私は、初舞台が『ベルサイユのばら2001』ーフェルゼンとマリー・アントワネット編ーでしたので、喜びと強いご縁を感じています。
今回、オスカルとアンドレを役替わりで演じますが、まずオスカルで一番大事なのが、根底にある女性であるからこその思い。オスカルとアンドレそれぞれの思いを考えると、卵が先か鶏が先かというように、果てしなく考えがめぐりそうだと感じています。また、アンドレは限られた人生のなかで心が成長する役だと思っています。いろいろな壁や挫折が多いなかで、アンドレがめざすところはオスカル。オスカルという神々しい存在の隣にいる意味、持ち味とは何かを追求していきたいです。そして、オスカルのことだけでなく、国のことなどいろいろな思いをもって生きる男性として、真摯に向き合いたいです。
この公演には、花組トップスターの蘭寿とむさん、雪組トップスターの壮一帆さんがアンドレ役として特別出演してくださいます。明日海も含め、三者三様のアンドレだと思いますし、何より私はずっと月組生でほかの組の上級生の方と組んだことがないので、すごく楽しみです。3人のアンドレによって、オスカルの心の動きも違うと思うので、その一瞬一瞬を大事にして演じたいですし、あまり構え過ぎることなく、すんなり入り込めるようにやりたいです。
脚本、演出の植田先生が「いまの月組にぴったりで初演のことを思い出す」と仰ってくださったのですが、それがとてもうれしかったんです。先生の「初心、初演に戻る」というお言葉をしっかり心に置いて、追求したいと思っています。いま、オスカルという役にめぐり会い、役替わりで2役を演じられること、『ベルサイユのばら』の世界に浸れることが何よりも楽しみ。再演ですが、いまの月組ならではの新しい作品を作れるよう、先生や仲間とともに頑張りたいです。ぜひ楽しみにしていただければと思います。
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