イントロダクション
『エリザベート』の深淵なる世界
物語は、栄華を極めたハプスブルク王朝の皇妃・エリザベートの人生を軸に、彼女の半生に付き纏った「死の影」を黄泉の帝王トートとして具現化。両者の因縁めいた愛と死をドラマチックに描いています。
今作は物語でありながら、実在の皇妃・エリザエートにまつわる多彩なエピソードなど、史実が織り込まれているのも特徴。彼女が好んだ馬術や、宮廷生活に疲れ果てた末の旅、ドイツの詩人・ハイネを崇拝し、自らも「死」をテーマに残した詩、さまざまなトレーニングや断食で維持した美貌、夫・フランツや姑・ゾフィーとの関係性など……。物語や歌詞にふんだんに取り入れられ、虚実が見事に融合。それらが、作詞家ミヒャエル・クンツェ、作曲家シルヴェスター・リーヴァイの名コンビによる珠玉の楽曲で綴られ、演出家・小池修一郎の潤色により、宝塚版としての無二の魅力を放っています。
記念すべき10回目の上演を担うのは、いま勢いのある月組。包容力を感じさせる若きトップスター・珠城りょうがトートを演じます。エリザベートは、舞台人として確固たる魅力を放つ、愛希れいか。フランツには繊細な演技力をもつ美弥るりか、テロリストのルキーニには美貌と実力を兼ね備えた月城かなと。皇太子ルドルフには、若手ホープの暁千星のほか、風間柚乃が抜擢され、早くも話題になっています。
現在の月組ならではの『エリザベート』。当ホームページ内で、制作発表や出演者インタビューを順次アップしていきますので、お楽しみに。