永久輝せあコーナー
今月のメッセージ
東京宝塚劇場公演について。

お芝居で演じているサンド役に関して、東京宝塚劇場公演へ向けて変化もありました。宝塚大劇場で1カ月間演じてきたことで、新たに気付くことや見えてくるものがあり、視野が広がったように感じています。最初はサンドとしての在り方や野心、リストとの情熱的な恋を重視していたのですが、公演の後半くらいからショパンの死に対する向き合い方や受け入れ方、サンドの死生観についても考えるようになりました。
サンドは生命力にあふれ、とても強い人ですが、そんなサンドが唯一超えられない壁のようなものが、“死”なのかな、と。現代よりも死が身近な時代だったとは思いますが、大切な人の死を迎えるときに、彼女はどう立ち向かうのか……。最後の「さよなら、私の王子様」というせりふもそうですし、ラストシーンのショパンとすれ違う場面で、「この人のいない世界でも自分は生きていかなければ」「この死を受け入れてそれでも生きていく」という、強い決意みたいなものをすごく感じますね。悲しみだけに留まらず、死を乗り越えて生きていくところが、芸術を愛したサンドの人生そのもののような気がします。
ショーは、 先月「組全体が生き生きしているのを感じる」とお話ししましたが、東京宝塚劇場公演に向けてのお稽古の際も、すごく尊い時間が流れていたように感じました。退団者の方を迎える場面など、みんなと一緒に舞台に立てることは当たり前ではなく、奇跡に近いようなことなんだと改めて思いました。東京宝塚劇場公演からは108期生も加わり、さらに人数が増えて豪華になっています。皆が安全に舞台に立てる状況に感謝して、これからも公演に臨みたいと思います。
退団者4人との思い出。

つーちゃん(飛龍つかさ)は、いつも隣にいてくれた大事な存在。「これからも花組を盛り上げようね」とメッセージを送ったこともあったので、退団すると聞いたときには本当にショックでしたし、すごく寂しいです。やはり一番の思い出は『冬霞の巴里』。つーちゃんは明るくて声も大きく(笑)、みんなを引っ張っていく力のあるエネルギッシュな人。お稽古中、私が落ち込んだりしても、笑わせてくれたり、すごく励ましてくれました。私のなかでは、この作品の最後の場面を一緒に作ったということが一番大きく、つーちゃんのギョーム叔父さんあってのオクターヴだったなと思っています。
でぃでぃ(若草萌香)は、学年も2つ違いなのでよくお世話になっているのですが、歌も踊りもなんでもできて、なのにまったく飾らないところがすごく信頼できます。印象に残っているのは『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』のとき。アイリーン役としてウエディングドレス姿に長いベールをつけて出ていた場面で、ふとした瞬間にベールが外れてしまったときも、メイド役の1人だったでぃでぃがすぐにお芝居でフォローしてくれて。舞台は助け合いや信頼関係が大事だと思うので、でぃでぃの行動を見てすごいなと感動しました。この作品まで下級生と関わることが意外となかったので、こういう出来事一つひとつがうれしかった思い出がありますね。
くりす(音くり寿)は本公演以外でも一緒になることが多く思い出はたくさんありますが、なぜか一番思い出すのが『はいからさんが通る』のお稽古中に2人で話したこと。お稽古の合間の少しの時間でしたが、宝塚や舞台について個人的な深い話をしたことがあり、感覚が似ているところがあるのかなと感じたのを覚えています。前作でも今作でも、ショーで組んで踊る機会もたくさんありましたし、『はいからさんが通る』でも少しお芝居する場面はありましたが、もっと一緒にせりふを深く交わすようなお芝居をしてみたかったですね。
えりかちゃん(芹尚英)とは入団前からの知り合いで、入団後もお手紙をくれたりしていてつながりがあり、花組に組替えする際に連絡したうちの1人。しっかりしていて、お稽古にもすごい集中力で取り組む頼もしい子なので、とても残念ですし寂しいです。『冬霞の巴里』ではエリーニュス役の1人としてほぼ舞台に出ずっぱりで振付も多かったので大変そうでしたが、エリーニュスの存在が『冬霞の巴里』の“縁取り”を強く濃くしてくれたと思っています。一緒に、真剣に作品に向かってくれたのがすごくうれしく、えりかちゃんとこの作品でご一緒できてよかったなと心から思いました。
花組本が発売になりました!
