×

基礎知識

今こそ導入したい!非接触型(コンタクトレス)決済とは?種類やメリットを解説

今こそ導入したい!非接触型(コンタクトレス)決済とは?種類やメリットを解説

昨今、キャッシュレス化が推進され、現金を用意しなくても支払いが行える店舗も多くなっています。端末やスタッフと接触せずに支払える非接触型決済は、手軽さに加えコロナウイルス対策の観点からも注目されている決済方法です。

ただ、いざ導入するとなると種類や支払い方法が複数あり、費用やセキュリティ面もそれぞれ違うため、どれを導入して良いのか迷っている事業者も多いでしょう。

今回は、非接触型決済の種類やメリットを解説します。

目次

非接触型(コンタクトレス)決済とは?

非接触ICチップ(近距離無線通信規格)が搭載されているカードや、スマートフォンを決済端末にかざして決済を行うことを「非接触型決済」と呼びます。
「コンタクトレス決済」や「タッチ決済」と呼ばれることもありますが、基本的には同じものを指します。
端末に差し込むタイプのクレジットカードや現金での支払いに対し、非接触型決済はスマホやカードを決済端末にかざすだけで、手軽に、スピーディーに支払うことができるのが特徴です。

非接触型決済の日本と世界各国の違い

日本国内でも、非接触決済・キャッシュレス決済などを目にする機会は増えています。海外との違いはあるのでしょうか。
以下では、採用されている決済方法とその普及率を、世界各国と比較しながら解説します。

海外で採用されている非接触型決済

海外と日本における非接触型決済の違いとして、非接触型決済の「規格」が挙げられます。
日本の非接触型決済は、ほとんどが「NFC Type-F」の規格を採用している「FeliCa」ですが、世界的には「NFC Type A/B」が主流です。

欧州やアジアでは、クレジットカード決済の約半数がタッチ決済となっていて、特にタッチ決済対応が進んでいるのはシンガポールと韓国です。韓国では、クレジットカードのタッチ決済ではなく、日本でいうSuicaなどのような交通ICカードの「T-moneyカード」が主流になっています。

日本と世界の普及率の違い

日本では、2019年10月の消費増税の際、キャッシュレス・ポイント還元事業(キャッシュレス・消費者還元事業)を導入するなど、国を挙げてキャッシュレス化を推進しています。
ですが、非接触型決済をはじめとしたキャッシュレス決済の利用率を海外諸国と比較してみると

  • ・韓国(96.4%)
  • ・中国(60%)
  • ・シンガポール(58.8%)
  • ・日本(19.8%)

とキャッシュレス決済普及率に関して世界的に見ても遅れをとっているのが現状です。

出典:経済産業省 キャッシュレスに関する説明資料などより、 「キャッシュレスの現状及び意義」 「キャッシュレスビジョン

  • 別ウィンドウで経済産業省のPDFが開きます。

非接触型決済の種類は主に4つ

非接触型決済の種類は主に4つ

非接触型決済といってもスマホやICカード、アプリなど使用するツールや利用方法は多岐にわたるため、利用してみたいと思っていても理解が難しいといった方も少なくありません。
以下では、

  • ・クレジットカード決済
  • ・スマホ決済
  • ・QRコード決済
  • ・交通系ICカード決済

の4種類に分けて解説していきたいと思います。

クレジットカード決済

通常、クレジットカードは端末に挿入しての利用が一般的でしたが「NFC」を搭載しているクレジットカードの場合、端末に近づけるだけで支払いをすることが可能です。

NFCとは、「近距離無線通信規格」のことで、非接触ICチップが搭載されているクレジットカードなら短い通信エリアで通信が可能な規格です。

また、非接触決済ができること以外にも、従来のクレジットカード決済と異なり、本人確認のサインが不要であることも、スピーディーに支払いをできるメリットにつながっています。

スマホ決済

スマホ決済は、非接触型のICタグNFCが搭載されているスマホで利用できる決済方法で、非接触型の読み取り端末にスマートフォンをかざすことで支払いをすることができます。
スマホ決済の特徴の1つとして、使用するスマホによって、対応する決済サービスが異なることが挙げられます。

iPhoneの場合は、Apple社が提供している「Apple Pay」、androidスマホでは、Googleが提供している「 Google Pay™ 」となります。クレジットカードやカード型電子マネー、交通系ICカードなどと紐づけ一元化することが可能なので、カードの用意や現金のやり取りをする必要がなくなります。

