今月の永久輝せあ
今月のメッセージ
ウィーンを訪れて感じたこと。
次回の花組公演、三井住友VISAカード ミュージカル『エリザベートー愛と死の輪舞(ロンド)ー』が10月17日(土)に開幕いたします。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
まずは先日、みさきちゃん(星空美咲)とともにお仕事で訪れたウィーンのことからお話ししたいと思います! シェーンブルン宮殿とホーフブルク宮殿は、2年前に訪問して以来2度目だったのですが、今回は現地のガイドの方が一緒にいて詳しく説明してくださいましたし、どういうものが展示されているとわかったうえで冷静にもう一度見られたことでより理解が深まりました。
ガイドさんから教えていただいたのですが、王家の方たちは乗馬をするたびに新しい靴を新調していたようです。でもシシィ(エリザベート)はそれが嫌で、自分に合った靴を作って長く履いていたみたいで、そのブーツが展示されていて、すごく考え方が現代的で共感できるな、と。いまでは普通でも、当時はすごく新しい感覚だったと思いますし、モダンな人だなという印象を受けました。フランツの部屋には子供のものよりも多くシシィの写真が飾ってあり、愛妻家だったのだなと感じました。
シシィは、物語では「ミルク風呂に入っている」というように描写されますが、贅沢好きだったというよりも、こだわりが強かったということではないかな、と。遠い存在ではありますが、人となりみたいなものが感じられて親近感を持てたような気がしました。
その後は新作ミュージカル『マリア・テレジア ーザ・ミュージカルー』を観たり、郊外に足を伸ばしてルドルフが亡くなったマイヤーリンク、シシィとフランツが新婚時代を過ごしたラクセンブルク宮殿にも行きました。
ウィーンで上演されていた『マリア・テレジア』は、とても現代的な作品でした。衣装の色使いが鮮やかで、膝丈スカートなどデザインもモダン、ウィッグも斬新でした。何よりも、ラップで物語が進んでいくことがすごく面白かったです! 私たちにとってハプスブルク家とはエリザベートやフランツのほうが身近ですが、ウィーンの方々にとって、マリア・テレジアはとても偉大で大切な存在だということも感じることができ、もっと知りたいなと思いました。
マイヤーリンクはルドルフが亡くなった場所なので、トートもそこにもいたはず・・・・・・と思い、行ってきました。ルドルフの死のイメージから、暗い雰囲気を想像していましたが、すごくのどかな景色で爽やかな気持ちのいい場所でした。当時の別荘が教会になっていて、ルドルフの死で悲しみにくれたシシィが寄贈したとされる、心臓にナイフが刺さったマリア像が印象的でした。ほかにも関連する展示があり、お葬式の絵や当時の新聞、ルドルフが使用したものと同タイプの銃が置いてあったりして鳥肌が立ちました。
ラクセンブルク宮殿は庭園の中にあり、シシィが「私だけに」を歌った場所なのかなと思いながら回りました。こうしてゆかりの場所を実際に訪れることで、シシィやフランツは「ここを歩いたのかな」「この橋を渡ったのかな」と想像しながら歩くことができたので、今後作品と向き合うなかで少しでも活かせたらいいなと思っています。
深いテーマの難しいミュージカル。
『エリザベート』は、1996年に雪組で初演されて以来、宝塚歌劇でたびたび再演されてきました。私が初めて『エリザベート』に出合ったのは、春野寿美礼さん主演の2002年花組公演。それまでも好きで観ていましたが、この作品を観たことで宝塚の世界に憧れを持ち始め、受験を考えるきっかけとなりました。ただただ美しく神秘的な世界、綺麗な衣装とナンバーの数々に夢中になりましたし、春野さんのトートもすごく素敵で、何度も映像を見返していました。入団後は、自分のやるべきことに必死でなかなか観劇の機会がなかったのですが、 2016年の朝夏まなとさん主演の宙組公演を初めて生で観劇して、「ついに観られた!」という感動がありました。
