冠協賛公演コーナー

三井住友カード ミュージカル『アナスタシア』出演者インタビュー

真風涼帆

『アナスタシア』は、初めてニューヨークに行ったとき、ブロードウェイで観劇していた作品でした。映像を駆使した作品で、舞台となる国もロシアとパリで宝塚歌劇の作品でもなじみがあり、楽しく拝見しました。それに、ちょうどこの作品の時代に近い、ロシア革命前夜を題材にした『神々の土地〜ロマノフたちの黄昏〜』に携わっていたころだったこともあり、物語も印象に残っています。

 宝塚版となる今作では、ブロードウェイのオリジナルスタッフの方に新曲を書き下ろしていただきました。音楽の持つエネルギーとパワーがものすごく、最初に聞いたときはどう歌ったらいいのかな……と。曲のなかで繰り広げられる物語がミュージカルの醍醐味ですが、今作も各キャラクターによって、楽曲のテイストが違い、前奏が始まった瞬間から、それぞれのキャラクターやシチュエーションを語ってくれます。そんな素敵な楽曲に見合うよう、自分たちの技量をしっかり磨いていきたいです。

 私が演じるディミトリは、貧しい環境で生きてきた詐欺師の青年。ですが、自分の生い立ちに卑屈になって性格がねじ曲がっているわけでもなく、純真で真っすぐというだけでもない。そのバランスをどう作っていくのか。シーンによっては、彼の明るいチャーミングな魅力となって表れたり、逆に影の部分が出たりすると思うので、これから深めていきたいです。

 出演者は作品のテーマや役の果たす役割を意識しますが、お客様には単純に楽しい時間を過ごしていただけたらと思っています。このような時代なので、お客様もご一緒にロシア、パリを訪れ、気付いたら3時間経っていたというくらい没頭いただけるひと時になったらいいなと思います。
 先日上演した『FLYING SAPA―フライング サパ―』でも、没頭して楽しめたというお声をいただき、本当に良かったな、本望だなと感じました。非日常の世界に行けるのが、演劇の醍醐味。実際はロシアでもパリでもないし、私たちはそもそも男性でもないですが(笑)、その瞬間に舞台上にいる人たちが真剣に作り上げていくことでお客様にそう感じていただける。そんな時間が何より尊いと改めて感じました。ですから今作でも、ご覧いただいているひと時はいろいろなことを忘れ、世界観を楽しんでいただけたらと思います。

 いま宙組は、個性的な人がそろっていると言っていただくことも多いのですが、私自身も本当に面白い人がたくさんいるなと、心強く思っています。いろいろな方のご協力のもと、久しぶりに宙組全員で大きな作品を作ることができる幸せを感じながら、初日に向かって一丸となってお稽古していきたいです。  

星風まどか

 ゆりかさん(真風)に勧めていただき、ニューヨークで『アナスタシア』を拝見したときは、音楽や衣装、セット、映像、キャストの皆様のパフォーマンス、熱量がすごくて、感銘を受けました。楽曲もすっと入り込めるメロディが、とても素敵で。
 ただ、いざ自分が歌うとなると本当に難しい曲だなと感じています。役の想いを語るような素敵な曲を、歌詞としてではなく台詞のように命を吹き込んで歌えるまで、頑張りたいと思います。

 私は記憶喪失の少女、アーニャを演じさせていただきます。今作のテーマである「ホーム、ラブ、ファミリー」を、各登場人物がそれぞれに捉えて物語が進んでいくのですが、アーニャにとっても原動力になっている言葉だと思っています。それを大切に、ディミトリやいろいろな人に出会って、変わっていく流れにつなげられるよう、お稽古していきたいです。

 これまでも1回1回の舞台にかけて演じてきたつもりでしたが、先日の『FLYING SAPA―フライング サパ―』では、上演できること自体が当たり前ではないのだと改めて感じました。いまは大変な状況ですが、とても貴重な尊い瞬間でもあるなと、日々身に染みて感じています。
 宙組の皆さんが常に高みを目指して精進されている、そんな素敵な環境にいられる幸せに甘えず、やるべきことに精進していきたいです。

 今作はハッピーなミュージカルなので、私たちも作品の世界に没頭して、お客様に幸せな気持ちになっていただけるよう、精一杯務めていきたいと思います。

芹香斗亜

 私はブロードウェイ版を映像で拝見したのですが、シリアスな中に笑いが入っていて印象的でした。歴史ものの重い雰囲気を想像していたのですが、人と人との掛け合いがとてもブロードウェイ・ミュージカルらしく粋だな、と。宝塚版となる今作では、宝塚ならではのオリジナルの世界観を作っていければいいなと思っています。

 最近はロックやポップス系のミュージカルが多いなか、クラシカルで重厚な弦楽器での壮大な音楽だと感じます。配信用の楽曲披露の際、世界観を壊さず、膨らませるように歌ったのですが、ハードルがとても高い。長い曲でもあり体力もいるのですが、お芝居のなかで歌うとまた違う雰囲気になると思うので、しっかりお稽古していきたいです。

 私が演じるグレブは、祖国のために革命派の一員として人生を送ってきた人物。皇族を警護する立場でありながら皇族を銃殺し、革命を成功させた父を誇りに思い、父のようになりたい、と思っています。そんななかでアーニャに出会って心惹かれていく、悩ましい人。大きな楽曲が2曲あるのですが、そのなかでもずっと悩んでいまして(笑)。自分の行く道とは何なのか、物語のなかで見定めていきたいです。

 これまでも毎回、初日や千秋楽だと思って演じてきましたが、それをこんなにも実感する日が来るのかと感じています。『FLYING SAPA―フライング サパ―』で、一回一回すべてを出し切る、集中し切るということを経験したことは大きかったです。これからもしばらくこういう状況が続いていくかと思いますが、だからこそ観に来てくださる方に、すべてを忘れて素敵な曲を聴いていただき、最後は心温まってホッと笑顔になっていただけたらいいなと思います。その空間を提供していくことに全力を尽くしたいです。