永久輝せあコーナー
今月のメッセージ
花組全国ツアー公演について。

『フィレンツェに燃える』で私が演じる憲兵隊の将校、オテロ・ダミーコは、作品のなかで数少ない悪いポジションの人物です。お稽古当初は、役の人物像や内面を掘り下げることを意識していたのですが、通して演じてみると、作品のなかでの役割や立ち位置のバランスを取る必要があると感じました。
出てきたときにどういう空気をまとうのか、他の方とは違う目線で物事を見ていたり、悪役としての力加減もしっかり伝えたほうがいいのでは、と。もちろん役の内面を掘り下げて、想像を膨らませて演じるのも大切なのですが、それだけだと作品全体の歯車がうまく回っていかないように思いました。
オテロはまどかちゃん(星風まどか)演じるパメラの元恋人で、おそらくパメラがクレメンティーナ侯爵と結婚する際に別れたのだと思います。それによって喪失感や男性としての屈辱、自分の身分や階級へのコンプレックスを感じ、それがオテロの原動力になっているように感じます。ただそういう思いをどのくらいのバランスで表現するのか、パメラをもう一度自分のものにしたいのか、あるいは追い詰めて苦しめることで自分と同じ思いを味合わせたいだけなのか……。「昔のようにやり直さないか」と駆け引きを持ち掛ける場面では、どこまでが彼の本心なのかな、と。愛といってもいろいろな形がありますし、パメラへの思いは純粋すぎなくてもいいのかなとも思っています。
オテロにとっては、パメラに捨てられたことが人生の大きなきっかけとなっていて、それによって憲兵隊長としての冷酷さ、自分を慕うマチルドへの接し方、人に対しての威圧感が作られていき、人物像が形成されたような気がします。元々はそういう人物ではなかったのかもしれませんが、作品のなかでの役割を意識して、厄介者だなという嫌味のある印象を抱かれる人物になればいいなと思っています。
ほかの役の方たちとの関係性は……。

この物語にはいろいろな人物が登場しますが、皆どこかしら不器用さを抱えていて、恋人や家族との関係がうまくいかず、すれ違ったり一方通行で結ばれなかったり、うまく噛み合わないもどかしさが描かれていて、柴田侑宏先生だからこその作品だと感じています。
それぞれが追いかけているものや成し遂げたかったものが手に入らず、思い悩んで葛藤し、喪失感を感じますが、それでも人生は進んでいく。オテロとマチルドの関係性にしても、オテロが決闘で死んでしまうことによって、マチルドは喪失感を引きずって生きていくんだろうなと想像すると、オテロがパメラから受けたのと同じような傷をマチルドに残すような気がして、因果は巡っていくものなのだなと感じます。
とても奥が深い作品なので、実際に公演が始まってみてどう感じたのかなど、またお話しできたらと思います!
全国ツアーならではの『Fashionable Empire』を楽しみたいです!
全国ツアー公演の劇場には銀橋がなく歌い手も踊り手も皆が本舞台で演じるので、より全員で一緒にお届けしているような感覚があります。「Fashionable Moment」など、前作で退団された皆さんの場面をいろいろな方が歌われたり、ご当地出身者の方がピックアップされたりするので、そういう部分にも注目していただきたいですね。
前作では飛龍つかさ君、帆純まひろ君と演じた「Beatiful Night」の場面も、和海しょうさんと航琉ひびきさんとご一緒させていただくことになり、大人なお2人なのでまた違った雰囲気になってとても楽しいです。
プロローグは、王冠のミニチュアバージョンを持ってお客様も一緒に踊っていただけるので、ぜひ一緒に楽しんでいただきたいですし、皆様との一体感も感じられるのではないかと私自身もすごく楽しみにしています!
前作では飛龍つかさ君、帆純まひろ君と演じた「Beatiful Night」の場面も、和海しょうさんと航琉ひびきさんとご一緒させていただくことになり、大人なお2人なのでまた違った雰囲気になってとても楽しいです。
プロローグは、王冠のミニチュアバージョンを持ってお客様も一緒に踊っていただけるので、ぜひ一緒に楽しんでいただきたいですし、皆様との一体感も感じられるのではないかと私自身もすごく楽しみにしています!
