永久輝せあコーナー

今月のメッセージ

劇場でお客様にお会いできることを楽しみにしています。

永久輝せあ 今月のメッセージ  先日、花組公演『はいからさんが通る』が7月17日から上演されることが発表になりました。率直に、舞台に立てることがとてもうれしいです。先の見えない状況で生活していたので、日程が決まったことはとても安心感があります。中止になった舞台も多いなか、公演させていただける幸せを実感しています。

 同時に、こんなにも長く舞台に立たない時間を過ごしたことがなかったので……。自由にお稽古ができず、人前に立つことのない生活でしたので、いざタカラジェンヌとしてのスイッチを入れるということに、少し緊張しています。宝塚は本当に華やかな世界。きれいなお衣装を着て、舞台化粧をして美しい舞台に立つことがいかに特別なことか。そういうことを考えたりして、自分と向き合う時間となりました。

 この期間を経たことで視野が広がり、いろいろなことに新鮮に向き合うことができ、新たな気持ちに気付けるのではと感じています。お客様にお会いできるのを楽しみに、お稽古に励みたいです。

体作りと自炊で、より健康になりました!

 公演再開に向けての体作りのため、歌やダンスの少人数ずつのレッスンが始まりました。やはり、広い空間で体を動かすのは楽しい! バーレッスンが中心のバレエ、日替わりでさまざまなジャンルを踊るモダンダンスなど、公演のお稽古とはまた違う、ダンススキルを上げるレッスンは、音楽学校時代に戻ったかのようで懐かしいです(笑)。

 先月もお話ししましたが、自粛期間中もメニューを自分で決め、毎日体を動かしていました。以前の公演でお世話になった先生のオンライン・ダンスレッスンを受講したり、腹筋強化のために動画サイトを観ながら筋トレしたり……。同期や組の仲間内でオススメ動画の情報を交換。「毎日続ける3分の腹筋」や「ノリノリのヒップメイク」など(笑)、楽しく続けられました。筋トレで体も少し変わったような気がしますし、パフォーマンスの向上につながったらいいなと思っています。こうして体を鍛えたりし続けてこられたのも、舞台に立ちたいから。舞台のために生きているのだなと、改めて実感しました。

 自炊も続けています。アプリや気に入ったレシピ本を参考にしながら、これまではあまり使わなかった魚介類にもチャレンジ。アクアパッツァやボンゴレビアンコがおいしかったです(笑)。料理は好きなので休日によく作っていましたが、きちんと毎食自炊したことで、より健康になったような気がします。

昔から踊ることが大好きです。

永久輝せあ 今月のメッセージ  先月はお芝居のお話でしたので、今回はダンスについてお話ししたいと思います。
 私は幼少期からバレエを習っていて、オーレリー・デュポンさんというパリ・オベラ座のエトワールの方が大好きでした。誕生日に自分でチケットを買って、パリ・オペラ座バレエの日本公演を1人で観に行ったほど、憧れていました!
 そして中学、高校ではダンス部に所属。初めてジャズダンスやヒップホップを踊りました。生徒がすべて選曲、振付をしていて、『ライオンキング』『オペラ座の怪人』『ムーラン・ルージュ』など、ミュージカルの曲もそこで初めて知りました。なかでも印象に残っているのが、ミュージカル『コンタクト』の楽曲「Simply Irresistible」。かっこいい先輩に憧れて猛練習したので、いまでも踊れるくらいです(笑)。

憧れの大浦みずきさんの“男役のダンス”。

 入団後は、 “男役”であることを大事にしているので、“男役のダンス”を研究したい気持ちが何よりも強いです。人前で踊ることだけではなく、いかに個性を出すか、どう踊るかも問われるようになったので、単純に楽しむだけではない厳しさも感じています。

「男役のダンスとは」と問われると難しいですが、男役の踊りの見せ方は男性が踊るダンスとも違い、肩や腰の角度やライン、使い方も特殊だなと思います。振付だけを踊るのではなく、男役というフィルターを通して、いかに踊るかという感覚です。

 尊敬している方は、大浦みずきさん。衣装を着るとお稽古場のように自由には踊れないのですが、まったくそれを感じさせないくらい、のびやかで美しい。どうやったらああいう風に踊れるのだろうかと、映像を観るたびに感じます。色香があって大人っぽく、軽やかにステップを踏まれる……。踊り手としても、男役としても、すべてに憧れます!

