今月の永久輝せあ
今月のメッセージ
知盛や平家一門にとっての清盛の存在。
現在上演中の花組宝塚大劇場公演『蒼月抄(そうげつしょう)』-平家終焉の契り- 『EL DESEO(エル・デセーオ)』。劇場にお越しくださっている皆様、ありがとうございます。
『蒼月抄』は平安時代末期の平家一門の物語で、私は平清盛の息子・知盛を演じています。
先月も少しお話ししましたが、一門にとっても、知盛にとっても、大きな存在である父・清盛。清盛というと野心家というイメージがあると思いますが、今作では戦によって権力を掌握することだけが目的なのではなく、“平家が真に目指す世の形”を信じる真っすぐさや、“外つ国”に憧れを抱く純粋さがある。そういう部分が知盛が清盛を敬愛する理由の1つでもありますし、知盛自身も父が作りたかった世をずっと信じてきました。
清盛の意志を1番継いでいるといわれている知盛は「父のようになりたい」「父が目指した世を作り上げたい」という気持ちを強く持っています。ですが父亡き後、次第に憧れていたものが自分のなかで変化していったり、「信じてきたものの先に未来があるのか」という葛藤もあり、物語のなかで父を象徴する“月”が自分をじっと見ているような感覚を抱くようにもなる。今回、背景に月が浮かんでいる演出があるのですが、場面を追うごとに月が欠けていくのも見どころです。その月とともに平家が滅びゆくなか、知盛がどういう心の道筋を辿っていくのかというところも、合わせて感じていただけたらうれしいです。
清盛は専科の英真なおきさんが演じられています。一昨年の『ドン・ジュアン』でも父親役を演じてくださっていたので、お稽古初日からすぐに親子役に入り込むことができました。舞台にいてくださるだけで場面が締まりますし、一言発する時の説得力がすごく、まさに清盛そのものです!
3兄弟、そして従兄弟も含めた平家一門の関係性。
平家は一門の皆が仲良く、つながりが濃い。意見の食い違いはあれど、兄弟間や従兄弟間で野心のぶつかり合いや嫉妬を抱かないところが面白く、兄弟間で諍いが起こる源氏とは大きく違うところです。だから知盛も「清盛の最愛の子」といわれて育っても、野心家の部分はあまりないのではと思っています。父亡き後、棟梁となったはなこ(一之瀬航季)演じる兄・宗盛は意志が弱いところがありますが兄として尊重していますし、ほのかちゃん(聖乃あすか)演じる弟・重衡と3人で平家の世を守ろうという意識を強く持っています。それは3人の兄弟の真ん中という立ち位置もあるかもしれません。
しんちゃん(極美慎)演じる従兄弟の教経は、知盛を慕って付いてきてくれる人で、共に戦う右腕でもある。武士の信念をしっかり持ってこの物語に存在してくれていて、知盛にとってとても頼りになる、かつ一緒にいると気楽なところもある、大事な存在です。
みさきちゃん(星空美咲)演じる明子に、「清盛がいなくなったら船頭のいない船も同然で、平家は行く手を見失う」と言われた通り、清盛を失った平家一門は大きくぐらつきます。物語中盤で、戦いを避けて和睦を進めようとする重衡と意見が食い違うシーンもあり、平家を守りたい気持ちは一緒ですが、そのために何をしたらいいかという考えや価値観が皆少しずつ違う。バラバラになりかけた平家一門がそこからどのようになっていくのかというところも、今作の面白いところだなと思います。
明子は、史実でも壇ノ浦の戦いでは死なずに生き延びた女性。今作は明子と後高倉上皇が語り継ぐような形で描かれていて、平家の終焉を見届けて後世に残していく役割を担っています。もともとは平家を恨んでいた公家の娘でしたが、知盛の人となりや夢に触れ、人生を共にしてくれます。知盛は最後まで側室を持たなかったというくらい明子と仲が良く、同志のような感覚。そして最期には自分の思いを明子に託すように、心の奥深くのところでつながっている関係性だと思います。
私としては、今回“誰かと自分”の2人の関係より、“誰かと誰かと自分”という3人の構図に重点を置いていて、そう捉えるとより深くこの物語の面白さを感じることができる気がします!