秋といえば……。
このメッセージがアップされるころには、秋も深まっていると思います。
秋で思い出すことと言えば……3年前の組替えです。組替え前の秋の全国ツアー公演ではたくさん思い出作りをしようと思い切り楽しみましたし、下級生と三重県のなばなの里やナガシマスパーランドに行ったことも印象に残っています。
ほかにも、今年の12月に退団される雪組トップ娘役のひらめさん(朝月希和)とお休みが重なったので、一緒にニューヨークに行ったこともすごく思い出深いです。ブロードウェイで観た『ムーラン・ルージュ』や『アラジン』、そして体験型の『スリープ・ノー・モア』が本当に素晴らしく、圧倒されました! その後『冬霞の巴里』のお稽古の際に、先生が「『スリープ・ノー・モア』のような雰囲気で……」とおっしゃったときに「なるほど!」とすぐイメージできたので、体感しておいて良かった!と。ニューヨークは、舞台人としての引き出しのために絶対に行っておきたかったので、それが叶って本当にうれしかったことを覚えています。
秋で思い出すことと言えば……3年前の組替えです。組替え前の秋の全国ツアー公演ではたくさん思い出作りをしようと思い切り楽しみましたし、下級生と三重県のなばなの里やナガシマスパーランドに行ったことも印象に残っています。
ほかにも、今年の12月に退団される雪組トップ娘役のひらめさん(朝月希和)とお休みが重なったので、一緒にニューヨークに行ったこともすごく思い出深いです。ブロードウェイで観た『ムーラン・ルージュ』や『アラジン』、そして体験型の『スリープ・ノー・モア』が本当に素晴らしく、圧倒されました! その後『冬霞の巴里』のお稽古の際に、先生が「『スリープ・ノー・モア』のような雰囲気で……」とおっしゃったときに「なるほど!」とすぐイメージできたので、体感しておいて良かった!と。ニューヨークは、舞台人としての引き出しのために絶対に行っておきたかったので、それが叶って本当にうれしかったことを覚えています。
刺激になる他組の公演。
先日、月組公演『グレート・ギャツビー』をライブ配信で拝見しました。同期の海乃美月がトップ娘役になってから舞台を観られていなかったので、うれしかったです。個人的にあの時代の衣装も大好きですし、ギャツビー邸のパーティの場面やナンバーなどもとても華やかで、ぜひ生で観たかったです。れいこさん(月城かなと)は、第一声から本当にかっこよくてしびれました! 「朝日の昇る前に」という曲は、れいこさんとご一緒した『New Wave!ー雪ー』のときに私も歌わせていただいたことがあるのですが、れいこさんの歌がすごく素敵で、感動しました。
ほかには雪組公演『ODYSSEY(オデッセイ)』と『心中・恋の大和路』も舞台稽古を拝見しました。『心中・恋の大和路』は2014年に上演した際に私も出演したことがあり、ちょうど研3の終わりくらいでいろいろなことが芽生え始めた時期だったので、とても印象に残っています。せりふを聞くと当時のことがよみがえってきましたし、改めて本当に素晴らしい作品だなと感じました。
『ODYSSEY(オデッセイ)』は、さきさん(彩風咲奈)の海賊姿が本当にかっこよく、ひらめさんもとても素敵でした。『SUPER VOYAGER!』で団体賞をいただいた場面のオマージュのようなシーンがあり、似たような構成や衣装に、すごく胸が熱くなりました。
以前のようにはなかなか自由に観劇ができませんが、他組公演を観ると刺激をもらえたり、パワーチャージができるので、できる限り観たいと思っています!
※このメッセージは、10/11(火)のものです。
ほかには雪組公演『ODYSSEY(オデッセイ)』と『心中・恋の大和路』も舞台稽古を拝見しました。『心中・恋の大和路』は2014年に上演した際に私も出演したことがあり、ちょうど研3の終わりくらいでいろいろなことが芽生え始めた時期だったので、とても印象に残っています。せりふを聞くと当時のことがよみがえってきましたし、改めて本当に素晴らしい作品だなと感じました。
『ODYSSEY(オデッセイ)』は、さきさん(彩風咲奈)の海賊姿が本当にかっこよく、ひらめさんもとても素敵でした。『SUPER VOYAGER!』で団体賞をいただいた場面のオマージュのようなシーンがあり、似たような構成や衣装に、すごく胸が熱くなりました。
以前のようにはなかなか自由に観劇ができませんが、他組公演を観ると刺激をもらえたり、パワーチャージができるので、できる限り観たいと思っています!
※このメッセージは、10/11(火)のものです。

