今月の永久輝せあ

今月のメッセージ

東京宝塚劇場公演、開幕いたしました!

永久輝せあ 今月のメッセージ  花組東京宝塚劇場公演『悪魔城ドラキュラ』~月下の覚醒~『愛, Love Revue!』が8月16日に開幕いたしました。皆様、劇場でお待ちしております!

 宝塚大劇場公演の千秋楽以来、東京宝塚劇場公演に向けてのお稽古で久しぶりに両作品の世界に帰ってきましたが、宝塚大劇場で公演してきたことが体にしっかり刻み込まれていたんだなということを、実感しました。

『悪魔城ドラキュラ』は、宝塚大劇場公演が始まった当初、原作のゲームらしいテンポ感のなかでどう気持ちを動かしていくかを探りながら演じていたり、お客様をいかに引っ張っていくかということをすごく意識していました。そういう力みや公演を重ねるごとに増していくエネルギーが、アルカードのクールさを上回ってしまっていないかと、東京宝塚劇場公演に向けて再確認。脚本・演出の鈴木圭先生からアドバイスをいただきながら、アルカードの無愛想さやクールさを今一度見直しているところです。 いまなら宝塚大劇場公演で得たものを生かして、テンポ感を持ったまま冷たさや落ち着いた雰囲気を出せるのではないかなと思っています。

 いま、アルカードを演じていて大切にしているキーワードは「希望」です。お芝居の序盤で、「月の調べ」という楽曲で「自分の運命とは何か」と月に問いかけるシーンがあります。そして終盤になって、悪魔城に向かう前に主題歌「月下の覚醒」を歌うとき、「マリアを救えるならば、私の運命を希望に変えよう」というせりふがあります。プロローグの「月下の覚醒」や「月の調べ」を歌ったときは、アルカードは自分が存在し続けている意味やこの先の未来というものに何の希望も感じていなかったと思うんです。それがマリアとの出会いを経て、父の思い、母から託されたもの、そして自分の存在意義に気付いたときに、未来に希望が感じられるようになったのかな、と。東京宝塚劇場公演で演じてみて改めて強く感じましたし、それに伴って最後のシーンの雰囲気が少し柔らかくなったような気がしています。

「月下の覚醒」と「月の調べ」 は吉田優子先生が作曲されたオリジナル曲なのですが、初めて聞いたときに、とてもすてきな曲で感動しました。さまざまなシーンでBGMとして使われているゲームの楽曲の雰囲気ともすごく合っていて、大好きです。ゲームの楽曲のなかでは、マリアを演じるみさきちゃん(星空美咲)と歌う「失われた彩画」は音の動きが激しくとても難しいのですが、原作ファンの方にすごく人気の曲のようなので、心を込めて歌っています。

こだわりのお衣装、メイク、立ち回り・・・・・・。

永久輝せあ 今月のメッセージ  お衣装にも先生方のこだわりが詰まっています! ポスターになっているお衣装は、ゲームのアルカードのお衣装を再現したいという鈴木先生、お衣装部さん、小道具さんの原作への愛をすごく感じます。ゲーム同様、悪魔城で戦うときはこのお衣装で、シャツやベスト、ジャケット、マントと着込み、手袋もしてロングブーツ、というかなりフル装備ではあるのですが、舞台用に衿の高さやベストの厚み、上着やマントの長さなど、負担が少なくなるようにたくさんの方が工夫してくださったので本当に感謝しています。

 メイクも、CHIHARUさんの監修のもと、メインに玉虫色のアイシャドーを使い、角度によって見え方が変わるようにこだわっています。これまでもショーで鮮やかな色を使うことはありましたが、今回のようにまぶた全体的にのせるのは初めて。カツラやお衣装のボリュームに合わせて、まつげも普段よりも濃くふさふさで長いものを付けています。
 肌の色は、人間とヴァンパイアの血が入っているということで、普段よりは白い地色です。でも『エンジェリックライ』の天使アザゼルのほうが、実は白かったんですよ! アルカードは人間の血も入っているので、まゆぽんさん(輝月ゆうま)演じるドラキュラ伯爵やコウモリ、ヴァンパイアよりも白くないんです。
 メイクもお衣装もいろいろな方がお力を尽くして作り込んでくださったその思いに助けられ、それだけでもすっと役に入ることができるような気がします。

 立ち回りは、数々の映画に関わってこられた諸鍛冶裕太先生に付けていただきました。これまでよりも長い剣を使うのでなかなか苦戦しましたが、いろいろな“ボス”と戦うということで、多くの人とお芝居で関わることができて私自身はとてもうれしいです。お稽古場からどのボスの役の子とも必ず反省会をして一人ひとりと言葉を交わし、「今日はここが良かったね」「もう少しこの部分を合わせようか」と。それが作品にとって良いエネルギーになったので、立ち回りのシーンが多く大変な部分はありますが、とてもいい経験になっています。

