永久輝せあコーナー

今月のメッセージ

花組大劇場公演『アウグストゥスー尊厳ある者ー』のブルートゥス役。

永久輝せあ 今月のメッセージ  このメッセージがアップされるころには、大劇場公演も閉幕が近いですね。ご観劇いただいた皆様、ありがとうございました。東京公演もどうぞよろしくお願いいたします。

『アウグストゥスー尊厳ある者ー』で私が演じているブルートゥスは、先月も少しお伝えしましたが、いろいろなストレスを抱えている人物です。そのなかでどんなストレスが一番大きいのかなと考えると、ブルートゥス自身が自分らしくいられないこと、つまり自分さえも欺いてしまっていることなのかな、と最近は特に感じています。

 台本を読んだ印象では、カエサルに対する愛情と政治的な信念との間で矛盾に葛藤していると単純に考えていたのですが、カエサルに対しての憎しみの感情を見ないようにしていた部分があったのかな、と。母がカサエルの愛人だったことで実の子のように育ててもらい、自分も愛されていると思っていたものの、ブルートゥスの家柄や立場をいいように利用されていただけ、ということにうすうす気付きはじめていたようにも思います。

 その事実をうまく受け止められていなかったところに、はなちゃん(華優希)演じるポンペイアが現れ、彼女が抱く憎しみを目の当たりにしたことによって、ブルートゥス自身も隠そうとしていた憎しみに火がついてしまいます。お稽古当初は、ブルートゥスが自分についている嘘に演じる私も騙されていた気がして、なかなかブルートゥスとしての気持ちが動きづらかったのですが、自分に正直になって見ないようにしていた感情を認めることで、ブルートゥスと一緒に私自身も考えがすごくシンプルになりました。

歴史上の人物というより、台本上の人物として演じたい。

永久輝せあ 今月のメッセージ  ブルートゥスは実在した歴史上の人物なので、演じるにあたって関連資料などを読みました。ですが史実を意識し過ぎてしまうと、今作のブルートゥスとの距離を感じてしまうので、あくまで台本上に描かれたブルートゥスとして演じるようにしています。

 ほかに、お稽古中に観てすごく影響を受けたのは、『ベン・ハー』という昔のアメリカ映画。ローマ帝国の時代を舞台に、イエス・キリストの生涯を絡めて描かれている作品です。今作よりも少しあとの時代の話ですが、今作のテーマの1つでもある、″憎しみを乗り越えること“をとても考えさせられ、作品を理解するのにいいきっかけになりました。

 憎しみで心を満たすというのは、いまの時代の日常ではあまり経験しないですし、逆にものすごくエネルギーのいることだなと感じます。また平和を望む人が「正義」のためといいながら、必ず平和的なことを行うとは限らないということにも気づかされる映画で、ついブルートゥスと重ねながら観てしまいました。





ブルートゥスとして感じていることとは……。

 柚香光さん演じるオクタヴィウスとは、2人で交わすセリフがたくさんあるわけでもなく、直接対決するわけではありませんが、きちんと話し合えば「友」になれたのかもしれないと思っています。というのも、オクタヴィウスの憎しみを知らない純粋な優しさは、ブルートゥスとしては目障りな部分もあると思いますが、ブルートゥスも平和な世界を望んでいて、見たい世界は本当はオクタヴィウスと一緒だったのでは、と。ブルートゥスは、結果的に人を殺したりと間違った方向を選んでしまいましたが……。

 柚香さんが芝居で向けてくださる目線を受けていても、もしブルートゥスがオクタヴィウスに向けて手を差し出していたら、きっと手を取り合う仲になれたのかな、と感じることもあります。

 そしてブルートゥスにとっては、はなちゃん演じるポンペイアの存在がカギになっています。先ほどもお伝えしたように、彼女が自分の意思に正直に憎しみという感情だけでパーティに乗り込んでくる姿を見て、そうできなかった自分と比べたり、ポンペイアに言われる「恥ずかしくないの?」というセリフがずっと引っかかっていたり……。
 カエサルを殺そうとしたポンペイアを止めたのはブルートゥスですが、実際カエサルを殺したブルートゥスを止めに入るのはポンペイア。初めと逆の立ち場になってしまったのを客観的に見ると、とても悲しいですね。

魅力にあふれたラテンショー『Cool Beast !!』。

『Cool Beast !!』は、いろいろな場面がある盛りだくさんなショーです。
 好きな場面はたくさんありますが、あえて挙げるとすると、中詰めで盛り上がったあと柚香さん、華さん、瀬戸さん、水美さんと5人で銀橋に残る場面がすごく好きです。衣装や仮面は、皆さんそれぞれに違う動物がモチーフで、私はフクロウ担当! 個人的にフクロウはとても好きなので、うれしかったです(笑)。カツラもフクロウのくちばしをモチーフにして作りました。東方神起さんの「Jungle」という曲で、妖しくもとてもおしゃれな場面です。

 そしてそのままの流れで、ロケットの場面となります。今回出演メンバーがA、Bのパターンにわかれていて、メンバーが1週間おきに変わるのですごく新鮮。目が合う下級生が日によって違ったり、皆を見渡したときの雰囲気が違っていて、楽しいです。ぜひ下級生のキラキラとしたフレッシュなエネルギーを感じていただけたらと思います!

大好きなパレードでのエトワール。

 今作では、パレードでエトワールを務めさせていただいています。まさか自分がさせていただけるとは思ってもみなかったので、先に下級生が教えてくれるまで気づかなかったほどです。
 パレードは、夢の世界を味わいにいらしたお客様が現実に戻っていく背中を押しながら、感謝の気持ちをお伝えする、現実の狭間のような不思議な空間だと思っています。毎回、柚香さんをお迎えするその瞬間が幸せだなと感じますし、自分自身もお芝居とショーを終えた達成感もあります。昔からそんなパレードがすごく好きなので、今回その始まりを担えることは、とても光栄です。初舞台生のとき、大階段でエトワールの方の脇で初めて踊ったときのことを思い出し、初心にかえる思いでいます。
 ほかにもたくさん好きなシーンはあるので、また来月にでもお話できたらと思います!

※このメッセージは、4/16(金)のものです。

テーマ:「好きな動物」

  • ◎ネコ

    完全にネコ派です。実は去年、14年間実家で飼っていたネコが亡くなってしまったのですが……、気まぐれな感じがたまらなくかわいくて大好きです。宝塚の街にも野良ネコが結構いて、見かけるだけでも癒やされます。いまもできれば飼いたいのですが、お留守番させると心配で気が気でなくなってしまうので、我慢! いつかは飼いたいですね。
  • ◎ペンギン

    ペンギンも、とても好きなんです。小さいころから、「ピングー」というペンギンのキャラクターが大好きで、シャーペンや筆箱、ファイルやノートも全部そのキャラクターでそろえていました。それがきっかけだとは思うのですが、ペンギンを見るとなぜか他人の気がしない(笑)。あのピチピチした感じが、なんともかわいい!
  • ◎ライオン

    『はいからさんが通る』で"ライオン丸“を演じたこともありますし、私の星座も獅子座なので……。百獣の王で、強くて賢くて勇敢なものの象徴で、かっこいいなぁと。懐の大きい王者というイメージに憧れがあります。『ハリー・ポッター』のグリフィンドール寮のモチーフとしても印象的。ちなみにショーで担当しているフクロウは、4番目に好きです(笑)。