クレジットカードのトラブル事例について知っていますか?

クレジットカードのトラブルと聞くと、紛失や盗難による不正利用をイメージする人が多いかもしれません。しかし、クレジットカードには、「名義貸し」、「属性を偽る虚偽情報でのクレジットカードの申し込み」、「名義冒用」といったトラブルも見受けられます。
中には、犯罪行為となるものもあり、クレジットカードを利用する時にはそのリスクをきちんと理解しておく必要があります。
本記事では、クレジットカードの入会、利用にまつわるトラブルについて紹介します。
INDEX
クレジットカードの入会にまつわるトラブル
クレジットカードの入会時には「名義貸し」や「属性を偽る虚偽情報でのクレジットカードの申し込み」、「名義冒用」といったトラブルがあります。
- 名義貸し(自分の名義を第三者に貸し出すこと)
- 属性を偽る虚偽情報でのクレジットカードの申し込み
- 名義冒用(許可なく他人の名義を使ってなりすましを行うこと)
それぞれどのような事例か詳しく紹介します。
1.名義貸し
名義貸しとは、自分の名義を第三者に貸し出すことです。クレジットカードでは「他人が使うことを前提に自分の名義でクレジットカードを作らせる」、「自分名義のクレジットカードを他人に貸し出す」といったことが該当します。
- 申し込みのために自分の氏名・生年月日・住所の情報を貸した
- 運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類を貸した
- 家族や友人、知人などに自分のクレジットカードを貸した
名義貸しで作られたカードの責任は名義を貸した人が問われる
名義貸しによって作られたクレジットカードがショッピングやキャッシングに使われた場合、「実際にカードを使ったのは違う人だから支払いたくない」という主張は認められず、原則名義貸しを行った人が責任をもって支払わなければなりません。
たとえ、家族や親しい友人から「買い物のためにクレジットカードを貸してほしい」、「クレジットカードを作りたいので名義を使わせてほしい」と頼まれた場合であっても、断るようにしましょう。
2.属性を偽る虚偽情報でのクレジットカードの申し込み
クレジットカードの入会申込では、申込者に関する以下のような情報を申告しますが、申告は正確にしなければなりません。
- 氏名
- 生年月日
- 住所
- 電話番号
- 職業
- 年収
- 他社での借入額
虚偽の情報でのクレジットカードの申し込みは犯罪です
「入会審査に通りたい」という気持ちから、氏名や生年月日、職業や収入などの情報を実際とは異なる内容で申告してしまうケースがあります。しかし、個人情報を偽ったり、年収や勤務先などの情報を虚偽申告することは、詐欺罪などに問われる可能性がある行為です。
クレジットカード作成後でも、虚偽情報で申し込みをしたことが判明した際は、会員資格の取り消しが行われる場合もあります。
将来の契約に影響も
虚偽情報による申し込みが発覚して利用停止や強制解約が行われると、クレジットカード会社によっては、「金融事故」として個人信用情報機関に登録されることがあります。情報は一定期間登録されるため、車・住宅購入のためにローンを組んだり、新しくクレジットカードを申し込む際の審査に影響を及ぼす可能性があります。
3.名義冒用

名義冒用とは、他人の名義を使ってなりすましを行うことです。
例えば、「知人や友人の情報を使って勝手にクレジットカードを申し込む」、「盗んだ第三者の情報でクレジットカードを作る」といったことが挙げられます。名義冒用は詐欺罪等に問われる可能性があります。
また、気が付かないうちに自分自身が名義冒用の被害に遭ってしまうケースもあります。運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類を安易に第三者に渡してしまうと、身に覚えのないところで銀行口座を開設されたり、ローンを契約されたりするなど、個人情報を悪用されるきっかけになりかねません。
クレジットカードについても、渡した個人情報を使って作成され、利用されてしまう懸念があります。
そして被害者であっても、名義冒用によって発生した支払いについては、個人情報の管理状況やカード会社の判断によって請求が行われることもあるため注意が必要です。名義冒用などのトラブルに巻き込まれないためには、日頃から個人情報を適切に管理することが大切です。
名義冒用被害の事例(クレジットカードの不正取得の手口)
名義冒用によって実際にクレジットカードを不正取得された事例の一部について紹介します。
報道によると、高速道路上で「石が当たった」と因縁をつけて運転免許証を撮影し、そのデータを使用してスマホの契約や銀行口座の開設、クレジットカードの申し込みを行ったということです。
不正に取得したクレジットカードはブランド品やスマホの購入に利用されており、その後返品するなどで現金化を行っていたとのことでした。
このように運転免許証を撮影されただけでも名義冒用へとつながってしまいます。大切な個人情報を守るためには、どのような手口で不正な個人情報の取得が行われているかを知ることが大切です。
自分の名義を他人に悪用される恐れがある時の対策
個人信用情報機関の「本人申告制度」を使って名義冒用を防ぐ方法があります。
- 日本にはCIC・JICC(日本信用情報機構)・全国銀行個人信用情報センターの3つの個人信用情報機関があります。
個人信用情報機関とは、ローンやクレジットカードなどの契約・利用状況に関する信用情報を管理する機関で、審査の際に活用されます。
本人申告制度では、本人が申告した情報を登録することができます。
例えば、「名義を使われる恐れがある」という旨を登録しておけば、カード会社やローン会社が審査を行う際の参考にできるため、名義冒用を未然に防げる可能性があります。
信用情報にはローンやクレジットカードなどの申し込み履歴も登録されていますので、もし個人情報の悪用によって名義冒用が行われていれば、そこで状況を確認することができます。本人申告制度はインターネットでも利用できますので、もし個人情報を悪用される恐れがある場合は申告事項を登録しておくようにしましょう。
クレジットカードの利用にまつわるトラブル

