永久輝せあコーナー

今月のメッセージ

新生花組が始動する大切な公演『はいからさんが通る』。

永久輝せあ 今月のメッセージ  3月13日に開幕予定だった花組公演『はいからさんが通る』は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、初日から長期にわたって公演が中止となりました。今作は、柚香光さんとはなちゃん(華優希)のトップコンビ大劇場お披露目というとても大切な公演で、私にとっても花組大劇場公演デビュー作なので、すごく楽しみにしていました。
 しかし、現状ではなかなか上演の運びとならず、お客様のみならず私たち出演者もとても残念な思いでいます。

 このメッセージが更新されるときにどうなっているかはわからないのですが、ご観劇を心待ちにしてくださっている皆様の前に立ち、お客様と一緒に舞台を上演できることを楽しみにしています。
 私もマスクを着用したり、手洗いやうがいなどをいつも以上に徹底しながら、過ごしています。どうぞ皆様も、お気を付けてお過ごしくださいませ。

台本には描かれていない背景も役作りに生かしたい。

『はいからさんが通る』では、柚香さんが演じられる伊集院忍さんの親友役、高屋敷要役を演じさせていただきます。原作の漫画などでは、「怪傑ライオン丸」というあだ名を持つ人物ですが、そのイメージは今作でも踏襲されていて、髪型などを参考にさせていただきました。今回、花組大劇場バージョンとして新たに描かれている部分も多いので、原作だけでなくさまざまな本を参考に役作りしています。

 お稽古が始まった当初、この物語のなかでの高屋敷の役割がつかむことができず、苦労しました。そこで、脚本・演出の小柳奈穂子先生にご相談したところ、大正時代の純文学の本や資料を貸してくださいました。
 夏目漱石や芥川龍之介の作品を読んで、作家である高屋敷の頭の中を想像したり、自分でも詩を書いてみたり……。大正時代の破天荒な作家といわれる、押川春浪という方の伝記を読んで、高屋敷との共通点を探したりもしました。そうして、『はいからさんが通る』から派生していろいろな世界を脳内旅行している最中です。いまもまだ4冊を掛け持ちで読んでいて、公演が始まっても続けたいなと思っています。

 物語のなかだけで考えると、伊集院さんとの関係性のみに目がいきがちですが、それだけではなく、彼の人生を作ってきた人との関係性、台本には描かれていない背景も役作りに取り入れていければと思います。

『はいからさんが通る』は、高屋敷要が描いた世界。

 自分の殻を破ることは毎公演必要なことですが、なかなか持っている引き出しのなかでしか演じることができないのが難しいところです。今回、先生から「新しい引き出しを作るのではなく、開けたことのない引き出しを開けるのだよ」とアドバイスをいただきました。

 花組生となって初めてのお芝居作品ということで緊張して、誰よりも周りを気にしない役どころにも関わらず、誰よりも周りを気にしてしまっていたのかもしれません。そういうなかで、どう引き出しを開けるのか、それが一番の課題だと感じてお稽古に臨んでいました。

 先ほど挙げたような、読んだことのない本を手に取ることで、得るものも大きかったです。そして、自分が迷っていると、いつまで経っても引き出しが開かないのかな、と。自分が正解だと思うことを、100%信じる勇気を持つことが大事だと気付いたとき、少しだけ何かが変わった気がしました。初日が開けてからも、どんどん迷うことなく引き出しを開けていけたらいいなと思います。

 高屋敷は、自分の信念を貫こうとしている人。自分の作品が認められなくてもめげない強さがありますし、こういう人はいなさそうで、どこかにいるような感覚もある、不思議な人。豪快な部分もありながら、小説を書くロマンチストな部分もあり、そういうところが伊集院さんとも似ているのかもしれません。花組大劇場バージョンでは、『はいからさんが通る』という作品は高屋敷が書いた、という設定になっています。大正時代にこの物語を書く高屋敷とはどういう人物なのか、高屋敷から見た伊集院さん、紅緒さんとは……。そして、親友が一番大切にしている紅緒さんに対して、自分はどうあるべきなのか。作家としても親友としても、全体を通して捉える必要があるのかなと感じています。

柚香さん演じる伊集院さんは、漫画から抜け出してきたかのよう!!

永久輝せあ 今月のメッセージ  柚香さん演じる伊集院さんは、こんな親友がいたら誇らしいだろうなと思うくらい、本当に素敵です。ここまで密にお芝居させていただくのは初めてですが、お芝居をするときに大切にしたいことが一緒のような感覚があります。
 柚香さんにとって二度目となる伊集院さんに高屋敷としてどう寄り添うのか、どのように存在すればいいのかと考えながら、お稽古を重ねてきました。

 伊集院さんと高屋敷は、親友という間柄であっても、高屋敷は周りを全然気にしない自由な人ですが、伊集院さんは自分よりも相手の気持ちを大切にされる方。まったく真逆の人物で個性も全然違うけれど、2人でいると何かが噛み合う。そんなバディのような存在になれたらいいなと思っています。柚香さんからは「なんでもやってくれて大丈夫だから」とおっしゃっていただき、畏れ多くも肩を組んでみたり、私なりのチャレンジをしています。
 先生からは、高屋敷がいることで、普段見せない伊集院さんの魅力が出るといいね、と。伊集院さんが生き生きして見えるような存在になることが理想です。そして、正反対な人物である2人の掛け合いが、1幕と2幕でどう変わっていくかというところも注目していただけたらと思います。

 紅緒さんを演じるはなちゃんは、かわいくて、かわいくてたまらない(笑)。お稽古場にもんぺのアンサンブルを着てきたときのかわいさといったら……。掛け合いのお芝居はほんの一瞬しかないですが、はなちゃんを見ていると、元気をもらえる気がします。

 今作は、令和という新しい時代に私たちが、これからどう生きていくのか。大事なのは何かを思い出していただける、素敵な作品だと思います。ご覧になる方が幸せになれるような物語ですので、ぜひ皆様もお楽しみになさってくださいね。

※このメッセージは、3/18(水)のものです。
※『永久輝せあコーナー/今月のメッセージ』次回更新は、新型コロナウイルスの感染拡大防止の影響により、6月以降の予定です。

テーマ:リラックスのための必需品

  • ◎ソファー

    大のお気に入りのアイテムです。奥行きがあり、横幅もワイドな1人掛けタイプのカーキ色のソファー。コーデュロイ素材でふかふかしていて、すごくリラックスできます。座ると気が抜けてしまうので、やるべきことをすべて終えてから、座る(笑)。お休みの前日など、ソファーに寝そべってリラックスしています。
  • ◎入浴剤

    お風呂に入って温まる時に欠かせないのが、入浴剤。なかでもバスオイルが好きで、お気に入りの香りはセージです。セージには浄化の作用があるということで、アロマとして焚くこともあります。バスオイルのなかでは珍しい香りかと思うのですが、とても気に入っています。
  • ◎こだわりの寝室

    睡眠が大事だと思うので、よく眠れる環境を作りたくて、寝室にはすごくこだわっています。まず、なるべくシンプルに、物を置かないようにしています。時々お花を飾ることもありますが、基本的には絵が3点あるだけ。キャンドルを点したり、アロマスプレーを振って、良い香りの空間を作るようにしています。