今月のメッセージMessage

ゆきちゃんをはじめ、卒業する人たちとの最後の公演。

明日海りお 今月のメッセージ  このメッセージが更新されるころには、東京宝塚劇場公演も中盤に差し掛かっていると思います。
その千秋楽で、相手役のゆきちゃん(仙名彩世)が退団します。2年前の3月からコンビを組んできましたが、いま振り返ってみても、彼女の優しさ、懐の広さに支えてもらったなと感じます。信じているからこそ遠慮せずに、「もっとこうしたらどうなんだろう」という相談もたくさんできましたし、一緒に歌うときでもお稽古の最初から合わせてくれて、あとは2人のイメージをすり合わせて描くものを一緒に作りながら次の段階に進むことができました。すごく助けてもらったなと思います。

 就任当初は、普段の彼女らしくなく緊張して混乱しているようなこともありましたけど(笑)、いつでも隣でニュートラルにいてくれました。すごく面倒見の良い人で、トップ娘役としての役割や仕事を果たしながら、下級生の面倒を見ることを両立してくれて、みんなのお姉さん、お母さんみたいな存在。私と下級生のパイプになってくれた部分もありました。本当になんでもできる、スーパー娘役さんだったなと思います。もちろん、これまで一緒に組んだらんちゃん(蘭乃はな)やかのちゃん(花乃まりあ)にも同じように感じていた部分もありましたし、3人それぞれと過ごしてきた時間は宝物です。

 ゆきちゃんの舞台人としての魅力は、以前にもお話ししましたが、やはりパンチのあるところ。今回のベアトリーチェ役も120%のパワーで演じてくれていて、とってもゆきちゃんの個性が生きた役で素敵だなと感じます。それ以前で印象的な役は、『ポーの一族』のシーラ。カツラや衣装も抜群に似合っていて、人ではない妖艶で独特な雰囲気がすごかったです。あのときに放っていたオーラ、香りみたいなものが、いまでもとても印象に残っています。
 お稽古中も公演中も、それまでと変わらずニコニコして過ごしていますが、どの瞬間も本当に愛おしいんだろうなと感じます。私は、それを邪魔しないように(笑)、少し離れたところから見守っています。東京公演もあるので、2人で最後まで高め合いながら、そしてゆきちゃんが健康に千秋楽まで過ごしてもらえたらいいなと思っています。

 今作では、じゅりあさん(花野じゅりあ)、べーちゃん(桜咲彩花)、るかちゃん(碧宮るか)、たまごちゃん(茉玲さや那)、もねちゃん(凜香百音)も退団します。
 じゅりあさんは、本当に花組みんなのお手本でした。お化粧、カツラ、着こなしが、じゅりあさんの手にかかると、マジックのようによくなるんです。舞台ではかっこいいお姉さん役が多かったですが、普段はとても無邪気でかわいらしい、女の子版ピーターパンみたいな方。楽屋が一緒なので、毎日お部屋で楽しく過ごさせてもらっています。そんな当たり前の日常がなくなってしまうのが、とても寂しいです。上級生ですが、私のことをトップとして尊重してくださって、いつも支えていただき、感謝しています。

 べーちゃんは、組替えしたてで誰とどういう風に話せばいいのかわからないとき、『戦国BASARA』で相手役さんのような存在だったので、お稽古中から本番中の袖でも、いつも一緒にいてくれました。奥行きのあるお芝居をする人で、公演ごとにいろいろな役が印象に残っていますが、一番は『新源氏物語』の紫の上。少女時代の役をうららちゃん(春妃うらら)が演じていて、1曲のなかで成長した紫の上のべーちゃんに変化するというシーンがありましたが、その空間が日だまりみたいにぽかぽかしていて……。べーちゃんの目がうるうると潤んでいて、その空気感が忘れられないです。
 そしてるかちゃんたち3人も本公演以外の公演などで、よくお芝居を一緒にしてきました。3人ともやる気があってお芝居が好きで、学年が上がってきて頼もしくなってきたなと感じていたところなので、本当に寂しいです。でも退団後の第二の人生も、頑張ってほしいなと思います。

衣装やダンス、最後の短いショー……。見どころたっぷりの『CASANOVA』。

明日海りお 今月のメッセージ  今作の『CASANOVA』は、各所にこだわりが詰まっているので、ぜひ細部まで注目していただきたいです。
 まずは、お衣装。有村淳先生が印象的なものをたくさん作ってくださいました。カーニバルのシーンで着ている、水色のシャツ、ワインレッドのパンツ、オレンジのファー付きのマントも、配色がなんともおしゃれで素敵ですよね。そういったカラフルな装いのあとは、一転して黒のお衣装に。気持ちもガラッと変わります。軍服風でもあるのですが、開衿でロックの雰囲気もあり、でも意外とブーツには大きなリボンが付いていて、いろいろな要素が詰め込まれています。あとは、最後の真っ赤なスーツ。ラインが入っていたり、胸元のブラウスの光沢感があったりと工夫されていますが、色は本当に赤一色。それがゆきちゃんとお揃いで、舞台でぽんと浮かび上がる感じがします。髪の毛が明るめなのでそれに合うようにデザインしてくださったのかなと思います。
 そういった細部までのこだわりに加えて、遊び心も満載。先ほどの黒のお衣装には、馬のたてがみや太陽の飾りが付いていたりするので、私もそれに合わせてピアスやアクセサリーを変えています。例えば、カーニバルのときはゴールドのドクロ風のピアスやライオンの指輪をしたり、クモのピアスをしてみたり……。遊び心をもって、いろいろなアクセサリーを用意してみました。

