ポイント投資とは?ポイント運用とは違うもの?仕組みや税金についてなど、初心者にもわかりやすく解説

クレジットカードなどを使う度に貯まっていくポイント。ショッピングに使ったり、マイルに変えたりと使い道は多い中、貯まったポイントで資産形成できる「ポイント投資」が注目されているのをご存知ですか。
三井住友カードでも、2022年5月からVポイントを使って投資ができる「Vポイント投資」がスタートしました。「ポイント投資」とは一体どういうものなのでしょうか。株式や投資信託といった一般的な投資とはどう違うのかなど、詳しく解説していきます。
INDEX
「ポイント投資」とは

「ポイント投資」とは、その名のとおり、現金の代わりに、クレジットカードなどで貯めたポイントを使用して投資することを指します。サイトによっては「現金購入型」、「現金投資型」と呼ばれていますが、基本的に同じものです。ポイントを有効活用でき、現金による投資と比べて心理的なハードルが低く、投資初心者でも始めやすいと言われています。
ポイント投資のしくみ
「ポイント投資」の基本的な投資の流れは、一般的な投資と同じです。証券口座を開設し、証券会社などの金融機関で金融商品を買い付けて運用します。
ただし、ポイント投資は、利用できる金融機関の選択肢が少なめです。投資先には投資信託、株式、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)などがありますが、一般的な投資と比べて限定的なので、利用前にどんな投資先があるかチェックしましょう。
ポイント投資では、保有ポイントだけで投資を完結することも、現金での投資と併用して買付代金の一部にポイントを充てることも可能です。また、分配金・配当金や売却代金を現金で受け取ります。
ポイント投資の特徴
一般的なポイント投資の特徴をまとめてみました。
- 基本的には一般的な投資と同じ流れで運用する
- 保有ポイントが利用できる金融機関を選ぶ
- 証券口座の開設が必要
- 買い付けできる金融商品が少なめ
- 売却代金は現金で受け取る
以下は多くの金融機関で見られる特徴です。
しかし、各社でサービス内容・利用条件が異なるため、利用前に必ず確認しましょう。
- 1ポイント=1円単位で使用可能
- 100円から少額投資が可能
- 一括購入に限らず積立投資も可能
ポイント投資では、現金を使うことなく投資を体験できます。投資が初めての方にとっては気軽さを感じることでしょう。少額で投資できる会社も多いため、徐々に運用に慣れてから、現金での投資にチャレンジしてみると良いかもしれません。
ポイント投資のメリット・デメリット
ポイント投資のメリットをまとめると、主に以下の点があげられます。
- 現金を使わず手軽に投資ができる
- ポイントが有効活用できる
- 少額投資でも分配金や株主優待を受けられることもある
ポイント投資なら、実質元手ゼロで投資ができます。現金での投資でも買付代金の一部にポイントを1ポイント(=1円相当)単位で併用できる場合も多く、使い道に困った端数の保有ポイントも有効期限内に活用することができます。
また、1株や1口単位の少額投資でも、金融商品や会社によっては株式投資での配当金、投資信託での分配金、株主優待などが受けられる場合もあります。
ポイント投資のデメリットについては、以下の点に気を付けましょう。
- 損失のリスクがある
- 少ない投資額でも取引手数料や運用報酬がかかる
- 購入できる投資商品が少ない
ポイント投資も一般の投資と同様に、元本を割り込む可能性が考えられます。投資リスクを低減するためにも、なるべく「長期・分散・積立」投資を心がけましょう。
手数料も現金での投資と同様に、購入手数料や投資信託における信託報酬額、売却手数料などがかかります。金融機関によって取り扱う商品や手数料などは異なるため、口座開設前に必ずチェックしておきましょう。
ポイント投資とポイント運用の違いは?

