「入力レス・承認レス・チェックレス」の仕組みを一気通貫で実現

左から藤村さん、細貝さん、中島さん、鎌田さん

左から藤村さん、細貝さん、中島さん、鎌田さん

シオノギビジネスパートナー株式会社

取締役社長:細貝 優二さん

経理財務事業部 事業部長:中島 誠さん

経理財務事業部 シオノギ債務グループ マネージャー:鎌田 由紀さん

経理財務事業部 シオノギ債務グループ :藤村 奈々湖さん

導入前の課題

導入効果

国内グループ会社の間接部門を担う企業として、グループ全体の経営ビジョン実現に貢献するため、ガバナンス強化と業務効率向上を目指す必要があった

すでに導入していた三井住友コーポレートカードに経費精算システム「コンカー」を連携させ、経費の“見える化”と「入力レス・承認レス・チェックレス」の仕組みを実現

経費申請の入力ミスによるエラーや申請漏れが多く、経理部門の承認業務の負荷が高かった

カードデータの自動連携によって、入力ミスをなくし、従業員と経理部門の手間を削減

導入後も、従業員に経費利用の考え方が浸透せず、エラーや問い合わせが発生していた

従業員教育の試行錯誤を重ね、三井住友カードやコンカーからの情報提供をFAQ の作成や情報発信に役立てた結果、エラー防止と問い合わせ件数の大幅削減を実現

ビジョン達成に貢献すべく、間接業務のベストプラクティスの実現に取り組む

ビジョン達成に貢献すべく、間接業務のベストプラクティスの実現に取り組む

細貝社長: SHIONOGIグループは、新薬開発を中心に事業を展開する製薬企業であり、そのルーツは1878年創業の薬種問屋「塩野義三郎商店」です。これまで、サルファ剤「シノミン」や世界初のオキサセフェム系抗生物質「シオマリン」、高コレステロール血症治療薬「クレストール」などの成功により成長を遂げてきました。

近年は、抗インフルエンザウイルス薬「ゾフルーザ」や新型コロナウイルス感染症の治療薬「ゾコーバ」などを開発し、患者さまに新たな希望をもたらす新薬の開発・提供に取り組み続けています。

SHIONOGIグループには、国内11社、海外32社が所属し、グループ全体で4959名の従業員を擁しています。(2024年3月現在)私たちシオノギビジネスパートナーは、国内のグループ各社から間接部門の業務を受託し、経理・財務・人事・総務・マーケティングなどを中心とした業務を行っています。

現在、グループ全体では、2030年に成し遂げたいビジョンとして、「新たなプラットフォームでヘルスケアの未来を創り出す」ことを掲げており、その実現とさらなる成長を達成するために新たな中期経営計画に取り組んでいます。間接部門を担う当社には、海外事業における経理財務面の意思決定に貢献できるような情報提供と、国内事業における間接業務の効率化推進が求められています。私たちは、今後もSHIONOGIグループ全体のビジョン達成に貢献すべく、間接業務のベストプラクティスの実現に取り組み、日本における間接部門のトップランナーを目指していきます。

経費の“見える化”を図るためカードデータと経費精算システムを連携

経費の“見える化”を図るためカードデータと経費精算システムを連携

細貝社長:当社に求められている役割の一つは、SHIONOGIグループ全体における間接業務の効率化です。とはいえ、直接的な業績貢献ができない経理・財務の業務には、そう多くのリソースを割くことは難しいため、限られた予算の中、外部の最先端の技術をうまく取り入れて、アレンジしていくことが非常に重要であると考えています。

私たちは以前から「Fit to Standard(アドオン開発を行わず、業務内容をシステムの標準機能に合わせていく手法)」という考え方で、IT関連業務の内製化がアウトソースの活用へと変わりつつある時期から、外部システムや外部ツールの活用に取り組んできました。1990年頃にテスト的に三井住友コーポレートカードを導入した後、2000年頃のIT化に合わせて全従業員を発行対象としました。その後、2018年に経費精算システム「コンカー」を国内グループ会社に一斉導入し、カードデータと連携させることで、経費の“見える化”を図っています。SHIONOGIグループが2030年に実現したいビジョンに貢献していくためにも、間接部門の業務品質を担保しながら効率化を進め、ガバナンス強化も同時に行うことを目指したのです。

