FPに聞くお金のいろは「税金篇」~身近な税金と節税について知ろう~

FPに聞くお金のいろは「税金篇」~身近な税金と節税について知ろう~

なんとなく難しそうなイメージがある税金。「とりあえず違反や滞納はしてないはずだけど、節税について考えたことはない」という人も多いのでは?

今回は所得をベースに納税する「所得税」「住民税」のしくみと、控除や節税についてのポイントをお金のプロであるFPに教えてもらいました。税金について理解を深めたい3人がそれぞれ相談しているので、同じような疑問をお持ちの方は参考にしてみてください。

所得から引かれる税金とは?

所得をベースに納税額が決まる税金に「所得税」「住民税」があります。フリーランスや個人事業主であれば毎年確定申告や住民税の個人納付がありますが、企業に勤めている場合は給与からの天引きで納税することがほとんど。特に企業勤めの人はあまり意識したことがないかもしれませんね。

それぞれ、どのようなものなのか簡単に確認しましょう。

区分 課税の対象となる所得 納付方法
所得税 国税 その年(1月1日~12月31日)に得た所得 <正社員・派遣社員>
毎月の給与から天引きのうえ、年末調整で精算
※副業などで20万円以上の年収があった人は確定申告が必要

<フリーランス・個人事業主>
翌年の確定申告期限日までに確定申告をして納税
住民税 地方税 前年中に得た所得 <正社員>
毎月の給与から天引き

<派遣社員>
毎月の給与から天引きまたは個人納付(年4回)
※派遣会社によって異なる

<フリーランス・個人事業主>
6月、8月、10月、翌年1月の4回にわけて納付

表をご覧いただくと分かるとおり、所得税は「国税」、住民税は「地方税」です。所得税は国に、地方税は居住する自治体に納めます。

ちなみに、所得税・住民税の計算に使われる「所得」は、実は収入とイコールではありません。収入から仕事のためにかかった費用(経費)を差し引いた金額が「所得」で、そこから個々の事情を考慮して一定の金額を控除した「課税所得」が税金を計算するもとの金額となります。

そのため控除の申請をきちんとすることが節税に繋がります。ここについては、あとで出てくる3人からの相談内容を参考にしてくださいね。

「所得」の計算方法

フリーランスや個人事業主の人の場合、確定申告時に販売にかかった費用や仕入れの原価を「経費」として総収入から差し引いた額が「所得」となります。

企業勤めの場合も同じように、スーツや筆記用具など仕事で使うものを買った費用を収入から差し引いて「所得」とします。ただ、スーツ代などの費用を各自が細かく計算すると大変手間がかかりますよね。そこで収入が給与のみの人には、かかっているはずの費用を概算で引いてしまう「給与所得控除」というものが存在し、「所得=給与収入-給与所得控除」で計算することになっています。

なお、給与所得控除額は給与などの収入金額で変わります。次の表で確認しましょう。

給与などの収入金額 給与所得控除額
162万5,000円まで 55万円
162万5,001円~180万円 収入金額×40%-10万円
180万1円~360万円 収入金額×30%+8万円
360万1円~660万円 収入金額×20%+44万円
660万1円~850万円 収入金額×10%+110万円
850万1円以上 195万円(上限)

参考:

  • 別ウィンドウで国税庁ホームページへ遷移します。

個々の事象を考慮した控除

「所得」から、さらに個人の状況に応じて以下のような控除があります。
「給与収入-給与所得控除の金額(経費)-各種控除の金額」で出た金額をもとに所得税・住民税が計算されます。

  • 基礎控除
  • 配偶者控除
  • 扶養控除
  • 障害者控除
  • 社会保険料控除
  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除 など

企業勤めの場合、各種控除については「年末調整」で申告する必要があることを覚えておきましょう。

また、所得税はその年の所得をもとに計算しますが、住民税は前年の所得をもとに計算され、次の年に課税されます。そのため、前年度働いていなかった新入社員には課税されません。反対に、現在は無職でも前年まで働いていて収入があった人には課税されます。退職時は、翌年に住民税の納付があることを忘れず、計画的に退職金や貯蓄などを使いましょう。

「給与から引かれる税金が戻ってくる?」by美咲さん

給与から引かれる税金が戻ってくる?
美咲さん

美咲

昨年病気で入院していた知人から「納付していた税金から医療費の一部が戻ってきた! 」と聞いたんですが、これってどういうしくみなんでしょうか? 私でも使えるのか教えてください。

