今月のメッセージMessage

先日の、大劇場公演千秋楽の日は……。

明日海りお 今月のメッセージ  9月30日に千秋楽を迎えた花組宝塚大劇場公演、そして東京宝塚劇場公演に足をお運びいただいた皆様、本当にありがとうございました。
 まずは、大劇場千秋楽を振り返ってみたいと思います。前日は、いつもの千秋楽前のように、化粧前を整頓してバタバタしながら帰りました。サヨナラショーもあって千秋楽挨拶を考えていなかったので、家で挨拶文を紙に書き起こしているうちにすっかり遅くなってしまい……。早く寝ないと!という感じでした(笑)。当日の朝は、白いお洋服を着ているうちに、まるで拝賀式の朝のような、少し違った気合いが入るような、不思議な感覚になりました。
 劇場入りする時には、組のみんなが歌やパフォーマンスなどを用意してくれていて、幸せでした。カイちゃん(七海ひろき)をはじめ退団した同期もいてくれて、動画を録ってくれたり、いろいろと手際よくやってくれたり……。同期は、顔を見るだけで安心する存在。遠方から来てくれた子もいたのですが、最後までいてくれてうれしかったです。

 お芝居、レビュー、サヨナラショーもあったのですが、上演中は感情的になるというよりは、普段より冷静に、丁寧にと心掛けていました。ですが、いつも通りにできるのは前楽までかもという予感通り、客席の雰囲気もすごかったですし、私自身もお世話になってきた大劇場での最後に悔いを残したくない、パーフェクトにしたいという思いが強く、意識しましたね。最後だということも信じられなくて、退団者が最後に大階段を下りてくる時も、これまではそれを見守る側だったのに、セレモニーが始まっていてもまだ私は袖にいる……。4人の娘役さんたちを見守れないということがすごく不思議で、「あぁ、そうか、私も辞めるのか」と急に寂しくなりました。

 同期からのお花渡しでは、あやちゃん(望海風斗)が来てくれました。渡してくれる時になんと言うのかなと思っていたら、「生まれ変わっても一緒にやろう」というようなことを言ってくれまして……。予想外な言葉でしたが、とてもうれしかったです。あやちゃんだけでなく、カチャ(凪七瑠海)も、着替えなどを手伝ってくれて心強かったです。

 そしてパレードでは、たくさんの方が待っていらして、お花のアーチもきれいに飾ってあり、ファンの方が横断幕を持ってくださっていました。皆様が温かくて、本当にうれしかったです。自分自身は紋付き袴姿となって、すごくすっきりした、清々しい気持ちでした。これで終わりだと考え出してしまうと寂しくなってしまうからかもしれませんが、まだ東京公演があるという思いもありました。どちらかというと、寂しさよりも、花組公演の千秋楽という日を無事に終えられたという達成感。退団する実感はあまりなく、それは退団してから感じるのかもしれませんね。いまはとにかく、公演をより良くすること、無事に終えることを考えたいなと思いました。

公演を重ねるごとに変化した、花組やみんなへの思い。

明日海りお 今月のメッセージ  2013年に月組から花組へと組替えし、この立場になって以来、公演を重ねるたびに組や組子への思い、考え方や捉え方がめまぐるしく変化しました。組のみんなは最初から温かく迎えてくれていましたが、より信頼関係が濃くなっていきました。みんなのことも組のこともよくわかっている、この状態からもう1回スタートしたい!と思うことも……。でもやはり、相手役もらんちゃん(蘭乃はな)、かのちゃん(花乃まりあ)、ゆきちゃん(仙名彩世)、はなちゃん(華優希)と替わりましたし、組替えでメンバーが絶えず変化しているので、その時の自分たちでないとできないものの連続だったのかなとも思います。

 花組への思いはもちろん最初からずっとありましたし、歴代のトップさんたちが観に来てくださると、本当にうれしくて、頑張れました。でも、まだ自分の実力が追いついていないなか、もっともっと研究したいという思いのほうが強かったです。'17年の全国ツアー公演でみんなが大好きな『EXCITER!!2017』を上演でき、『Santé!!』で「乾杯」を踊らせていただいた時くらいからでしょうか、トップさんたちが毎日守ってこられたところに立たせていただけることが、うれしくなりました。それまでは「どうしよう」という気持ちがあったんです。でも「先輩方が付いてくださっているから大丈夫だ」という感覚になって……。守ってくださっているという“念”のような、何か特別なものが、舞台に息づいているのだと感じるようになりました。

 ほかの組とは違う“うちの組の良さ”も、花組育ちではないぶん客観的に感じることができました。そんなところを強みにして、舵を取れたらいいなと思ってきました。組替えをしたから花組のみんなにも出会うことができましたし、サヨナラショーの舞台稽古や千秋楽も、組を超えていろいろな人が観にきてくれました。それがうれしかったですし、組替えを経験したからだ、と。それに最後の公演中のいまでも、「これまで勇気がなくて聞けなかったんですけど、これを教えてください」と聞きに来てくれたり、「あの時、実はこう思っていたんです」と話してくれる子がいたり。そうやって話しているとまた新たな発見があって楽しいですし、いまもまだ組での新たな絆が生まれていると感じられて、うれしいです。