これまで紹介したトラブル以外にも、クレジットカードは使い方によってトラブルにつながってしまうことがあります。ここからは、気を付けるべき利用方法や規約違反にあたる行為とリスクについて紹介します。
オンラインカジノの利用
オンラインカジノとは、オンライン上でゲームを行い、その結果に対して現金や暗号資産、電子マネーなどを賭けるものです。海外では合法的に運営されているとしても、日本国内からアクセスすることは賭博罪などにあたる違法行為となります。
オンラインカジノはスマホひとつで手軽に参加できることから、ゲームでの課金との境界が曖昧になり、利用してしまう人も少なくありません。多額の金額を賭けてしまい、気づいた時には取り返しのつかない負債を抱えている例も見受けられます。
「違法だと知らなかったと言えば大丈夫」、「運営元が海外なら違法ではない」といった宣伝には騙されないようにしましょう。
副業・投資でのトラブル
最近では、副業・投資に関するトラブルが増加しています。
副業トラブルとは、「簡単に稼げる」「誰でも儲かる」といった謳い文句に騙され、クレジットカードで多額の初期投資や登録料の決済を行った後に、「ほとんど情報が得られなかった」「事前に約束したサポートが受けられない」といったケースです。
副業を始める際には、リスクを十分に理解し、業者や提供される情報の信頼性を確認しましょう。また、信頼できる情報源を活用し、疑わしい案件には近づかないようにしましょう。
投資トラブルとは、セミナーやSNSなどを通じて投資話を持ちかけ、消費者金融などから借り入れをさせて投資させるケースがあります。しかし、実際には利益を得ることはなく、投資した金額を失う場合が多くを占めます。過去の詐欺の手口や事例を学ぶことや、基本的な金融リテラシ―を身につけることで、詐欺に対する警戒心を高めましょう。
ショッピング枠の現金化
ショッピング枠の現金化とは、クレジットカードのショッピング枠を利用して商品を購入し、その商品を売却して現金を得ることです。具体的には、金券やギフトカード、高級ブランド品など換金率の高い商品をクレジットカードで購入し、それを買い取り業者へ売却することで現金を得る方法が挙げられます。
ショッピング枠の現金化は短期間で現金を得られますが、返済義務は残ります。返済が困難になり、多重債務に陥るリスクが高まりますので、利用は厳禁です。
個人情報の管理、クレジットカードの利用は適切に
これまでクレジットカードの入会と利用におけるトラブルについて紹介をしてきました。
入会にまつわるトラブルでは、「個人情報の適切な管理」が不可欠になります。名義貸しや名義冒用といったトラブルは、個人情報の管理が不十分であることが原因となります。運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類を他人に貸すこと、安易に情報を提供しないようにしましょう。
利用にまつわるトラブルでは、「正しい知識を身につける」ことが重要になります。オンラインカジノ利用は日本国内では違法であり、賭博罪に問われる可能性があります。また、ショッピング枠の現金化は返済義務が残り、多重債務に陥るリスクが高まります。これらのリスクを理解し、適切な利用方法を守りましょう。
会員規約違反に該当する利用は、カードの利用停止や利用限度額の見直しが行われ、最悪の場合には会員資格の取り消しが行われる可能性があります。個人情報の管理と正しい知識の習得で、トラブルを未然に防ぎ、安全かつ健全なキャッシュレスライフを送りましょう。
- 本記事は、公開日時点での情報です。
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