永久輝せあコーナー
今月のメッセージ
『Cool Beast !!』の出演シーンを振り返って……。

前回はお芝居のお話をしたので今回は『Cool Beast !!』について、出演シーンを中心に振り返ってみようと思います。
まず幕開きのプロローグ。お芝居からガラッとギアを変えて、お客様を一気にショーの世界に連れていけるよう、また一段パワーを上げて挑んでいました。そして、その後の「ナイトライフ-夜遊び-」は、柚香光さん率いる「赤チーム」と水美舞斗さん率いる「緑チーム」が対決するナンバー。作・演出の藤井大介先生からのご指示もあり、私が属する赤チームは、少し気取っているようなかっこつけた雰囲気で踊ることを意識していました。最後、散々争った末のオチのシュールさも気に入っています(笑)。
中詰めは、お客様とたくさんコミュニケーションが取れる場面でしたし、群舞や銀橋などシーンごとに曲の色が違い、すごく楽しかったです。ラインダンスでは、日によって違う子と目が合うのですが、みんなの表情が生き生きしていて、曇った瞳が1つもない! 中詰めから続いて出ているので体力的には少しハードでしたが、下級生のエネルギーを感じ、いつも元気をもらっていました。
「トリスティティア・ノクテムー悲しみの夜ー」は今作のなかで一番好きなダンス。牙を意味する「デンテ」という役で鋭いイメージの振付だったこともあり、すごくかっこいいなと感じました。「カエルムー天国ー」は、荘厳な音楽のなか、いろいろな感情が浄化さていく、「祈り」に近いような雰囲気を意識して踊っていました。そしてそのまま若手が残って、銀橋の場面へ。それまでのドラマチックな世界観とは違い、その日の劇場の空気をリアルに感じながら私自身も毎回楽しみながらお届けしていました。フィナーレに向けて盛り上がっていきたいと思い、メンバーとともに「花組!」など掛け声を入れてみたり、日に日に団結力も高まりました!
フィナーレの男役ナンバーは、羽山紀代美先生が振付の男役心が騒ぐシーン。フィナーレといえば大階段ですが今回私は本舞台から合流です。やはり男役が勢ぞろいすることもあり、気持ちが引き締まりました。そして最後はエトワール。最初は大事な役割という緊張感ばかりだったのですが、次第に歌の内容やいま感じていることをお伝えすることの大切さや、そこにきちんと存在することの大事さに気づいていきました。
柚香さん、瀬戸さんの印象的なシーン。
自分が出演していないシーンのなかで印象的なのは、「イータルー旅ー」。旅人を演じる瀬戸かずやさんが歌われる後ろで、ヴィーデという1人の女の子がダンスする場面です。舞台で1人で踊るというなかなかない機会に緊張していたと思うのですが、だからこそのフレッシュさと可憐さ、純粋さがあり……。それがご卒業される瀬戸さんの背中から漂う雰囲気とフィットしていて、すごく好きな場面でした。
そして柚香さんとはなちゃん(華優希)の「テラ・インコニター愛の目覚めー」も、柚香さんの裸足のダンスは、宝塚の男役の枠を超えて、まさに柚香さんと野獣ベスティアが一体化していて、すごいとしか言いようがない……。大地に息づいている"獣感"が全身から出ていて、凄まじい表現力だなと感動していました。
そんな柚香さんをはじめ、瀬戸さん、水美さんと近くで踊らせていただき、たくさん勉強になりました。これまで、場面ごとに真ん中で踊られている方のそれぞれの踊り方、音の取り方に合わせて踊りたいと思ってきました。
ですが先日瀬戸さんから、「人がこういう見せ方をするなら、自分はどう見せて輝こうかと考えてみては」というお言葉をいただき、すごく胸に響きました。「こんな風になりたい!」と思うことに挑戦していくことも大切ですが、自分がどのように舞台に立ち、どのようにお客様にお見せするのか。その自己プロデュースは「自分の先」にしかないのだなと、強く感じました。
そして柚香さんとはなちゃん(華優希)の「テラ・インコニター愛の目覚めー」も、柚香さんの裸足のダンスは、宝塚の男役の枠を超えて、まさに柚香さんと野獣ベスティアが一体化していて、すごいとしか言いようがない……。大地に息づいている"獣感"が全身から出ていて、凄まじい表現力だなと感動していました。
そんな柚香さんをはじめ、瀬戸さん、水美さんと近くで踊らせていただき、たくさん勉強になりました。これまで、場面ごとに真ん中で踊られている方のそれぞれの踊り方、音の取り方に合わせて踊りたいと思ってきました。
ですが先日瀬戸さんから、「人がこういう見せ方をするなら、自分はどう見せて輝こうかと考えてみては」というお言葉をいただき、すごく胸に響きました。「こんな風になりたい!」と思うことに挑戦していくことも大切ですが、自分がどのように舞台に立ち、どのようにお客様にお見せするのか。その自己プロデュースは「自分の先」にしかないのだなと、強く感じました。
