今月の永久輝せあ
今月のメッセージ
ゲームを原作とした作品。

『悪魔城ドラキュラ』は、ゴシックホラー・アクションゲーム「悪魔城ドラキュラ」シリーズを原作としたミュージカル。そのなかでも今作は「悪魔城ドラキュラⅩ 月下の夜想曲」の物語とキャラクターを基にしつつも、シリーズ内のほかのゲームやアニメなどいろいろな要素を凝縮させた、宝塚ならではの作品になっています。
ゲームが多くの人々に愛される理由の1つに、テーマの深さがあるのではないかと感じています。「悪魔城ドラキュラ」シリーズも、キャラクターやビジュアルのかっこよさはもちろんですが、人間らしさや家族愛、純愛など深いテーマが盛り込まれているのが魅力だと思いますし、今作も脚本・演出の鈴木圭先生がそんなテーマ性を舞台化に向けてより掘り下げて描いてくださっています。それに加えて、LEDパネルを駆使したエンターテインメント性もあり、お芝居が目の前で繰り広げられる舞台ならではの迫力を存分に楽しんでいただけるかと思います。
私自身、子供のころに兄と一緒にファミコンで「マリオブラザーズ」をやったりしていたので、ゲームというものにはすごく親しみがあります。いろいろなゲームのキャラクターが戦う対戦アクションゲーム「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」も好きだったのですが、そのなかに今作で私が演じるアルカードも“アシストフィギュア”として出てくると最近知って、かなりアツかったです(笑)。そんな夢が詰まった人気キャラクターを演じることができ、とても光栄です。
今作はゲーム好きの方にも、アツい!と感じていただける要素もたくさんあると思います。幕開きはゲーム「悪魔城ドラキュラⅩ 月下の夜想曲」と同じ展開と音楽で始まりますし、キャラクターのモチーフ曲がBGMで使われていたり、有名なせりふもかなり盛り込まれているので、原作のファンの方にはいろいろと発見して楽しんでいただきたいです! また、ゲームをご存じない方にも世界観を楽しんでいただけるような、面白いエンタメ作品になっていますので、さまざまな方にご観劇いただけたらうれしいです!
ヴァンパイアと人間の血が流れる、アルカード。

また、今回のオリジナルとして18世紀フランスが舞台となっていて、魔物たちがフランス革命時の人々の争いや多くの死者のエネルギーを利用してドラキュラを蘇らせたことで、物語が動き始めます。
アルカードは結果的に人間を守る行動を取ってはいても、それは母の遺言をただ守っているだけで、人間にそれほどの価値があるのかと疑問を持っています。でも自分の中に流れるヴァンパイアの血は恨めしいし、かといって人間のことも理解できずに、「その狭間にいる俺は何者なのだろう」と感じている。
そんなアルカードは、やがて母が残した愛に気づいていきます。人間を襲うこと=ヴァンパイアがすることなので、それを阻止することで父を留まらせることが、母の愛なのではないかな、と。そんな母や父を理解し、そして自分が何者なのかということを知っていくお話なのかなと思っています。
これまで、漫画を原作とした作品に何度か出演させていただきました。そのたびに原作キャラクターのビジュアルや世界観を大切にしながら作っていくことも心がけてきましたが、人物を深掘りしていくのは原作物でもオリジナルでも同じだと感じています。今作でも「悪魔城ドラキュラ」について理解を深めて、原作のテイストやそのキャラクターらしいビジュアルを身にまといつつも、心情の動きや関係性などお芝居をきちんと作っていくことで、舞台でお届けする意味を表すことができたらなと思っています。
ファンタジーが浮き彫りにする人間らしさ。
アルカードのほかにも、みさきちゃん(星空美咲)演じるヴァンパイア・ハンターのマリア、ほのかちゃん(聖乃あすか)演じる代々ドラキュラを討伐する一族のリヒター・ベルモンドなど、ゲームに出てくるさまざまなキャラクターが登場します。
アルカードはマリアに出会って人間に対する見方や考えが変わっていきますが、不老不死のアルカードと命に限りがある人間のマリアが、果たしてどうなっていくのか。マリアを通して、母と父を本当の意味で理解することにもつながっていくのかなと思います。
ドラキュラや魔物などが登場するファンタジーというのは、「人間とは何か」ということも同時に浮き彫りになると感じています。『エンジェリックライ』もそうでしたが、人間の愚かさや弱さ、そして強さや素晴らしさをお客様にお伝えできることが、こういった架空の世界を描く作品の魅力ではないかな、と。『エンジェリックライ』で天使を演じていた人が魔物になったり、私のように半ヴァンパイア半人間の青年になったりするのも宝塚歌劇ならでは! 私たち自身も楽しんで、お客様にも面白い物語だと感じていただけるように、お稽古で深めていきたいと思っています。
そして、最後のボスであるドラキュラ伯爵の前にいろいろなボスが立ちはだかるので、そのたびに戦いのシーンがあります。皆様に楽しんでいただけるように、立ち回りのお稽古も頑張ります!
アルカードはマリアに出会って人間に対する見方や考えが変わっていきますが、不老不死のアルカードと命に限りがある人間のマリアが、果たしてどうなっていくのか。マリアを通して、母と父を本当の意味で理解することにもつながっていくのかなと思います。
ドラキュラや魔物などが登場するファンタジーというのは、「人間とは何か」ということも同時に浮き彫りになると感じています。『エンジェリックライ』もそうでしたが、人間の愚かさや弱さ、そして強さや素晴らしさをお客様にお伝えできることが、こういった架空の世界を描く作品の魅力ではないかな、と。『エンジェリックライ』で天使を演じていた人が魔物になったり、私のように半ヴァンパイア半人間の青年になったりするのも宝塚歌劇ならでは! 私たち自身も楽しんで、お客様にも面白い物語だと感じていただけるように、お稽古で深めていきたいと思っています。
そして、最後のボスであるドラキュラ伯爵の前にいろいろなボスが立ちはだかるので、そのたびに戦いのシーンがあります。皆様に楽しんでいただけるように、立ち回りのお稽古も頑張ります!
有名なシーンのオマージュも楽しみです。
『愛, Love Revue!』は、作・演出の岡田敬二先生によるロマンチック・レビューシリーズの第23弾となる作品です。ボレロの熱いシーンやダンディズムを感じさせる場面、男役、女役の大人っぽいシーン、ロマンチック・レビューらしい華やかな場面など、盛りだくさん。音楽もいろいろなジャンルのアレンジがあるので、ワクワクしています。なかでも、’90年に初演された名作『ル・ポアゾン 愛の媚薬』の有名なシーンのオマージュがあり、男役冥利に尽きる場面になるかと思うので、とても楽しみにしています! また次回、そんなレビューのお話をできたらと思います。
ゲームのミュージカル化である作品とロマンチック・レビューの2本立ては、宝塚の魅力の1つである幅広さを存分に感じていただけるのではないかと思いますので、楽しんでご覧いただけたらうれしいです!
※このメッセージは、5/16(金)のものです。
ゲームのミュージカル化である作品とロマンチック・レビューの2本立ては、宝塚の魅力の1つである幅広さを存分に感じていただけるのではないかと思いますので、楽しんでご覧いただけたらうれしいです!
※このメッセージは、5/16(金)のものです。