 

中島さん:カードデータを経費精算システムに連携できれば、ガバナンス強化に非常に役立つと考えました。コンカーを選択したのは、事前承認の機能があり、従業員が経費を使う前にシステム上で事前承認を行った上で精算できるという点が大きかったですね。

 

以前に利用していた経費精算のシステムには事前承認の機能がなく、上長に直接承認をとる形だったので、こちらにデータ共有されませんでしたが、行為の妥当性と金額の大きさを確認するためにも、事前承認の証跡を残せる仕組みが必要でした。三井住友カードはコンカーとの連携性も高く、利用できる加盟店が拡大されている点も従業員にとって利便性が高いと考えました。

 

カードデータがコンカーに自動連携され、上流から正しいデータが流れてくることで、私たちは承認業務を軽減でき、そのまま会計データにつなげることができます。また、従業員は手入力の手間を削減できるので、双方、効率化を図ることができます。決算業務についても、想定通りに正しいデータが流れてくればすんなりと終わるはずなので、こちらのスケジュールと品質も担保できると考えました。

課題

  • SHIONOGIグループ全体のビジョン実現に貢献すべく、ガナバンス強化と業務効率の向上を目指す必要があった
  • 経費精算システムにカードデータ連携させることで経費の“見える化”を行い、ガバナンスを強化したいと考えた
  • 以前の経費精算システムには、事前承認の機能がなかったため、事前承認の証跡が残せなかった
  • 従業員の手入力の手間を削減し、エラーを防止と経理部門の承認業務を軽減したかった
  • データ連携でエラーを防ぎ、決算業務の早期化も図りたいと考えていた

経費の“見える化”により、さらなる業務効率化とガバナンス強化へ

従業員の金額の入力ミスがなくなり、上長による承認の証跡も残せる

従業員の金額の入力ミスがなくなり、上長による承認の証跡も残せる

鎌田さん:現在、経費を使う可能性のある国内グループ各社の全従業員にカードを発行しています。経費利用が最も多いのは営業活動を行うMRです。主な費目は、旅費交通費、出張時の宿泊費用、駐車場料金、接待などでの飲食店の利用などに加え、医療従事者の方に向けた説明・提案を行う講演会を開催する際の会場利用料や弁当代、慰労会の費用などが挙げられます。研究者の資料購入にも使いますし、営業資料を送付する際の切手代・印紙代も購入できるので便利です。

藤村さん:コンカーによる事前承認は、駐車場の利用料金やETCの通行料金、近郊の旅費交通費など、毎日使うものについては不要とし、新幹線の利用や宿泊費など、金額が大きなものに対して行っています。

 

鎌田さん:導入による成果としては、経費を“見える化”できたことが大きいですね。まず、カードデータをコンカーに自動連携させることで、従業員の金額の入力ミスがなくなり、正しい数字データを得られるようになりました。ガバナンス強化の面では、経費の事前申請をするフローを構築できたことが大きいですね。上長による承認の証跡を残せるようになり、よりしっかりとした仕組みを構築できました。

 

藤村さん:従業員のカードデータの中に未精算のものがある場合は、コンカーから定期的に自動で精算をお願いするメールを飛ばすことができます。長く残っているものについては、私が月に数回、お願いのメールを直接送っています。

従業員に浸透させていくためにマニュアルやFAQを整備

細貝社長:コンカー導入の際には、従業員に浸透させていくために、どういう考え方でやっていくのか試行錯誤を重ねていきました。経費を利用する全員が一律でこの仕組みを使うものの、MRは毎日頻繁に使い、製造現場や研究部門の従業員は数カ月や1年に1回しか使わないという違いがある。正しく使ってもらうために、経費利用の多い従業員には集中的に教育を行い、めったに利用しない従業員に対しては、マニュアルやFAQ整備し、トラブルなく使える環境を用意することとしました。