スペシャルライブにガラコンサート、星組公演……。

はなちゃんのスペシャルライブ『華詩集』は配信で観ました。はなちゃんがかわいいのはもちろんですが、トークの場面であんなにたくさんお話ししているはなちゃんを初めて観ました(笑)。いろいろなジャンルの歌もあり楽しかったですし、凜としたはなちゃんがとっても印象的でした。
『エリザベート TAKARAZUKA25周年 スペシャル・ガラ・コンサート』も、朝夏まなとさんがトートのフルコスチュームバージョンと、のぞさん(望海風斗)がトートのスペシャルバージョンを配信で拝見しました。朝夏さんのトートの、「最後のダンス」では素敵すぎて家で拍手しながら立ち上がっていました(笑)。のぞさんのルキーニも、宝塚での公演は観られなかったので初めて拝見したのですが、本当に素晴らしかったです。
のぞさんのトートは、本当に迫力がすさまじく、役へのアプローチの仕方が歴代の方々と違うようにも感じて夢中で観てしまいました。組の公演の場合はさまざまな学年の方で作品を作りますが、明日海りおさん、夢咲ねねさんのシシィ、七海ひろきさんのルドルフなど同期の皆さんがメインキャストを演じられていて、宝塚でのご経験を経ての舞台姿に重みがあふれていて、豪華で見応えがありました。
星組さんの『ロミオとジュリエット』は同期のあかり(綺城ひか理)がベンヴォーリオを演じたBパターンを、舞台稽古で拝見しました。礼真琴さんと舞空瞳ちゃんが本当に素晴らしく、特に最後のデュエットダンスが圧巻で、一緒に観に行った仲間と「最高だったね!」と盛り上がりました。音楽学校時代に初演を観たときにも感動した作品でしたが、改めて観てまた違う面白さを感じました。『アウグストゥス』のお稽古中で役と向き合っている最中だったので、『ジュリアス・シーザー』を書いたシェイクスピア作品ということで作品の描写に似たものを感じたり、同じ「憎しみ」というキーワードがあったので、自分の役のヒントにもなりました。
あかりのベンヴォーリオも、とても素敵で泣きました。個性豊かなキャラクターが出てくるなかでも、ベンヴォーリオは大人で冷静なイメージ。そんな彼が最後まで生き残った意味、今後のヴェローナを背負っていく姿に感動しました。
タカラジェンヌ、男役の象徴、イシさん。
7月に上演される『婆娑羅(ばさら)の玄孫(やしゃご)』が退団公演となり、10月にご卒業されるイシさん(轟悠)のこともお話できればと思います。
イシさんとは『タカラヅカスペシャル』のほか、2018年の雪組『凱旋門』で共演させていただきました。イシさんとご一緒できるというのが貴重な経験すぎて、新人公演卒業したての私のような者が一緒にお芝居させていただいても大丈夫だろうか……と緊張したのを覚えています。すごく素敵な方ですし、いらっしゃるだけでオーラがすごい!お稽古場から役そのものとして立たれていて、そのお姿を拝見するだけで本当に勉強になりました。
その東京公演中、私の誕生日があったのですが、なんとイシさんがプレゼントをくださったんです! 楽屋に入ったら、化粧前に置いてありまして……。私の誕生日を知って用意してくださったことに感動しました。気に掛けてくださること自体もすごくうれしかったですし、とても励みになりました。そのときにいただいた千社札は、いまでも鏡に貼っています。
タカラジェンヌ、男役の象徴であるイシさんとご一緒させていただけたこと、本当に光栄でした。
※このメッセージは、6/18(金)のものです。
イシさんとは『タカラヅカスペシャル』のほか、2018年の雪組『凱旋門』で共演させていただきました。イシさんとご一緒できるというのが貴重な経験すぎて、新人公演卒業したての私のような者が一緒にお芝居させていただいても大丈夫だろうか……と緊張したのを覚えています。すごく素敵な方ですし、いらっしゃるだけでオーラがすごい!お稽古場から役そのものとして立たれていて、そのお姿を拝見するだけで本当に勉強になりました。
その東京公演中、私の誕生日があったのですが、なんとイシさんがプレゼントをくださったんです! 楽屋に入ったら、化粧前に置いてありまして……。私の誕生日を知って用意してくださったことに感動しました。気に掛けてくださること自体もすごくうれしかったですし、とても励みになりました。そのときにいただいた千社札は、いまでも鏡に貼っています。
タカラジェンヌ、男役の象徴であるイシさんとご一緒させていただけたこと、本当に光栄でした。
※このメッセージは、6/18(金)のものです。

