永久輝せあコーナー

今月のメッセージ

大切なことに改めて気付いた2020年。

永久輝せあ 今月のメッセージ  2020年は皆様にとってどんな年でしたでしょうか? 少し早いですが、1年を振り返ってみたいと思います。

 2020年は1月の東京国際フォーラム公演『DANCE OLYMPIA』から始まりました。自分が花組にいることが当たり前になってきたいま、柚香光さん率いる新生花組が始動する公演から花組の皆さんとご一緒できたことは、とても大きかったように感じます。
 当時は、組の仲間と親しくなるのはもちろん、舞台上での信頼関係も早く築けたらいいなと思っていました。ですので、何かにがむしゃらにチャレンジする場面がたくさんあった作品のおかげで、苦楽を共にし、1つのものを一緒に作り上げたという信頼感が生まれたのは、とてもありがたいことでした。

 ダンス満載の作品で、さまざまなジャンルの踊りに挑戦させていただきました。昔から「ダンスの花組」といわれることがありますが、そういう伝統は上級生の背中から自然と受け継がれていくものがあるのだなと感じました。技術的なことよりも、男役として踊るときの心意気や向き合い方に、花組ならではのものがあるのかもしれません。

 その後は、コロナ禍で『はいからさんが通る』が上演延期となり、自粛期間に入りました。これまでは忙しくて頭の中の整理ができないまま、目の前のことだけを見て過ごしてきた部分もありましたが、いま一度ゆっくり自分に向き合うことができました。
 当たり前のように舞台に立たせていただいてきたことが、どれだけ幸せなことだったかはもちろん、自分がなぜ10年舞台を続けてきたのか……。初心を忘れないことも大切ですが、初舞台を踏んだころといまの自分とでは、明らかに違う目標や思いを持っていることにも気付きました。

『はいからさんが通る』、そして組替えして1年を迎えて。

永久輝せあ 今月のメッセージ  7月には『はいからさんが通る』が開幕しました。高屋敷要という役と作品を通して「生きている限り人は何度でも立ち直ることができる」という人間の強さを学んだ気がします。
「光と影の狭間でさまよう 明日への道を探して」というフレーズを歌わせていただいていたのですが、物事の良い面だけを見るのではなく、そして苦しくつらい面を見ないようにするのではなく、どちらも受け止めて前に進むことこそが、何かを乗り越えることなのだ、と。約1年間この作品に向き合い続けてきたからこそ、そう感じることができました。

 そして11月に、花組に組替えして1年を迎えました。いろいろなことがあった特殊な1年でしたので、あっという間だった印象があります。これまでお話ししてきたように公演で学んだこともたくさんありますが、舞台以外の思い出もたくさんできました。なかでも印象的なのは、8月の私の誕生日に近い学年の方々がリモートでカウントダウンしてくれたこと。バースデーソングをみんなで歌ってくれたのですが、画面越しで時差があるのでとってもバラバラで……。お互い会えない期間もありましたし、その姿が本当に愛おしく、とてもうれしかったので思わず録音したくらいでした(笑)。これから先、皆さんや組の思い出話に自分も登場することが増えていくのかな、というのが密かな楽しみでもあります。

研10という節目の年に思うこと。

 今年は、研10(入団10年目)という節目の年を迎えています。「男役10年=一人前」とイメージしていたので、実際いま自信を持ってそう言えるかというと……難しいです。
 そんななかで思い出すのは、昔、壮一帆さんがおっしゃっていた「お客様に楽しんでいただくには、まず自分が楽しまなくては」というお言葉。そのお言葉をいただいたときは、自分がまだまだ下級生だったこともあり、「自分が楽しむためには、まずは120%のお稽古が必要だ!」「自分に厳しくあらねば!」と考えることしかできませんでした。でもこの10年のなかに、いままで自分が稽古してきたものだけでなく、それ以上にこうして人からいただいたお言葉やお客様の拍手が蓄積されているということを、いますごく実感しています。
 そのことに素直に感謝しながら舞台に立つことが、“楽しむ”ためのベースなのではないかな、と。ようやく最近それが実践できてきたような気がします。そう考えると、10年とはやはり大きなものだと感じます。

