方Apple Pay、Google Payなどの「スマホ決済」は10%にとどまり、10人に1人の人が使っているという状態でほかのキャッシュレス決済に比べて少ない印象です。
こうして見ると「交通系以外の電子マネー」の普及はすでに半数以上の割合があり、「QRコード決済」や「スマホ決済」はまだ少ない割合ではあるものの利用しているシニアも一定数存在していることから、キャッシュレス決済の裾野が広がっていることがわかります。
ここからは現金を最もよく利用する人を「現金派」、クレジットカードや電子マネーなど現金以外を最もよく利用する人を「キャッシュレス派」として、さまざまな違いを見ていきます。
キャッシュレス派はオンラインショッピングの利用頻度が高い傾向
次にシニア世代がオンラインショッピングをどのくらい利用しているかについての質問をしてみると、現金派もキャッシュレス派も「月に2~3回程度」利用するという回答が最も多くなりました。
一方「週に1回以上」利用すると答えた利用頻度が高めの人のうちキャッシュレス派は18.1%だったのに対し、現金派は10.4%と下がります。
つまりキャッシュレス派は、利便性に長けたオンラインショッピングを積極的に活用する傾向があるといえそうですね。
次に、シニアが使っている携帯電話の種類についても話題を膨らませてみました。
幅広い年齢層に普及しているスマートフォンですが、シニア世代の普及率はどうなっているのでしょうか。
そこで「持っている携帯電話の種類は?」という質問をしてみると「スマートフォン」と答えたシニアは全体の75%にもおよび、キャッシュレス派・現金派関係なく、実に4人中3人が「スマートフォン」を利用していることがわかりました。
日常的に「スマートフォン」を使うことで、デジタルへの抵抗が少なくなっていることもシニア世代のキャッシュレス活用にも影響しているかもしれません。
次に気になるのは「どんなお店でキャッシュレスを使っているの?」ということ。利用店舗ごとに違いがあるかどうかも詳しく見ていきましょう。
シニア世代はどんな場所でよくキャッシュレスを使っている?
まず身近でよく利用するコンビニでのシニアのキャッシュレス利用状況を見てみました。
コンビニでの決済においてキャッシュレス派は「クレジットカード決済」での支払いが最も多く、2番目に多いのは「電子マネー決済」、続いて現金を除くと「バーコード、QRコード決済」となりました。これらの非接触型決済をまとめると46.2%となり、「クレジットカード決済」を上回ります。
一方現金派は半数以上の61.4%の人がコンビニで「現金決済」をしています。しかし現金派の中でも33.1%の人は「非接触型決済」を使っているというのは注目すべきポイントです。
スーパーや百貨店など他業種での決済と比べると、コンビニでは特に「非接触型決済」の利用が多い傾向にあります。
これはコンビニでは少額の決済をすることが多く、また混雑している時なども「非接触型決済」ならサッと会計を済ませることができることや、大手チェーンのコンビニならレジの機械も一律のものが導入されており「非接触型決済」に対応しているという安心感も関係しているかもしれません。
では、毎日の食料品や日用品を買いに行くスーパーでのキャッシュレス利用状況はどうでしょうか。
スーパーでは、キャッシュレス派は「クレジットカード決済」が半数以上と大きな割合を占めています。
現金派はコンビニよりも多い67.7%が「現金決済」を利用しており、スーパーという最も日常使いをする場所では、まだまだ現金決済が主流なことがうかがえます。
次に百貨店を見てみましょう。
上質な商品ラインナップや丁寧な接客が魅力の百貨店では、キャッシュレス派も現金派もいずれも「クレジットカード決済」が最も多いという結果になりました。
キャッシュレス派の人は8割以上が「クレジットカード決済」を利用すると回答。さらに現金派の人でも半数以上が「クレジットカード決済」を選んでいました。
これは百貨店で買物をする際には高額な利用になることが多いため、まとまった金額でも手軽に支払えるクレジットカードは相性がいいのかもしれません。
さらに「オンラインショッピング」を見てみましょう。
店舗に足を運ばずとも希望の商品が手に入るオンラインショッピングは、キャッシュレス決済との相性も抜群です。「わざわざ店舗に行かなくても、希望の商品が手に入る」「いつでも好きな時に決済できる」「希望日に発送してもらえる」「リアル店舗よりも配送が早い」など、キャッシュレスならではのさまざまな利点があります。
オンラインショッピングでは、キャッシュレス派は約9割、現金派も約8割が「クレジットカード決済」を選んでおり、圧倒的な利用率であることがわかりました。
上記のように、令和のシニアはさまざまな場所でクレジットカードや現金、非接触型など決済方法の使い分けをしていることが判明しました。シーンに応じてこうした使い分けをしている実態を見ると、シニア世代にもキャッシュレス決済がしっかり浸透してきていると考えられます。
シニア世代のキャッシュレスの利用頻度はどう推移している?
