今月の永久輝せあ

今月のメッセージ

これまでとは違う感覚で演じるシャンドール役。

永久輝せあ 今月のメッセージ  このメッセージがアップされるころには、花組博多座公演『マジシャンの憂鬱』『Jubilee』が千秋楽を迎えていると思います。ご観劇いただいた皆様、ありがとうございました!

『マジシャンの憂鬱』で演じるシャンドールは、これまでいただいた役とは違った難しさがあり、お稽古中はとにかく毎日必死でした。シャンドールは自ら動くというよりも、予想外の展開や周囲の人に巻き込まれていくので、彼の感情がどこにあるのかが最初はなかなかつかめなくて・・・・・・。私自身は、物事や相手に飛び込んでいって自分の気持ちを丸ごと動かすタイプなので、シャンドールの自ら積極的に飛び込んでいかない部分や塩梅が難しいな、と。作・演出の正塚晴彦先生からは「気楽にやって」とおっしゃっていただいたのですが、ついつい力んでしまいたくなる。でもこの物語に至るまでの、シャンドールがマジックを始めたきっかけや生い立ちをお伺いすると、なかなかドラマチックな人生を送ってきて、いろいろな経験をしている。だからこそ生まれる余裕や客観性みたいなものが必要なんだな、と感じました。

 そうやって遠回りしながら試行錯誤している最中に迎えた初日だったので、実はすごく不安でした。つい手応えや達成感を求めてしまいたくなるのですが、マジシャンという特殊な職業の人が持つ雰囲気や底知れなさというのはこういう感じなのかなと、いまは徐々に感じられるようになりました。シャンドールは一歩引いて世の中を見ていて、いろいろな経験を経ているからこそ、予想外のことが起こっても慌てない。ある意味適当な物事の捉え方や感覚を持つ、人生なるようになると生きてきた人だと思うと、演じていても肩の力が抜けて、正塚先生がおっしゃるように“気楽”になりました。芝居や普段の舞台への感覚も少し変わり、新たな臨み方を見つけたような気もしています。

ほかの役とシャンドールの関係性は⋯⋯。

永久輝せあ 今月のメッセージ  正塚先生からはお稽古の最後に、面白おかしくやろうとするのではなく、実際にその役の人物がそこにいて、本当にそういうことを言うだろうということを大切にしてほしいというお言葉をいただきました。面白い場面、会話はたくさんあるのですが、真剣に演じているからこそ生まれる面白さもあるのかもしれません。

 ほのかちゃん(聖乃あすか)演じる皇太子・ボルディジャールは、稽古場からもうすでに面白かったです(笑)。これまでほのかちゃんがあまり演じてきていないような役だと思いますが、普段のほのかちゃんの人の良さや勢いの良さが役に合っていてハマり役! ほのかちゃん自身も、ボルディジャールとしても生き生きとしていて、魅力的だな、と。ボルディジャールの行動すべてがかわいらしいなと感じますし、シャンドールとしても心動かされるものがある。彼の真っすぐさ、皇太子妃・マレークヘの愛を貫く姿がシャンドールを少しずつ変化させていくのかなと思います。

 シャンドールの家に居候しているメンバーとは、何度もお稽古しました。それぞれのキャラクターが本当にいそうで、誰ともキャラクターがかぶっていないという絶妙なバランスが素敵。当初は、なぜ彼らを居候させているのかと疑問でした。シャンドールは実は寂しいのか、1人が嫌なのか、どういう意味があって居候させているのかと考えていましたが、「自由」というものへの感覚が似通った人たちなのかな、と。だから一緒にいてシャンドールの“憂鬱”も紛れるような気がしますし、お互いに執着も依存もしていなくて、違和感なく集える関係性というのが面白い。いいチームでありながら、シャンドールが変わっていくさまを見ることでみんなも変わっていく側面もあるのかなと感じています。

 そして、ヴェロニカを演じるみさきちゃん(星空美咲)とは、これまで激しい愛を描いた作品が多かったので、2人の爽やかで風のような恋というのは、新鮮で楽しいです。どうしようもなく求めるわけでも、かっこつけて無理をするわけでもなく、居心地のいいスタンスでいられる関係性が不思議で面白い。その心地のいい空気感を大切にしています。

 専科からご出演の高翔みず希さん、凛城きらさんの存在は本当に心強く、いてくださるだけで安心感があります。やることが多く大変なお稽古場ではありましたが、和やかな空気にしてくださいました。みんながいい方にまとまっていけたのも、お2人のお優しさ、存在があったからだなと、とても感謝しています。