充実のレビュー。

『愛, Love Revue!』のなかで東京宝塚劇場公演に向けて少しニュアンスが変わったのが、「追憶の唄」の場面。宝塚大劇場公演では、いなくなってしまった仲間を思う寂しく悲しい色が強かったのですが、先生から新しくアドバイスをいただき、仲間と一緒に戦っていたころの喜びや前向きな気持ちみたいなものが濃くなりました。 最後は1人になって孤独を感じることは変わらないのですが、振付も少し変わったりしたので、また違った気持ちで踊ることができて新鮮です。

 そして「熱愛のボレロ」は、少しずつ自分のなかで見直し、いろいろなチャレンジをしていこうと思っている場面です。東京宝塚劇場公演前のお稽古で久しぶりに演じたときに、宝塚大劇場での経験を一番感じたシーンでした。集中と覚悟のいる場面だと感じて向き合い続け、一度もその覚悟を持たなかった日はなかったな、と。それが自分の血肉になっていることを感じられて、すごくうれしかったです。東京宝塚劇場公演では、もっと広い空間を感じたり、違う色を出してみたり工夫してみようと思っています。

「Bad Power」も、公演を重ねてきたことと、もう一度稽古場で先生に見ていただきブラッシュアップできたことが力になっていると思うので、みんなでさらに気合いを入れて臨みたいと思っています。この場面ではジャケットからポケットチーフを出して匂いをかぐ振付があり、先生が「香水は気付け薬だよ」とおっしゃていたので、自分自身の気分が上がるお気に入りの香水を3本、日替わりで少しポケットチーフに振っています!

 花組東京宝塚劇場公演、どうぞよろしくお願いいたします!

今作で退団されるお2人について。

 東京宝塚劇場公演の千秋楽で、羽立光来さんと翼杏寿さんのお2人が退団されます。

 びっくさん(羽立)とは『うたかたの恋』では叔父と甥という関係性でしたし、小劇場でもご一緒する機会が多く、とてもお世話になりました。3月の博多座公演『マジシャンの憂鬱』では、私が演じるシャンドールの家に居候するメンバーを演じられていて、空気感やテンポ感をみんなで話し合ったりしたことがすごく楽しく、特に思い出深いです。
 とてもきちんとされている方なのですごく信頼していますし、公演にまつわるいろいろなことを導いてくださる方という印象があります。私のこともすごく気にかけて助けてくださるので、本当に感謝しています。そんなお兄さん的存在でありながら、ご本人はお茶目でかわいらしいところもあって、とても魅力的な方。ずっと花組にいらっしゃった最上級生で、いらしていただけるだけで心強かったので、びっくさんが退団されてしまうのはすごく寂しいです。

 あんちゃん(翼)とは、不思議なご縁があり・・・・・・兄同士が同級生なんです! 兄の同級生の妹さんが入団して花組にいるということで、前から知っていました。私が花組生として最初に出演した『DANCE OLYMPIA』であんちゃんを観て、「男役として踊ることが大好きなんだな」と感じたことを覚えています。男らしい男役さんという印象ですが、中身はかわいらしい人で、男役をやっていることへの愛情、舞台が好きだということを強く感じました。今回もコウモリとして近くで踊ったり立ち回りで手を交えたりできて、とてもうれしく思っています。

※このメッセージは、8/19(火)のものです。

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テーマ:「好きな麺料理」

  • ◎『担々麺』

    ラーメンが大好きで定期的に食べたくなるのですが、麺料理のなかでは特に担々麺が好きです。山椒の風味が好きなこともあり、無性に食べたくなるときがあります。ラーメンのなかでも、醤油味のようなシンプルなものよりも、担々麺や豚骨ラーメンを食べに行くことのほうが多いですね。皆さんはいかがですか?
  • ◎『鴨南蛮そば』

    「宝塚おとめ」にも一時期好きな食べ物に挙げていたくらいの大好物です! おそば、時々食べたくなるときがありませんか? 私は、ざるそばよりも“温かいおそば派”。なかでもメニューにあったら、ついつい選んでしまうのが鴨南蛮そば。そもそも鴨肉が好きですし、だしと鴨の相性もすごくいいので、大好きです。
  • ◎『ナポリタン』

    昔、劇団内の食堂にあったナポリタンがすごくおいしくて、大好きだったんです。ピーマンやソーセージが入ったシンプルなナポリタンで、まろやかな味でした。いまでもたまに食べたくなるので、喫茶店のナポリタン風のものを家でもよく作っています。麺と絡める直前に白ワインを少し足すのがこだわりです。