太刀での立ち回りや、狩衣での所作。
今作では、南都焼討や、一ノ谷の戦い、壇ノ浦の戦いなど、迫力ある立ち回りのシーンもあります。平安時代が舞台なので、武器は日本刀ではなく太刀。雪組バウ公演『義経妖狐夢幻桜(よしつねようこむげんざくら)』以来の太刀を使った本格的な殺陣なので、お稽古が始まる前はドキドキしていました。
衣装も、ポスターで着ているような狩衣が初めてなので、最初は着こなしや所作に慣れない部分がありました。振付の尾上菊之丞先生に所作だけでなく、武家と公家の価値観の違いなど、たくさんおうかがいして勉強させていただきました。
これまでさまざまな日本物に出演させていただきましたが、平安時代を舞台にした正統派の日本物作品は初めてです。お客様にも、この美しい作品を楽しんでいただけたらうれしいです。
衣装も、ポスターで着ているような狩衣が初めてなので、最初は着こなしや所作に慣れない部分がありました。振付の尾上菊之丞先生に所作だけでなく、武家と公家の価値観の違いなど、たくさんおうかがいして勉強させていただきました。
これまでさまざまな日本物に出演させていただきましたが、平安時代を舞台にした正統派の日本物作品は初めてです。お客様にも、この美しい作品を楽しんでいただけたらうれしいです。
血が1・5倍濃くなる!? ラテンショー。
『EL DESEO(エル・デセーオ)』は、『冬霞の巴里』でお世話になった指田珠子先生の作・演出作品。私にとって大切な『冬霞の巴里』をご一緒させていただいたという信頼はすごく大きく、いつか先生のショーに出るのが夢だったので、それが叶ってとてもうれしいです。
少し毒っ気のあるプロローグをはじめ、どの場面も独特な雰囲気がありますし、「ベサメ・ムーチョ」や「エル・クンバンチェロ」など有名なラテンの曲にも新しいアレンジが施されたりしていて、指田先生らしくて素敵だなと感じています。
ラテンショーは、好きな男役が多いと思いますが・・・・・・私もいつもとはまた違うスイッチが入って、1・5倍血が濃くなったような感覚(笑)。自然とテンションが上がりますし、知らない自分に出会える気がします。これまでに出演したラテンショーも思い出深い作品ばかりで、初めてのラテンショーだった『La Esmeralda』も、「これこそラテン!」というこだわりを感じた『Gato Bonito!!』も大好きでした。
花組としては『Cool Beast!!』以来のラテンショー!! お稽古場から皆が楽しそうに挑んでいました。お芝居の『蒼月抄』とは全然違う熱さのショーなので、お客様にも楽しんでいただけるのではないかなと思っています。
皆様、劇場でお待ちしております!
※このメッセージは、2/15(日)のものです。
少し毒っ気のあるプロローグをはじめ、どの場面も独特な雰囲気がありますし、「ベサメ・ムーチョ」や「エル・クンバンチェロ」など有名なラテンの曲にも新しいアレンジが施されたりしていて、指田先生らしくて素敵だなと感じています。
ラテンショーは、好きな男役が多いと思いますが・・・・・・私もいつもとはまた違うスイッチが入って、1・5倍血が濃くなったような感覚(笑)。自然とテンションが上がりますし、知らない自分に出会える気がします。これまでに出演したラテンショーも思い出深い作品ばかりで、初めてのラテンショーだった『La Esmeralda』も、「これこそラテン!」というこだわりを感じた『Gato Bonito!!』も大好きでした。
花組としては『Cool Beast!!』以来のラテンショー!! お稽古場から皆が楽しそうに挑んでいました。お芝居の『蒼月抄』とは全然違う熱さのショーなので、お客様にも楽しんでいただけるのではないかなと思っています。
皆様、劇場でお待ちしております!
※このメッセージは、2/15(日)のものです。




