今月の永久輝せあ

今月のメッセージ

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

永久輝せあ 今月のメッセージ  皆様、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします!

 このメッセージがアップされるころには、花組東京宝塚劇場公演『エンジェリックライ』『Jubilee(ジュビリー)』が終盤に差し掛かっているころですが、今回は宝塚大劇場公演の千秋楽のことからお話ししたいと思います!

 宝塚大劇場公演を千秋楽までお届けすることができてうれしかったですし、立場が変わって、体調管理はもちろん舞台のクオリティをきちんと保ったまま公演をお届けし続けられるのかということも課題だと思っていたので、緊張感を保ったまま最後まで走り抜けられて、とてもホッとしました。

 当日は、退団者の方を送り出す気持ちはいつもと変わらないとはいえ、千秋楽のご挨拶やカーテンコールでお話しする時間があるということにドキドキしていました。そしてこの公演自体が花組にとっての新しいスタートであり、卒業される方にとっての最後でもあるという"出会い"と"別れ"が両立していたので、そういう思いを伝えられたらいいなと思っていました。ただ、立場が変わって初めての宝塚大劇場千秋楽に緊張して寂しさや悲しさを感じる余裕がないのかなとも思っていましたが、やはり同期の顔を見たりしたら、胸に込み上げてくるものがありました。

 そしてカチャさん(凪七瑠海)のさよならショーでは、共演させていただいた全国ツアー公演『激情』の楽曲を一緒に歌わせていただくことができて、すごくうれしかったです。あかり(綺城ひか理)のソロ曲も舞台袖から観るために急いで着替えたりして、同期の退団ということで楽屋でカメラを回したり写真を撮ったり、他組の同期が集まったり、気持ちも忙しい1日となりましたが、退団者の方々を無事お見送りすることができて、とても安心しました。

退団される3人の方々との思い出……。

永久輝せあ 今月のメッセージ  カチャさんとは、雪組公演『壬生義士伝』『Music Revolution!』で初めてご一緒させていただきました。オフでも食事に行ったり楽しい時間を過ごさせていただき、元号が平成から令和に変わる瞬間も一緒にカウントダウンをしたりして……(笑)。すごく思い出に残っています。
 そんなとてもお世話になった方だったので、一昨年の全国ツアー公演『激情』『GRAND MIRAGE!』のご出演はとても心強かったです。カチャさんは周囲を笑わせたり和ませてくださる楽しい方で、全国ツアー公演初主演ということに不安を感じていた私だけでなく、出演者の皆をその明るさとお優しさで解してくださって、本当に助けていただきました。その感謝は絶対に、一生忘れないと思います。

 宝塚の生徒として根本的な、一番大切にすべきことを体現されているところをとても尊敬していますし、たくさんのことを学ばせていただきました。私自身が宝塚に対して思うこと、男役に懸ける思いとも通じるものがありますし、何より宝塚を愛していつまでも憧れを抱いて大切に思っていらっしゃるということを感じます。そんなカチャさんの集大成、宝塚での最後の舞台をご一緒できることはとても光栄ですし、そのお姿を間近で拝見できることが幸せです。

 あかりは宝塚音楽学校時代からとても大事な仲の良い同期でしたが、入団後、新人公演などで同じ経験をしたことで共有できることも多く、さらに仲良くなった気がします。そして花組で一緒になると、違う組にいたときには知らなかった部分がお互いに見えてきたことで、より深く関係を築くことができました。そんなあかりのことをまるっと全部知ったうえで見送れること、いま一緒にいられるありがたさをすごく実感していますし、一緒の組で同じ作品に向かっていくなかで頼ったり頼られたり、助けたり助けられたりすることはとても特別なことだったのだなと感じています。

 以前から、似たような価値観を持っていると感じていましたが、一緒にお芝居を作っていると、舞台がどう見えているか、どういう風に持っていくべきかということをきちんと捉えて毎公演提示できる底力みたいなものがすごいなと感じます。毎公演その1回しか観られない方もいらっしゃるなか、どの方にも平等に公演をお届けする責任が私たちにはあると思っていて、そういう面でもあかりにはすごく通じるものがありますし、一緒にお芝居していて安定感と安心感がすごくある。人のことをよく見てキャッチしてくださる方なので、ちょっとした違和感までお互いに感じ合うことができますし、些細なことまで意識しながらお芝居できる相手というのは、とても貴重な存在だな、と。『鴛鴦歌合戦』や前作の『ドン・ジュアン』もそうでしたが、今作は特に谷 貴矢先生が同期という設定で作ってくださったためか、いい意味でぶれないでいてくれるあかりのことを本当に心強く感じています。