 今後はぜひ渋みのある役や大人の男性など、いままであまり機会がなかった役柄に挑戦できたらという目標があります。これまで、周りの方からイメージしていただく役と、実際に自分がやってみたい役との差で葛藤することがたびたびありました。どちらも大切にして、この先、誰の真似でもない「自分だけの男役像」にたどり着けたらいいなと思っています。

 そのためにも、まずは長期間の公演を安定したスキルで演じ切る体力や精神力がまだまだ足りないので、最近ピラティスを習い始めました。学年も上がってきましたし、パフォーマンスにムラが出ないように自分の体を理解し、きちんと整えていきたいです。
 あとは、ドラマや映画を観たり本を読んだら、必ずノートに感想文を書いています。何を感じたか、主人公の何に共感したか、何が美しかったかなどを書き留めておいて、いろいろな役に出合ったときに少しでも役立つといいなと思い、続けています。

クリスマスの思い出は……。

 皆様は、クリスマスはどのように過ごされることが多いですか?
 私の学生時代のクリスマスは、と言うと、通っていたバレエ学校が所属するバレエ団の公演『くるみ割り人形』のお手伝いをしていました。とは言っても、差し入れを運んだりチケットのもぎりをしたりするだけですが(笑)、憧れのダンサーさんに会えたり、舞台稽古を見学できたので、毎年とても楽しみでした!

 入団してからの思い出は、組内でのプレゼント交換。数年前、くじを引いた相手にプレゼントを用意するという企画があり、りーしゃさん(透真かずき)から『ハリー・ポッター』の最新巻をいただきました。こっそり私の欲しいものを調査してくださったと聞いて、すごくうれしかったです! ですが忙しくてなかなか読めず……ようやく今年の夏に読み終わりました(笑)。

大切なファンの皆様に伝えたいこと。

 今年は本当にいろいろなことがめまぐるしく変化し、悔しさでいっぱいの日々もありました。でもだからこそ、どんな状況でも宝塚を愛し、待ち続けてくださる皆様と、お客様に公演をお届けしたいと熱望している私たちとで、こんなにも相思相愛なのだと実感することができました。そういう意味では、とても特別な1年になったと思っています。
 例え遠く離れていても、宝塚に思いを寄せてくださる方がたくさんいること、そのお気持ちに支えていただいた2020年でした。心から感謝の気持ちでいっぱいです。

 2021年は東京国際フォーラム公演『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』から始まります。今作では、初めてお芝居での女役に挑戦させていただきます。正直不安でいっぱいです! いつも“男役”という仮面を着けているからこそできていたこともあったのではないかな、と……。でもせっかくの機会なので、思い切り楽しみたいですし、男役というものを少し客観的に分析できたらいいなと思っております。
 2021年もどうぞよろしくお願いいたします。皆様、よいお年をお迎えくださいませ。

※このメッセージは、11/13(金)のものです。

テーマ:冬にオススメのアイテム

  • ◎加湿器

    冬は空気が乾燥する季節。部屋が乾燥していると冷えやすい気がしますし、喉にもよくないので、加湿器がマストアイテム! なるべく湿度を60%に保つようにしています。私はバルミューダというメーカーのものを使っているのですが、上から水を注ぐだけで給水できて便利なので、ずっと愛用しています。
  • ◎こたつ

    日本の冬=こたつというイメージが強いですよね。冬の必需品というご家庭も多いのではないでしょうか? 私も使用していますが、居心地が良すぎて、こたつで寝てしまうことも……。でも「これではダメだ!」と思い、あえてこたつを出さない年もありました(笑)。今年はどうしようか……まだ考え中です。
  • ◎鍋料理

    前にも少しお話ししましたが、もともと鍋料理が好きなので年中食べるのですが、やはり寒くなってくると恋しくなります。ここだけの話(笑)、昔、なぎ様(彩凪翔)、れいこさん(月城かなと)と私の同期とで「鍋を食べる会」があり、下級生のころは、毎週のように鍋を囲んでいたかもしれません(笑)。