今月のメッセージ

初めての全国ツアー主演。喜んでいただけるように頑張りたいです。

明日海りお 今月のメッセージ
 このメッセージがアップされるころには、全国ツアー公演『仮面のロマネスク』『Melodia ー熱く美しき旋律ー』が開幕しています。 『仮面のロマネスク』は、1830年代のフランス宮廷を舞台にした物語で、1997年に雪組で初演、その後2012年に宙組で再演されました。以前、映像で初演を拝見したことがあり、ラストシーンがとても素敵で印象に残っていました。ですから、この作品を上演することをお聞きしたときは、柴田侑宏先生の独特な世界観のお芝居を演じさせていただけることが、とてもうれしかったです。また、下級生のときに同期の白華れみが「『仮面のロマネスク』のヴァルモンは絶対に合うから、演じて欲しい!」と言ってくれたことがあり、こういう巡り合わせがあるのだなぁと幸せに感じました。

 私が演じるヴァルモンは、フランスの階級社会のなかで家の地位を保つため、社交界でも周囲から一目を置かれる存在でいるため、そして自分の恋心が赴くまま、女性を渡り歩く貴族。『新源氏物語』の光源氏も同じようにプレイボーイですが、光源氏には悪気はなく、ヴァルモンは計算して動いている部分があるので、性格はまったく違います。ヴァルモンには、かつての恋人、メルトゥイユ侯爵夫人との切っても切れない縁、お互いに執着しているという強い思いが根底にあります。お互い感情を表面には出さないですが、当て付けでほかの異性と交際をしたり、駆け引きし合ったりします。そんな2人が、最後に国が乱れて命さえ危うい状況のなかでようやく仮面を外して素直になれるシーンを、より切なく感動的に観ていただけるように、作っていきたいなと思います。

 ヴァルモンには、もちろん共感できない部分もありますが(笑)、素直になれないところや、彼女への当て付けで本心ではないことを話すなど、理解できるところもたくさんあります。それが台詞の随所に表れていて、わかりやすい部分も多い。人物像としては、とてもプライドが高い人だと感じます。恋愛においても、自らがコントロールして物事を運ぶ意志が強く、相手を降参させて勝利し、素直に自分の愛を求めるように仕向けたいという美学があります。侯爵夫人を再び恋人にしたいという思い、執着がいろいろな形になって彼を動かしているのではないかなと思っています。
 また、髪型にもこだわりたいです。初演の高嶺ふぶきさん、再演の大空祐飛さんともに、それぞれ個性を生かした髪型にされていましたが、私もお2人のようなダークな色味をベースに考えています。ワイルドさがありつつも神経質で嫌みな感じを出すにはどうしたらいいのか、貴族らしさを残し、遊びや色気を出すためには……と試行錯誤中。いままでやってきた役とはまた全然違う雰囲気にしたいので、出来上がっているポスターからさらに役に近付けるように、研究していきたいです。

 まりあちゃん(花乃まりあ)は、『ME AND MY GIRL』のサリーもぴったりでしたが、大人っぽく見える人なので、絶対にメルトゥイユ侯爵夫人も合うだろうなと思います。ただ、侯爵夫人はヴァルモンに対等に何かを言い放ったり、ときに優勢な立場になることでヴァルモンの弱みが見える必要もある。いつも娘役として一歩引くことを意識してくれているので難しいとは思うのですが、深めてくれることを期待しています。

 キーポイントとなるトゥールベル夫人は、ゆきちゃん(仙名彩世)が演じます。最初はとても強引に近付いていきますが、徐々に彼女にも少し惹かれていく。その差をしっかり出すようにと演出の中村暁先生からも言われています。メルトゥイユ侯爵夫人もヴァルモンのトゥールベル夫人への思いに気が付いて、当て付けでキキちゃん(芹香斗亜)演じるダンスニーを引き寄せてしまう。そのきっかけにもなるので重要なのですが、メルトゥイユ侯爵夫人への思いが中途半端に見えないよう、さじ加減を考えたいです。
 ヴァルモンにとって初めてのタイプの女性であるトゥールベル夫人、そしてくりすちゃん(音くり寿)演じるセシル。この2人が役の個性を掴んで、メルトゥイユ侯爵夫人とは全然違う色合いに演じてくれると、さらにヴァルモンの悪さが強調され、世界観が出来てくると思います。

 全国ツアーへの出演は、約10年ぶりとなります。最初は素直に喜んでいたのですが、責任ある立場で全国を回るということに、いまは少し不安もあります。毎回移動して劇場が変わるので、しっかり体調管理をしつつ、各地の方に喜んで観ていただけるように務めたいです。そのなかで台湾公演のときのように皆で一緒に移動したり、名物を食べたりと、メンバーと楽しんで過ごしたいと思います。

 最後に、まりあちゃんの退団が先日発表されました。また来月にでも詳しくお話させていただこうと思いますが、まだ残り2作ありますので、とにかくいまはお芝居に集中して良い作品を作っていけたらと思っています。全国ツアー公演、ぜひ皆様会場に足をお運びいただければうれしいです。お待ちしております!

ゆかりのOGの方々やまさきさんにパワーをいただきました。

明日海りお 今月のメッセージ
 少し前のことになりますが、まだお話していなかったことを……。『ME AND MY GIRL』にはたくさんの方にお越しいただいたのですが、あさこさん(瀬奈じゅん)、みほこさん(彩乃かなみ)も観に来てくださいました。お2人がそろうと本当に当時のままの雰囲気で、組子もとてもテンションが上がっていました。あさこさんから「みりおも余裕が出てきたね」とおっしゃっていただけて、ホッとしました。ほかにも、以前『ME AND MY GIRL』にご出演された、真飛聖さん、桜乃彩音さんコンビも、ご存知の内容なのに「おもしろかった」とおっしゃってくださり、うれしかったです。また、まゆさん(蘭寿とむ)や壮一帆さん、らんちゃん(蘭乃はな)、すみかちゃん(野々すみ花)、そして東京芸術劇場で公演中だった霧矢大夢さんなど、元花組生のOGの方々も来てくださいました。もう楽屋ではひとしきり大騒ぎ(笑)。皆さんから、たくさんパワーをいただきました。

『ME AND MY GIRL』東京公演後には、まさきさん(龍真咲)のディナーショーがありました。本当に楽しそうにされていて、まさきさんワールド全開! 一観客としてとても楽しませていただきました。そして、ゲストとして1曲デュエットをして、トークもさせていただきました。いまお客様の前で上級生の方とお話する機会も少ないので、いつもの感じに戻れて新鮮でした。久しぶりに一緒に歌わせていただくと、当時のことを思い出しました。まさきさんの歌声を聞いて、その響きや音程、波長に合わせていく感覚が甦ってきて、本当に懐かしかったです。退団前にまた一緒の舞台に立たせていただくことができて、うれしかったです。

※このメッセージは、8/19(金)に届いたものです。