 そして花組は、れいちゃん(柚香光)とはなちゃんが引き継いでいきます。とても相性の良いコンビですし、2人にしか出せない、2人だからこそ生まれるものが絶対にあると思います。花組が新しく生まれ変わるチャンス。組はもちろん、1人ひとりも、これをきっかけにして1回りも2回りも大きくなれると思います。キラキラした華やかな雰囲気が組にあふれる新トップコンビお披露目公演を、私もいまから楽しみにしています。

憧れやときめき……宝塚は私のすべてでした。

 トップになってからも、本当にいろいろな公演、役をさせていただきました。『宝塚幻想曲』は、全員がとてもハードな思いをしましたが、どの場面もスケールが大きくて大好きでしたし、台湾公演でも上演した思い出の作品。『雪華抄』も、組の大半が初めての和物ショーだったので、印象に残っています。そして『金色の砂漠』のギィ。毎日燃え尽きていました。じっくりとお芝居をする感覚がなんとも言えず、楽しかったです。『ポーの一族』も、世界観が特別でした。たくさん素敵な歌もありましたし、皆さんに喜んでいただけてうれしかったです。一番楽しかったのは『CASANOVA』でしょうか。私自身も宝塚生活の終わりが見えていたこともあり、こんなに舞台の上で気持ちよく呼吸ができるんだ、と。『MESSIAH』もそうですが、いろいろな人とお芝居ができたのが、本当にうれしかったです。作品や役、素敵な曲との出合いに、いつも心を揺さぶられてきたので、宝塚に入って心から良かったなと思います。舞台人としていろいろな設定で、恋愛、家族愛、仲間への愛、憎しみや悲しみ、怒りとか、さまざまな感情を経験でき、すごく濃厚で楽しかったです。

 一番うれしかったのは、花組のみんなと、花組や宝塚歌劇のファンの皆様と一緒に時を刻めたこと。私1人だけではなくて、皆さんといろいろな舞台を作ることができ、組のみんなのこともファンの皆さんのことも、本当に愛おしいなと思えることが幸せでした。私自身は、こんな風にやりたい、ここまで仕上げたいという思いが強すぎてキリキリしてしまうことがあり、苦しいことも多かったです。でもそれはやりたいことだったので、苦になりませんでした。日々戦いという感覚はありましたが、とにかく好きなことをこんなにも長いことさせていただいて、感謝の気持ちでいっぱいです。

 宝塚には、いろいろなものが詰まっていましたね。大好きな場所であり、憧れ、ときめき、ご褒美……責任を伴う仕事でもありました。これからはふるさとになり、帰ってきたらホッとする場所にもなるのだと思います。改めて、宝塚は私のすべてでした。だからこそ、まだ退団後のことは考えられないんです。公演を無事に終えてからゆっくり考えようと思っています。

 2012年12月25日からVJAのイメージキャラクターをさせていただきました。こんなにも長い間務めさせていただけて、とてもうれしかったです。実は先日、空港の搭乗口にあった看板を、動画で録りました(笑)。最後かもしれないと思いまして……。ファンの方や組子も、看板が新しくなったねと声をかけてくれたり、このホームページも皆様がずっと楽しみにしてくださっていて、「読みました」とお手紙をいただくことも多かったです。イメージキャラクターをさせていただくことで、皆様と本当にすごく太いつながりを持たせていただいたような気がしています。
 ファンの皆様とは、舞台上でもそうですし、こういう媒体を通してでも、常に一緒にいる感覚でした。それがなくなってしまうと思うと、寂しいです。苦しいことがあっても、もっといいものをお届けしたいという意欲が湧いてきたのは、皆様の存在があってこそ。見守っていただき、そして私だけではなく組のことも愛してくださり、すべてを一緒に見てきてくださり、本当にありがとうございました。

※このメッセージは、10/22(火)に届いたものです。※当コーナーは11/24(日)までの掲載となります。

●犬or

これは、もう言うまでもないですね! 猫です。私が飼っている猫のおこげは、11月に誕生日を迎えて2歳になります。何度かこのメッセージでもお話ししましたが、順調にすくすく育ってくれて、もう結構大きくなりました。私にとっておこげは欠かせない存在ですが、1日中お稽古で家にいなかったり、家にいたとしても公演や役のことに集中したりしていて、構ってあげられないことが多かったです。ですので、これからは大切にしてあげる時間が増えるかなと思いますね。

生まれ変わったらタカラジェンヌor違う人生?

あやちゃんが千秋楽で言ってくれた言葉にちなんだ質問ですね。答えは……絶対にタカラジェンヌになりたい!!! 来年、また宝塚音楽学校を受験したいくらいですもん(笑)。また男役になりたいです。……でも生まれ変わった時の背格好にもよりますよね。できたら男役希望ですが、私が生まれ替わってくるころには、みんなもっと背が高くなっているから、娘役になるかもですね。無理なら、進行、音響、衣裳など、なんでもやってみたい! とにかく、宝塚にまた携わりたい思いが強いですね。