 カツラも、いろいろと試行錯誤しました。短髪など色々候補がありましたが、自分の顔にあった今のようなプラチナに近い色味のものに仕上てもらいました。遊び人風にネジネジした部分があったり、ウエーブしていたりしていて、「甘すぎず、辛すぎない」バランスを狙っていますが、皆様いかがでしょうか……。

 今作は、振付も新たな空気感があると思います。DAZZLEの長谷川達也先生が担当してくださった場面も、独特ですよね。振付に入る前のワークショップに入らせていただいたのですが、フリとフリの間のニュアンスまですごく丁寧にやってくださって、それが皆で揃うと空気がばーっと広がる感覚がありました。カウントが細かくて、フリの1つひとつにたくさんの意味が込められているので、完成までにすごく時間がかかりました。隊形移動、フリとフリがどうリンクしているのか、同時進行で行われている違うフリなど、先生お1人でどうやって考えられたんだろうと、袖で見ていていつも唸ってしまう。独特な繊細な世界観が素敵だなと思います。
 セットや映像も見どころの1つ。演じているので引いて見ることができないのが残念ですが、街の建物がミニチュアで置かれている場面がコミカルで面白いとか、映像から水の都の雰囲気が伝わってくるとおっしゃっていただくことも多く、楽しんでいただけているようでうれしいです。

いまの花組ならでは、いまのメンバーしか作れない作品。

 2幕の最後には、短いショーがついていますが、本編の曲をアレンジして、役のイメージを重ねながらのシーンになっています。カサノヴァらしく娘役さんに囲まれて踊ったあと、男役だけの大階段の場面となり、自然にスイッチが入ります。フリも激しめですが、お芝居では女役だったちなつ(鳳月杏)も含め、皆楽しんで踊っています。

 そして、ゆきちゃんとのデュエットダンス。本編でも歌っている曲ですが、デュエットにぴったり。ゆきちゃんの身体能力があればこそですが、振付の御織ゆみ乃先生もたっぷりと曲を使える振付をつけてくださいました。先生が初日後何度か観てくださって、「もし振付が足りなく感じるようであれば付け足そうと思っていたけど、2人の空気感がいいので、いまのままで十分」とおっしゃってくださり、すごくうれしかったです。お芝居のラストのデュエットも、このフィナーレのデュエットも、踊っているというより、ゆきちゃんと会話している感覚。ゆきちゃんを見守って、眺めているような感じでさせていただいています。

 今作を最後に、ちなつとひとみちゃん(舞空瞳)が組替えします。ちなつは月組時代から一緒で、花組に来てからも支えてくれていたので寂しいです。でも同時に、組替えするのが古巣の月組ということで、安心感もあります。ちなつが帰ってくることを月組の子たちも喜んでいましたし、彼女自身も絶対にプラスになる。だから、卒業する方とは違う送り出しをできる幸せも感じます。離れてしまいますが、6月に行われる横浜アリーナでのコンサートにも特別出演してくれるということで、とても楽しみです。
 ひとみちゃんは、『ハンナのお花屋さん』でハンナを演じたり、昨年の全国ツアーでも活躍していて、これから花組の娘役さんとしてもっと素敵になると思っていたのですごく寂しいです。妹や娘を送り出すような複雑な気持ちもありますが、前向きでガッツがある人で、星組さんでも皆にかわいがられて頑張ってくれると思うので、公演を楽しみに観に行きたいと思います。

※このメッセージは、3/10(日)に届いたものです。

カサノヴァorドン・ジョヴァンニ?

いやぁ、これはもうカサノヴァしかないでしょう! 実際にいま演じていますし、公演中ですしね(笑)。今作の作・演出の生田大和先生は、以前ドン・ジョヴァンニをモチーフにした公演も作られていて、同期のだいもん(望海風斗)が『ドン・ジュアン』という作品で演じていましたよね。でも……今回はカサノヴァを選びましたが、実際にこの2人が同じ時代に生きていたとしたら、どっちも嫌でしょうけどね(笑)。

新ジャガor春キャベツ?

迷いますね……。でも新ジャガかな。キャベツも好きなんです。回鍋肉や普通の塩炒めでも、火を通すと甘くなりますし。だから、春のキャベツじゃなくてもいいんです。1年中美味しいので。ということで、あえての新ジャガ。皮ごと食べられるのはこの時期しかないですし、ジャガバターも美味しい。北海道の新ジャガの旬は春ではないですが、よくよく考えると私、コーンやアスパラもそうですし、北海道のお野菜が好きみたいですね。