QRコード決済

「PayPay」や「LINE Pay」を始めとしたQRコード決済は、利用者(または店舗)が提示したQRコードを読み取ることで支払いができる決済方法です。利用するには、スマホにあらかじめアプリをダウンロードし、個人情報を紐づける必要があります。

決済方法としては、大きく「ストアスキャン」と「ユーザースキャン」の2種類があります。ストアスキャンは、利用者がアプリ内のQRコードを提示し、店舗側がQRコードを読み取る方法で、店舗側は読み取りの機器や端末を用意する必要があります。
対して、ユーザースキャンは、店舗側がQRコードをレジ横などに用意し、利用者は対応のアプリ内でQRコードを読み取って支払いを行う方法で、店舗が専用の端末を用意する必要はありません。

交通系ICカード決済

交通系ICカード決済は、国内の鉄道会社により発行されており、「Suica」や「PASMO」などが代表的です。基本的には、交通系ICカードにチャージした分の支払いができるようになります。
また、クレジットカードと紐付けることで、残高が一定以下になると自動でチャージされる「オートチャージ機能」も利用することができます。

公共交通機関の乗車券や定期券としての側面が強く、NFCを基につくられた「FeliCa」の技術が搭載されているため、端末にかざして約0.1秒という速さで支払いができます。
現在では、公共交通機関以外にも、身近にある自動販売機やコンビニなどでも交通系ICカード決済に対応しており、独自のポイントが付与されるケースもあります。

非接触型決済の支払いタイプは3種類に分けられる

非接触型決済の支払い方法は、大きく3つに分けられます。

  • ・プリペイド式
  • ・ポストペイ式
  • ・デビットカード式

以下では、非接触型決済における3種類の支払いタイプを解説していきます。

チャージして使う「先払い」のプリペイド式

プリペイド式は、あらかじめ入金した金額で支払うことができる決済方法で、主に交通系ICカードなどで利用されている支払いタイプです。

クレジットカードとは異なり、事前に入金した金額でのみ支払いが可能なので、残高以上の金額が引き落とされることはありません。

また、上限金額が設定されていることがほとんどなので、高額商品よりも日常生活での支払いに向いている支払いタイプといえます。入金方法としては、駅やコンビニに設置してある端末やネット上から入金できるものなど、サービスによって違いがあります。

「後払い」のポストペイ式

ポストペイ式は、クレジットカードと紐づいたシステムで、プリペイド式と異なり、後払い方式の支払いタイプです。
クレジットカードと紐づいているため、設定以下の残額になると自動的に入金されるなど、事前にお金を入金する必要がない利便性の高さが魅力です。
また、クレジットカードから入金することでポイントが付与されたり、クレジットカードと電子マネーのポイントを二重で取得可能なのが特徴といえます。

「即時引き落とし」のデビットカード式

デビットカード式は、支払いの際にはリアルタイムで口座から引き落とされる支払いタイプです。お金の使いすぎる可能性のあるポストペイ式と随時入金する手間のかかるプリペイド式両方のデメリットが気になる方に適した支払いタイプといえます。ただし、デビットカード式に対応した非接触型決済サービスの種類は多くはないため、選択の幅は狭まるのが難点です。

コロナ対策にも。非接触型決済の導入メリット【店舗側】

コロナ対策にも。非接触型決済の導入メリット【店舗側】

人や決済端末に接触せずに支払いができる非接触型決済には、現金やクレジットカードには無い以下のようなメリットがあります。

  • ・感染症対策
  • ・消費者の混雑解消
  • ・売上の拡大

以下では店舗側からの観点で非接触型決済のメリットをそれぞれ解説していきます。

新型コロナウイルス感染症の拡大防止策になる

支払いの際に、直接現金やカードでのやり取りする場合、紙幣の受け渡しやカードを端末にスキャンする際に、コロナウイルスなどに感染するリスクがあります。
店舗によっては、アルコール消毒やアクリルパネルを設置するなど感染症対策を施していますが、服や財布に付着したウイルスなど完全に対策するのは難しいです。
その点、会計時支払いに接触する必要の無い非接触決済はコロナウイルスなどの感染症対策としての役割を期待できるため、消費者に安心してもらえるというメリットがあるのです。

