爽快感のある冒険活劇が好きなので、「三銃士」は大好きな作品です。男同士の友情、誰かのために敵を倒すという王道のストーリーですが、ダルタニアンと三銃士が並んだ絵面はとても素敵で、それぞれのキャラクターも個性的。今作は、そんな物語をベースに小池修一郎先生が書き下ろしてくださった新作です。友情、人との繋がりが濃く描かれると思いますし、主題歌も希望に満ちあふれていて、聴いているだけでワクワクします。これまで小池先生には、200%の力で立ち向かわないと乗り越えられない壁を、たくさん与えていただきました。トップとなって2作目となる今作で、新たに挑戦できることがとてもうれしいです。
ダルタニアンは、エネルギッシュで躍動感のあるイメージ。田舎で育った青年なので、独特の大らかさが出せたらいいな、と。前作では背伸びして作るような役柄だったのですが、今回は等身大の自分に近いところで作っていけるのではないかと思っています。そして、今回はちゃぴ(愛希れいか)がルイ14世役を演じるので、これまでにない2人の関係性が描かれると思います。具体的には観てのお楽しみ……(笑)ですが、ファンタジーの要素もかなり盛り込まれているので、初めて宝塚をご覧になる方でもわかりやすく、入りやすい話の流れになっていると思います。
仲間の三銃士との関係もどう描かれるのか、楽しみです。るりさん(美弥るりか)がもっていらっしゃる空気感、色気、繊細なお芝居は、アラミス役にぴったり。そしてアトス役のとしさん(宇月 颯)は、生命力あふれる普段の雰囲気とは違う、内で炎を燃やす冷静沈着な役柄。新たな一面を拝見できるのではと思っています。そしてポルトス役のアリ(暁 千星)は、明るさとエネルギー溢れる感じがぴったりですが、力強さを舞台上で表現することは難しいので、どう見せてくれるのか期待しています。
いま月組は、下級生にいたるまで、エネルギーの発散の仕方がわかってきたように感じます。1人ひとりがどう表現するのかという意識がもっと浸透していけば、今作にもいい影響を与えると思います。月城という新しい風を吹き込んでくれる仲間も増え、そして専科の沙央くらまさんとともに、皆で一丸となって挑みたいです。“All for One、One for All”の精神で、皆の幸せを勝ち取るために頑張るという強いメッセージをお届けしたいです。
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