ポイント投資の親戚に「ポイント運用」があり、ポイント発行元によっては「ポイント運用」を提供している場合があります。こちらも「ポイント運用型」、「疑似運用型」、「ポイント連動型」など呼び方はさまざまですが、基本的に同じものです。
ポイント運用は、ポイントのまま運用する投資方法です。ポイント発行元のサービス提供会社が用意したコースを選択するだけで、投資者の代わりに運用会社が株や投資信託で運用するため、証券口座の開設は不要です。投資者は金融商品の値動きに連動して増減するポイントをチェックするだけでOK。ただし投資先のバリエーションは、ポイント投資よりも少なめです。
また、ポイント運用の目的は「ポイントを効率よく増やす」ことなので、運用をやめて引き出す際もポイントで受け取ります。ポイント運用には分配金や配当金はありません。投資時よりも値上がりしたときに運用をやめて、ポイントを増やすことが目的となります。
ポイントでやりとりをするため、より気軽に投資を体験できます。しかしあくまで「投資」なので、値動きによっては購入時よりポイントが少なくなる可能性もあることを念頭に置いておきましょう。
ポイント投資とポイント運用の違いを以下の表にまとめました。
下の表は、横にスライドしてご覧ください。
ポイント投資 | ポイント運用 | |
---|---|---|
目的 | 資産運用 | ポイントアップ |
サービス内容 | 保有ポイントを使って 金融商品を購入する (投資する) |
選んだ金融商品の値動きに 合わせてポイントが増減する |
金融商品の 購入方法※ |
一括・積立 | 一括・積立 |
各種手数料 | 購入時手数料・出金手数料など かかる場合もあり |
なし |
分配金・配当金 | あり | なし |
引き出し時の 受け取り方 |
現金 | ポイント |
証券口座の開設 | 要 | 不要 |
税務申告 | 必要(課税対象) | なし |
非課税優遇制度 | NISA | なし |
- 金融商品の購入方法は証券会社によって異なります。
ポイント投資の始め方

ポイント投資では、保有するポイントで投資可能な金融機関で証券口座を開設する必要があります。事前に準備するものや口座開設の方法を紹介します。
ポイント投資を始める前に準備するもの
証券口座を開設するには、以下のものが必要になるので事前に準備しましょう。
- マイナンバー(個人番号)確認書類
- 本人確認書類(運転免許証、各種健康保険証、各種年金手帳、パスポートなど)
- 印鑑(不要な金融機関もあります)
- 金融機関(銀行など)の普通口座
ポイント投資の口座開設方法
今回は、SBI証券での口座開設方法を例にご紹介します。
・口座開設申し込みについて
1)メールアドレスを登録し、送信された認証コードを入力します。
2)氏名・住所などの情報を入力します。
3)各種規約などを確認して、同意します。
4)口座開設方法を「ネットで口座開設」もしくは「郵送で口座開設」どちらか選びます。
5)口座開設申し込みが完了します。
・ネットで口座開設をする場合
1)口座開設申込時に発行された、ユーザーネームとログインパスワードでログインします。
2)マイナンバーカードもしくは、通知カードと本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)をデータで提出します。
・郵送で口座開設をする場合
1)口座開設の手続きに必要な書類が、SBI証券から普通郵便で届きます。
2)必要事項を記入し、マイナンバーカードなど必要な書類のコピーを添付のうえ、書類を返送します。
提出書類の審査が完了したら、ユーザーネーム、ログインパスワード、取引パスワードが記載された郵送物が登録住所に送られます。「メールで受け取る」を選択した方は、取引パスワード設定ページへのURLが登録したメールアドレスあてに届きます。アクセス後初期設定すると、取引を開始できます。
・口座の種類について
口座の種類には「特定口座(源泉徴収あり)・(源泉徴収なし)」と「一般口座」があります。「特定口座(源泉徴収あり)」は、金融機関が税金を計算・徴収してくれるため、自分で確定申告をする必要がありません。
「特定口座(源泉徴収なし)」や「一般口座」の場合は、原則、確定申告が必要です。源泉徴収ありの特定口座を開設しておけば、確定申告をする手間が省けるので、初心者にはおすすめです。
なお、NISAを利用する場合は、別途手続きが必要ですが、証券口座開設時に同時に開設手続きを行うこともできます。
・買い付け方について
口座開設後、買い付けしたい金融商品を選択して、代金のうち、購入に充てるポイント数を設定します。最後に注文内容を確認すれば、ポイント投資での買い付けは完了です。
ポイント投資した際の税金は?