 

中島さん:以前から当社では、新人教育の一環として、入社時研修のカリキュラムで経費精算における考え方やルールについて講義を行っていました。しかし、コンカー導入によって、以前の使い慣れた自社システムとは考え方が根本的に変わります。事前承認だけでなく、証憑類の電子化や、電子帳簿保存法に対応するタイムスタンプを入れるなど、覚えなくてはならないルールがたくさんありました。

 

上流でのエラーを防ぐためにも、使い方だけでなく、こうしたルールまでしっかりと浸透させる必要があったため、コンカー利用を周知するチームを組み、対面による講義の実施や、マニュアル資料やFAQの作成などを進め、定期的な情報発信も行いました。

 

鎌田さん:当社では、以前からホームページに経費精算関連のFAQを掲載していましたが、コンカー導入と同時期に、FAQのシステムも導入しました。そもそもは、間接部門に対するさまざまな問い合わせに対応していくことを目的としていましたが、コンカー導入によって一気に活用が進んだように感じます。

 

藤村さん:三井住友コーポレートカードについては、別途ホームページを作って、「ここを見ればすべての手続きができる」という仕組みを作りました。利用可能な経費や精算の期限、さらには会社のカードを個人で利用しないことなどをきちんと理解してもらうことが必要です。そのため、三井住友コーポレートカードの利用について、基本を学ぶ単独の教育研修も実施したり、毎年、全社員に再度周知するためのメールを送ったりしています。

 

中島さん:導入後も、グループ会社の全従業員に浸透させることはそう簡単ではありませんでした。経理部門として、全社におけるエラーをなくし、問い合わせを減らしたいという一念のもと、ひたすら試行錯誤を重ねていきました。その一つが、社内イントラで教育するシステムです。e-ラーニングのシステムを導入し、2021年からは、年に一度、経費に関する基本の知識を学べる資料と簡易的なテストを行うプログラムを配信することで、従業員の理解度を測っています。

カードの運用方法も試行錯誤しながら運用体制を模索

カードの運用方法も試行錯誤しながら運用体制を模索

中島さん:最初に導入した時期は、会社側で決済する方式をとっていましたが、経費精算を忘れる従業員が多くいたため、期限を守ってもらうために個人口座の決済としました。しかし、それでも忘れる人はいるもので、結局、個々の従業員に対し、期日までに自分の個人口座に入金してもらう督促の連絡をすることが必要になり、経理部門の工数が増えてしまいました。その上、間に合わない場合は、会社側で支払いを行うタスクも発生したので、「やはり、会社の経費は会社が払うべき」と考え、会社一活で支払う方式にまた戻しました。これについても、試行錯誤がかなりあった上で、今の運用体制ができたと感じます。

鎌田さん:個人口座で決済していた時期は、口座に入れる資金を確保するために、従業員が経費申請のカレンダーに沿って申請・承認を行うことが必要でした。申請の期限を過ぎた場合は、精算自体が間に合わないことになります。従業員が出納日を把握できるような仕組みを作ってはいたものの、把握していないケースもあり、個別の督促を行うことが必要でした。会社一括で支払うようになってからはその負担が減り、間に合わないことに対するクレームの電話を受けることもなくなりました。

 

中島さん:三井住友カードさんは、不正利用の情報をタイムリーに共有してくれるので、そうしたサポートが充実している点も非常にいいですね。大手ECサイトで法人カードを使った大量の不正利用が発生したときにも、三井住友カードの担当者さんに「どういう形で周知すればいいか」を相談できました。重要な情報を連携してもらい、素早く周知できることでリスクを軽減できていると感じます。

オンライン手続きやペーパーレス化、ガバナンス強化も進む

オンライン手続きやペーパーレス化、ガバナンス強化も進む

藤村さん:今後、三井住友カードのオンライン手続きの仕組みを活用することで、カードの申し込みや登録情報の変更、会員照会・請求書照会も電子でできるようになります。在宅勤務をしていてもスムーズに手続きができますし、至急の発行が必要な際にも短期間で対応できます。

