永久輝せあコーナー
今月のメッセージ
永久輝せあコーナー[今月のメッセージ]2月の更新の代わりに特別メッセージをお届けします。
こちらからご覧ください。
本年もよろしくお願いいたします!

皆様はどんなお正月を過ごされましたでしょうか? 花組は、1月2日から『元禄バロックロック』『The Fascination(ザ ファシネイション)!』の東京公演が開幕しています。皆様、東京宝塚劇場でお待ちしております!
先月は『元禄バロックロック』で演じているクラノスケの役作りについてのお話をしたので、今月はそれ以外のお話ができたらと思います。
今回お衣装も華やかですし、クラノスケは和物のカツラをかぶっているので、それに合わせたお化粧にもこだわっています。日本物のお化粧をしてしまうとほかのキャラクターの方と合わないですし、いつものお化粧をベースにしつつも、今回のカツラにも合うように、つけまつげの付け方やアイラインの引き方、まゆげの書き方を調整して、試行錯誤しながらお化粧をしています!
お衣装も生地や柄が一人ひとり違うので、見ていてすごく楽しいです。私が特に気に入っているのが、ズボンの横にペイントされた大石内蔵助の家紋である右二つ巴。とても有名な家紋ですし、おしゃれに描いていただけてとてもうれしいです。また、華雅りりかさん演じる妻・リクと実はお衣装の布地が色違いのお揃いなので、皆様ぜひチェックしてみてください! そして討ち入りのときは、ダンダラ模様がアレンジされたマントを着ています。映画などの『忠臣蔵』でよくある羽織ではなくマントというものもおしゃれですし、元赤穂藩士たちとの一体感もあって好きです。
そのときに生まれた感情を大切に。
クラノスケは、柚香光さん演じるクロノスケとお芝居することが多いのですが、柚香さんはまさにその場に生きている!という感覚でいらっしゃるので、表情やニュアンスを見逃さず、私もそれに応えて変わっていかなければと思っています。そのときに生まれた感情を大切にして日々変化しながら新鮮にお芝居をさせていただいています。
水美舞斗さん演じるコウズケノスケは、クラノスケにとって元主君の仇。討ち入りのシーンでは、この人に復讐するためにここまで過ごしてきたという思いがあるので、憎しみだけではなく、やっとこの日を迎えられたという高揚感があります。相手への殺意はもちろん、自分も死ぬ覚悟をしている……という極限の感覚が演じていて楽しいです。
ほかの元赤穂藩士とのお芝居は場面としては短いのですが、そのなかで何を思って存在するのか、どう見せるのかなど、お稽古中に皆で話し合いました。共通認識を持ちつつも、一人ひとりに生き様があってほしいなと思うので、あまり固定しすぎずに自由に表現してもらいたいなと思っています。
また、クラノスケの妻・リクは、戦友のような存在です。武士の妻たるもの、夫がいつ死んでもおかしくない状況のなかで生きるたくましさや強い覚悟のある女性だと思うので、恋愛要素というよりは、同志のような感覚でいます。
今作は、過去に対してどう向き合っていくかがテーマになっています。大切な君主をいきなり奪われた喪失感、仇討をすることがその穴を埋める最大の解決策となるのか、また、もし過去の出来事をなかったことにして、どんな未来を作り出せるのか、みんなそれぞれが過去と未来を見つめ、いかに進んでいくか、そんな作品だと思います。クラノスケも過去の恨みを消すのではなく、この先の生き方でそれを消化していく。だからハッピーエンドになれるのではないかなと思っています。
作・演出の谷貴矢先生がそんな深いテーマをあえてポップに見せたいとおっしゃっていたのが印象的でした。それがこの作品の世界観につながっているのだと思います。演じていても、観ていても、まだまだ気付くことがたくさんあるような作品ですので、皆様、ぜひ楽しんでご覧いただけたらと思います!
水美舞斗さん演じるコウズケノスケは、クラノスケにとって元主君の仇。討ち入りのシーンでは、この人に復讐するためにここまで過ごしてきたという思いがあるので、憎しみだけではなく、やっとこの日を迎えられたという高揚感があります。相手への殺意はもちろん、自分も死ぬ覚悟をしている……という極限の感覚が演じていて楽しいです。
ほかの元赤穂藩士とのお芝居は場面としては短いのですが、そのなかで何を思って存在するのか、どう見せるのかなど、お稽古中に皆で話し合いました。共通認識を持ちつつも、一人ひとりに生き様があってほしいなと思うので、あまり固定しすぎずに自由に表現してもらいたいなと思っています。
また、クラノスケの妻・リクは、戦友のような存在です。武士の妻たるもの、夫がいつ死んでもおかしくない状況のなかで生きるたくましさや強い覚悟のある女性だと思うので、恋愛要素というよりは、同志のような感覚でいます。
今作は、過去に対してどう向き合っていくかがテーマになっています。大切な君主をいきなり奪われた喪失感、仇討をすることがその穴を埋める最大の解決策となるのか、また、もし過去の出来事をなかったことにして、どんな未来を作り出せるのか、みんなそれぞれが過去と未来を見つめ、いかに進んでいくか、そんな作品だと思います。クラノスケも過去の恨みを消すのではなく、この先の生き方でそれを消化していく。だからハッピーエンドになれるのではないかなと思っています。
作・演出の谷貴矢先生がそんな深いテーマをあえてポップに見せたいとおっしゃっていたのが印象的でした。それがこの作品の世界観につながっているのだと思います。演じていても、観ていても、まだまだ気付くことがたくさんあるような作品ですので、皆様、ぜひ楽しんでご覧いただけたらと思います!
