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基礎知識

経済産業省のキャッシュレス推進政策は、店舗に追い風!

経済産業省のキャッシュレス推進政策は、店舗に追い風!

日本では、近年インバウンド需要が増加し、さらに2020年の世界的スポーツの祭典、2025年の大阪万博の開催などを目処に、キャッシュレス決済の普及が進められています。その推進役となっているのが、経済産業省によるキャッシュレス推進政策です。
消費者向けのポイント還元や、店舗向けの補助金制度などがおもな内容ですが、このキャッシュレス推進政策について詳しくご紹介します。

目次

経済産業省がキャッシュレス化を進める理由

キャッシュレスとは、「現金を使わずに精算すること、またはその方法」という意味です。レストランでの食事やコンビニでの買物などの支払いなどを、現金払い以外の方法で精算することをキャッシュレスといいます。

以前からよく使われているクレジットカードをはじめ、銀行口座から引き落として即時払いができるデビットカードもキャッシュレス決済の方法です。また、毎日の通勤通学で使っているSuicaやPASMO、買物で重宝するWAONやnanaco、楽天Edyなどの電子マネー、おサイフケータイやApple Pay、さらにはバーコードやQRコードを読み取って精算するコード決済もキャッシュレス決済です。
このように、キャッシュレス決済には数多くの種類があり、一般に普及してきています。しかし、経済産業省がキャッシュレスをもっと普及させなければならないとしているのは、なぜなのでしょうか?

日本はキャッシュレス後進国?

意外に思われるかもしれませんが、世界的に見ると日本はまだキャッシュレスでは後進国です
キャッシュレス推進協議会がまとめた「キャッシュレス・ロードマップ 2019」によると、「各国のキャッシュレス決済比率の状況」(2016年)は、韓国がトップで決済額の96.4%がキャッシュレスです。続いてイギリス、中国、オーストラリア、カナダ、スウェーデン、アメリカ、フランスの各国が約70〜40%となっています。日本はそこから大幅に低く19.9%と2割にも届いていません。
キャッシュレス決済が当たり前となっている世界の中で、日本のキャッシュレス化は大きく遅れていることが分かります。

インバウンド対応に不可欠のキャッシュレス化

日本政府観光局発表の統計では、2011年以降、訪日外国人の総数は毎年「過去最高」を更新し続けています。2018年には初めて3,000万人を超え、2019年も1月から5月まですべての月で前年を上回っています。さらに、2020年には世界的スポーツの祭典、2025年には大阪万博と、世界的なビッグイベントを控えており、訪日外国人の数はますます増加していくものと考えられます。
世界中からもっと多くの訪日外国人がやって来れば、インバウンド消費がいっそう増えることになります。キャッシュレスが当たり前の国々から来たお客さまが不便を感じないように、国内のキャッシュレス環境を整えておく必要があるのです。

インバウンド対応のポイントは?
インバウンド対応で導入したいキャッシュレス決済

経済産業省が推進するキャッシュレス社会とは?

経済産業省では、2025年までに「キャッシュレス決済比率40%」という目標を設定しています。また、将来的には、世界最高水準である80%を目指すとしています。
キャッシュレスを普及推進するための組織として「キャッシュレス推進協議会」を立ち上げ、キャッシュレス普及のための方策や具体的な内容の検討、また実施された施策のモニタリングなどがすでに行われています。
では、経済産業省が描いている将来のキャッシュレス社会の将来像とはどのようなものなのか、具体的に見ていきましょう。

「会計はレジでする」という概念がなくなる

現金決済では、レジまで行って対面により現金のやりとりをする必要があります。しかし、キャッシュレス社会では、「レジに並んで会計する」概念がなくなります。例えば、飲食店ではテーブルについたまま決済できたり、事前に注文だけして商品は専用レーンで受け取れたり、あるいはレシートも電子化によってペーパーレスになるなど、移動や手間をなくし、消費者の満足度を向上させることができます。
また、スマホアプリなどを使って店舗にチェックインしたら、あとは棚から商品を取って買物を楽しみ、そのまま退店ゲートを通過すれば、自動で精算が行われる無人店舗も普及することも予想されています。その場合、レジ自体がなくなり、会計はレジでするという概念もなくなっていくものと考えられています。