東宝版『エリザベート』は、昨年のぞさん(望海風斗)がエリザベートをされていたときに何度か観劇しました。トート役の方が替わると作品全体の見え方が異なりましたし、演者さんによって役の捉え方も表現も違って素敵だなという印象でした。
東宝版は、ウィーン版と同じくエリザベートを軸に彼女が何を求めていたのかということが描かれていて、宝塚版とは受けるイメージがまったく違う。コルフ島でハイネの詩を読みながらお父さんの霊に「パパみたいになれない」と歌うシーンなど、宝塚版にはない場面も好きでしたし、シシィの描かれ方もより詳しいぶん、「こういうことだったのか」と腑に落ちることがあったりして、勉強になりました。
ファン時代に観ていたときに、「まだ自分にはわからないな」と感じるシーンもあり、その謎を解きたいという気持ちがずっとありました。いま時を経て改めて観てみると、謎が解けたところもありますし、深すぎてまだわかりきらないところもあるという感覚。考えれば考えるほど、描かれているものがすごく深いですし、難しいミュージカルだなと思います。
すぐ側にいるトートの存在。
お稽古初日の本読みは、楽曲なしで"活字だけを読む"というスタイルで行われました。潤色・演出の小池修一郎先生によると外部では歌が入った本読みを行うこともあるらしく、文字だけを追うことはなかなかないことのようです。歌詞も、メロディがなく文字だけで読むと受ける印象が違い、物語の流れが明確になりました。
トートという役を捉えるにあたり、大きな経験だったなと感じているのが、以前ドイツ・ドレスデンのゼンパーオーパーで観た『エリザベート』のシェーンブルン版。まず作品全体のことをお伝えしますと・・・・・・オーケストラの皆さんが舞台上にいて、階段と額縁だけというシンプルなセットで、背景はプロジェクションマッピングという構成でした。コンサートを聞く感じなのかなと思っていたら全然そんなことはなく、華美な装飾がなくても人と人との間に確実にドラマが起きているのが伝わり、のめり込んで観てしまうくらい大感動しました!
そのシェーンブルン版に登場したトートが、最初から最後まで王子様のような真っ白な衣装を着て、クリクリとした髪の毛で美しいエンジェルのような方だったんです! 演出を手掛けていたのが、昨年上演した『Goethe!』のドイツ・オリジナル版の演出家の方だったので、お会いするチャンスがあったときに「なぜ白い衣装だったのか」と勇気を出してお伺いしました。特別な深い意味があったわけではないらしいのですが、黒い衣装で恐ろしい印象だったトートのイメージが自分のなかで大きく変わりました。
まるで天使のようにいつでもすぐ側にいて、甘くささやくように歌われていたり、"冷たい"感じではなく"甘い"印象だったのが衝撃的でした。もちろん宝塚版では、恐ろしいイメージを与える役割もあるとは思うのですが、そのときに感じたことも参考に、これから役作りをしていけたらと思っています。
トートという役を捉えるにあたり、大きな経験だったなと感じているのが、以前ドイツ・ドレスデンのゼンパーオーパーで観た『エリザベート』のシェーンブルン版。まず作品全体のことをお伝えしますと・・・・・・オーケストラの皆さんが舞台上にいて、階段と額縁だけというシンプルなセットで、背景はプロジェクションマッピングという構成でした。コンサートを聞く感じなのかなと思っていたら全然そんなことはなく、華美な装飾がなくても人と人との間に確実にドラマが起きているのが伝わり、のめり込んで観てしまうくらい大感動しました!
