宝塚歌劇団・花組トップスター 明日海りお
明日海りおプロフィール

今月のメッセージMessage

恋の駆け引きがクローズアップされた
『仮面のロマネスク』に。

明日海りお 今月のメッセージ
 このメッセージがアップされるころには、ちょうど千秋楽を迎える花組全国ツアー公演『仮面のロマネスク』。皆様、お楽しみいただけましたでしょうか。

 お稽古を始めたときは、改めてこの作品の難しさを感じました。昨年全国ツアー公演で上演したときには、まりあちゃん(花乃まりあ)とコンビを組んで何作か経っていたころだったのですが、今回ゆきちゃん(仙名彩世)とはコンビとしてお芝居するのは初めて。まず、お互いが台詞を交わすことに慣れるため、まりあちゃんのときにもやったワークショップのようなことから始めました。向かい合って立って、鏡のようにお互いの仕草を真似したり、マイクをもっているフリをしながら台詞を交わしたり……。そういう根本的なところからスタートし、お互いの癖がわかって柔軟になり、効果的にキャッチボールができるように。そうしてお稽古していくうちに、だんだんと2人ならではのお芝居になってきました。

 昨年は「名作の再演」という意識が強かったのですが、1度ヴァルモンを演じているぶん、メルトゥイユ夫人との掛け合いでも工夫ができ、だんだんとおもしろくなってきました。2人の関係性についても、前回は気持ちのぶつけ合いという印象でしたが、今回は駆け引きの部分がクローズアップされ、お互いが恋のゲームを楽しみ、腹を探るニュアンスが色濃く出るのではないかと感じています。
 ヴァルモンという役柄としても、また自分自身としても、空間にどっしりと存在することがテーマ。前回から役が替わっていないのは数名しかいないので、私が揺るぎなく存在することで、みんなが演じやすくなるのではないかな、と。ただ、役を作るうえで大きく変わるのは、絡む娘役さんが違うこと。理屈抜きに湧き上る感情が違ってくるので、この点をうまく生かして演じられたらと思います。

 トゥールベル夫人役のべーちゃん(桜咲彩花)は、演じる前からぴったりだと思っていましたが、やってみてもぴったり(笑)。彼女がもっている上品で優雅、かわいらしい部分が、貞淑な妻の役に生きていて、恋心に揺れる繊細なお芝居も女性らしく演じてくれているので、心が動かされますね。脚本の柴田侑宏先生や、演出の中村 暁先生に見ていただくことで、よりビビットになりました。そんな素敵なトゥールベル夫人にヴァルモンは、場面ごとに強く惹かれていく。それを認めたくない、抑えようとする自分との間で揺れます。
 セシル役のみれいちゃん(城妃美伶)は、新人公演でのヒロイン経験も豊富なので、さすがの表現力。貴族らしい華やかな上品さがあり、気持ちの移り変わりの表現も的確です。

 ダンスニーは、れいちゃん(柚香 光)ならではの役になっています。台詞にあるように“イライラするくらい内気で正直なお坊ちゃん”で、公園で歌ってしまうような役柄ですが、前回のキキちゃん(芹香斗亜)の朗らかな雰囲気とはまったく違い、こういうダンスニーを作ってくるのかと感じました。れいちゃんの場合は、高速でスキップして転んでしまうような感じ(笑)。初めての恋に胸高鳴り、ドギマギするような青年像になっています。
 ジェルクール伯爵は、昨年演じたちなつ(凰月 杏)は嫌味だけど品があり華やかな感じでしたが、あきら(瀬戸かずや)は軍人の骨太な印象が強い役作りだと思います。マイティ(水美舞斗)とは、本公演以外で一緒になるのが初めて。アゾランは、言ってみればヴァルモン子爵の手下ですが、とても頼もしい(笑)。ヴァルモンとずっと一緒にいたらこうなるだろうなというのをうまく捉え、ヤンチャだけど機転がきく人物像をイキイキと演じてくれています。

久しぶりの洋物ショー『EXCITER!!2017』。

明日海りお 今月のメッセージ
 皆様、ショーのほうもお楽しみいただけましたでしょうか。普段のショーに比べ、客席下りもかなり多いです。プロローグでは全員、中詰めのあとは私とれいちゃん、あきらの3人で回ったり……。客席との距離も近いので、一体感のあるショーになっていたらいいなと思います。

 この作品の名物「Mr.YU」のシーンは「Rio Boy」という場面になりました。舞台はブラジルで、リオのカーニバルが行われる前日。「明日、リオのカーニバル」という、私の名前にかかった設定です(笑)。私は掃除夫の役で、上司のアキーラ(瀬戸)に怒られ、センターで踊る憧れのマドンナ・センニャ(仙名)にも振られてズタボロ状態のときに、チェンジボックスに入って、かっこ良く変身する……。通しで10分くらいの場面のなかに、いろいろなことが詰め込まれ、マッサージ師や食堂のおばちゃん、電気工などのキャラクターも豊かで、とっても楽しい。もともとのメロディを編曲してブラジルバージョンになっていたりと、新しい構成になっています。

 ほかにも、男役の群舞から始まり、男女全員がカップルになってタンゴを踊るプロローグも宝塚らしいですし、主題歌が流れたときもテンションが上がります。最近洋物のショーがなかったので、みんな楽しんでいて、掛け声も飛び交っています。「Rio Boy」のあとのクラブのシーンも、男役のタキシード、そして私は数人の娘役さんと絡む場面があり、とても素敵です。ゆきちゃんが複数の男性に取り合いになる、ハバナを舞台にした芝居仕立ての場面も印象的。このメッセージをご覧になるときは閉幕してしまっていますが、DVDにもなると思うので、ぜひ何度もお楽しみください!

 また、4月から空港や駅のVJAの看板も新しくなります。今回は花をテーマにしたビジュアルになっています。そしてこのホームページの写真もリニューアルされているので、チェックしてみてくださいね。

※このメッセージは、3/15(水)に届いたものです。