FP

FP

入院した人の医療費が戻ってくる…といえば、おそらく「医療費控除」のことでしょうね。1年間に支払った医療費の合計金額が10万円(※)を超える場合、超えた分が「給与収入-給与所得控除」で算出された金額から控除されるというものです。
※その年の総所得金額(給与収入-給与所得控除:所得税や住民税が差し引かれる前の金額)が200万円未満の場合は、総所得金額の5%を超えた金額が控除されます。

つまり、納付済みの所得税から「10万円(総所得金額200万円未満の場合は総所得金額の5%)を超えた分の医療費」が戻ってくるのです。

美咲さん

美咲

10万円ですか。私はあまり病院に行かないし、医療費はそこまで大きな金額にならなさそうです。

FP

FP

そうですね。支払った医療費といっても、医療保険の給付金分は差し引いて計算するので、大きな怪我や病気をしなければ10万円に達することは少ないかもしれませんね。

ただ、医療費には自分だけでなく、生活費を共有している家族(扶養外の人や就学や療養で家を離れている人も含む)の分を合算していいんですよ。それでも5%に達しない場合は「セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)」が使えないかを確認してください。

美咲さん

美咲

セルフメディケーション税制って何ですか? 初めて聞きました。

FP

FP

セルフメディケーション税制とは一定のスイッチOTC医薬品(※)を購入した金額が年間(1月1日~12月31日)で1万2,000円を超える場合、その超える部分の金額(上限8万8,000円)が所得金額から控除されるというものです。
※医療用の成分を一般用に切替えた医薬品。医師の処方箋がなくても直接購入できる

■セルフメディケーション税制の使用条件
・スイッチOTC医薬品を世帯合計で年間1万2,000円以上購入している(レシート必要)
・申告を行う対象の年に予防接種や健康診断を受けており、領収証または結果通知書を保存している

FP

FP

ちなみに、医療費控除やセルフメディケーション税制で所得税の還付を受けたい場合は、企業勤めであっても確定申告が必要です。確定申告後、精査されて還付金が指定口座に振り込まれます。自動的にお金が戻ってくるわけではないので注意してくださいね。

なお、申告時にはスイッチOTC医薬品の購入もしくは健康診断を受けたことが分かるレシート(領収証)が必要です。書類に添付する必要はありませんが、念のため5年間は保管しておきましょう。

美咲さん

美咲

分かりました! まずはレシートを確認してみます。

住民税をお得に支払う方法

FP

FP

税金といえば、美咲さんは派遣社員ということですが、もしかして住民税は自分で納めていますか?

美咲さん

美咲

はい。所得税はお給料から引かれていますが、住民税はコンビニで納めていますよ。

FP

FP

それならば、最近は住民税もクレジットカード払いができる自治体が増えているので、そちらで納めてはいかがですか?わざわざコンビニに現金を持っていく手間もなくなりますよ。

美咲さん

美咲

住民税もカード払いができるんですね! 知りませんでした…。

FP

FP

はい。住民税はまとまった金額になることも多いので、カード払いにすればそれだけポイントも貯まります!

ただ、残念ながらすべての市区町村が住民税のカード払いに対応しているわけではありません。お住いの自治体のサイトでも確認できるので、まずはチェックしてみてくださいね。

「マイホーム購入時にも節税ができる?」by愛さん

「マイホーム購入時にも節税ができる?」by愛さん
愛さん

では次は私から。最近、友人たちの中でも家を購入するという人が増えていて、私たち夫婦も「そろそろマイホームを」と考えています。家を買うときに節税できると聞いたことがあるのですが、どのような制度なのでしょうか。

FP

FP

住宅ローンを利用して家を買う場合は、「住宅ローン控除」という制度が使えます。以下の条件をすべて満たせば、住宅ローンを利用する際に所得から控除を受けられるので節税になりますよ。
・適用を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下の人
・返済期間が10年以上の住宅ローンを組んでいる人
・自分や家族が居住する家を購入するための住宅ローンを組んだ人
・床面積が50平方メートル以上の家を取得した人
・銀行・農協・住宅金融支援機構・勤務先などからの借入金で住宅を取得した人(親族・知人からの借り入れは対象となりません)

なお、中古住宅の場合は以下の条件いずれかに該当する必要があります。
・鉄筋コンクリートなどの耐火建造物の場合は25年以内に建築されたものであること
・木造などの耐火建築物以外の場合は20年以内に建築されたものであること
・「耐震基準適合証明書の取得」「耐震等級1以上の住宅性能評価書の取得」「既存住宅売買瑕疵保険への加入」のいずれかを満たしていること

愛さん

この条件ならば当てはまりそうです! 具体的にどのくらい控除されるんですか?

