昨年、雪組の「フェルゼン編」にオスカル役として特別出演させていただきました。そのときに抱いたオスカルの印象は、「自ら咲く場所を選ぶ一輪の白薔薇」でした。きれいに手入れされた庭ではなく、道端で強く生きる、そんな意志の強さを感じます。白は彼女のピュアさを、柔らかい茎の内部は彼女の繊細さを、外にある棘は強がっている部分を表しているのではと解釈しました。このイメージを大切に、役を深めていきたいと思っています。
今作はアンドレが役替わりです。同期の緒月はとても人間臭い役者なので、野性的なアンドレに、そして朝夏はやわらかさや温かさ、落ち着いたイメージがあるので、そういう色をもったアンドレになるのではないかと想像しています。
演じる人によって、オスカルとアンドレの関係も変わってくると思いますし、私自身も型にはまった芝居をするつもりはないので、感情のままに演じてみたいです。そして、2次元の漫画を、3次元の舞台で演じる意味をお伝えし、実在したかのように感じていただけるようオスカルを演じていきたいと思います。
いまとても勢いのある宙組のパワーを生かして、毎日違う『ベルサイユのばら』をお見せできるのではないかと思いますので、ぜひ楽しみにしていただけたらうれしいです。
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