クレジットカードなどで得たポイントは、現金のように扱うことができるため、気になるのは税金関連です。国税庁では「企業が発行するポイントのうち、決済代金に応じて付与されるポイント」は、「通常の商取引における値引きと同様の行為が行われたもの」と考えます。そのため、ポイントの取得・所有しているだけでは、課税対象となる経済的利益に該当せず、確定申告の必要もありません。
つまり、ポイント運用で得たポイントにおいては「非課税」になります(2023年1月現在)。しかし、ポイント運用のサービスが拡大すると法整備が進む可能性もありますので、運用する際は気に留めておきましょう。
一方、ポイント投資では、分配金・配当金や売却代金は現金で支払われるため、ポイント投資における運用益については課税対象です。運用益にかかる税金は、株式などの利子・配当と同じ「源泉分離課税」にあたり、税率は20.315%(所得税が15.315%・地方税が5%)で計算されます。
確定申告については、年収2,000万円以下の給与所得者で、株や投資信託などの投資による利益と副業などで得た所得を併せた額が年間20万円以下であれば不要です。利益が20万円を超える場合は、利益が発生した翌年の2月16日~3月15日に確定申告を行い、税金を納める必要があります。しかし、慣れない確定申告は億劫ですよね。そんなときは、ポイント投資用の証券口座を「源泉徴収ありの特定口座」で開設すれば、税金を金融機関が計算して納めてくれるので、ぜひ活用しましょう。
また、ポイント投資によってはNISAを利用できる場合もあります。一定期間、非課税で運用益を受け取ることが可能なので、併せてチェックしておいて損はないでしょう。
三井住友カードの「Vポイント投資」とは
三井住友カードでは、2022年5月より「Vポイント投資」のサービスが開始しました。貯まったVポイントでSBI証券の国内株式や投資信託を買付することができるため、投資初心者でも気軽にチャレンジしやすいでしょう。
Vポイント投資では、Vポイント1ポイント=1円分としてSBI証券の国内株式や投資信託の買付ができます。SBI証券の国内株式や投資信託は100円から購入できるため、100ポイント以上のVポイントを保有していれば、現金を使うことなく投資することができます。
- Vポイントを貯める・使うためには、SBI証券Vポイントサービスへの登録が必要です。
また、Vポイントで国内株式や投資信託を購入した場合でも、分配金や売却金は現金で受け取ることができるのは大きな魅力です。
Vポイント投資の詳細や始め方については、以下の記事をご覧ください。
まとめ

スーパーやコンビニ、ネットショッピングや旅行先などで買い物をする度に、貯まっていくポイント。そんなポイントを資産運用に有効活用できる「ポイント投資」は、投資のハードルを高く感じる初心者の方にとって始めやすい投資方法です。まずはポイント投資で運用に慣れてから、現金を投資資金にしていくと良いかもしれません。
ただし、投資にはリスクはつきものです。現金よりも心理的なハードルが低く、投資初心者でも始めやすいと言われているとはいえ、きちんとリスクを理解したうえで、無理のない範囲で投資を行いましょう。
- 本記事は、更新日時点での情報です。
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監修:ファイナンシャルプランナー
中村 賢司
ライフプランニングゆめたまご 代表
FPサポートセンター株式会社 代表取締役
ファイナンシャルプランナーとして個人のコンサルティングを行いながら、テレビ・ラジオ番組への出演、雑誌の執筆など、さまざまなメディアを通じて、家計管理やライフプランの重要性、投資の啓蒙を説いている。得意分野は保険、資産運用、相続対策、ライフプラン全般。