宝塚歌劇団・花組トップスター 明日海りお
明日海りおプロフィール

今月のメッセージMessage

花組東京公演、皆でより深めてお届けできたらと思います。

明日海りお 今月のメッセージ
 このメッセージが更新されるころには、『邪馬台国の風』『Santé!!』の東京公演が開幕しています。『邪馬台国の風』は、ラストの立ち回りや、ゆきちゃん(仙名彩世)との場面など、物語が変わるわけではありませんが、新たな演出が加わっています。大劇場公演では、いろいろな役の人と話して調整しながら進めてきたので、公演を重ねるごとに息が合ってきて、互いにアンテナを張りながら皆で作り上げたものと、新たな演出の部分をうまく融合させて、お客様により見応えがある作品になったと感じていただけるように、お届けしたいと思います。  

『Santé!!』は、お客様がどんどん楽しみを見つけてくださるショーという感じがします。プロローグの客席下りで、まるでコンサートのように「ヒュー!」と盛り上がってくださるので、とてもやり甲斐がありますし、次の場面への活力になっています。男役冥利に尽きるジゴロの場面からコミカルなシーンまで盛りだくさんな内容ですが、特に「乾杯」の黒エンビのシーンは神聖な雰囲気を感じます。
 大劇場公演では、『Cocktail』でこの場面を演じられたOGのチャーリーさん(匠ひびき)がご観劇くださいました。終演後に楽屋にいらして、「子供のように泣いたわ」とおっしゃってくださいました。私たち出演者は、この場面に対してすごく思い入れがあり、チャーリーさんや、その後に演じられたオサさん(春野寿美礼)のナンバーという気持ちが強いのですが、チャーリーさんは「みんなのものだから」と……。とても温かいお言葉をいただき幸せでしたし、ショー自体を楽しんでくださったようでうれしかったです。そしてチャーリーさんをはじめ、歴代の花組トップスターの方々にお会いすると「頑張っちゃだめよ」とおっしゃっていただくことが多く、男役としての豊かさやゆとりを表現したり、冷静にそのときに感じたことに集中するためには、力を抜かないといけないということなのかなと感じています。心に留めて、舞台に立ちたいと思います。

 ほかにも、轟 悠さんや、まあ様(朝夏まなと)、りょうちゃん(珠城りょう)、ちゃぴ(愛希れいか)、みやちゃん(美弥るりか)やだいもん(望海風斗)、せーこちゃん(純矢ちとせ)など同期も来てくれました。今回のショーにはワイングラスを持ったお客様と乾杯する場面があるのですが、観に来てくれた生徒にも、強制的にグラスをもっていただきました(笑)。私の化粧前に3色のグラスが常備されていて「どれがいい?」と(笑)。皆さん快く「私たちもできるの?」と楽しそうに選んでくれて、客席でお客様と乾杯したりしてくれているようです。
 大劇場公演中に誕生日を迎えたのですが、ファンの皆様にもお祝いしていただきました。ありがとうございました。ショーでもけいこさん(美穂圭子)ご発案で「ハッピーバースデー!」という掛け声を皆で掛けてくれて、うれしかったです。そして終演後、下級生数人と食事でも行こうと思っていたのですが、急にアイマスクで目隠しをされまして……。そしてどこに行くのかわからない状態のなか、連れて行かれてアイマスクを取ったらなんと皆が集合していて、サプライズでお祝いしてくれました! 終演直後のゆきちゃんとの会話では、そんな雰囲気は一切出ていなかったのに(笑)。ワイワイ皆で話しながらお食事できてすごく楽しかったですし、とても幸せでした。

雪組トップコンビさんや、花組の退団者、
キキちゃん(芹香斗亜)のこと。

明日海りお 今月のメッセージ
 少し前のことになりますが、雪組公演を観劇しました。この作品は、ちぎさん(早霧せいな)、ゆうみ(咲妃みゆ)のさよなら公演なのですが、とにかくお2人に圧倒されました。ちぎさんが全身全霊をかけて舞台に臨んでいらっしゃるのをひしひしと感じましたし、まったく隙がない。台詞や動き、掛け合い、ショーの魅せ方……。こだわって研究したものを表現されているだけでなく、常に良いものをと集中されて挑んでいることが舞台姿からあふれ出ていて、本当に素晴らしいなと感じ、タカラジェンヌとしての生き様に圧倒されました。ゆうみは、月組時代の下級生のころから知っていますが、トップになりたてのころから比べると、立ち姿がまったく違う。いろいろなものが磨かれ、削ぎ落されていて、凛々しかったです。努力したらこんなにも進化するのだと感じました。

 ちぎさんとの共演は『タカラヅカスペシャル』だけでしたが、初めて「宝塚グラフ」の表紙に2人一緒になったことをきっかけにお話するようになりました。ちょうどちぎさんが雪組に組み替えされたときで、撮影に向かう飛行機の中でお話させていただいたことを覚えています。ちぎさんとは、トップに就任する時期もほぼ同じくらい、トップとして初めての顔合わせが運動会と、“転機”がとてもよく似ていました。ですので、時々廊下でお会いすると、「どう?」とか「こういうところが大変だよね」とかお話ししたり、『新源氏物語』のときもちぎさんに衣装の相談をしようかなと思ったり……。重責を明るく吹き飛ばすパワーがかっこいいな、見習いたいなと常々思っていました。私自身、舞台に対してのこだわりが強すぎて神経質な部分があり、これで大丈夫かなと迷ったときもあったのですが、ちぎさんとゆうみも同じようにいつも話し合っていると知って安心して、勇気が湧いてきたこともありました。

 花組でも、一期上のらいさん(夕霧らい)、一期下のイブちゃん(梅咲衣舞)という、近い学年で関わりの強いお2人が東京公演千秋楽で退団されます。らいさんは、皆が元気ないときにおもしろいことを言って組をもり立て、開演前にも下級生に声をかけてくださいます。私のことも考えて皆とふれ合う機会を設けてくださったりと、明るいらいさんに助けていただきました。宝塚が大好きなイブちゃんは、いつも「かっこいい、素敵!」と褒めてくれたり、「このナンバーの好きポイントはここ!」と言ってくれたりする、やさしくておもしろい人。常に助けていただいたお2人の退団は本当にさみしいですが、無事に送り出したいです。

 そして、先日キキちゃん(芹香斗亜)の組替えが発表になりました。私も彼女と同じくらいの学年で組替えして気持ちもわかる部分があるので、この報告をしてくれたときに2人でいろいろと話しました。キキちゃんが2番手羽根を背負ったころのことを振り返ってみると、いまではすごく息が合ってきて、頼もしい存在になってくれました。とても寂しいですが、キキちゃん自身の次のステップへのいいエネルギーにして欲しいです。ひらめちゃん(朝月希和)もこの東京公演を最後に組替えとなりますが、2人とも今後のさらなるスキルアップのため前向きに頑張れるように、花組での最後の公演を楽しく過ごしてもらえたらなと思います。

※このメッセージは、7/20(木)に届いたものです。