永久輝せあコーナー

今月のメッセージ

作り込むのが楽しみな、ブルートゥス役。

永久輝せあ 今月のメッセージ  4月2日からの花組大劇場公演『アウグストゥス-尊厳ある者-』『Cool Beast!!』のお稽古が始まりました。
『アウグストゥス-尊厳ある者-』は、柚香光さんが演じられる、ローマ帝国の初代皇帝となるオクタヴィアヌス帝を中心とした物語。最初に台本を読んだとき、人それぞれが持っている自分の大事な部分に気付かされるような、テーマの深い作品という印象を受けました。

 また、新たに国や時代を創っていくときの特有のエネルギーや、濃い人間模様が描かれていて、とても興味深く感じています。フランス革命や幕末の日本などに比べて、古代ローマ時代というと人間関係がドロドロしていて物々しく残酷なイメージがあるのですが、いまは仲間であってもいつ敵になるのかわからないという緊張感が、この時代はより強くあったように思います。そんななか、新しい国を創っていくことに対してのそれぞれの思いや葛藤が、今作の見どころの1つでもあるのではないでしょうか。

 私が演じるブルートゥスは、シェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』の登場人物で、世界的に有名な台詞「ブルータス、お前もか」で知られる役です。夏美ようさんが演じられるカエサルを実の父のように思っていますが、結果的にカエサルの暗殺を選択します。そこには、ブルートゥスの心の弱さがあったのかもしれないですし、心の奥底では何を思っていたのかなど、作り込んでいくのがすごく楽しみな役ですね。自分が「正義」と思っていることも見方によっては違って見える、その中で何を正しいと信じて貫くかというのもまだまだ模索中です。
 それから前回の大劇場公演『はいからさんが通る』は単独行動が多い役だったので、今作のように優波慧さん、飛龍つかさくん、帆純まひろくん、希波らいとくんなどポンペイウス派の同士がいるので、すごくうれしいです!

『Cool Beast !!』は、“野獣”をテーマにした華やかなラテンショーです。エネルギッシュなダンスシーンはもちろん、遊び心のあるシーンや幻想的な場面もあり、とても盛りだくさんですごく楽しみです。はなちゃん(華優希)や瀬戸かずやさんなどご卒業される方もいらっしゃいますし、専科から美穂圭子さん、凪七瑠海さんもご出演されるので、いまのこのカンパニーでの舞台をしっかり噛みしめながら、熱く熱く盛り上がりたいと思っております。

いま振り返ると、まるで夢のような公演でした。

永久輝せあ 今月のメッセージ  2月9日に千秋楽を迎えた『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』。終わって改めて振り返ると未知の体験ばかりだったので、「本当に公演をしたのかな、幻だったのかな」と感じるくらいです(笑)。私たちもすごく楽しかったですし、お客様にもたくさん笑っていただけて、いまのこのご時世にきっと必要とされる明るくハッピーな作品に出演できて本当に良かったなと思います。

 アイリーンはかなり個性的な役だったので、頭のネジを一端外して演じていました(笑)。一度その状態を経験したことで、男役のときは隙を見せてはいけないとネジをしっかり締めすぎて、自分で範囲を狭めていたのかもしれないと感じました。役において、こうやってはいけないという絶対はないのかな、と。下級生のころから周囲と自分の両方に防御戦を張っていたような気がして、それが外れたような、肩の力が抜けた感覚でした。

別チームだったディナーショーに、バウ公演について

 先日、水美舞斗さんのディナーショーをライブ配信で拝見しました。本当は生で拝見したかったという気持ちはありますが、配信だからこそのアップで観られるというのはうれしかったです! BTS(防弾少年団)さんなど有名な曲のほか、宝塚の曲もたくさん歌っていらして素敵でした。水美さんのディナーショーということで、もちろんダンスシーンもあり、無駄な動きが一切ない男役のダンスが本当にかっこよかったです。
 ほのかちゃん(聖乃あすか)主演のバウ公演も舞台稽古で観ることができました。下級生にもたくさん出番があり、お客様が温かく観てくださるバウホールならではの空気を思い出して、とても懐かしくなりました。ほのかちゃんは、すごくきれいでしたね。思わず本人に「本当にきれいねー」って連絡しちゃいました(笑)。みんなの期待を背負って葛藤するヒーローは、とても難しい役だと思います。周りに個性が強い役がいるなかで、一番シンプルなところで戦わないといけない。それを経験したほのかちゃんは、すごく勉強になったのではないかなと感じました。

