経費精算のプロセス・システムを刷新!
新コーポレートカード導入で業務効率化を実現

デジタル総合戦略部 参与:石黒太郎さん、コーポレートDX第一室:福澤隆成さん

左から、石黒さん、福澤さん

三井物産株式会社

デジタル総合戦略部 

参与:石黒太郎さん

コーポレートDX第一室:福澤隆成さん

導入ソリューション

三井住友コーポレートカード

導入前の課題

導入効果

コロナ禍を経て定着したリモートワークに対応し、出社を前提とした経費精算プロセスから脱却する必要があった

経費精算プロセスをConcur標準的な使い方に変更し、ペーパレス化を実現

現金立替や個人カードを経費に利用するケースが多く、精算データが手入力だったため、正確性の確認や修正に業務負荷が掛かっていた

法人カードの利用徹底により、精算申請作業の「効率性」と「正確性」を改善。経理側のチェックや差戻しの工数も削減。

総合商社の多角的な事業展開において真に役立つソリューションの提供

石黒さん:総合商社である当社は、金属資源、エネルギー、機械・インフラ、化学品、鉄鋼製品、生活産業、次世代・機能推進などの各分野において、全世界に広がる事業拠点とその情報力を活用し、多種多様な商品の売買、製造、輸送、ファイナンスなどの各種事業を多角的に行っております。現在、国内外の63カ国・地域に129の事業拠点を展開しており、世界各地で多くの従業員が活動しています。

2020年に「DX総合戦略」を発表し、デジタル技術の活用を通じたビジネス革新に取り組んでいます。商品知識、ビジネス知見、営業力、物流機能、法務、人事、プロダクトマネジメントなど、あらゆる側面から業務オペレーションを改善することにより、生産性の改善、売上の向上、そして、ビジネスモデルの変革・創出によって新たな価値を産み出すことを目標に掲げています。歴史と伝統のある総合商社であると同時に、多様な側面から新たなチャレンジを続けている当社は、今後も社会課題の解決に貢献し、成長を続けていくことを目指していきます。

海外出張時の法人カードのカバレッジや、紙の書類による経費申請プロセス、多額の個人の立替払いなどが課題に

海外出張時の法人カードのカバレッジや、紙の書類による経費申請プロセス、多額の個人の立替払いなどが課題に

石黒さん: DX総合戦略の一環として「ペーパレス化・モバイル化などを含む出張・経費精算業務の効率化」を実現するために決済用法人カードの刷新を検討しました。

ここ数年はコロナ禍の影響で出張そのものが難しい状況ではありましたが、我々デジタル総合戦略部としては、アフターコロナを見据えた働き方やビジネスの進め方の変化を踏まえ、経費精算のプロセス・システムを統一・標準化することが不可欠であると考えました。また、中期経営計画で定めた方針の一つ「抜本的生産性の向上」を実現するためにも、従業員の経費精算におけるすべてのしくみを刷新し、最適化を目指すことにしたのです。

これまで当社では、2種類の法人カードを導入しておりましたが、海外出張時のカバレッジの課題や法人カード利用が徹底されていない実態がありました。

海外出張時の法人カードのカバレッジや、紙の書類による経費申請プロセス、多額の個人の立替払いなどが課題に

福澤さん:これまでの従業員の経費精算申請には自社開発したエクセルベースのツールを利用していました。従業員は経費データをエクセルに手入力し、申請書をプリントアウトした上で、領収書などの証憑(しょうひょう)を貼った書類と合わせてバックオフィスに送付することが必要だったのです。

総合商社の仕事では、出張や会食などが頻繁に発生します。従業員はその度に、煩雑なプロセスで経費精算処理をしなくてはならず、作業負荷は大きいものでした。また、紙の書類が大量に発生することに加え、それらの書類をバックオフィスで取りまとめ、経理作業を委託しているBPOセンターに郵送するという工数も掛かっていたのです。さらに、テレワークが推進される中、「出社しなくては経費精算処理ができない」という点も大きな課題となっていました。

課題

  • 海外経費と国内経費、2種類の法人カードが存在し、利用率が低かった
  • 経費精算プロセスが煩雑で、従業員の負担になっていた
  • 紙書類の利用を前提にした経費精算プロセスは、ペーパレス化が進む時代にマッチせず、コロナ禍でテレワークが推進されても経費精算のために出社しなければならなかった

経費精算システムとの連携で経費精算プロセスの効率化

経費精算システムとの連携で経費精算プロセスの効率化

石黒さん:新法人カードの選定における必要条件は、国内外を問わずカバレッジが広いこと、経費利用分のカード利用代金は法人が精算できること、経費精算システム「コンカー」とのカード利用データ連携が可能なことでした。

福澤さん:導入後に実感しているメリットとしては、公私分離ができる点が大きいと考えています。三井住友カードの場合、ガバナンス強化型コーポレートカードとして経理BPOサービスを受けることができます。法人カードは公費にしか利用できませんが、万が一経費精算時に公費と認められなかった場合、修正申請や再度の精算に掛かる無駄なプロセスを簡略化できます。

 