先日、花組本が発売になりました。私はファン時代から組本が大好きで……見始めたら止まらないですよね? 普段一緒にいる下級生でも、どういうことを考えているかは一人ひとり詳しく知らないので、私自身もじっくり読むのが楽しみです!
上級生のポートレイト「2&3Shot Collection」はくじ引きで組み合わせが決定し、私はきょんさん(航琉ひびき)と撮影していただきました。“本好き”という共通点があるので、本を持って撮影したらどうかと提案してくださり、あのようなショットとなりました! きょんさんとは普段から本のお話をさせていただいていて、以前紹介した原田マハさんの『サロメ』も、元々きょんさんに薦めていただいた本です。先日の誕生日にも本をプレゼントしてくださり、いまも早速読んでいます。
そして「何でもNo1」では、なんと多趣味、No1に選んでいただきました。1票差ですし、たまたまという感じですね(笑)。自分としては趣味がないと思っているのですが、ギターやキャンプ、料理や車、本、絵を描くことなど、挙げてみたら意外と好きなものが多かったので、これを多趣味と呼ぶのかもしれません……。いろいろなことに興味があって、一回ハマったらなかなか冷めないタイプなんです。絵については全然得意ではないのですが、『冬霞の巴里』のときにスタッフさんが着られる黒いTシャツのデザインを私が描いたので、絵を描く人というイメージもついてしまったのかな、と。いまもお稽古場で着てくれている下級生やスタッフさんもたくさんいて、うれしいですね。
上級生のポートレイト「2&3Shot Collection」はくじ引きで組み合わせが決定し、私はきょんさん(航琉ひびき)と撮影していただきました。“本好き”という共通点があるので、本を持って撮影したらどうかと提案してくださり、あのようなショットとなりました! きょんさんとは普段から本のお話をさせていただいていて、以前紹介した原田マハさんの『サロメ』も、元々きょんさんに薦めていただいた本です。先日の誕生日にも本をプレゼントしてくださり、いまも早速読んでいます。
そして「何でもNo1」では、なんと多趣味、No1に選んでいただきました。1票差ですし、たまたまという感じですね(笑)。自分としては趣味がないと思っているのですが、ギターやキャンプ、料理や車、本、絵を描くことなど、挙げてみたら意外と好きなものが多かったので、これを多趣味と呼ぶのかもしれません……。いろいろなことに興味があって、一回ハマったらなかなか冷めないタイプなんです。絵については全然得意ではないのですが、『冬霞の巴里』のときにスタッフさんが着られる黒いTシャツのデザインを私が描いたので、絵を描く人というイメージもついてしまったのかな、と。いまもお稽古場で着てくれている下級生やスタッフさんもたくさんいて、うれしいですね。
夏休みの思い出。
最後に少し、学生時代の夏休みの思い出を……。私は中学、高校時代にダンス部に入っていたのですが、毎年9月の学園祭で披露する公演に向けて、夏はダンス三昧でした。だいたい1時間くらいの公演で10曲程度踊るのですが、先輩方がテーマを決めて選曲して、振付や衣装も全部生徒が考えて用意していました。その学校を受験した決め手もダンス部の公演を観てのことだったので、すごく印象に残っています。夏休みは朝から夕方まで強化練習があり、青春でしたね(笑)。
こういうご時世ですが、皆さんの夏休みも素敵なものであったらうれしいです。
※このメッセージは、8/22(月)のものです。
こういうご時世ですが、皆さんの夏休みも素敵なものであったらうれしいです。
※このメッセージは、8/22(月)のものです。