お世話になった方々がご卒業される、雪組公演。

 先日、雪組公演『f f f -フォルティッシッシモ-』~歓喜に歌え!~『シルクロード~盗賊と宝石~』を観劇することができました。この作品で、のぞさん(望海風斗)、きぃちゃん(真彩希帆)、彩凪さん(彩凪翔)たちがご卒業されます。上田久美子先生のお芝居、生田大和先生のレビューとどちらもすごく面白く、見ごたえのある作品でしたので、ずっと感動しながら見入っていましたが、急にベートーヴェンとのぞさんが重なったりして寂しくなったり……。のぞさん、さきさん(彩風咲奈)、彩凪さんのお三方の登場シーンでは、懐かしさと感動が入り混じって、自分でも驚くくらいすごく泣きました(笑)。

 サヨナラショーも舞台稽古を観ることができ、うれしかったです。のぞさんとさきさんの『ドン・ジュアン』もそうですが、彩凪さんが歌われたバウ公演『春雷』など、私自身も大好きで思い出深い作品ばかりで、当時を思い返して懐かしく、そして楽しく拝見しました。のぞさんときぃちゃんの『ファントム』も素敵でした。退団される皆さんがとても輝いていて幸せそうで、寂しいけれど私まで幸せな気持ちになりました。

思い出がたくさんありすぎて……。

 皆さんとの思い出はたくさんありすぎて、挙げるのはとても難しいです。きぃちゃんは、1学年下なのでずっと隣にいたような感覚。強い役を演じることも多かったですが、普段は健気でかわいらしいところもあって、そこがとても大好きでした。彩凪さんもずっと背中を追いかけてきた方。常に私の前で戦い、走っていらして、背中を見て学ぶというのはこういうことだったのだなと感じますし、オフも含め大変お世話になりました。

 のぞさんに出会う前の私は、与えていただいた役や立場に縮こまっていた部分がありました。周囲の期待に応えなければ、しっかりやらなければという思いが強かったのですが、のぞさんは臆することなく「やってやろう!」「まだできる!」と挑戦される方。『星逢一夜』の新人公演でのぞさんのお役、源太を演じた際にたくさんお話させていただいて、そういう捉え方が自分にはまったくない部分だったので、一番影響を受けました。

 一緒にお芝居をさせていただいたというと、やはり『ドン・ジュアン』が印象に残っています。『ドン・ジュアン』も敵対する役でしたが、雪組生として最後に出演した『はばたけ黄金の翼よ』でも敵役だったので、仲間や友人役としてもっといろいろな役を演じたかったですね。

 歌を個人的に見ていただいたこともありますし、稽古場からずっとのぞさんの歌を聴いてきたというのもあり、いまでも譜面をいただくとのぞさんの歌い方を思い出すことがあります。オフでもいろいろなお話をさせていただいていたので、技術的なことはもちろん、男役としての感覚や居方、舞台人としてのあり方など、たくさん学ばせていただきました。また、宝塚がものすごく好きな方なので、のぞさんの影響で宝塚の良さに改めて気付かせていただいた気もして、すごく感謝しています。

※このメッセージは、2/18(木)のものです。

※ご利用環境によっては「逢」の文字が正しくご覧いただけない場合がございますが、1点しんにょうの「逢」です。

テーマ:印象的なラテン・ショー

  • ◎雪組『La Esmeralda(ラ エスメラルダ)』

    これまでにないくらい、ハードなショーでした! 全国ツアーでも上演したので、思い出もたくさんあります。なかでも、「エメラルドの伝説」という曲をアレンジした、黒須洋壬先生が振付の場面が印象的。さきさんを中心とした、MV(ミュージックビデオ)のようなかっこいい場面! みんなで何回も練習した大好きなシーンでした。
  • ◎月組『Apasionado!!(アパショナード)』

    何度も再演されている有名なショーです。初演の瀬奈じゅんさんがかっこ良すぎて……。ラテンのお衣装は重かったり、飾りが長かったりしてすごく特殊ですが、それがとてもよくお似合いで、しかもあんなにかっこよく踊れるなんて……本当にすごい! ラテンのお衣装を着る際に、踊り方やアクセサリーを参考にさせていただきました。
  • ◎花組『CONGA(コンガ)!!』

    以前も好きなダンスシーンで挙げましたが、印象的な場面はほかにもたくさん! フィナーレで、壮一帆さんと女役ののぞさんが踊ってらっしゃるシーンも、すごく好きでした。生だけでなく、CSでも録画して何度も拝見した作品です。蘭寿とむさんとラテンという組み合わせが本当に神がかっていて……大好きなラテン・ショーです。