 以前、大浦さんと同じ時代を過ごされた御織ゆみ乃先生が「なつめさん(大浦みずき)の素晴らしいところは、“男役のダンス”をご自分で作り上げたところ」とおっしゃっていました。男役のダンスは上級生の真似をするところから始まりますが、最終地点はその先。自分のオリジナリティを追求していくことが大切だと、教えていただきました。

たくさんいる憧れの方、印象的なナンバーは……。

 ほかにも憧れの方はいっぱいいます! まず、瀬奈じゅんさんのダンスがとてもかっこよく、特に肩の使い方が大好きです。この場面の、ここの動きが好きというマニアックなポイントがたくさん(笑)。蘭寿とむさんにも影響を受けました。入団1年目の組まわりの際、一緒に踊ってくださったフィナーレナンバーで、音の取り方、空気の動かし方が衝撃的でした。
 のぞさん(望海風斗)も、本当にすごいです。「ここにこの音があるから、その音を感じて踊る」とおっしゃっていても、私にはなかなかその“音”が聞こえなくて……。ダンスの技術だけでなく、音楽性、感性も素晴らしいです!
 柚香光さんのダンスも大好きです。すごくしなやかなのに、力強い。腰や肩の角度も素敵で、男役さん!という感じで憧れます。いつもお稽古場で拝見するたびに、かっこいい……と(笑)。勉強させていただいています。

 自分が出演した作品で印象的なのは、『Music Revolution!』のカノンの場面。組替えを控えていたこともあり、「青春」らしさを感じるナンバーで特別な場面となりました。『DANCE OLYMPIA』も、ものすごく濃い時間だったので、どれも思い入れがあって印象深いです。なかでも、フラメンコの場面。空き時間を見付けては皆で何度も練習し、組替えして間もない私にとって、メンバーの団結力を感じられた大切な時間でした。
 こうやって皆でそろえて踊る場面や黒燕尾の群舞の場合、手の角度や体の向きを決めるのももちろん大事ですが、皆が同じ気持ちになると、自然とタイミングや空気までそろう。そう思うと、ダンスも内面からの表現なのだと感じます。

 かつて『Shall we ダンス?』に出演した際も社交ダンスを習いに行きましたし、公演に関わるダンスにはいつも興味が湧いてしまい、レッスンに通うことも多いです。いまは『DANCE OLYMPIA』で経験したフラメンコとストリートダンスにとても興味がありますね。

千秋楽まで確実にスキルアップしたい。

 お芝居、歌も同じですが、大劇場公演は1カ月以上続くので、ダンスも千秋楽まで確実にスキルアップしていたい。「この曲はこの動きを意識しよう」「次は腕の使い方に気をつけてみよう」など、日々目標や課題を持って取り組むようにしています。

『はいからさんが通る』のフィナーレでは、軍服と黒燕尾の2バージョンがありますので、踊り方や表現を変えてお見せしたいです。軍服は肩回りの動きが制限されるなか、いかに力強く踊るのか。燕尾はラインが大切なので、衣装の先まで体だと思って踊れたらと思います。振り返った角度で、中に着ている白ベストの色の見え方も変わってきてしまいますし、こだわりを持って研究していきたいです。

※このメッセージは、6/16(火)のものです。

テーマ:好きなダンスシーン

  • ◎「モンマルトルのカフェ」

    1986年の花組公演『メモアール・ド・パリ』の一場面で、尊敬している大浦みずきさんが出演されているシーンです。宝塚ファンの皆様のなかではとても有名なダンス場面だと思います。カフェを舞台に男女が踊るのですが、とてもおしゃれでかっこいい!! のぞさんも以前、バウ・ワークショップ公演でこの場面を踊られていて、とても素敵でした。
  • ◎「花の愛」

    春野寿美礼さん主演の2007年の花組公演『ラブ・シンフォニー』の一場面です。真飛聖さんが花盗人という役で、ピンクの衣装を着た華やかな娘役さんたちと一緒に踊られるのですが、すごく美しいんです。真飛さんのファンだったこともあり、娘役さんたちに囲まれた真飛さんという構図がとても好きで、印象に残っています。
  • ◎「ベルダデロ・アモル」(真実の愛)

    2012年に上演された花組公演『CONGA(コンガ)!!』の一場面です。ラテンをテーマにした黒塗りのレビューなのですが、そのなかでも巨大な蘭の花の中央で踊る、蘭寿とむさん、蘭乃はなさんのダンス場面がすごく印象的でした。幻想的なシーンでのお2人の雰囲気が素敵で、とても美しかったです。