宝塚歌劇団・花組トップスター 明日海りお
明日海りおプロフィール

今月のメッセージMessage

人と人の繋がり、命の繋がりがテーマのお芝居。

明日海りお 今月のメッセージ
 このメッセージがアップされるころには、花組公演『邪馬台国の風』『Santé!!』の大劇場公演が開幕しています。

『邪馬台国の風』は、宝塚でも珍しい邪馬台国を舞台にした作品なので、お客様にも新鮮に感じていただけるのではないかと思っています。このころの日本には何もなく、あるのはどこまでも広がる大自然。楽曲はそんな大地と和を感じる旋律になっていて、衣装も古代をモチーフに宝塚らしい装飾が施されています。思い合う2人の愛、仲間たちとの絆、組長の高翔みず希さんが演じられる師匠の李淵との師弟関係など、人と人、命の繋がりがテーマで、台詞も素敵な言葉がとても多いです。いまそこを深く掘り下げて、皆で作品を作り上げています。

 私が演じるタケヒコは、両親を狗奴国の兵士に殺されて1人ぼっちになってしまったところを拾われ、お師匠様に育てられました。生きる術や戦う術など、お師匠様から学んだことが基盤になって彼を動かしています。そういう痛みを乗り越えて来たぶん、人にやさしく、温かさのなかに強さのある人だと捉えています。
 こういった作品なので、殺陣のシーンも多いです。タケヒコは、お師匠様から習った、人を傷つけることなく剣をかわす棒術を使います。そして最後のシーンでは刀を抜くので、棒術と剣術の両方が必要。棒術でも仕組みは普段の立ち回りと変わらないのですが、身長と同じくらいの長さがあるので、扱いが大変。初日までに、もっと練習して臨みたいです。

 タケヒコと惹かれ合うマナは、ゆきちゃん(仙名彩世)が演じます。彼女が巫女になるために邪馬台国の里に行く途中、狗奴の兵に襲われていたところを助けます。徐々に2人の心の距離は縮まるのですが、マナは神の声が聞こえる不思議な力をもっていて、やがて邪馬台国の女王・卑弥呼となります。
 学生時代、歴史の授業で邪馬台国や卑弥呼について習ったときは、とても神秘的な印象を抱きました。人を操れる悪女のようなイメージがありながらも、不思議と人を惹き付けるような方だったのかなと想像していました。今作ではもちろんそういう描かれ方ではありませんが、ゆきちゃんは神の声が聞けそうなオーラを稽古場で放っています(笑)。
 マナは簡単には会うことができない立場になってしまいますが、国の皆に愛される人になって欲しいと思うタケヒコは、ぐっと耐えます。マナも1人の女性としてタケヒコを思う気持ちと、自分の力を平和のために役立てたいという思いで揺れ動きます。その関係性が、やがていろいろと変化していくことで、物語が動いていきます。

 そして、キキちゃん(芹香斗亜)は、狗奴国の将・クコチヒコを演じます。これまでにない関係性で、ここまで敵対する役は初めてではないかなと思います。タケヒコとクコチヒコは、お互いに一目を置いている。その距離感を最後まで保ちながら、ラストシーンへと繋がっていきます。れいちゃん(柚香 光)、ちなつ(凰月 杏)、マイティ(水美舞斗)とは、ともに国を守る仲間。この兵士たちもそれぞれ個性的な役柄となっています。

 今作には、専科のけいこさん(美穂圭子)、マギーさん(星条海斗)もご出演されます。けいこさんとは、月組時代の『春の雪』や『ロミオとジュリエット』、そして花組になってからは『カリスタの海に抱かれて』でもご一緒させていただいているのですが、私たちのことを気にかけてくださる、とてもやさしい方。「この場面がすごく良かった」とか、「ここが良くなるともっといい」とアドバイスをたくさんくださり、ショーの歌のお稽古もしてくださいます。
 また、月組時代にご一緒させていただいたマギーさんとは、久しぶりに共演させていただくので、お稽古初日は本当に懐かしかったです。こうして再び巡り会えたことがうれしく、お話するととても楽しい。いろいろなことを学びたいですし、花組を客観的にご覧になっての率直な感想を、ぜひ聞いてみたいです。

奥深いワインの魅力を描く、多彩なショー。

明日海りお 今月のメッセージ
 一方の『Santé!!』は、ワインがテーマのバラエティに富んだショーです。プロローグからアップテンポで、“五大美女”が出てきて盛り上がります。そのあとは、ソムリエたちにいろいろなワインを飲まされて酔いつぶれてしまうコミカルな場面、男役がスーツにソフト帽という出で立ちで登場するジゴロのシーンもあります。ANJU先生の振付で、演じている私たちがゾクゾクしてしまう、たまらない場面(笑)。中詰めは、「モン・パリ」90周年を記念し、パリレビューの曲をラテンにアレンジ。フランス料理のフルコースをイメージしていて、私とゆきちゃんはメインの肉料理として登場します(笑)。

 黒エンビの男役が勢ぞろいするシーンは、匠ひびきさんの退団公演でもあり、オサさん(春野寿美礼)が博多座でトップお披露目公演をされた『Cocktail』の場面を少しアレンジして、再現。ファンの方や先生方、私たちにとってもとても思い入れのあるナンバーを受け継がせていただきます。そんな巡り合わせに感謝しながら、皆で心を1つにして気を引き締めて挑みたいです。
 作・演出の藤井大介先生はワインがお好きだそうで、場面ごとにワインを形容する名前が付いています。ワインを飲まれる方もそうでない方も、ワインの幅広く、奥深い世界を感じていただけたらと思います。皆様、ぜひ劇場まで足をお運びいただけたらうれしいです。お待ちしております!

 そして、この大劇場公演のお稽古が始まる前のオフのお話も少し……。同期のみやちゃん(美弥るりか)が主演した『瑠璃色の刻』を梅田芸術劇場に観に行きました! とても楽しかったです。何より、センターに立つみやちゃんを観られて、本当にうれしかったです。そして、月組に組替えしてきたれいこちゃん(月城かなと)も、芝居心があってすごく月組に合っている方だな、と。久しぶりに月組メンバーに会えて懐かしかったのですが、新しいチームワークが出来上がっているのを感じられて良かったです。
 ほかには、ディズニー映画の『美女と野獣』と『モアナと伝説の海』を観てきました。『美女と野獣』はミュージカルだったので勉強しつつ、楽しみました。そして『モアナと伝説の海』は、ハワイが舞台の作品。アニメーションですが海と空、自然がきれいで、曲もすごく素敵でした。つかの間でしたが、ハワイに行った気になりました(笑)。

※このメッセージは、5/15(月)に届いたものです。