レジ待ちの混雑を解消できる

非接触決済では、支払いの際に必要となる現金の支払いやお釣りの受け渡しなどが無くなるため、会計待ちの混雑を解消できるというメリットがあります。
また、会計待ちの混雑による消費者のストレスの緩和も可能で、顧客満足度の向上も期待できます。
さらに、会計の際には消費者同士のソーシャルディスタンスを確保することもできるので、コロナウイルス感染のリスク軽減にもつながります。

売上の拡大が期待できる

非接触型決済では、クレジットカードと同様に、利用者にポイント還元を行っているケースが多くあります。サービスごとにポイントの付与や特典などの恩恵を受けることができるため、若年層を中心にキャッシュレス決済を利用したいと考える消費者がも多いでしょう。
そういった若年層顧客の獲得に加え、キャッシュレス決済が普及している外国人顧客の獲得ができる意味でも、売上の拡大につながる可能性があります。

非接触型決済の導入デメリット【店舗側】

非接触型決済は店舗側に多くのメリットを与えてくれますが、導入の際にはもちろんデメリットも存在します。

  • ・複数の決済端末費用
  • ・スタッフの教育

これらのデメリットは、導入前から対策をとることが可能なので、非接触型決済の導入を検討している方は必ず確認しておくべき項目です。

決済端末が必要になる

非接触型決済には複数のサービスがあり、多くのサービスに対応できるほど消費者としては非常に利便性が高くなります。
しかし、複数の非接触型決済のサービスを導入するには、専用の決済端末の用意が必要になります。
決済サービスによっては数万円程度の端末を用意する必要があるため、店舗側にコスト面での負担が発生します。
そのため、コストを抑えたい場合には、端末にかかる費用なども把握したうえで、導入を検討する必要があります。

操作方法に慣れる必要がある

非接触決済を導入した際に、実際に利用する店舗の従業員が慣れるまでに時間がかかる場合を考えておく必要があります。会計の際に消費者から伝えられた非接触型決済サービスに対する対応や各端末の決済手順などの研修が必要となるケースが多いです。
また、支払いの際のトラブルなどの対処がスムーズに行えなければ消費者の顧客満足度の低下につながってしまう可能性もあります。そのため、マニュアルを作成するなどの対処が必要となりますが、本格的に運用するまでに時間がかかってしまうというデメリットも考えておかなければなりません。

非接触型決済のメリット【消費者側】

店舗側から見た非接触型決済のメリット・デメリットをご紹介しましたが、消費者側にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
非接触型決済を利用する消費者側のメリットとしては以下の4つが挙げられます。

  • ・スピーディーな会計
  • ・ポイントが貯まる
  • ・現金不要
  • ・サインがいらない

具体的にどういった内容なのか解説していきます。

スピーディーに会計を終わらせられる

会計時における支払いの速さが、現金やクレジットカード支払いとは異なる非接触型決済の大きな特徴といえます。
また、クレジットカードの場合支払い時にはカード会社との数秒間の通信がありますが、非接触決済の場合、一瞬で通信が終わるのに加えサインや暗証番号も必要としません。
そのため、会計が混雑していたり、時間に追われているシーンでは、非常に利便性の高い決済方法といえます。

ポイントが貯まりやすい

非接触型決済による支払いには、サービスごとにポイント還元や特典が用意されていることがほとんどです。また、支払いのみならず、クレジットカードから非接触決済への入金の際にも還元率のボーナスを獲得することもできます。特に、クレジットカードと非接触決済を紐づけることで、支払いや入金の際にクレジットカードと電子マネー両方のポイントを得ることのできる二重取りが大きな特徴といえます。

現金を持ち歩かなくて済む

非接触型決済の場合、事前のチャージやクレジットカードの連携をしておくことで、現金を持ち歩くことなく商品を購入することができます。
財布やバッグを持ち歩く必要がなくなるのに加え、盗難の対策にもなるので日常生活はもちろん海外旅行でも盗難防止として役立ちます。
また、海水浴やウィンタースポーツなどのレジャーの場面でも、非接触型決済は利便性が高いといえます。

サインがいらない

通常のクレジットカードによる支払いの際には、本人確認のためサイン記入を必要とされる場合があります。ですが非接触型決済の場合、本人確認のために必要なサインなしに利用することが可能で、クレジットカードによる非接触型決済は「サインレス決済」と呼ばれています。その反面、非接触型決済による支払いの際には、利用金額の上限が定められていることがほとんどですが、第三者による悪質な高額決済防止の役割を持っているともいえます。

