宝塚歌劇団・花組トップスター 明日海りお
明日海りおプロフィール

今月のメッセージMessage

花組公演『ハンナのお花屋さん-Hanna's Florist-』、
ご観劇いただき、ありがとうございました。

明日海りお 今月のメッセージ
 花組 TBS赤坂ACTシアター公演『ハンナのお花屋さん-Hanna's Florist-』、ご観劇いただきありがとうございました。お楽しみいただけましたでしょうか。

 作・演出の植田景子先生のこだわりが詰まった小道具やセットなど、とても美しい空間で公演することができ、うれしかったです。作品のテーマが「幸せとは何か」ということでしたので、お客様にもそんなハピネスをお届けできたら、と。ミア役のゆきちゃん(仙名彩世)ともいろいろと相談しながら、お芝居を作っていきました。

 今作は、キキちゃん(芹香斗亜)の花組生としての最後の公演でもありました。キキちゃんはクリスの父・アベル役で、ハンナと出会って恋が生まれ、クリスという命を授かるという宝塚らしいファンタジックな場面を演じていました。クリス役の私は現代を描いた場面に出ていて、アベルやハンナのシーンとは時空が違ったので、一緒にお芝居をすることはほとんどありませんでした。母が亡くなったことで父とも溝が生まれ、彼が体調を崩してもなかなかデンマークに帰ることができなかったり……。いつも父に対して申し訳ないという気持ちがあったので、一緒のシーンは少なくても心で繋がっていました。後半で、父がどういう経緯で離れていったのか、ハンナがなぜ亡くなったのかが明らかになり、クリスとハンナを本当に愛していてくれていたことを知ります。一言も交わさずとも思い合っていて、最終的に自分が求めていたものは故郷や家族の温かさ、愛だと気付くことができました。

 キキちゃんとは、花組に組替えになって初めてお話ししました。初参加した東急シアターオーブ公演『戦国BASARA』とは別チームのバウ公演『フォーエバー・ガーシュイン』で主演していたのを観て、すごくしっかりしたスターさんで実際の学年よりも上に感じました。私たちはどちらも、最初からオープンマインドに人と接することできるタイプではないので、お互いぎこちない感じ(笑)。そこからいろいろな役を演じてきましたが、『カリスタの海に抱かれて』『宝塚幻想曲』あたりから、キキちゃんとお芝居する機会も増えました。そして台湾公演も一緒に行ったので、かのちゃん(花乃まりあ)やれいちゃん(柚香光)を含めた4人の連帯感が強まっていったように思います。

 マイクに音声が乗らず、話しているフリをする場面などで、芝居中の何気ない会話を交わすのもすごくおもしろかったです。『Ernest in Love』や『ME AND MY GIRL』など、アドリブのある芝居も多かったですね。『ME AND MY GIRL』のときは、舞台上で何があってもキキちゃんなら返してくれるという安心感があり、心強い存在でした。静かな温かさのあるジョン卿がキキちゃんにすごく合っていて、お芝居するのが楽しかったです。『雪華抄』のフィナーレのときは、キキちゃんとれいちゃんがセンターで踊っていて、せり上がっている最中に、本当に素敵だなと思いながら観ていました。約3年間、一緒に作り上げてきた1つひとつの舞台がとても大事なものだったなと、いま振り返ってみて思います。

 キキちゃんは体格的にも恵まれていて、私には絶対に出せないものをもっている人。そういう魅力をどんどん磨いていってほしいです。組替えして舞台に取り組む環境や共演する人が変わることで、全然違うものが生まれてくると思います。トップさんを支え、ときには敵対した役を任されるポジションは、すごく素敵な立場。トップさんとは違った魅力で輝く、大事なポジションを十分に謳歌してほしいなと思います。真風くん(真風涼帆)とまどかちゃん(星風まどか)の新体制の宙組で輝くキキちゃんの舞台を観に行くのを、とても楽しみにしています。

仲良しのまぁ様との思い出と、だいもんのこと。

明日海りお 今月のメッセージ
 11月に、宙組トップスターのまぁ様(朝夏まなと)が退団されます。まぁ様とは同時期に同じ組に在籍したこともなかったのですが、仲良くさせていただいていました。初めてきちんとお話させていただいたのは、『タカラヅカスペシャル』に初出演したとき。まぁ様も初めてのご出演で、銀橋でトップさんたちがずらっと並んでいるなか、花道の端っこに私たち2人がいて(笑)。勝手がわからず不安だったので、助け合っていました。

 まぁ様は普段からとても明るく、気風が良い。周囲からすごく慕われていて、懐の広い方です。そして、花組の雰囲気がわかったいま、まぁ様の舞台を拝見すると、やっぱり花組で育った方だなぁ、と。余計に“家族感”が増しました(笑)。トップさんとして中心でドンと構えながら、いい意味でリラックスして皆を受け入れている感じと言いますか……。歴代の花組のトップさん像と重なるなと感じていました。雑誌の表紙を一緒に撮らせていただいたり、劇団の廊下で会ったときにお話ししたり、対談させていただいたり。まぁ様のお人柄や舞台から、さまざまなことを学ばせていただきました。

 そして、先日同期のだいもん(望海風斗)が雪組トップスターに就任しました。本人から、「ちょっといい?」と声をかけられて、雰囲気ですぐにわかりました。お互いあまり多く言葉は交わさずに、抱き合いました。音楽学校の予科生のときから部屋も一緒で仲が良かったので、2人そろってトップになれたのだという感慨もありました。心から祝福する気持ちとともに、伴う責任やこれから待ち受けていることもわかるので心配な気持ちもあり……。いろいろな感情が駆け巡って、なかなか言葉になりませんでした。

 そんな報告を聞いてから、あっという間にプレお披露目の全国ツアーが終わり、時が経つのは早いですね。もうトップさんとして舞台に立っているのだと思うと、私よりもすごく優等生ですし、人間的にもしっかりしているので全然心配ないのですが、体調はどうかなとか、バタバタしているだろうなとか、気になりながら過ごしています。残念ながら全国ツアーは観に行けなかったのですが、観に行った同期から送られてきた写真や、同期皆でプレゼントしたものを喜んでいる様子を聞いて、良かったな、と。大劇場でのお披露目公演は、必ず行きたいと思っています。実際に目の当たりにしたら自分がどうなってしまうのかわかりませんが(笑)、とても楽しみです。

※このメッセージは、10/20(金)に届いたものです。