冠協賛公演特別コーナー
三井住友VISAミュージカル「エリザベート」ー愛と死の論舞(ロンド)ー
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これまでの協賛公演
潤色・演出 小池修一郎 氏 『エリザベート』ー愛と死の輪舞(ロンド)ー 潤色・演出 小池修一郎 氏
 

 初日を迎え、私自身久しぶりの『エリザベート』の舞台でしたので改めて懐かしく、かつ楽しみに観ました。トートの彩輝直は、類い稀な個性や魅力をふんだんにもっていますが、それをうまく表現していましたし、迫力がありましたね。宝塚歌劇ならではの美しくも哀しい、哀愁を帯びたようなトートであると思います。

 エリザベートの瀬奈じゅんも、内面の繊細さに加えて地に足のついた女性を非常に明確に出していると感じました。男役がエリザベート役を演じるのは初めてですが、何者にも服従しない女性像に男役の強さが投影されていると思いますね。
 フランツの初風緑も、豊かなキャリアで皇帝の人間性をうまく表現しています。ルキーニの霧矢大夢は、これまでは比較的元気なキャラクターが多かったのですが、鬱屈とした表現に挑戦している。これからもっと凄みを増していくと思いますね。大空祐飛のルドルフも、悩める皇太子像をしっかりもち、伝えています。

 '96年に初演してから4度上演し、今回の月組公演で5度目。微調整しながら上演してきましたが、音楽に乗ってシチュエーションが展開していく流れは、宝塚歌劇ならではの華麗な魅力が生かせるのではないかと思いますね。この作品は全部で40場面あり、演出する側としては、はっきり言って大変です(笑)。でもその大変さが、演出するうえでの醍醐味。何度上演しても、出演者が変われば浮かびあがる面が違うので、その都度新しい発見がありますね。

 ドラマチックなエリザベートの人生が軸にあり、1人ひとりのキャラクターがどこかでエリザベートと繋がっている。それは、民衆でもそう。そのことをどのくらい浮かび上がらせるか、立体感を出せるかが重要ですが、個性をもった生徒がそろう月組のいいところが生かされていると感じます。何回か公演を重ねていくうちに、表現したいことがもっと形になってくる。習熟していく過程が面白いので、みんなで楽しんで山を登れれば、と。
 観に来ていただける方がどういう風に感じるのか、これからの反応をおそるおそる、かつ楽しみに待ちたいと思います。

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