 かわべ(泉まいら)は、花組に来る前に劇団の廊下で少し話したことがあり、すごく感じの良い子だなと思ったことを覚えています。花組に来てからも近い学年の1人でもあり、とても親しみやすい子なので声を掛けやすかったですし、打ち解けやすい雰囲気を作ってくれてすごく救われました。誰に対しても朗らかで周りを明るく和ませてくれますし、人が気付かないところでバランスを取って空気を変えてくれる、気配りもできる人。そんな朗らかな人柄が舞台にも出ていて、芝居でも踊りでも歌でも温かさがにじみ出ているかわべの舞台姿がすごく好きでした。残念ながら小劇場公演では別チームになることが多かったのですが、だからこそ客席から舞台を観ることができて、『舞姫』や『Liefie(リーフィー)-愛しい人-』、『はいからさんが通る』の新人公演も印象に残っています。芝居心もすごく感じられますし、茶目っ気もあって魅力的な男役さんだなといつも思っていました。

お芝居、レビューともに、より高みを目指して。

『エンジェリックライ』のお稽古中から宝塚大劇場公演の前半くらいまでは、嘘を封じられたアザゼルが正直になったことによって広がっていく関係性を大切に、楽しんでお届けすることに一生懸命でしたが、後半くらいからこの物語を一歩引いて捉えられるようになりました。
 嘘つきだった彼が無責任にごまかしてついていた嘘から、人のための嘘、愛ゆえの嘘、誰かのための、誰かを思うがゆえの嘘をつけるようになる。人間と出会い、正直でいることの大切さを知りながらも、嘘を止めて正直者になるのではなくもう一度嘘をついて物語が終わるのが、この作品のお洒落で面白いところなのではないか、と。そして、『エンジェリックライ』=天使の嘘、「ホラロマン」というのは、そういった嘘のことなのかもしれないと感じるようになりました。東京宝塚劇場公演に向けたお稽古でのブラッシュアップを経て公演が始まり、タイトルの意味をより実感しながら演じることができるようになりました。

『Jubilee(ジュビリー)』は、東京宝塚劇場公演に向けてのお稽古場で久しぶりに作品を観たときに、お稽古場からはみ出そうなぐらいのエネルギーがありました! 若手の場面も含め、すべての場面が舞台サイズになっていて、こんなにもみんなのエネルギーが大きくなっていたことに感動しましたし、毎公演上を目指して作ってきたんだなということを感じることができました。東京宝塚劇場公演でも、花組一丸となってお届けしていきたいです!

2025年に大切したいこと。

 2024年は立場が変わり、これまでとの感覚の違いに戸惑うこともありましたが、初日を迎えて大きな拍手をいただいたりしたことで、これまで以上に周りの方々の温かさを感じることができました。自分1人では舞台はできないということも改めて強く実感したので、2025年は周囲の人と生み出すことの大切さ、人とのつながりをより大事にしたいなと思っています。

 花組は3月には博多座公演と宝塚バウホールに分かれての公演、そして6月からはゲームを原作とした大劇場公演が控えています。チャレンジすること、変わらないものを大事にすること、そして毎公演、より良いものをお届けすることももちろん必要ですが、今作の宝塚大劇場公演のときに、毎日をひたすら積み重ねることの大切さを感じました。2025年は、一日一日をちゃんと踏みしめて積み重ね続けることを大切に歩んでいきたいです!

※このメッセージは、12/16(月)のものです。

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テーマ:「好きな鍋料理」

  • ◎『もつ鍋』

    下級生時代、もつ鍋を食べる集まりがあり(笑)、お稽古後などによくメンバーで食べに行っていました! 塩味やしょうゆ味などがありますが、皆さんは何味がお好きですか? 私は、大きな声では言えませんが(笑)、休みの前日にしか食べられないような王道のみそ味が好きです。博多座公演では、ぜひ本場のもつ鍋を食べに行きたいです!
  • ◎『トマト鍋』

    寮生活だった音楽学校時代、えり(海乃美月)となな(沙羅アンナ)の部屋に毎週のようにトマト鍋を食べに行っていたこともありました(笑)。ほうれん草やソーセージの入ったトマト鍋を作ってくれて、すごくおいしかったですね。それ以来大好きで、いまも一番頻繁に登場する鍋料理がトマト鍋。自分でもたまに作ってみたり、急に食べたくなってデリバリーすることもあります。
  • ◎『薬膳鍋』

    いろいろな種類の漢方薬やスパイスが入った薬膳鍋。以前、少し体調が思わしくないときに養生鍋のような感じで食べ始めて、効き目があったような気がします! ナツメやクコノミなど体に良さそうなスパイスが入っている、薬膳鍋キットみたいなものもありますよね。火鍋でも辛くないものもあるので、おいしいお店を探して行ってみたいなと思っているところです。