石黒さん:法人カードの刷新は、従業員数の多い企業にとって、実はすごく大変なことです。どのように切替えていくのかはもちろん、経費精算システムとの連携をどうしていくか、間違って利用した私費の処理をどうするか、従業員にどう啓発していくか等々、さまざまな課題があります。しかし、これについてはカード会社としっかりコミュニケーションを取りながら解決策を見つけていくしかありません。これまでとは全く違うことに取り組むので、当社における経費精算の全体を把握してもらった上で、何ができるのかを一緒に考えることが重要です。そうした意味では、三井住友カードの担当者は非常にしっかりと当社の課題に向き合い、スムーズな移行の実現に向けて協力してくれました。

経理業務の効率化や従業員の経費申請・承認フロー構築にも役立った

福澤さん:我々システム部隊の現場としては、人事総務部や経理部署、そしてシステム開発を手掛けるITパートナー、BPO先など、多様な関係者と連携を取らなくてはなりません。三井住友カードの担当者は、「どんなタスクがあり、何をいつまでにやらねばならないか」を当社のリリース計画から逆算して明確に説明してくれたので、それに沿って進めていくことができました。不明点や確認したいことについても、丁寧に対応していただけたおかげで、スケジュールどおりに進めることができました。

石黒さん:我々にとっては10年に一度の大規模な刷新とも言えますから、一緒にそれを実現してくれるカード会社がこれに近い事例をすでに経験しているかどうかが、とても重要でした。三井住友カードにはその経験値があったため、導入がスムーズであったことはもちろん、想定できるリスクや回避するための方法論などについてもアドバイスをもらうことができました。

また、従業員の経費申請・承認作業も大きく効率化することができました。出張に出掛けているメンバーがホテルや新幹線などの利用で法人カードを使った場合、コンカー画面にそのデータが反映されます。従業員は、そのデータをチェックして精算処理をするだけです。

 

福澤さん:コンカーでは、それまで紙でやりとりしていた煩雑な経費精算作業がなくなったことで、ペーパレス化という面でも大きな成果につながっています。また、経費精算申請・処理のために出社する必要もないため、コロナ禍における柔軟な働き方への対応にも役立っています。

 

石黒さん:また、経費精算のプロセスやシステムをしっかり整備し、従業員にも徹底したため、経費利用に対する従業員の意識を向上できたことが大きいと感じます。

 

福澤さん:今回の取り組みは、自社におけるデータ活用という面でも有用であると考えています。コンカーと法人カードの利用を徹底させたことで、データの蓄積と一元化ができているので、データ分析をしやすい環境ができました。今後は蓄積されている経費データを使って、経費利用の最適化に取り組んでいきます。我々デジタル総合戦略部としては、さらに新たなしくみを取り入れることに加え、今あるしくみをより使いやすいものにしていくことも重要な課題です。

経理業務の効率化や従業員の経費申請・承認フロー構築にも役立った

石黒さん: 導入後の成果としては、従業員の出張経費・一般経費の精算に関連するコストの削減が挙げられます。これについては、法人カードの変更だけでなく、経費精算業務を委託するBPOセンターの変更や、携行外貨の廃止など精算作業の簡素化効果も含まれています。

また、人事総務、CFO、システム部門で従来別々に管理していた領域を、組織の壁を越えて共同で改善に向けて取り組んだことも大きな効果がありました。

 

総合商社である三井物産は多様な事業を展開しているため、常に多様なクライアント・パートナー企業と仕事を進めています。この先、すべての事業においてデジタルは必須になっていきますし、デジタル活用の基盤整備や機能を提供できるかどうかは総合商社にとって重要な要素になりつつあります。我々はDX戦略をさらに強化しながら、デジタルを駆使して課題解決ができる総合商社として、社会により広く貢献していくことを目指していきます。

 

三井住友カードは、クレジットカードの決済データを活用したデータ分析支援サービス「Custella(カステラ)」も展開しているので、社内の各種DXプロジェクトでの活用を検討し、新たな事業展開に役立てていこうと考えています。

導入ポイント

  • 国内外を問わずカバレッジが広く、1枚のカードで対応可能
  • 法人カードの利用を徹底することで、従業員による経費立て替えが不要
  • 従業員にとって使い勝手が良く、法人カードの利用徹底を進めやすい
  • 法人カードの利用によって経費データがコンカーに自動連係され、手入力が不要できる
  • DX観点での経験値が豊富な三井住友カードの担当者が、プロセス設計やシステム構築など当社に寄り添ってサポートしてくれる

効果

  • 従業員の法人カード利用率は約8割に改善
  • 経費精算システム・コンカーとの連携で経費精算業務の負担軽減
  • スピーディーな経費申請・承認処理を実現
  • 経費精算業務におけるペーパレス化
  • テレワーク環境にも対応し、経費精算のための出社が不要に
  • 三井住友カードの担当者と議論を交わしながら、最適なプロセス・システムを構築
  • ガバナンス強化型コーポレートカードの機能で、経費精算時の公私分離が可能に
  • 経費利用における従業員の意識向上
  • データドリブンな経営戦略への活用

三井物産株式会社様が導入した法人ソリューション

ガバナンス強化で管理業務の効率化と経費削減が実現

三井物産株式会社

本社所在地:〒100-8631
東京都千代田区大手町1-2-1

URL:https://www.mitsui.com

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