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人間ではない役を演じるのは初めてなのですが、トートは悔しいことや愛していることを力強く表現する。それは、実は誰よりも人間的な感情が豊かだからではないかと思うので、これまで培ったすべての経験を生かせたらと思っています。
この作品で印象に残っているシーンは、ルドルフの棺でエリザベートが泣き崩れ、トートが後ろから不意に現れる場面。また、フランツをエリザベートが拒み、そのエリザベートをトートが死の世界へと誘惑し、それをエリザベートが拒むという一連の流れも印象的です。駆け引きなど人間模様がリアルに描かれ、あらゆる人間の欲望が込められている人間ドラマだと感じますね。
私は3度目の『エリザベート』出演となり、知りすぎてしまっている部分もあるので、それを一度ゼロに戻して新鮮に取り組みたいと思っています。先入観なく台本を読んだイメージや、みんなとお稽古をしていくなかでの印象を大切にしていきたいです。
月組は'05年にも『エリザベート』を上演していて、1人ひとりに作品への思いが残っている状態だと思うので、それを生かして、新しい月組の『エリザベート』としていい舞台を作っていきたいです。 |
フランツ・ヨーゼフは、生まれながらに課せられているものが大きいけれど、それを乗り越えていく人。あまり感情を露わにするシーンはなく、常に理性をもって行動しますが、エリザベートには1人の男性としての心を見せます。背負っている運命の重さを表現したいですし、ある程度経験を重ねてきた学年だからこそ出せるフランツの哀しみや、エリザベートに対する愛情がにじみ出てくればいいなと思っています。
この作品は、“死”と、生命力に満ちたエリザベートが対極を成していて面白いですね。ほかにも、死に取り憑かれていくルドルフなど、さまざまな生と死が描かれている。その普遍的なテーマである生と死が全編に流れていて、どこか自分や周りの人に重ねて観られるのも魅力だと思います。
月組は2度目の上演になりますが、いまの月組の『エリザベート』として作り上げていきたいです。それぞれの役がいろいろなことに立ち向かって、闘っている作品なので、私自身も皇帝としていろいろな責任を背負って演じたいです。 |
今回、宙組から特別出演でエリザベートを演じさせていただきます。女役を演じること自体が初めての経験なので、まだ自分自身でもどうなるかわからない部分もありますが、女性ということを意識し過ぎず、1人の人間として演じていけたらと思っています。
私は、瀬奈さんがルキーニを演じられた'02年花組公演で、『エリザベート』を初めて観ました。この作品の魅力は、エリザベートという実在の人物や史実に、“死”が加わることで、哀しみや愛などさまざまな思いが生まれ、それが音楽で展開されていくというところではないかと感じます。
瀬奈さんや霧矢さんをはじめ、皆さんのお力をお借りして、1つの作品を作っていけたらいいなと思っています。精一杯頑張りたいと思います。 |
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