そのシェーンブルン版に登場したトートが、最初から最後まで王子様のような真っ白な衣装を着て、クリクリとした髪の毛で美しいエンジェルのような方だったんです! 演出を手掛けていたのが、昨年上演した『Goethe!』のドイツ・オリジナル版の演出家の方だったので、お会いするチャンスがあったときに「なぜ白い衣装だったのか」と勇気を出してお伺いしました。特別な深い意味があったわけではないらしいのですが、黒い衣装で恐ろしい印象だったトートのイメージが自分のなかで大きく変わりました。
まるで天使のようにいつでもすぐ側にいて、甘くささやくように歌われていたり、"冷たい"感じではなく"甘い"印象だったのが衝撃的でした。もちろん宝塚版では、恐ろしいイメージを与える役割もあるとは思うのですが、そのときに感じたことも参考に、これから役作りをしていけたらと思っています。
貴重な前夜祭での経験。
先日、『エリザベートー愛と死の輪舞(ロンド)ー』の前夜祭が行われました。花組生に加えて、2014年花組公演に主演された明日海りおさん、蘭乃はなさんをゲストにお迎えして、楽曲やトークをお届けしました。
明日海さんと蘭乃さんが「私が踊る時」を、明日海さんお1人で「愛と死の輪舞」を歌ってくださり、この作品を経験することでしか得られない、まるで体内にそのお役の血が流れているようなお姿に、本当に感動しました。
私は「闇が広がる」を役替わりでルドルフを演じる、だいや(侑輝大弥)とらいと(希波らいと)と3人で披露させていただきました。本公演では2人のルドルフと同じ舞台に立つことはないので、貴重な機会だなと思いましたし、まだお稽古は2幕に入っていないので、これから2人のルドルフと向き合うことがとても楽しみになりました。
「最後のダンス」は黒天使のみんなとパフォーマンスしました。黒天使はトートの側にずっといる大切な存在です。みんながこちらに送るエネルギーも感じ、とても心強かったです。
ほかにも、みさきちゃんがソロで「私だけに」を歌ったり、ほのかちゃん(聖乃あすか)と一緒に「嵐も怖くない」をデュエットしたり、しんちゃん(極美慎)も「キッチュ」を披露しました。
その後は、明日海さん、蘭乃さんとともにトーク。たくさんのお話ができて、これからもっと役と向き合うためのパワーをいただけたような気がしています。
宝塚大劇場公演に先立ってパフォーマンスするということで、開演前はとても緊張しましたが、前夜祭という貴重な機会をいただき感謝しています。お客さまがこの作品に期待する思いの強さをひしひしと感じましたので、より集中して初日までお稽古を重ねていきたいと強く思いました。
※このメッセージは、9/18(金)のものです。
明日海さんと蘭乃さんが「私が踊る時」を、明日海さんお1人で「愛と死の輪舞」を歌ってくださり、この作品を経験することでしか得られない、まるで体内にそのお役の血が流れているようなお姿に、本当に感動しました。
私は「闇が広がる」を役替わりでルドルフを演じる、だいや(侑輝大弥)とらいと(希波らいと)と3人で披露させていただきました。本公演では2人のルドルフと同じ舞台に立つことはないので、貴重な機会だなと思いましたし、まだお稽古は2幕に入っていないので、これから2人のルドルフと向き合うことがとても楽しみになりました。
「最後のダンス」は黒天使のみんなとパフォーマンスしました。黒天使はトートの側にずっといる大切な存在です。みんながこちらに送るエネルギーも感じ、とても心強かったです。
ほかにも、みさきちゃんがソロで「私だけに」を歌ったり、ほのかちゃん(聖乃あすか)と一緒に「嵐も怖くない」をデュエットしたり、しんちゃん(極美慎)も「キッチュ」を披露しました。
その後は、明日海さん、蘭乃さんとともにトーク。たくさんのお話ができて、これからもっと役と向き合うためのパワーをいただけたような気がしています。
宝塚大劇場公演に先立ってパフォーマンスするということで、開演前はとても緊張しましたが、前夜祭という貴重な機会をいただき感謝しています。お客さまがこの作品に期待する思いの強さをひしひしと感じましたので、より集中して初日までお稽古を重ねていきたいと強く思いました。
※このメッセージは、9/18(金)のものです。