お客様と一緒に盛り上がることができる『Jubilee』。

 博多座は3階席まである大きな劇場ですが、舞台と客席の距離がとても近く感じます。博多座バージョンの『Jubilee』は客席降りをする場面が増えたこともあり、お客様と一緒の空間にいることを実感できて、ともに盛り上がっている感覚で毎日とても楽しいです。それに、今作は高翔さんと凛城さんが導く祝祭という構成になっているので、お祝い感、華やかな印象がより強くなっているように感じます。

 なかでも印象的なのは「Secret Garden(秘密の祝祭)」で客席降りをすること。その前に、ほのかちゃんたち男役3人が女の子をハントするつもりが、逆にハントされてしまうという場面「Girl Hunt(あの子を探して)」があるのですが、実はそこからつながっているシーンなのです。大劇場バージョンではお客様が秘密の花園を覗いているような感じだったのが、今回客席降りをすることによって、男役たちが客席の皆様をハントするような感覚もあり、この空間も秘密の花園なのだなと感じられて楽しいです。

 そしてフィナーレの黒燕尾の場面は、男役としてすごく幸せだなと改めて感じます。宝塚大劇場、東京宝塚劇場と演じてきたことが自信にもつながっていますし、特にデュエットダンスでは『マジシャンの憂鬱』を経たことで私自身の心の持ち方が違うのか、博多座という劇場の力、土地柄なのか、さらに自由に踊れているような感覚です。
 博多座は歴史と品格のある劇場で、その重みが素敵だなと思いますし、今回の2作品にとても合っているのではないかなと感じています。

博多、満喫しています!

 先月、博多で絶対に食べたいものを挙げましたが、順調に満喫しています(笑)。ゴマサバや鉄鍋餃子を早速食べましたし、みんなでもつ鍋、餃子、焼き鳥を食べに行く日もすでに計画されています! どのお店に入ってもおいしくて、おかげさまで元気に過ごしています。

 先日は太宰府天満宮に行ってきました。ちょうど季節を迎えていた梅もきれいで、かわいらしい梅の実のお守りを買ったり、梅ヶ枝餅をいただいたり・・・・・・。おみくじも大吉を引きました! 現在、御本殿の大改修が行われていて仮殿だったのですが、それも貴重な経験でしたし、屋根に緑が生えている様子も見ることができて、いい空気を吸ってリフレッシュできました。

新ビジュアルもお楽しみいただけたらうれしいです。

 先日から新看板になっていますが、皆様、ご覧いただけましたでしょうか? 
 空港や駅看板はブルーの爽やかな衣装、宝塚大劇場や東京宝塚劇場の看板はまた違った写真になる予定です。ぜひ楽しみにしていただけたらと思います。

 今回の撮影ではシャボン玉が飛んでいたり、紙吹雪が舞ったりしていて、小道具がたくさん登場しとても楽しかったです。6回目の撮影と思うと本当に幸せだなと感じますし、昔のカレンダーと見比べると顔つきが少しは大人になったのかなと思ったり(笑)。衣装もハツラツとしたものから大人っぽい雰囲気のものまでいろいろとチャレンジさせていただき、毎回楽しく撮影させていただいています。
 このホームページもトップページなどのビジュアルが一新され、毎月カレンダー写真も更新されているので、ぜひ皆様、チェックしていただけたらうれしいです!

※このメッセージは、3/18(火)のものです。
※当ページ内に誤りがございました。謹んでお詫び申し上げますとともに訂正し、再度アップいたしました。


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テーマ:「博多といえば⋯⋯」

  • ◎『博多座』

    まずはなんといっても博多座! 今回訪れてびっくりしたのは、大型ビジョンがあるということ。自分が映っているということがいまだに信じられないですが、いつか私も写真を撮りたいと思っています(笑)。階段も『Jubilee』仕様になっていたり、周辺のお店もポスターを貼って一緒に盛り上げてくださっている温かな雰囲気が、すごくうれしいです。
  • ◎『グルメ』

    博多では何を食べてもおいしく、公演の活力になってくれています! 海鮮も種類豊富で、ゴマサバもゴマだれや甘いしょうゆベースのたれなど、お店によって違いを楽しめたり。博多出身の子がリサーチしておいしい店リストを作ってくれたので、それを見ながら「ここに行ってみたい」と計画したりして。後悔のないように、食べ尽くしたいと思います(笑)!
  • ◎『景観』

    博多は都会で栄えている街ですが、そのなかにも川が流れていたり、大きな公園があったりして、自然が近くに存在しているということが素敵だな、と。宝塚市にも通ずるものがあるような感じがして、落ち着きます。大きな池のある大濠公園や、博多祇園山笠が奉納される櫛田神社も近くにあるので、ぜひ行ってみたいと思っています!