三井住友VISAカード ミュージカル『ロミオとジュリエット』出演者インタビュー

礼 真琴

『ロミオとジュリエット』は、世界中で一番ともいえるほど、有名な愛の物語。それがロックのミュージカルとなり、その作品に触れた瞬間は衝撃的でした。観たこともないような世界観で、初演は音符一つひとつ、一曲一曲に手を焼くというようなスタートで……。私は“愛”役で、台詞も歌もありませんでしたが、リズムがとにかく難しく苦戦しました。

　'13年星組公演の本公演では、“愛”とベンヴォーリオを役替わりで演じました。初演に出ていたメンバーも多かったので、初演を超えたいと、公演が始まってからも毎朝皆で集まって歌の稽古。それが結束力にもつながったように感じました。そんな皆の気持ちが一つになる作品に再び臨めるのは、とてもうれしいです。プレッシャーがないと言ったら嘘になりますが、皆で大作に挑み、組力を上げていきたいです。

　'13年の新人公演でロミオを演じたとき、音楽の先生からアドバイスをいただいたことをよく覚えています。初演からずっと主演の柚希礼音さんの歌を聴いてきたので、「柚希さんの歌になっている、まず楽譜と向き合いなさい」と。以来、どの作品でも心掛けています。
　今回改めてイチから音取りを始めると、なんて複雑なのかと感じました。でも深めていくほどに、腑に落ちることが多い。「いまこういう気持ちだから、この休符が入るのだ」「だからこの小節よりも前に歌い始めるのか」と、役の気持ちと音楽が一体化する発見がありました。一つひとつの音符、休符を逃さず歌っていけるように、深めていきたいです。

　これまでロミオには、愛にあふれた優しい青年というイメージがありました。でも7年経っていろいろな役を経験し、改めて向き合ってみると、命を懸けて一人の女性を愛する男性としての包容力、力強さがあるのでは、と。物語の最初は未熟さや若さがありますが、後半にかけて、成長していくさまをお見せできたらと思っています。

　今作は役替わりもあります。それにより私が演じるロミオもまったく違うものになるのではと、楽しみです。経験者としましては、役替わりする方たちの気持ちを思うと……頑張ってください！というしかありませんが（笑）、すごく勉強になるいい機会だと思います。一つの役で悩んでいるとき、別の役の視点から見ることによって発見できることは本当にたくさんあります。今回役替わりを受ける立場としては、一番怖い“慣れ”を感じることなく、緊張感を持って舞台に立てるのでは、と思っています。

　コロナ禍での公演延期、自粛期間を経て舞台を再開できたときの気持ちは、言葉に表現できないほど、感謝と感動でいっぱいでした。お客様がいなければ、私たちは何もできません。どんなときも心待ちにして、支えてくださる方がいるからこそ、パフォーマンスができているのだと、心底感じました。皆様からいただいたエネルギーやパワーを、お返ししたい。いまもまだ劇場にお越しくださる皆様には、いろいろとご協力をいただいて、足をお運びいただいています。その価値があったと思ってくださるように、それ以上のものを持って帰っていただける空間にしたいと強く思っています。

　この作品のテーマである平和と愛を感じていただき、お客様がより幸せになり、明日も頑張ろうと思える公演となるように、組一丸となって努力していきたいです。  

舞空 瞳

『ロミオとジュリエット』には初めて出演させていただきます。憧れの作品でしたので、出演できるのはとても光栄で、身の引き締まる思いです。
　ずっと客席から拝見していた作品で、すべての場面が大好きなのですが、客席でモンタギューとキャピュレットの両家が思い切りぶつかり合うシーンの迫力に圧倒されました。そしてロミオを中心とした「世界の王」で、全身を使って歌い踊る姿を、ワクワクしながら観させていただいていました。

　ジュリエットはキラキラとした人生を送っているなかで、「結婚は好きな人としたい」という真っ直ぐな思いを持っています。そしてロミオと出会うことができ、ピュアさゆえに命を懸けてまで彼に人生を捧げたいと行動する。そんなジュリエットの純粋さ、信念の強さを表すことができたらと思っています。

　どの曲も素敵なのですが、やはり特に「エメ」が好きです。ロミオとジュリエットがすごく幸せそうで、印象深いです。その愛をお届けできるように、大切に歌いたいと思っています。
　まだまだ未熟な私には、実際に歌うととても難しい曲ばかり。デュエットさせていただく曲が多いので、礼さんのロミオの気持ちを感じ、歌に乗せて表現できるよう、精一杯お稽古していきたいです。
　そして制作発表会でも強く感じたのですが、礼さんはいつも命を燃やして役を演じ、舞台に立たれていらっしゃいます。その姿を拝見させていただき、本当に尊敬しています。礼さんについていけるよう、自分に向き合って頑張っていきたいです。

　公演延期、自粛期間を経て、舞台に立たせていただけるのはたくさんの方のお力があってこそ、心を寄せて応援してくださる皆様がいてこそだと改めて実感しました。その感謝の気持ちをお伝えしたいですし、来て良かったと思っていただける舞台をお届けできるよう、精進していきたいです。
　今作は役替わりがありますので、これまで以上に組の皆さんのエネルギーを感じ、毎公演を大切に務めていきたいと思っています。