では実際にシニア世代にとって、キャッシュレス決済の利用頻度はどう推移しているのでしょうか。そこで「1年前に比べて、キャッシュレス決済は増えましたか?」という質問をしてみました。
「増えた」「どちらかといえば増えた」を合わせると58.8%となり、約6割の人が、キャッシュレス決済が増加傾向にあると答えています。そこでキャッシュレス決済を利用するようになった理由も聞いてみました。
以前に比べてキャッシュレス決済をより利用するようになった理由で最も多かったの「キャッシュレス決済ができる店舗が増えたから」というものでした。
コンビニや百貨店ではキャッシュレス決済ができる店舗がほとんどですが、最近では街の小さな小売店や美容院でも非接触型決済ができるお店が増えています。つまりシニア世代も自分が利用するお店でキャッシュレス決済が使えるならば、積極的にキャッシュレス決済を使いたいと思っている様子がうかがえます。
続いて多かったのは「キャッシュレス・消費者還元事業があったから」という回答で、約4割を占めました。キャッシュレス・消費者還元事業ではポイント還元や割引で目に見えるお得感があったため、キャッシュレスを使うきっかけになったという人もいるでしょう。
また、コロナ禍で外出自粛が続き「オンラインショッピングを利用する機会が増えたから」という回答も約3割と多めでした。
最後に、シニアのキャッシュレスにまつわるエピソードをご紹介します。
シニア世代に聞いた!キャッシュレスにまつわるあれこれ
シニアがキャッシュレス決済で困ったことは…
同じカードでも何種類かのカードがあるのが難しい(女性 73歳)
いざ支払いの段階でバーコードが開かなく慌てた (男性 61歳)
よく似たカードを出してしまう(女性 67歳)
現金しかダメという所もあるのでその時は困ります(男性 68歳)
反対にキャッシュレス決済で良かったことは…
スーパーなどのレジで素早く支払いができる(男性 79歳)
お財布の中がスッキリした(女性 60歳)
今まで知らずに現金ばかりでしたがキャッシュレス決済をするようになり買物が楽しくなった(女性 66歳)
決済方法を確認せずに入った店で、食後に現金を持ってないことに気付いたが、カードOKだったので事なきを得た(男性 70歳)
履歴が残り次回に役立つ(男性 70歳)
そのほかにも「小銭いらずで楽!」という声も多数寄せられていました。財布の中から小銭を探す手間や時間が省けるだけでも、キャッシュレス決済のメリットを大きく感じられるものですよね。
昔ながらの現金派が多く、キャッシュレス決済は少数派なのではと思れがちなシニア世代も、スマホの普及とともに積極的に活用している人が多いことがわかりました。
昨今では「税金や交通違反の反則金など、国や自治体への支払いはすべてオンラインに移行したい」などのニュースも出ており、遅れていた日本のデジタル化も、一気に進みそうな気配です。
それに伴い、キャッシュレス決済もより広く普及していくはずなので、まだあまり試していないという人がいれば身近な買物などから、さまざまなキャッシュレス決済に慣れておくのもいいかもしれませんね。
- 本記事は、2020年10月現在の情報です。
- QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
- Apple PayはApple Inc.の商標です。
- Google Pay は Google LLC の商標です
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