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親だけが、子育てを担う必要があるの?
今日は、三井住友カード「“for good”をキャンペーンで」における2023年3月から1年間の寄付先団体のフローレンス代表理事である赤坂さんとノーベル代表理事の高さんにいろいろとお話を伺いたいと思います。まず、それぞれの団体のビジョンについてお話いただけますか。
- 赤坂さん
フローレンスは、みんなで子どもたちを抱きしめ、子育てとともに何でも挑戦でき、いろんな家族の笑顔があふれる社会」というビジョンを掲げています。
当初、フローレンスは病児保育の問題から始まった団体ですが、その後、待機児童問題に直面して保育園事業を始めたり、医療的ケアが必要な障害児のお子さんを持つ家族の「仕事を辞めざるを得ない」という課題に直面して障害児保育を始めたりというように事業を広げてきました。
■病児保育とは
病児保育とは、子どもが病気やけがで保育園や小学校に行けないとき、仕事などを休むことができない家族(保護者)に代わって一時的に子どもを預かって保育をすることをいいます。
こういった背景を通じて、子育てって、別に親だけが担わなくていいと思うようになりました。いろんな家族の形があるなかで、親が必ずしもすべての子育てを担うべきなのではなくて、社会全体で子育てをしていこうというビジョンを掲げています。
孤独な子育てから精神的に不安定になったり、虐待死の問題であったり、誰にも頼れないまま家庭が貧困に陥っているという状況があります。それは、親がすべての責任を負わざるを得ない構造になってしまっていることが原因だと強く思っています。
フローレンスは保育事業から始まった団体ですが、いまはその「閉じた構造からの孤立」を防ぐために「こども宅食」という事業も開始しました。いわゆる貧困問題への取り組みでもありますが、寄付で食材をいただいて、家庭に配付して、そこからつながりをつくっていくというものです。