永久輝せあコーナー

今月のメッセージ

お芝居で初めての女役に挑戦。

永久輝せあ 今月のメッセージ  皆様、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 私の2021年は、ブロードウェイ・ミュージカル『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』から始まります。
 今作では、お芝居では初めてとなる女役・アイリーンに挑戦します。男役が女性の役を演じることはたまにありますので、配役をお聞きしたときには「ついに私も……」と驚きました。
 ショーでは、雪組時代に『New Wave!-雪-』や、『SUPER VOYAGER!』『Gato Bonito!!』、そして花組国際フォーラム公演『DANCE OLYMPIA』で女役をさせていただいたことがありましたが、ショーは踊りが中心なので、今回のようにお芝居で台詞を話す女役となるとまったく感覚が違います。

 まず、一番心配だったのは歌と台詞。どんな声のトーンで発声すればいいのかもわからなかったので、お稽古が始まる前にアメリカからブロードウェイ版の楽譜を取り寄せ、少しだけ予習をして臨みました。楽譜を見ると、これまで出したこともないような音域で! 基本的に地声しか使わない男役のときとは、響かせる部分が違う気がするので、少しずつ慣れていかなければと感じました。

 アイリーンは、柚香光さんが演じられるジミーの4番目の妻となる婚約者。結婚式兼ハネムーンのために来た、ロングアイランドにある別荘で物語が進んでいきます。アイリーンの人物像を言葉で説明するのは難しいのですが……自分に自信があって「私が一番で当然!」という個性的な女性。見た目はアメリカのセクシーな金髪女性ですが、自分がすごく美しいと思い込んでいる「自称・世界一のモダンダンサー」(笑)。人と違う感性を持つ、インパクトのある役です。アイリーンのように、愛する人に愛されたいという願望は女性の本能ですし、彼女は自分に素直で、欲しいものに向かって突き進んでいるだけ。個性やインパクトは出していきたいのですが、そんな純粋で真っ直ぐな面も大切に演じたいです。

 役作りでいま参考にしているのは、マリリン・モンロー。彼女の映像のほか、海外ドラマ『 SMASH/スマッシュ』も観ています。ブロードウェイを舞台にした、マリリンのミュージカル製作にまつわる舞台裏の物語で、マリリンや彼女役を演じる女優さんも出てきますし、アメリカ人の感性やリズム感など、すごく勉強になります。そしてストーリーもとても面白いので、思わずハマって観ています。

すごく楽しいお稽古場。

永久輝せあ 今月のメッセージ  始まる前までは不安だったのですが、いまはとても楽しくお稽古しています。男役はある程度声を作って演じますし、自分のなかに「こうしなければ」という理想像があるぶん、考えてしまって一歩踏み出せないときもあります。でも今回はすべてが初めてなので、とりあえずやってみるしかない、と。役柄的にも「アイリーンだったらどんな風にでもやりそう!」という感じなので、正解を求めすぎずに演じることができ、すごく楽しいです!
 でも、身のこなしや足さばきなどの見せ方は、美しく見えるよう少しずつ研究していきたいと思っています。

 女役ならではのエピソードとしては……お稽古着としてスカートを買ったり、人生初のネイルもしました! とにかく気分を上げようとピンク色にして、いま流行りのミラーネイルもしてもらいました。全然知らない世界だったので、すごく楽しかったです(笑)。指先が華やかだと、少し女性らしい気分になって、お稽古にもいい影響があるような気がします。
 休憩中に、アクセサリーを調べるのも楽しい。舞台となる時代の雰囲気も出したいので、アンティーク物やデザインなどいろいろと考えている最中です。男役のお洒落は限られていますが、娘役さんはバリエーションがある。そのぶん普段娘役の皆さんは大変なのだと思いますが、せっかくの機会なので私もこだわってみたいと思います。