自分に合ったキャッシュレスの方法を選べるようになる

現在、さまざまなキャッシュレス決済の方法が登場してきていますが、キャッシュレス社会では、それらのキャッシュレスの方法をどれでも、どこででも使える環境を整備する計画で予定されています。用途に応じて使い分けたり、自分のライフスタイルに合ったキャッシュレスの方法をその場ですぐに選んだりすることが当たり前のようにできれば、消費生活はもっと便利になります。
現在のところ、各種キャッシュレスの方法の普及度には大きな開きがあり、「どこででも、何でも使える」という状況にはありません。しかし、この課題が解決すれば、誰でも自分に合ったキャッシュレスの方法を選択して、どこででも使うことができるようになります

大多数の店舗や公共サービスでもキャッシュレス化が進む

キャッシュレス決済が普及した社会では、現金決済のみの店舗よりもキャッシュレス対応の店舗が大多数を占めるようになります。そして、外食店や小売り店だけでなく、公共サービスの手数料や医療費も、キャッシュレス対応できるように置き換えられていくことになるでしょう。
公共サービスのキャッシュレス化は、システムの大規模な改修が必要となりますが、公的機関が積極的に推進することで、民間の動きをさらに促進することができるとされています。

消費データの利活用で生活がもっと便利になる

近年はキャッシュレスでの支払いデータを連携させて、お金の管理を簡単にできる家計簿アプリも出てきていますが、消費データの利活用が進むと生活がもっと便利になります。例えば、高齢者の支払いデータを親族間で共有できるようになると、生活状況の確認や詐欺被害の防止、見守りなどに役立てることも可能になるかもしれません。
現在、そうしたデータの利活用の検討は着々と進められています。データの利活用はキャッシュレスで最も広がりのある分野で、さまざまなアプリやITサービスの登場が期待できます

■キャッシュレス社会(将来像)のロードマップ

キャッシュレス社会(将来像)のロードマップ

国が推進するキャッシュレス化の未来像とは?経済産業省・海老原要氏が語る

経済産業省のキャッシュレス推進事業

経済産業省はキャッシュレス推進のための目玉として、「キャッシュレス・消費者還元事業」を2019年10月1日(火)から2020年6月30日(火)まで期間限定で実施します。これは、2019年10月1日(火)からの消費税増税に伴って行われるもので、増税による消費の落ち込みを抑えると同時に、キャッシュレスの推進を図ることを目的とした優遇措置です。
事業の内容には、一般消費者向けのものと事業者・店舗向けのものがあります。それでは、それぞれの概略を解説していきましょう。

キャッシュレス ロゴ

消費者向けにポイント還元

まず消費者向けには、キャッシュレスで支払った場合のポイント還元事業があります。「キャッシュレス・消費者還元事業」の加盟店でキャッシュレス決済にすると、支払額の2%または5%がポイントとして還元されます。
消費税は8%から10%へと2%アップしますが、そこから5%のポイント還元があれば、実質的には減税と同じメリットを得られます。

店舗向けにキャッシュレス導入を補助

次に、店舗向けの事業です。
新たにキャッシュレス決済のための端末機器を導入する店舗向けに、政府は補助金制度を制定しています。決済事業者が導入費用の3分の1を、国が3分の2を負担してくれるため、実質的には導入費用は0円となります。ただし、この補助金を利用できるのは、中小・小規模の事業者に限られています。

決済端末の導入費用が無料に!?国が補助する「キャッシュレス・消費者還元事業」

キャッシュレス端末を導入すれば、消費者向けのポイント還元がある店舗となる条件も整い、集客力のアップが期待できるでしょう

これからはキャッシュレスが必須の時代に

世界的なキャッシュレス決済の動向に加え、経済産業省によるキャッシュレス推進事業の後押しによって、今後は日本でもキャッシュレスが決済手段の主役の時代となります。それは、小規模な店舗であっても、例外ではありません。
補助金などの優遇措置を活用すれば、キャッシュレス端末の導入コストも安く済みます。また、手軽に導入できてPOSレジとしても使える「Square(スクエア)」のように、高機能なキャッシュレスシステムも登場しています。この機会を逃さず、キャッシュレス決済の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

Square(スクエア)

  • 別ウインドウでSquare, Inc.のサイトへリンクします。
  • QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

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