鎌田さん:証憑類の電子化を進めてきたおかげで、以前に比べて半分近くはペーパーレス化できているように思います。ひと月あたり、ダンボールに数箱分あった紙の証憑類がどんどん減っていますし、郵送ではなく、コンカー上に証憑類の画像がアップされるので、タイムリーな承認ができるようになりました。また、当社では、働き方改革に合わせて在宅勤務の制度を導入しましたが、出社しなくても経費の承認・申請ができる仕組みを構築したことで、新しい働き方に見合う環境がすでに整っています。そうした点も良かったと感じますね。

 

細貝社長:世の中ではさまざまな技術革新が進んでいますが、当社は、三井住友コーポレートカードとコンカーによって、「入力レス・承認レス・チェックレス」の仕組みを一気通貫で実現できました。しかし、それでもまだ手入力の作業は残っています。例えば、MRは日々、医療機関を訪問していますが、病院の駐車場は基本的に現金払いにしか対応していません。現金立替の場合は、紙の領収書を一枚一枚貼り続ける作業なども必要なので、いかに手間をかけず、工数を減らしていくかが重要ですね。

また、直近ではインボイス制度をはじめとする税務コンプライアンスへの対応も迫られているので、今後は、いかに少ない工数で税務コンプライアンスを満たしていくか検討を重ねていきます。

 

鎌田さん:経理部門としても、支払いの手段によって精算方法が変わることが課題だと考えています。現金や請求書払いの場合は、紙の領収書のPDF化やコンカーに手入力する作業が発生しますから。現在、公共料金については、会社の口座から引き落とす形にしていますが、やはりデータ連携できないので従業員が申請しなくてはなりません。こちらについては、現在、三井住友パーチェシングカードをテスト導入して検討を続けています。コーポレートカード同様、データ連携によって入力の手間を省けて、金額データの正確性も担保できるので、ガバナンス強化と共に、承認業務の負担軽減ができるのではないかと期待しています。今後、効果を実感できたら、グループ全社への展開を提案していきたいと思います。

 

一方、インボイス対応では、経理部門で承認を行う際に、領収証や請求書の適格請求書発行事業者の登録番号をチェックしています。13桁の数字を1枚1枚目視で確認するというタスクが発生しているので、今後、どう効率化していくのかが課題ですね。自動化のためにOCRなどで画像を読み込み、正しい状態で申請していくような仕組みを作ることが必要だと考えています。

三井住友コーポレートカードの利用を継続したポイント

  • 事前承認の機能を持つコンカーとの連携性が高く、カードデータの自動連携ができる
  • 使用しているSAPとの親和性が高い
  • 利用できる加盟店が拡大されているため、従業員にとっての利便性も高い

効果

  • カードデータを自動連携できたことで、従業員の入力ミスがなくなった
  • 未精算のものを経費精算システム上で確認できるようになり、精算漏れがなくなった
  • 経費の事前申請フローを構築し、ガバナンスを強化できた
  • 従業員が経費申請のデータを手入力する手間がなくなり、経理部門の承認業務も軽減できた
  • 証憑類の電子化により、在宅勤務時や隙間時間にも経費の承認申請ができるようになった
  • 電子帳簿保存法に対応できた
  • 証憑類の電子化を進めてきたことでペーパーレス化が進み、保管する紙の証憑類を削減できている
  • 三井住友カードから共有された不正利用事例を素早く周知したことで、リスクを軽減できた
  • オンライン手続きの仕組みを利用することで、迅速かつスムーズな手続きが可能になり、承認の記録を残すことによって透明性も担保できる

シオノギビジネスパートナー株式会社様が導入した法人ソリューション

ガバナンス強化で管理業務の効率化と経費削減が実現

ガバナンス強化で管理業務の効率化と経費削減が実現

カード使用者の追加や退会、属性変更、カードご利用枠変更のお届出や、請求書のPDFデータがダウンロードいただけるサービスです。

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シオノギビジネスパートナー株式会社

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大阪市中央区道修町4丁目7番6号 シオノギ道修町ビル

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