FP

FP

住宅ローン残高の1%が10年間毎年控除され、年間の控除上限額は原則40万円です。「認定長期優良住宅」や「認定低炭素住宅」であれば年間50万円まで控除されますよ。
※居住を開始した時期によって控除額の上限や控除期間が異なる場合があります。

愛さん

年間40万円が10年間、ということは最大で400万円も所得控除が受けられるということですか?

FP

FP

そうですね。住宅ローン控除を受ける際は、入居の翌年に確定申告が必要なので注意しましょう。ただし、確定申告は初年度の1回のみで、あとの9年は勤務先の年末調整時に申告するだけでOKです。

愛さん

毎年確定申告しなくていいのならば楽ですね!

FP

FP

ところで、愛さんのお宅は共働きでしたよね。住宅ローンの「ペアローン」は考えていますか? これを使えば、よりお得に節税できるかもしれません。

愛さん

ペアローン?どのようなローンでしょうか?

FP

FP

ペアローンとは夫婦それぞれが住宅ローンを契約するものを指します。住宅ローンを夫婦で2本持つことになるので、1本の住宅ローンよりも高い金額を借り入れたいときに利用される方法ですよ。

愛さん

グレードの高い家を取得したいときに便利ですね。でもどうしてそれが節税になるんですか?

FP

FP

ペアローンの場合、住宅ローン控除も夫婦それぞれで申告できるのです。年間の控除額が合計で80万円、10年間で800万円まで控除を受けられることになります。

愛さん

800万円も!それはすごいですね。検討してみようかな?

FP

FP

そうですね。ただしペアローンにも、もちろん返済義務があります。夫婦それぞれが無理なく返済できると判断したら検討してみてください。

また、住宅ローン控除のための確定申告には「住民票の写し」や「登記事項証明書」「売買契約書」など多くの種類の書類が必要です。確定申告をする際は金融機関や税務署でよく確認してくださいね。

愛さん

分かりました! ありがとうございます。

「若い人でもできる節税は?~ふるさと納税~」by翔さん

「若い人でもできる節税は?~ふるさと納税~」by翔さん
翔さん

最後は、僕からですね。ちょっと前にテレビで「ふるさと納税」のCMを見たんですが、どのようなものか分からなくて……。地域の名産品がもらえるみたいですが。

FP

FP

ふるさと納税も節税ができる制度ですね。この制度は応援したい自治体に寄付を行うと、自己負担額の2,000円を除いた寄付金が全額控除の対象となり、住民税や所得税の控除が受けられるというものです。

応援する自治体は出身地である必要はなく、どこでも好きなところに寄付できます。そして、その自治体から「返礼品」としてお米やお肉、果物や野菜など寄付金額に応じた地域の名産品が送られてくるんですよ。

翔さん

へえ、じゃあなるべくたくさんの金額を寄付に回せば全額控除が受けられて、名産品もいっぱいもらえるということですね!

FP

FP

いえ、控除を受けられる寄付金額には上限があります。上限は収入や家族構成によって変わるので、よく確認してくださいね。

翔さん

そうなんですね、分かりました。控除は、寄付をすれば自動的に受けられるんですか?

FP

FP

控除を受けるには、原則として確定申告が必要です。ただし以下の条件にすべて当てはまる場合、「寄付金税額控除に係る申告特例申請書」を寄付した自治体に送れば確定申告は不要ですよ。

・確定申告をする必要がない給与所得者
・1年間の寄付先が5自治体以下の人
・寄付を申し込む度に申請書を送っている人

翔さん

寄付のしくみは分かりました。でも、寄付したい場合はどうやって手続きすればいいんですか?

FP

FP

自治体のホームページから申し込む、ふるさと納税ポータルサイト経由で申し込む、などいくつかの方法がありますが、三井住友カード会員なら「ポイントUPモール」経由で寄付するのがオススメです。

ポイントUPモールを使えば、ポイントが最大で+1%還元されますよ!

  • 一部の提携カード・法人カードはポイントUPモールを利用できません。
  • ポイント還元率は予告なく変更となる場合があります。

  • 別ウィンドウでポイントUPモールのサイトへ遷移します。      
翔さん

ポイントもお得に貯まるなんてすごいですね。僕もやってみようかな!

まとめ

納税はとても大切なことですが、できるなら少しでも多くのお金を手元に残したいですよね。

今回ご紹介した「医療費控除」「住宅ローン控除」「ふるさと納税」は、どれも所得税や住民税の節税ができる制度です。自分が利用できる制度をチェックして、ぜひ積極的に活用してください。

「FPに聞くお金のいろは」シリーズの過去の連載もぜひご覧ください。

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