非接触型決済のデメリット【消費者側】

消費者側にも大きなメリットが多い、便利な非接触型決済にも、デメリットはあります。
主なデメリットは以下の2つ。

  • ・セキュリティ面で不安がある
  • ・使える場所が少ない場合もある

以下で詳しくご紹介いたします。

セキュリティ面で不安がある

非接触型決済は世界でも多く利用されていますが、サインが必要ないことからセキュリティ面で不安に思う方もいます。また、クレジットカードの紛失などのリスクはあります。
ですが、非接触型決済はカードを挿入したりする必要がないため、スキミングのリスクが少ないこと、少額しか利用できないことなどから、セキュリティ面での不安はクレジットカード決済などよりも安心できるといえるでしょう。

使える場所が少ない場合もある

非接触型決済による支払いができる場所は急速に拡大しているといえますが、支払いできないケースも存在します。消費者が非接触型決済による支払いがしたいと思っていても、店舗がカバーできていない非接触型決済サービスの場合利用することができません。
また、通信環境が不安定な立地の店舗においては、アプリの立ち上げに時間がかかり、最悪の場合支払い自体が難しいケースが考えられます。

決済端末を一つに。非接触型決済を導入するなら「Square(スクエア)」

Square(スクエア)では、Suica、PASMOなどの交通系電子マネーのほか、iD、QUICPay+™(クイックペイプラス)、Apple Pay、そして各種クレジットカードのタッチ決済に対応しています。
導入申し込みは10分で完了し、必要なのはお手持ちのモバイル端末と無料のアプリ、決済端末だけです。
また、最短即日入金が可能で、通常かかる振込手数料も必要ありません。
手のひらサイズの決済端末「Square Reader(スクエアリーダー)」があれば、挿入するタイプのクレジットカード決済も利用ができます。

  • 「iD」は株式会社NTTドコモの商標です。
  • Apple、Appleのロゴ、Apple Pay、Apple Watch、Face ID、iPad、iPhone、iTunes、Mac、Safari、Touch IDは、Apple Inc.の商標です。
  • Apple Payを利用するにはiOS 10.1以降が必要です。Apple Payに対応しているデバイスについてはhttps://support.apple.com/ja-jp/KM207105をご覧ください。

今回の記事のまとめ

非接触型(コンタクトレス)決済とは?

  • ・スマートフォンを決済端末にかざして支払う方法を「非接触型決済」と呼ぶ。「コンタクトレス決済」や「タッチ決済」と呼ばれることも。

非接触型決済の日本と世界各国の違い

  • ・日本で普及している規格は「NFC Type-F」世界的には「NFC Type A/B」が主流。
  • ・世界的にも日本は非接触型決済の普及率は低い

非接触型決済の種類は主に4つ

  • ・クレジットカード決済
  • ・スマホ決済
  • ・QRコード決済
  • ・交通系ICカード決済

非接触型決済の支払いタイプは3種類に分けられる

  • ・チャージして使う先払い方式のプリペイド式
  • ・後払い方式のポストペイ式
  • ・口座からすぐに引き落とされるデビットカード式

コロナ対策にも。非接触型決済の導入メリット【店舗側】

  • ・新型コロナウイルス感染症の拡大防止策になる
  • ・レジ待ちの混雑を解消できる
  • ・売上の拡大が期待できる

非接触型決済の導入デメリット【店舗側】

  • ・決済端末が必要になる
  • ・操作方法に慣れる必要がある

非接触型決済のメリット【消費者側】

  • ・スピーディーに会計を終わらせられる
  • ・ポイントが貯まりやすい
  • ・現金を持ち歩かなくて済む
  • ・サインがいらない

非接触型決済のデメリット【消費者側】

  • ・セキュリティ面で不安がある
  • ・使える場所が少ない場合もある

店舗経営者の方へ

豊富なキャッシュレス決済に対応!

その他おすすめ記事サイト

キャッシュレスの?が!に変わる場所Have a good Cashless

キャッシュレスの基礎知識やカード活用術、お困りごと解決情報など役立つ情報を発信しています。

個人事業主・スタートアップの方

経営者・個人事業主・スタートアップの担当者が知っておきたいバックオフィスの基礎知識をご紹介しています。

決済サービス・決済端末を導入する際の基礎知識からメリットを丁寧に解説します。三井住友カードプレゼンツ「ペイサポ~お店がはじめるキャッシュレス決済~」