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エリックは確立された1人の男性というよりは、上手に大人に成長できていない人。私自身も純粋な気持ちでエリックという役に取り組んでいます。彼がよくいたずらをしたりするのも、憎さからというよりは純粋であるがゆえなのかな、と。そういう部分を演じれば演じるほど、切なくて物悲しい物語として見えてくるのではないかと思います。
見せ場は……すべてです(笑)。キャリエールと親子として語り合う場面も、クリスティーヌの前で仮面をはずす場面も、すべてが人と人との感情の密度が濃い。どの場面も大切だと感じます。
この作品は宙組さんが上演されているので、もちろんプレッシャーがないといったら嘘になりますが、あまり意識しすぎず花組の作品として純粋に、役に作品に挑んでいきたいです。1人ひとりの色が合わさったときに、すごいアンサンブルになるのではないでしょうか。それが、強いエネルギーとなって花組ならではの『ファントム』をお見せできるのではないかと思います。ぜひご観劇ください。 |
キャリエールは、背景がたくさんある役。エリックの母親と出会い、密かにエリックを育てていたこととか、過去に物語が広がっています。最初はエリックをおきざりにしてしまったことや、結婚していたのにエリックの母親を好きになったことなど理解できない部分がたくさんありました。でも自分なりに考え、お稽古をするなかで少しずつ繋がって、納得することができました。台詞では語られていないことも多いので、かもし出す雰囲気など、台詞以外でもきちんと表現していければと思っています。
アンサンブルは迫力があります。これからもっともっと迫力を増していくと思いますし、ソロの場面でもアンサンブルに負けないパワーをもって演じたい。きっといまの花組を感じていただけると思いますので、楽しみにしていただきたいですね。 |
私が演じるシャンドン伯爵は、かなりのプレイボーイです(笑)。いろいろな女の子に声をかけては、オペラ座に連れていっているのですが、それは本当に才能があると思っているからだと思うんです。クリスティーヌに対する思いも、すごく真剣。ただの軽い薄っぺらい男性になってしまうと、クリスティーヌに信頼されるような人に見えないので、そこにはすごく気をつけています。この作品のなかでは陽の部分を担う役でもあるので、明るく演じたいですね。
私自身、音楽で進んでいく物語はすごく新鮮で好きなんです。歌稽古の時点からみんなのパワーや作品にかける意気込みを感じました。ナンバーも素晴らしいので、私も楽しみにしています。 |
クリスティーヌを演じさせていただきます。芝居のなかで歌を歌うのは、私にとってとてもハードルが高いのですが、頑張ります。一番大切にしたいのは、エリックが天国にいくときに恋愛とは比べものにならないくらいの愛で包み、生きていてよかったと幸せに思ってもらうということ。クリスティーヌの心の清らかな部分を大切に演じたいと思います。
目の前にある役や作品に向かって努力をしながらも、大劇場で春野さんの相手役をさせていただくという責任感をきちんともって挑みたいと思います。素敵な作品、気持ちのこもった舞台になるよう、精一杯頑張りたいです。 |
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