やっぱり大好きな黒燕尾。

尊敬する大浦みずきさんの作品『フォーエバー! タカラヅカ』をオマージュした場面は、当時とほとんど同じ振付、同じ衣装で、その時にご出演されていた御織ゆみ乃先生に細かくニュアンスを見ていただきながら、お稽古しました。こうして受け継がれていく場面があることに宝塚の素晴らしさを感じますし、出演できてとてもうれしいです。
その後の花組メドレーでは、まどかちゃんと踊る「ある愛の伝説」がとても楽しいです。全国ツアー公演『哀しみのコルドバ』のエバとロメロを思い出すね、とお稽古中に話したりしていました(笑)。また、私は出演していないのですが、「僕の愛」という曲を組長の高翔みず希さんと副組長の美風舞良さんが歌われるなかでのカップルダンスの場面が、大好きです。やはり上級生の方々は、本当にすごい! 眼差しや差し出す手に物語が感じられ、お稽古場でも泣きそうになりました。公演が始まってからも舞台袖からその踊りを拝見するたびに、胸が熱くなります。
今回のショーでは、いま挙げた作品以外にも、過去の花組公演の楽曲がたくさん使われています。オリジナルの新場面ももちろん素敵ですが、宝塚の曲というのはそれだけで喜びを感じますし、独特の高揚感がありますね。
そして黒燕尾の場面は、本当にテンションが上がります! いろいろと素敵なお衣装を着させていただいても、黒燕尾を着たときに「ああ、これが好きだなぁ」と、毎日思います。
今回男役全員で、黒いシャツの中に白いTシャツを着てお稽古する日がありました。黒燕尾のお衣装は背中を向けたら黒、前を向いたら白になるので、白がどの程度見えるのかを確認して、しっかり皆がそろうようにお稽古しました。平澤先生の少し抜け感のあるおしゃれな振付なので、楽曲の雰囲気を感じながら、メリハリをつけることを意識して踊っています。
自分にできる表現とは……。
ショーでは、とても光栄なことに、柚香さんと水美さんと3人で踊らせていただく場面もあります。柚香さんと水美さんは踊りのタイプは違いますが、スピード感や音のキャッチの仕方が見事にそろっていて、そのニュアンスを感じ取るのにお稽古は必死でした。お2人とも自分の踊りを最大限に発揮される個性もお持ちなので、私もお二人を感じながらも自分のダンスをきちんと表現していく必要があり、それが課題だと思っています。舞台上でもお2人と踊らせていただくのはとても勉強になっていますし、毎日本当に刺激的です!
2022年は、この花組東京宝塚劇場公演の後、3〜4月にシアター・ドラマシティと東京建物Brillia HALLで主演舞台『冬霞(ふゆがすみ)の巴里』が上演されます。まだどんな作品になり、自分にどんなことができるのかはわかりませんが、思い切りチャレンジしたいと思います。そして、4月からは研12。まだまだ半人前の気分ですが、もう一段ステップアップしなければいけない学年にきたのかなとも思います。その意味でも私にしか表現できないスタイルを早く見つけたいと思います。
皆様、本年も応援していただけたらうれしいです。どうぞよろしくお願いいたします。
※このメッセージは、12/17(金)のものです。
2022年は、この花組東京宝塚劇場公演の後、3〜4月にシアター・ドラマシティと東京建物Brillia HALLで主演舞台『冬霞(ふゆがすみ)の巴里』が上演されます。まだどんな作品になり、自分にどんなことができるのかはわかりませんが、思い切りチャレンジしたいと思います。そして、4月からは研12。まだまだ半人前の気分ですが、もう一段ステップアップしなければいけない学年にきたのかなとも思います。その意味でも私にしか表現できないスタイルを早く見つけたいと思います。
皆様、本年も応援していただけたらうれしいです。どうぞよろしくお願いいたします。
※このメッセージは、12/17(金)のものです。