名曲、バスルームシーン、ウエディングドレス……。

 ブロードウェイ版でのアイリーンの名物シーンといえば、バスルームの場面。今回の宝塚版でもあり、演出の原田先生の気合いも感じています(笑)。まるでショーのひと場面かのように華やかですし、セクシーかつキュートな雰囲気なので、私自身すごく楽しみにしています!
 そして、今回はなんとウエディングドレスも着るんです。時代設定が1920年代のアメリカなので、少し大人っぽいお洒落なデザインです。なかなか着ることのできないお衣裳なので、それもとても楽しみです。

 また、今作の見どころは、なんといってもガーシュイン兄弟の名曲。メロディを聴くだけで心躍るような、素晴らしい曲ばかりです。アイリーンとしても、バスルームのシーンでリズミカルなナンバーがあるので、心を込めて歌いたいです。

 曲だけでなく、お衣装やセットも先生のこだわりがつまっていてとっても華やか。この時代ならではの煌びやかな雰囲気が漂うなか、個性的なキャラクターが繰り広げるドタバタコメディです。見終わったあとはきっとハッピーな気分になれる作品なので、ぜひ楽しみにしていただけたらと思います。

年末年始の過ごし方といえば……。

 皆様はどのような年末年始を過ごされましたか?
 私の入団前の恒例お正月スタイルは……大晦日からお節料理を食べます! 物心ついたときから我が家では当たり前だったので、一般的には元旦から食べるものだということも、昔は知りませんでした(笑)。毎年お気に入りの洋風のお節料理を予約していて、それが大晦日に到着します。せっかく届いたのだから開けちゃおうよ、と(笑)。家で用意する和風のお節料理と合わせて、紅白歌合戦を観ながら家族そろってワイワイと食べる。すごく楽しかったですね。

 入団後は、年末に2?3日のお休みがあるときは、集まって食事をしたり、同期の家に行ったりして過ごすことが多かったです。そして元旦は、劇団内の拝賀式に参加。紋付き袴を着て1年が始まるのが、とても清々しくて好き。年が明けてすぐ、組の皆さんや他組の同期に会えるのも嬉しいです。今年は公演を控えていますし、女役の準備に慣れていないので、例年より慌ただしい年末年始を過ごしていると思います。

女役の経験も、男役に生かしていきたい。

 いま、とても女役として楽しくお稽古させていただいていますが、この次、男役に戻るのもいまから楽しみです。そして4月からの大劇場公演では、お芝居とラテン・ショーの二本立てということで、ワクワクしています。

 今回女役を演じていて、娘役さんはいつもこういう風に感じているんだと実感することがあります。アイリーンは少し特殊な役ですが、柚香さんのリードに胸がキュンとすることもあり……。そうやって娘役さんの気持ちがわかるのは、男役としてもいい経験だと思うので、これからの舞台に生かしていければと思います。

 皆様、2021年もどうぞよろしくお願いいたします。

※このメッセージは、12/14(月)のものです。

テーマ:好きなブロードウェイ作品

  • ◎『SLEEP NO MORE』

    ニューヨークに行ったときに観て、衝撃を受けました。仮面を付けて建物に入ると、いろいろな所で同時に役者さんが演じていて、自分で物語を追いかけていく体験型の演劇。『マクベス』と『レベッカ』をベースにした物語で、『レベッカ』好きとしても本当に感動しました。そしてキャストの方のすごい集中力。すべてが圧巻でした。
  • ◎『CHICAGO』

    禁酒法時代のシカゴを舞台にした作品で、ブロードウェイでもロングランされたミュージカル。日本公演も観に行きました。学生時代に所属していたダンス部で、ナンバーを使うことがあったので馴染みもあり、特にピストルを撃つシーンの曲が好き。すごく華やかな世界観が印象的な作品です。
  • ◎『ムーラン・ルージュ』

    映画がもともと大好きだったので、ニューヨークでも最初に観に行きました!キャバレーのスター女優と若い作家の禁断の恋。ドラマチックですし、音楽もとても素敵。宝塚でも、ムーラン・ルージュをモチーフにした芝居やショーがあったり、曲が使用されたりしますが、作品として上演されないかな……と密かに夢見ています(笑)。